デルは2015年7月23日、軍事や各種産業現場など過酷な環境に対応する堅牢タブレット「Latitude 12 Ruggedタブレット」を7月28日に発売すると発表した。CPUにインテルの「Core Mプロセッサー」を採用した11.6型のWindowsタブレットで、価格は311,100円(参考モデル構成価格)から。マイクロソフトの最新OS「Windows 10」がリリースされた後になるが、Windows 10を搭載したモデルも発売する予定だ。
11.6型液晶ディスプレイを搭載するLatitude 12 Ruggedタブレット
Latitude Ruggedシリーズは、米軍の調達規格「MIL-STD」に準拠した堅牢パソコンで、昨年2014年6月に14型のノートパソコンを発売。その後、12型のコンバーチブルタイプを発売するなど、ラインアップを広げてきた。新モデルのLatitude 12 Ruggedタブレットは、同シリーズ初のタブレットとなる。
シリーズ名のRuggedとは、「頑丈な」「丈夫な」という意味で、最大の特徴は高い堅牢性だ。最大約1.2メートルの高さからの落下(電源オフ時、電源オン時は0.9m)や防水・防塵などの侵入保護、危険場所での利用に対する保証などで、第三者試験機関のテストを実施。MIL-STD-810G、IP-65、MIL-STD-461F、ANSI/ISA.12.12.01など、さまざまな標準規格の認定を取得している。
11.6型の液晶ディスプレイは直射日光の下でも見やすい低反射タイプ。傷や衝撃に強い「ゴリラガラス3」を採用するほか、濡れた状態でも誤操作しにくく、手袋をつけたままでも操作できる。
直射日光の下でも見やすい「ダイレクトビュー」パネルを搭載。画面下のプログラマブルボタンには業務用アプリを割り当てて、すばやく起動できる
本体背面。パッシブ冷却とアクティブ冷却を組み合わせた「第4世代QuadCool熱管理システム」により、50度を超えるような高温の工場内でもすぐれた性能を発揮できるという
IP-65準拠の防塵、防滴ボディで、外部インターフェイス部分は、しっかりとシーリングされている。さまざまな液体から電子部品を守る「HZOプロテクション」というナノテクノロジーを採用することで、液体に対する耐性を高めている
MIL-STD-810Gに準拠した堅牢パソコンやタブレットはいくつか存在するが、Latitude 12 Ruggedタブレットは包括的に多くの項目をクリアしているのが特徴だ
基本スペックも充実している。CPUにはタブレット向けの「Core M-5Y71(1.2GHz-最大2.9GHz)」を搭載。メモリーは8GB(LPDDR3)、ストレージは最大512GBのSSDが選択できる。オプションで256GBの暗号化SSDも選択可能だ。
通信機能はIEEE802.11ac準拠の無線LAN、Bluetooth、専用GPSを搭載。オプションでLTE対応モデルも選べる。LTEの対応バンドは1/3/7/8/20。セキュリティ機能では、スマートカードや指紋認証センサーなどが選べる。OSはWindows 8.1 Pro(64ビット版)、Windows 8.1(64ビット版)、Windows 7 Professional (64ビット版/32ビット版)から選べる。Windows 10リリース後には、Windows 10 Pro 64ビット、Windows 10 64ビットも選択できる予定だ。
本体はかなりがっしりした作りで、本体サイズは312(幅)×203(奥行)×24(高さ)mm、重量は約1.62kg(バッテリー1個装着時)。バッテリーは、電源を切らずにバッテリーを交換できるホットスワップに対応し、最大10時間の利用が可能。
電源を切らずにバッテリーを交換できるホットスワップに対応
スタイラスペンでの操作も可能。ペンは本体に収納できる
オプションでLTE/ HSPA+対応モデムを選べる。SIMカードスロットはバッテリーを取り外したところに備える
同日に東京都内で開催された発表会には、お笑いコンビのロッチの2人が登場。ボケ担当の中岡創一さんは、芸人になる前に5年間、自動車工場で働いていた経験の持ち主で、町工場芸人としても知られる。そんな中岡さんが、Latitude 12 Ruggedタブレットを実際に落としたり、水をかけたりして、堅ろう性をアピールした。
新製品発表会にはロッチの2人がゲストとして登場。Latitude 12 Ruggedタブレットを落としたり、粉じんをかけたりして、その堅牢性をアピールした
Latitude 12 Ruggedタブレットを持って激しく水に打たれるコカドケンタロウさん。1分近く水を浴び続けていたが、Latitude 12 Ruggedタブレットは問題なく動作した