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「Apple Music」発表! アップルが定額制の音楽配信サービスに参入

米アップルは2015年6月8日(現地時間)、定額制の音楽配信サービス「Apple Music」を100か国以上で6月30日に開始すると発表した。米国では3000万曲以上を月額9.99米ドル(日本円で約1,200円)で楽しめる。最大6人まで利用できるファミリープラン(月額14.99ドル)も用意する。3か月間は無料で楽しめる試用期間を設ける予定だ。日本で同サービスを開始するかはいまのところ不明。

6月30日にスタートするアップルの定額制音楽配信サービス「Apple Music」

6月30日にスタートするアップルの定額制音楽配信サービス「Apple Music」

One More Thingで「Apple Music」

Apple Musicは、2014年にBeats Electronicsを買収してから、長く噂されていた定額制の音楽配信サービスだ。8日に米サンフランシスコで開催された開発者向けイベント「ワールドワイドデベロッパカンファレンス」(世界開発者会議、WWDC)のOne More Thingsで発表された。

Apple Musicは、iTunesの「ミュージック」アプリに統合されており、iTunes Storeから購入した曲やCDから取り込んだ曲と同じように楽しめる。同社が世界中から雇った音楽の専門家が作成したプレイリストを用意するほか、アルバムや新曲をミックスして、ユーザーにパーソナライズして再生する「For You」という機能も備える。「Siri」に聞きたい曲を話しかけて、Apple Musicの曲を再生することも可能だ。Siriを使う場合は、「2011年2月でナンバーワンの歌」など、自由度が高いようだ。

インターネットラジオ局「Beats 1」も新たに立ち上げる。24時間楽しめるライブのラジオ局で、ロンドンやロサンゼルス、ニューヨークの人気DJが選曲を担当。独占インタビューなども提供する。インターネットラジオでは、ファンクやインディーロック、クラシック、フォークなど幅広いジャンルをカバーし、好みのジャンルを楽しめる。

また、アーティストとファンが交流する場として、「Apple Music Connect」という機能を用意。アーティストが曲の歌詞やバックステージの写真、ビデオなどを共有できる。iPhoneから最新曲をリリースすることも可能だ。ファンはSNSのように、アーティストの投稿に対してコメントできるほか、FacebookやTwitterへシェアもできる。

Apple Musicは、iPhone、iPad、iPod touch、Mac、PCで6月30日から利用できる。Apple TVとAndroidスマートフォンでは今秋に利用できる見込みだ。Androidスマートフォンでどのようなかたちで提供されるのかが気になるところだ。

定額制の音楽配信サービスは、スウェーデンのスポティファイや米アマゾン、グーグルなどが提供しており、世界的に盛り上がりを見せている。日本ではエイベックスとサイバーエージェントが5月27日に「AWA(アワ)」をスタート。LINEも「LINE MUSIC」として聞き放題のサービスを近く開始する予定だ。iPodでダウンロードして音楽を楽しむスタイルを広めたアップルだが、近年では定額制の音楽配信サービスの台頭でダウンロード数は伸び悩んでいた。アップルが定額制の音楽配信サービスに参入することで、同サービスのさらなる拡大が予想され、ユーザーの獲得競争がますます激化しそうだ。

左がインターネットラジオ局のBeats 1。右はアルバムや新曲をミックスしたものを楽しめるFor you。パーソナライズされているのが特徴だ

三浦善弘(編集部)
Writer / Editor
三浦善弘(編集部)
出版社で月刊誌やWebメディアの編集・記者を経験し、2013年にカカクコム入社。「価格.comマガジン」にて、PCやスマートフォン分野を担当。取材歴は20年以上。現在は「価格.comマガジン」全体を統括する。
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