昨今のノートパソコンは価格高騰が続いています。メモリー高騰と円安のダブルパンチなのでメーカーを責めるわけにもいきませんが、実際問題、購入できるかどうかは話が別。それでも「すぐに買って使いたい!」と考えている人は多いはずです。
そんな人に注目してほしいのが、HPの16インチモデル「OmniBook 3 16 価格.com限定モデル」(以下、「OmniBook 3 16」)。価格.com「ノートパソコン」カテゴリーの人気売れ筋ランキングで1位(2026年9月30日時点)を獲得した人気モデルです。
人気の理由は、109,700円(税込、2026年9月30日時点での価格.com最安価格)という手ごろな価格。とはいえ、安かろう悪かろうでは意味がありません。というわけで今回は、本機の実機をじっくり徹底レビュー! 具体的にどんな用途でどれほど快適に使えるのか、本音でじっくり解説します。
コストパフォーマンスの高さで人気を集めているHPの16インチノートパソコン「OmniBook 3 16」
HPは近年、個人向けノートパソコンのブランド名を「OmniBook」へと刷新しています。そのなかでも「OmniBook 3シリーズ」は、コストパフォーマンスを重視したエントリー向けのモデルに位置づけられています。
エントリー向けとはいえ基本性能は十分で、今回紹介する「OmniBook 3 16」は、プロセッサーにノートパソコン向けとしてはミドルクラスとなる「AMD Ryzen 5 230」を採用。メモリーは16GB(DDR5 PC5-44800)、ストレージは512GB SSD(PCIe 4.0 NVMe M.2)と、過不足ない容量を備えています。OSには「Windows 11 Home」を搭載しています。
ディスプレイには、解像度1920×1200ドット、アスペクト比16:10の16インチIPS液晶を採用。一般的なフルHD(1920×1080ドット)よりも縦に120ドット広いため、Webページや文書ファイルを縦方向に広く表示できます。
フルHDより縦に120ドット広い1920×1200ドットの16インチIPS液晶ディスプレイを採用
ディスプレイの輝度は300カンデラと室内利用には十分。そのいっぽう、sRGBカバー率は62.5%と低めなので、写真や動画の色調整には不向きです。また、ディスプレイ上部には1080pカメラと、「Windows Hello」対応の顔認証センサーを搭載しています。筆者としては、パスワードを入力せず顔認証ですぐログインできるのは便利で好みです。
ディスプレイ上部に、1080pカメラと「Windows Hello」対応の顔認証センサーを搭載。プライバシーシャッターも装備されています
外部インターフェイスは、USB Type-C(10Gbps、USB PD 3.1、DisplayPort 1.4対応)×2、USB Type-A(5Gbps)×2、HDMI 2.1×1、3.5mmヘッドセット端子×1を装備。有線LAN端子とメモリーカードスロットは非搭載なので、有線LANが必須の環境ではUSB接続のLANアダプターを別途用意する必要があります。
右側面にHDMI 2.1×1、USB Type-A(5Gbps)×1、USB Type-C(10Gbps、USB PD 3.1、DisplayPort 1.4対応)×2、左側面に3.5mmヘッドセット端子×1、USB Type-A(5Gbps)×1を配置
本体サイズは約359(幅)×14.7(高さ)×252(奥行)mmで、重量は約1.64kg。4セルのリチウムイオンバッテリーを内蔵し、バッテリー駆動時間は最大24時間。約45分で50%まで充電できる急速充電にも対応しています。
本体の実測重量は1792g
ACアダプターのサイズは実測91(幅)×53(高さ)×31(奥行)mm。ケーブルとの合計重量は実測346g
続いて、「OmniBook 3 16」の処理性能の検証に移りましょう。いくつかのベンチマークの結果をレポートします。
まず、CPUおよびGPU性能を計測する定番ベンチマーク「Cinebench 2026」では、GPUが3617pts、CPU(Multiple Threads)が2323pts、CPU(Single Core)が532pts、CPU(Single Thread)が410ptsという結果になりました。CPUのシングルコアの性能が比較的高く、普段使いにおいて十分なパフォーマンスを備えていると言えます。
「Cinebench 2026」の結果
ゲーミング性能を測定する「ファイナルファンタジーXIV:黄金のレガシー ベンチマーク Ver.1.1」(1920×1080ドット、標準品質、ノートPC)のスコアは3746(評価:設定変更を推奨)、「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION BENCHMARK ver 1.3」(1920×1080ドット、標準品質、フルスクリーン)は2054(評価:重い)となりました。ゲーム用途としては少々厳しい性能と言えます。
「ファイナルファンタジーXIV:黄金のレガシー ベンチマーク Ver.1.1」の結果
