ASUS JAPANは2015年4月20日、新型スマートフォン「ZenFone 2」を5月16日に発売すると発表した。昨年2014年11月に発売した「ZenFone 5」と同じSIMロックフリーのスマートフォンで、5.5型のフルHD液晶ディスプレイや上位機種で4GBのメモリーを搭載するなど、ZenFone 5よりも高性能なのが特徴だ。同日開催された発表会で同社のジョニー・シー会長は、ZenFone 2を“性能怪獣(パフォーマンス・モンスター)”と呼ぶなど、その高いパフォーマンスをアピールした。
搭載するメモリーとストレージの容量の違いで3機種をラインアップする。市場想定価格はメモリーが4GB、ストレージが64GBの最上位機種が50,800円(税抜)。2GBのメモリーと32GBのストレージを備えたエントリー機種は35,800円(同)。為替の影響もあるが、手ごろな価格のZenFone 5よりも少々値が張る。それでも、インターネットイニシアティブ(IIJmio)やDMM.com(DMM mobile)、ニフティ(NifMo)などが取り扱いを表明しており、MVNOからの引き合いは強いようだ。格安SIMと高性能なスマートフォンを組み合わせて使いたい人にとっては、注目のモデルと言える。
5.5型のフルHD液晶ディスプレイを搭載するZenFone 2。SIMロックフリーのスマートフォンでMVNO各社が取り扱いを表明している
ZenFone 2の価格。5月16日発売予定で、4月20日から予約を受け付ける。最上位機種だけは5月下旬発売予定
ASUSは大手携帯電話会社とは組まず、成長が見込まれるSIMフリースマートフォン市場に注力する
ZenFone 2は、価格.comで人気のZenFone 5の上位モデルだ。ディスプレイが5型から5.5型へ大きくなり、解像度も1280×760から1920×1080のフルHDへ強化されている。IPS方式の液晶で視野角も広い。ディスプレイの表面には、傷に強いコーニング社の「ゴリラガラス3」を使用する。
デザインは、ZenFone 5のテイストを踏襲しつつ、背面にヘアライン加工をあしらうなど、細かな点が改良されている。ディスプレイの大型化にともない、本体も大きくなっているが、フレームが細い狭額縁デザインにより、画面占有率はアップルの「iPhone 6 Plus」を上回る72%を実現。フレームの厚さは約3.3mmと非常にスリムだ。背面のアウトカメラの下に配置されたボタンは音量調整ボタンだ。人間工学に基づいたもので、人差し指で自然に押せるという。音量調整ボタンが背面に配置されたことで、側面のボタンがなくなり、よりスッキリした印象に仕上がっている。
5.5型の大画面スマートフォンだが、狭額縁デザインにより片手で持ちやすいサイズ感を実現
背面に音量調整ボタンを搭載。インテルロゴも配置されている
カメラはアウトカメラが1300万画素、インカメラが500万画素。独自の「Pixel Master技術」を駆使し、薄暗い場所でも鮮明に撮影できる「ローライトモード」や、逆光でもキレイな写真を撮影できる「HDRモード」を搭載。発表会では、ソニーの「Xperia Z3」やアップルの「iPhone 6 Plus」よりも、暗い場所で明るく撮れることを強調した。新機能としては、背面のデュアルカラーLEDフラッシュにより、自然な色味を残しながら明るく撮影できる「リアルトーンフラッシュ機能」が追加されている。
重量は約170g。外部インターフェイスには、microUSB、microSIMスロット×2、microSDメモリーカードスロット、マイク入力/ヘッドホン出力兼用端子を備える。カラーはブラック、レッド、ゴールド、グレーの4色を用意する。
1300万画素のアウトカメラを搭載。ホワイトバランスやISOなどをカスタマイズできる
CPUにはインテルのクアッドコアプロセッサー「Atom Z3580」(2.33GHz)/「同 Z3560」(1.86GHz)を採用する。ジョニー・シー会長は、「コアの数が重要と思っている人がいるかもしれないが、重要なのはコア自体の性能」と語り、各種ベンチマーク結果を紹介してパフォーマンスをアピールした。また、上位モデルは、スマートフォンとして世界初という4GBの大容量メモリーを搭載する(2015年4月時点、ASUS調べ)。すべてのメモリー領域を利用するには、OSのアップデートが必要だが、パソコンと同じように、複数アプリを同時に使用しても、快適に操作できるという。OSには「Android 5.0」を採用する。
インテルのLTEモデムを搭載しており、最大150Mbpsの高速通信をサポート。対応周波数帯(バンド)は、2100(1)、1900(2)、1800(3)、1700/2100(4)、850(5)、800(6)、900(8)、1700(9)、800(18)、800(19)、700(28)MHz。無線LANは最新のIEEE802.11acをサポートする。また、SIMカードを2枚利用できるデュアルSIMに対応しており、1枚をLTE用(通話&通信)、1枚を2G用(通話)として利用できる。
64ビットのAtomプロセッサー、4GBのメモリー、LTEとIEEE802.11acなど、ハイスペックな仕様だ
オクタ(8)コアプロセッサーを搭載したスマートフォンとの比較
スマートフォンでは世界初という4GBの大容量メモリーを搭載
2枚のSIMカードを利用できるデュアルSIMに対応。1つは2Gの通話用で、海外での利用を想定している
バッテリー容量は3000mAhで急速充電に対応。39分で約60%の充電ができるという。急速充電機能を利用するには18WタイプのUSB ACアダプターが必要で、エントリーモデルを除く上位2機種に付属する。また、オプションでモバイルバッテリー「ZenPower」を用意。10050mAhの大容量バッテリーながら、カードサイズでコンパクトなのが特徴だ。5月16日以降発売予定で、価格は3,950円(税抜)の見込み。
このほか、仕事とプライベートで設定などを使い分けられる「SnapView」、子ども用の「キッズモード」、画面を縮小して片手で操作しやすくする「片手モード」などを搭載。ZenFone 5と同様、日本語入力システム「ATOK」をプリインストールする。
3000mAhのバッテリーを搭載。39分で60%充電できるという
別売りのZenPower。10050mAhのモバイルバッテリーで、コンパクトなのが特徴だ。5月16日以降発売予定で、価格は3,950円(税抜)の見込み