ランニングが趣味として定着すると、GPS付きのスマートウォッチ欲しくなってきます。なかでも、GPSの精度に定評があり、多くランナーから支持を集めているガーミンはその筆頭。併走するランナーたちの腕を横目に憧れている人も多いでしょう。そこで、ガーミンがランナーに愛される6つの理由を、ランニング好きの筆者が解説します。
初心者におすすめの2大ランウォッチ。左がエントリー向けの「Forerunner 165」、右が中級者向けの「Forerunner 265」。どちらも2024年2月29日発売
数あるスマートウォッチのなかでも、多くのランナーから絶大な支持を集めているのが、GPS機器のパイオニアであるガーミンです。プロランナーのなかにも、朝起きたらまずガーミンでその日のコンディションを確認し、トレーニング強度を決めるという選手がいるほど、その信頼性は折り紙付きです。
ガーミンのランナー向けモデル「Forerunner」シリーズ
「でも、まだ走り始めたばかりの初心者には、多機能なウォッチは必要ないのでは?」と感じるかもしれません。しかし、実は走り方や身体のケア、トレーニングの習慣がまだ確立していないランナーにこそ、ガーミンが真価を発揮します。
高精度なGPSで距離やペースを正確に記録するのはもちろん、あなたの睡眠の質や日々の疲労度までを分析。その日のコンディションに合わせたトレーニングメニューを提案し、無理なく安全に走り続けるためのアドバイスまで提供してくれます。それは、まさに「手首の上のパーソナルコーチ」と呼ぶにふさわしい存在です。
まずは、これからランニングを本格的に始めたいあなたに最適な、2つの人気モデルを紹介します。
エントリー向けの「Forerunner 165」ですが機能は十分すぎるほど
ランニング初心者に人気のガーミンといえば「Forerunner 165」。1.2インチの有機ELディスプレイを採用し、視認性は抜群です。主な機能としてGPS、心拍数計測、血中酸素トラッキング、睡眠トラッキング、運動後の回復までの時間など、健康管理からトレーニングサポートまで幅広く対応します。重量は約39gと非常に軽く、長時間の着用でも負担になりにくいです。
2025年9月25日時点の価格.com最安価格(以下同)は、通常版の「Forerunner 165」が30,980円(税込、以下同)。本体に音楽を保存し再生できる「Forerunner 165 Music」が35,000円。初めてのランニングウォッチとして最適なモデルです。
「165」よりも高度なランニング機能が搭載された中級者向けの「Forerunner 265」
「Forerunner 265」は、本格的なトレーニングを行うランナーや、詳細なデータ分析を求める人におすすめのモデルです。「165」に搭載されている機能は網羅したうえで、さらに、トレーニングのために身体の準備がどの程度整っているのかを数値化する「トレーニングレディネス」や、パフォーマンスを分析し次のステップへのヒントを提示してくれる「トレーニングステータス」といった高度なランニングサポート機能が搭載されています。
また、高度なGPS技術である「GNSSマルチバンド」に対応し、高層ビル街や山間部など複雑な環境での測位精度が格段に向上。1.3インチの有機ELディスプレイは、情報表示量も豊富で視認性が高いです。重量は約47gであり、「165」と比較すると8gほど重いですが、着け心地は十分軽いです。
「Forerunner 265」の価格.com最安価格は50,868円。さらなるランニングレベルの向上にうってつけのパートナーとなってくれます。
ガーミンを使い始めて、まず夢中になるのが、走った距離や時間、ペースといったデータが日々蓄積されていくことです。スマホアプリ「Garmin Connect」を開けば、今日の総走行距離はもちろん、月ごと、年ごとの記録がグラフで表示されます。「今月はこれだけ走った!」「去年の自分を超えられた!」などの達成感が得られ、自分の成長を視覚的に確認でき、モチベーションの維持につながります。走れば走るほどデータが充実し、自分のランニング人生のアルバムを見ているような楽しさが味わえます。
スマホアプリ「Garmin Connect」でのランニングデータの表示画面
ガーミンのGPS精度はランナーにとって非常に大きなメリット。走りながらリアルタイムで正確なペースを確認できるため、目標とするペースを維持しやすいです。「Forerunner 165」と「265」のどちらも、“現在のペース”、“平均ペース”が走行中にも確認できるので、速すぎればペースを抑え、遅ければ上げるといった調整が、感覚ではなく「移動速度のデータ」を基に行えます。特に、「265」はGNSSマルチバンドに対応しているため、高層ビル街や山間部でも、より途切れにくく高精度なデータを取得できます。