「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION BENCHMARK ver 1.3」の結果
ストレージ性能は優秀で、「CrystalDiskMark 9.0.1」ではシーケンシャルリード6677.16MB/s、シーケンシャルライト5275.06MB/sを記録しました。
ストレージはPCIe Gen4 x4接続のSSD「Sandisk PC SN5100S SDFPNSM-512G-1006」を搭載
「CrystalDiskMark 9.0.1」の結果
ベンチマーク結果を総括すると、最新の重量級ゲームや4K動画編集には荷が重いものの、Webブラウジングや文章作成などの事務作業、動画視聴をはじめとする一般的な用途には十分な性能です。フルHD動画の比較的軽い編集もこなせるでしょう。
高速なSSDを搭載していることもあり、普段使いではストレスなくサクサクと使えるノートパソコンと言えます。ストレージ容量が512GBなのが少し物足りないと思うかもしれませんが、クラウドストレージを併用することで無理なく運用できるでしょう。
最後に、実際の使用感をレビューしていきます。
本機のディスプレイはsRGBカバー率62.5%と色域は決して広くありません。しかし、実際に写真などを表示してみると十分鮮やかな表示で、色の階調性も問題ありません。色域の狭い液晶パネルではありますが、実用上は十分な発色に仕上げられていると感じました。
色域はsRGBカバー率62.5%ですが、実用上は十分な発色で表示されます
いっぽう、スピーカーの音質は、上位クラスのノートパソコンと比べると明らかに差があります。最大ボリュームでも大きな破綻はありませんが、低音の量感は物足りず、音が混ざって聞こえるため解像感にも欠けます。YouTubeなどをテレビ感覚で見るぐらいであれば十分な音質ですが、映画やミュージックビデオをじっくり楽しむのであれば、イヤホンやヘッドホンを利用したいところです。
ステレオスピーカーは底面に配置。YouTubeをテレビ感覚で見るなら十分ですが、映画やミュージックビデオはイヤホンやヘッドホンで鑑賞したいと感じました
キーボードの打鍵感は良好です。やや強めの反発力があり、キーを押した感触が明確で、打っていて気持ちよく感じます。ただし、強めにタイピングするとペチペチという音が鳴り、わずかにビビリ音も発生します。英語キーボード用のパネルを流用していない、完全な日本語配列であることは高く評価できます。
なお、個人的には16インチクラスの大画面モデルであっても、テンキーは必ずしも必須ではないと考えています。テンキーを配置したことでEnterキーの幅が狭くなるためです。日本語入力ではEnterキーを多用することから、キーサイズにはもう少しゆとりがあるほうがタイピングしやすいと感じます。
MacBookなどは大画面モデルでもテンキーを搭載していません。数字を大量に入力するユーザーは少数派でしょうし、筆者自身がテンキーを使うのも2月の確定申告ぐらいです。Windowsノートでも、テンキーレスキーボードがもっと主流になってほしいところです。
テンキー付きの日本語配列キーボードを採用
テンキーを搭載しているためEnterキーの幅が狭くなっています。高速でタイピングを行う際、Enterキーの代わりにテンキー側の「7」や「4」を押してしまうことがありました
タッチパッドは135(幅)×86(高さ)mmと広く、ジェスチャー操作も快適です。クリック感も良好。親指の腹などが触れた際の誤操作を防ぐパームリジェクションもしっかり機能するため、大型タッチパッドのメリットを素直に享受できます。
ホームポジションに手を置くと親指の腹がタッチパッドに触れますが、パームリジェクションにより誤操作を防いでくれます
Webカメラの映像はややノイジーですが、室内灯下でも発色は自然です。動画配信に使うにはクオリティ不足ですが、ビデオ会議であれば実用上十分な画質と言えるでしょう。
Webカメラの映像のキャプチャー画像。配信には物足りませんが、ビデオ会議用途であれば十分な画質です
「OmniBook 3 16」は、109,700円(税込、2026年9月30日時点での価格.com最安価格)という価格で購入できるノートパソコンとしては、十分なスペック、納得感のある品質、そして使い勝手のよさを備えています。
本機は、最新ゲームや4K動画編集をこなせるほどの高性能ではありませんが、とにかく価格が安いのが魅力。今買えるノートパソコンのなかでも、コストパフォーマンスは間違いなくトップクラスです。予算が11万円程度なのであれば、筆者自身も購入するだろうと思わせてくれる1台でした。
なお、製品バリエーションとしてオフィスアプリ(Office Home&Business 2024)が付属するモデルが用意されています。こちらの価格は133,900円(税込、2026年9月30日時点での価格.com最安価格)。サブスクリプションサービスの「Microsoft 365」を利用せず、購入してすぐにオフィスアプリを利用したいのであれば、こちらを選んでもよいでしょう。