デルの「XPS 13(DX13260)」は、「XPSシリーズ史上最薄・最軽量」を実現した注目のモバイルノートPC。今回、その最小構成モデル(8GBメモリー搭載)をレビューします。基本性能や使い勝手をじっくりチェックしつつ、8GBメモリーでどこまで快適に使えるのか、ライバルとなる「MacBook Neo」との比較も交えて検証していきます。
「XPSシリーズ史上最薄・最軽量」を実現した、デルの13.4インチモバイルノートPC「XPS 13(DX13260)」
デルの「XPSシリーズ」は、同社の個人向けノートパソコンのなかでも特にこだわった仕様を採用するプレミアムブランド。金属製の薄型ボディに高い処理性能を備えたモデルが揃っており、携帯性やデザイン、操作性を重視する、目の肥えたPCユーザーから支持を集めています。
ちなみに、同シリーズは2025年1月に行われたデルのブランド再編にともないいったんラインアップから姿を消しましたが、その1年後の2026年1月に、ユーザーからの強い要望を受けて復活。そのくらいファンの多い製品なのです。
今回レビューする「XPS 13」は、2026年6月に販売が開始された、同シリーズ史上最薄・最軽量のモバイルノートPC。米国では、低価格な13インチMacBookである「MacBook Neo」を意識した製品に位置付けられており、8GBメモリー/512GB SSDの最小構成モデルは699ドルというお買い得な価格で販売されています。
米国での「MacBook Neo」の価格を見ると、最小構成モデルの8GBメモリー/256GB SSDが699ドル、標準構成の8GBメモリー/512GB SSDが799ドル(※6月の価格改定で100ドル値上げされました)。スペックと価格からは「XPS 13はMacBook Neoの真正面のライバル」と言ってよいでしょう。
しかし、日本では事情が異なります。2026年10月15日時点での両者の直販価格を見ると、「XPS 13」は168,320円(税込)で、「MacBook Neo」は137,800円(税込)。直近では「MacBook Neo」の値上げによって価格差が少し縮まりましたが、それでも3万円ほど「XPS 13」のほうが高い状況です。
「XPS 13」は、米国で大きな反響に比べると、国内では価格面で少々不運なスタートとなっています。しかし、それでも「XPSシリーズ史上最薄・最軽量」のボディは、携帯性を重視するモバイルノートPCとして魅力的です。
アルミニウム削り出しの高品位なボディを採用。ボディカラーは淡いブルーが特徴的な「スカイ」
まずは、「XPS 13」の最小構成モデルの基本スペックを見ていきましょう。
プロセッサーには、「Core プロセッサー(シリーズ3)」のエントリー向けである「Core 5 320」を採用。グラフィックスはCPU内蔵の「Intel Graphics」を使用します。先述したように、メモリーは8GB(LPDDR5X-7467)、ストレージは512GB(PCIe Gen4 x4接続SSD)。OSはWindows 11 Homeです。
ディスプレイの仕様が充実しており、13.4インチの2.5K液晶(2560×1600、16:10比)を搭載しています。リフレッシュレートは30〜120Hzの可変式で、輝度は500nits、色域はDCI-P3カバー率100%を確保。また、非光沢加工が施され、ブルーライトを低減する「Eyesafe」にも対応しています。タッチ操作も可能です。
13.4インチの2.5K液晶ディスプレイ(2560×1600)を搭載
外部インターフェースはUSB 3.2 Gen 2 Type-C(10Gbps、映像出力、USB Power Deliveryによる給電に対応)を2ポート装備。無線通信はWi-Fi 7とBluetooth 6に対応しています。
左右に1基ずつUSB 3.2 Gen 2 Type-C(10Gbps、映像出力、USB Power Deliveryによる給電に対応)を用意
本体サイズは296.9(幅)×12.7(高さ)×200.66(奥行)mmで、重量は約1kg。「XPSシリーズ史上最薄・最軽量」はダテじゃなく、非常にコンパクトなボディです。しかも、厚さ12.7mm・約1kgの薄型・軽量ボディでありながら、このクラスとしては十分な容量となる52Whのバッテリーを内蔵。16GBメモリーモデルのカタログスペックでは、Netflixのストリーミング再生で最大17時間のバッテリー駆動が可能とされており、スタミナ面も頼もしい仕様です。
