これまでに多くのスマートウォッチを試用してきた筆者が、現在メインとして使っているスマートウォッチは、昨年2024年に購入した「Apple Watch Series 10」です。約9か月使用していますが、iPhoneユーザーにとって、本当に満足できるスマートウォッチはやはりApple Watchだと強く感じています。そこで、今回はApple Watchを使っている際に感じる、ほかの製品にはない魅力を7つピックアップします。
「Apple Watch Series 10」、価格.com最安価格54.647円〜(税込。2025年6月12日時点)、2024年9月20日発売
「Apple Watch Series 10」を使っていて心地よいのは、iPhoneやMacとの連係機能が使えること。これは競合のスマートウォッチではなかなか実現できないところですね。
たとえば、外出時にマスクを着用していてFace IDによる顔認証がうまく使えないときも、Apple Watchを装着していれば、ウォッチに連動してiPhoneの画面ロックが解除されます。同様に、暗い場所でFace IDがうまく機能しないときにも便利です。また、MacBookを開いた瞬間に、パスワード入力やTouch IDによる指紋認証などが不要でログインできることも、日々の運用を快適にしてくれています。
iPhoneの設定画面(左)とMacの設定画面(右)。ここでApple Watchでのロック解除にチェックしておけばOK
また、iPhoneで集中モードを有効にすると、Apple Watchの設定も連動して変更できます。iPhoneはiPhoneで、スマートウォッチはスマートウォッチでとデバイスごとに設定操作をする必要がないので、毎日使っていると、快適さが雲泥の差です。
スマートウォッチを健康管理に使いたい人に対しても、「Apple Watch Series 10」はおすすめです。その理由は、運動の習慣化をサポートしてくれる“運動したくなる仕組み”が整っているからです。
特に「アクティビティリング」という機能は秀逸です。散歩などで運動量が増えると、画面に表示される赤い円が伸びていき、グルっと円が一周すると目標の運動量に達したことがわかります。ユーザーは毎日、この円の完成を目指すことで、散歩やジョギングなどを続けるモチベーションを維持できるという仕掛けです。
筆者は、「アクティビティリング」が見やすい画面に設定してあります。目標の運動量に達していないことがすぐに確認できます
また、特定の条件を満たすとバッジを獲得できるのもポイント。たとえば、1週間毎日目標を達成すると獲得できるバッジなどが用意されているので、これを目標に「もうちょっと頑張ってみようかな」と背中を押されます。
いっぽうで、「今日は調子が悪いな」「足が痛いな」「大事な仕事がある」みたいなときには、こうしたゴールへの挑戦を一時停止し、回復したあとに再挑戦が可能。Apple Watchだからこそ用意されているよい仕組みだと思います。スマートウォッチで運動のモチベーションが上がるのはよいことですが、無理しすぎたら元も子もないですからね。
国内のスマートウォッチのシェアは、Apple Watchが1位です。ざっくりですが、スマートウォッチユーザーの2人に1人はApple Watchを使っています。
つまり、あなたの周りにもApple Watchユーザーが沢山います。なので、もし設定や使い方で困ったときにも、Apple Watchを持っている家族や友人に聞けば、すぐに解決します。また、インターネット上やSNSでも、ハウツーが充実しているので、必要な情報が見つかるはずです。
インターネット上で公開されている「Apple Watchユーザガイド」も情報が充実しています
これが、ほかのスマートウォッチになってくると、「この新機能どうやって使うんだろう……」と思ったときに苦労することが多いです。実際、筆者もWebで公開されている外国語の説明書を翻訳したり、海外のユーザーが見つけてそのブランドのコミュニティに投稿した操作手順を翻訳しながら参照したり、ブランドのサポート窓口に連絡したり、と四苦八苦することも多々。少なくとも、Apple Watchではこうした事態が起こりづらいです。
また、ユーザーが多いことで、アクティビティの共有機能を使って、家族や友人と運動習慣の進捗をお互いに確認しできることもポイントです。
具体的には、ワークアウト(運動の測定)が終了した際、登録している相手に“◯◯さんが何キロのウォーキングを終えました”といった旨の通知が送れるので、受け手は「いいね!」や「頑張ってるね」とリアクションを返せます。これが健康維持のモチベーションにつながりますし、コミュニケーションのきっかけにもなっています。