さらに、心拍数の測定も正確なので、心拍数が上がりすぎたときにはペースを抑えるなど、「身体的なデータ」を基にしたペース管理も可能です。
「移動速度のデータ」と「身体的なデータ」、この両方を基にしたペース管理によって、トレーニングでも、大会でも戦略が立てられます。後半での失速を防ぐためには、これらのデータ分析が欠かせません。
鮮やかで大きなディスプレイは走行しながらでも、しっかりとデータを確認できます
「Forerunner 265」は、トレーニングステータスから、おすすめの走行ペースを提案してくれます
ガーミンは単に距離や心拍数を計測するだけではありません。計測したデータを基にランナーのレベルや目標に合わせたパーソナルなトレーニングメニューを提案してくれます。
もし参加したいレースが決まっているのであれば、スマホアプリ「Garmin Connect」に登録された世界中のランニングイベントから、参加するレースを選択することで、当日までの期間に応じたあなたのための練習プランが作成されるのです。
また、「Forerunner 265」では、さらに詳細なトレーニングステータスや負荷のバランスなども確認でき、より科学的なアプローチを含んだ練習に取り組めます。
アプリ「Garmin Connect」でのトレーニングプラン作成画面
ランナーにとってバッテリーの持続時間はとても大切です。もし、マラソンの途中でバッテリーが切れてしまい、ペースがわからず、走った記録も残らない、という事態は避けたいものです。「Forerunner」シリーズは、バッテリー性能が非常にすぐれており、「Forerunner 165」は、位置情報を駆動したGPSモードで最大19時間の連続稼働が可能です。「Forerunner 265」は、GPSモードで最大20時間使用でき、いずれも長時間のランニングに対応します。フルマラソンはもちろん、さらに長距離を走るウルトラマラソンでも安心。バッテリー切れを心配せずにランニングを楽しめます。
スマートウォッチは、製品によってバッテリーの持続時間が大きく異なりますが、「Forerunner」シリーズなら安心です
「Forerunner」シリーズは、睡眠の質や心拍変動(HRV)といった生体データを分析し、トレーニング後の身体がどれだけ回復したかを「見える化」します。
「Forerunner 165」は、次のトレーニングまでに必要な「回復時間」を具体的にアドバイスしてくれます。
いっぽう、「Forerunner 265」は、さらに高度な「トレーニングレディネス」機能を搭載。回復状況やトレーニング負荷などを総合的に分析し、今日の練習に対する「準備度」を0から100の数値で明確に示します。この数値は実際の体感とも非常に近く、信頼できる指標だと感じました。
これらの分析結果に基づき、その日のコンディションに最適なワークアウトが提案されます。疲労が蓄積している日は休息をうながされ、調子がよい日には負荷の高いメニューに挑戦できるなど、まさにパーソナルトレーナーのようにオーバートレーニングを防ぎ、効果的にあなたのランニングレベルを引き上げてくれるのです。
日中の活動量から睡眠の質まで、総合的な身体データが「トレーニングレディネス」の数値に反映されます
より速く、より効率的に走るためには、ランニングフォームの改善も欠かせません。ガーミンはその手助けもしてくれます。接地時間、ピッチ(歩数)、ストライド(歩幅)といった詳細なデータを計測・分析。これらのデータを見ることで、フォームの癖や改善点を発見し、より効率的で故障しにくいフォームへの修正が可能です。
自分の感覚だけでは難しいフォーム改善だからこそ、データをチェックしつつ納得して取り組めます。
驚くほど詳細なデータが取得できます
「Forerunner 165」と「Forerunner 265」は、ただ時間や距離を測るだけのデバイスではありません。日々のモチベーション維持から、科学的なトレーニング、身体のケア、さらにはフォーム改善まで、ランナーのあらゆるニーズに応えてくれるまさにパーソナルコーチのような存在です。
もしあなたが「ガーミン、いいな」と漠然と感じているなら、それはあなたのランニングライフが次のレベルへ引き上げられることを直感している証拠かもしれません。Forerunnerを手にすればきっと、これまで以上にランニングが楽しく、充実したものになるはずですよ!