付属のACアダプターは65W出力に対応。高出力ながらコンパクトで、ケーブルと合わせても実測165.2gと軽量なため、本体といっしょに持ち歩く際も負担が少ないです。
本体の実測重量は1054g
ACアダプターとUSB Type-Cケーブルの合計重量は実測165.2g
本体底面。デルのノートパソコンらしくシンプルな作りです
「MacBook Neo」のライバルとして商品化された「XPS 13」ですが、実際に使ってみるとハードウェアに極端なコストカットは感じられません。
特に好印象だったのがディスプレイ。2560×1600の高解像度により、文字や画像を精細に表示できます。また、30〜120Hzの可変リフレッシュレートに対応しているのもうれしい点。滑らかな描画と低消費電力を両立しています。
ディスプレイの最大リフレッシュレートは120Hz
モバイルノートPCとして使い勝手にすぐれるのは、ディスプレイがタッチ操作に対応していることです。スクロールやズーム操作だけでなく、簡単なイラストを描いたり、書類に注釈を入れたりすることが可能。筆圧検知などに対応したアクティブペンは利用できませんが、導電性タッチペンでも簡単な手書き入力は行なえます。「MacBook Neo」はタッチ操作に対応していないので、この点は大きなメリットと言えるでしょう。
アクティブペンには対応していませんが、導電性タッチペンを用意すれば、このぐらいの文字なら無理なく書けます
ディスプレイに加えて、スピーカーのクオリティが高いのも見逃せません。本機には4基のスピーカー(最大出力計8W)が搭載されているのですが、期待した以上の音質でした。いくつかのミュージックビデオを鑑賞してみたところ、十分な音量が確保されており、低音から高音までバランスよく再生できました。個人的にはMacBookシリーズに近い音質を実現していると感じました。
4基のスピーカーを搭載。実際の音質もMacBookシリーズに近いレベルです
ハードウェア面では、「XPSシリーズ」らしくキーボードの品質が高いのも特徴。バックライトを内蔵しているうえ、海外メーカーの製品ながら、英語キーボード用のパネルを流用するのではなく、日本語キーボード専用のパネルが使用されています。文字キーのサイズもほぼ等幅に揃えられており、カーソルキーの上下を除けば、密着しているキーはありません。日本語キーボードとして自然な配列に仕上がっています。
日本語専用に作られたキーボードパネルを採用。キー配置は非常に自然です
「XPS 13」が搭載する「Core 5 320」は、2基のPコアと4基の低消費電力Eコアによる6コア、6スレッド構成のプロセッサーです。最大動作クロックは4.6GHzで、プロセッサーのベースパワーは15Wとなっています。上位の「Core Ultraシリーズ」と比べると控えめな仕様ですね。
以下に、いくつかのベンチマークアプリの結果をレポートします。
電源接続時は「最適なパフォーマンス」、バッテリー駆動時は「最適な電力効率」でベンチマークを実施しました
CPUベンチマーク「CINEBENCH R23」を実施したところ、CPU(Multi Core)は7098pts、CPU(Single Core)は1935ptsとなりました。Webブラウジング、Officeアプリによる文書作成、オンライン会議など、一般的な用途であれば十分な性能です。
いっぽう、「CINEBENCH 2024」はメモリー不足を示すエラーが発生し、実行できませんでした。原因は断定できませんが、8GBというメモリー容量が影響した可能性があります。
「CINEBENCH R23」のCPU(Multi Core)は7098pts、CPU(Single Core)は1935pts
「CINEBENCH 2024」はメモリー確保に関するエラーが発生し、実行できませんでした
GPU性能については、「ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー ベンチマーク Ver.1.1」(1920×1080、標準品質、ノートPC)を実行したところ、スコアは4287で評価は「普通」、平均フレームレートは約29.2fpsとなりました。「ファイナルファンタジーXIV」ならプレイできないわけではありませんが、グラフィック負荷の高い最新の3Dゲームを快適に動かすにはパワー不足と言わざるをえません。
「ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー ベンチマーク Ver.1.1」(1920×1080、標準品質、ノートPC)のスコアは4287(普通)
ストレージ性能については、「CrystalDiskMark 9」でシーケンシャルリードが6861.99MB/s、シーケンシャルライトが5218.72MB/sを記録しました。SSDはSanDisk製「PC SN7100S」の512GBモデルが搭載されていました。日常的なアプリの利用、ファイル操作で不満を感じることはないでしょう。
「CrystalDiskMark 9」のシーケンシャルリードは6861.99MB/s、シーケンシャルライトは5218.72MB/s
また、実際のアプリでの動作速度を確認するため、動画編集アプリ「Clipchamp」で10分間のフルHD動画(1920×1080、24fps)を書き出してみたところ、所要時間は3分40秒25でした。完成した動画のファイルサイズは1.61GBです。SNSやYouTube向けのショート動画や、簡単なカット編集程度であれば、ストレスなくこなせるでしょう。
動画編集アプリ「Clipchamp」で10分間のフルHD動画(1920×1080、24fps)を書き出すのにかかった時間は3分40秒25
バッテリー駆動時間については、ディスプレイの輝度とボリュームを40%に設定してYouTube動画を連続再生したところ、バッテリー残量が100%から80%に減るまで2時間37分53秒かかりました。単純計算では、バッテリー残量0%まで約13時間9分動作することになります。
最後に、「XPS 13」と「MacBook Neo」のスペックの違いをまとめます。そもそもプラットフォームが異なっていますので単純比較はできませんが、ハードウェアの仕様や装備を並べてみると、それぞれの設計思想や強みの違いが見えてきます。
直販価格は2026年10月15日時点(税込)
「MacBook Neo」と比較すると、タッチ操作と最大120Hzのリフレッシュレートに対応するディスプレイ、左右に1基ずつ配置されたUSB Type-C端子、公称重量で約230g軽いボディなどが「XPS 13」のアドバンテージです。
特に「MacBook Neo」はUSB Type-C端子のひとつがUSB 2.0なのに対して、「XPS 13」は両方とも10Gbpsの転送速度に対応しています。しかも端子が左右に振り分けられているので、ACアダプターやモバイルディスプレイを接続する際に、ケーブルを取り回しやすいのも大きなメリットです。
いっぽう、「MacBook Neo」には3.5mmヘッドフォンジャックが用意されていますが、「XPS 13」にはありません。有線イヤホンを使用する場合に、USB Type-C接続の製品や変換アダプターが必要になる点はマイナスポイントですね。
「XPS 13」の最小構成モデルを実際に使ってみて感じたのは、ハードウェア面での完成度の高さです。デルのプレミアムブランドである「XPSシリーズ」の名にふさわしく、デザイン性、製造品質ともにすぐれています。2.5Kのタッチパネル対応ディスプレイや、音質のよいクアッドスピーカー、日本語専用のキーボードなど、しっかりと作り込まれているのも高ポイントです。
搭載するプロセッサー「Core 5 320」は日常用途には十分な性能で、短い動画の書き出し程度なら十分にこなせます。そのいっぽうで、8GBというメモリー容量は現行のWindowsノートパソコンとしては心もとないところ。「CINEBENCH 2024」が完走できなかったように、用途によってはアプリが正常に動作しない可能性があります。
Webブラウジング、動画鑑賞、Officeアプリの利用が中心なら8GBメモリーでも実用的ですが、複数のアプリを同時に使用したり、画像や動画を頻繁に編集したりするのであれば、16GBメモリーを搭載した上位モデルを選択したほうがよいでしょう。用途と予算を天秤にかけ、自身の使い方に合っているかを慎重に見極めたいところです。
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※Amazonのセール価格は2026年10月15日午前7時時点のものです。セール期間の終了や在庫状況によって価格が変動、または売り切れとなる場合があります。ご購入の際は、必ずAmazon販売ページにて最新の価格・在庫をご確認ください。