意外と見落としがちなのが、着け心地です。スマートウォッチで睡眠の測定をする場合は、一日中着けっぱなしになります。だからこそ、バンドの品質や通知のバイブレーションなど、スマートウォッチのクオリティの良し悪しが、着け心地に影響してきます。
その点に関して言えば、「Apple Watch Series 10」は完全無欠。ストラップバンドのバリエーションは公式、サードパーティーを問わずに膨大に販売されていますし、ウォッチケースの形状も角がなく滑らかなので、就寝時に怪我を招く心配がほぼありません。通知の際にブルっと震える振動も穏やかです。
スマートウォッチによっては、硬いバンドしか選択肢がないことで汗ムレが不快に感じたり、ケースが尖っていることで睡眠時に家族に当たって怪我をさせてしまうリスクがあったりもします。また、通知の振動が激しいのも不快。このあたりは、実際に使ってみないとわかりにくいのが厄介なところです。
しかし、少なくとも「Apple Watch Series 10」に関しては、これらがすべて高品質であると言えるでしょう。また、もし買ったバンドがイマイチだったら、それ用にほかのバンドに買い変えてしまえばOKです。
筆者は主に「スポーツループ」バンドを使っています。面ファスナーでサイズが微調整できるのが気に入っているポイントです
Apple Watchシリーズは基本的に毎日の充電が必要です。設定にもよりますが、長くても1.5日ほどしかバッテリーが持ちません。しかし、「Apple Watch Series 10」では充電スピードがかなり速くなったため、付属の充電器を使う場合には、充電時間がストレスになることはありません。ちょっとしたタイミングで充電器にセットすればOKなので、さほど面倒に感じなくなりました。
たとえば、「Series 10」の場合、15分の急速充電で8時間の通常使用が可能であり、30分の充電で80%の充電が可能。60分充電すれば満充電になります。それこそ朝の身支度や、入浴のタイミングで充電器に置いておけば、一日分はカバーできます。
ちなみに、快適に運用するコツは、Apple Watchを充電する場所をあらかじめ決めておくこと。デスク周りや、ベッドサイドなどに、着脱に適した場所に充電スタンドを設置しておけばよいでしょう。
筆者は長らく「Spigen(シュピゲン)」の充電スタンドを愛用。置き場所が決まっていれば、日々のルーティンのなかでストレスなく充電を行えます
Apple Watchシリーズは毎年、OSのメジャーアップデートが展開されています。新機能が追加されることは楽しいですが、ユーザーメリットが大きい部分でいえば、長い期間に亘ってサポートが続くことが魅力です。
たとえば、筆者は以前、2018年秋に発売された「Apple Watch Series 4」を愛用していましたが、同機のサポートが終了したのは2024年秋でした。つまり、発売から6年間も最新OSを使える状態だったのです。Apple Watchは比較的高額に思えるかもしれませんが、5〜6年間、毎年アップデートされると思えば、コストパフォーマンスがよいのがおわかりでしょう。安いスマートバンドを1〜2年で買い替えるサイクルを続けるよりも、お金はかからないかもしれません。
実はサポートが終了した「Series 4」もまだまだ動きます。もうセキュリティアップデートがないので普段は使わないですけど
Apple Watchはユーザー数が多いゆえに、周辺機器が充実しています。「スーツに合うストラップバンドが欲しい」「Apple Watchで使えるモバイルバッテリーはあるかな?」「沢遊びに行くから保護ケースを買っておこう」など、すぐに該当する周辺機器が見つかります。
用途に応じて、必要なオプションを拡張しやすいので、本体そのものを買い替えずとも、いろんなシーンや場面に適用させやすいことは、Apple Watchを使っていて特に感じるメリットです。
筆者が愛用しているCIOのモバイルバッテリー「SMARTCOBY Ex02 Wireless Charger(Magnet & Watch) plus Stand」は、ケーブルなしでApple Watchを充電できるます
iPhoneユーザーがスマートウォッチ選びに迷ったなら、「Apple Watch Series 10」を買っておけば間違いありません。現行のシリーズには「Apple Watch SE(第二世代)」や「Apple Watch Ultra 2」などもありますが、とにかくスタンダードの「Apple Watch Series 10」が“全部入り”の仕様になっています。
また、スマートウォッチ単体で通信が可能な「GPS + Cellularモデル」もありますが、大部分の人は、iPhoneを携帯していると思うので、モバイル通信の使えない「GPSモデル」で十分です。