5,000mAhの大容量バッテリーの実力はいかに!?

ASUS「ZenFone Max」詳細レビュー

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5,000mAhという破格の大容量バッテリーを備えたASUSのSIMフリースマホ「ZenFone Max」は、2016年4月22日現在、価格.comの「スマートフォン」カテゴリで2位にランキングされる人気の製品。モバイルバッテリー機能やau系のデータ通信SIMカードに対応するなど、ユニークな特徴も備えている。基本性能をチェックしつつ、大容量バッテリーの実力などを詳細に検証しよう。

約5.5インチのHD液晶を搭載。5,000mAhという大容量バッテリーをボディに内蔵している

約5.5インチのHD液晶を搭載。5,000mAhという大容量バッテリーをボディに内蔵している

HD表示の5.5インチ液晶を装備、実用上問題ない性能・機能を備える

ASUSの「ZenFone」シリーズは、低価格のSIMフリースマートフォンとして人気のシリーズだ。現在、6製品がラインアップされている「ZenFone」シリーズだが、2016年3月18日に発売された「ZenFone Max」は、5,000mAhという破格の大容量バッテリーを備えたロングスタミナモデル。価格.comの「スマートフォン」カテゴリーの人気ランキングでは現在2位、ユーザーレビューの総合評価でも4.66という高スコアを記録しており、注目度と評価のいずれもが高い。(いずれも2016年4月22日時点)。

「ZenFone Max」は、HD表示に対応する約5.5インチの液晶ディスプレイを備えた比較的大きめのボディとなっている。デザイン的にはこれといった、特徴がないが、取り外し可能な背面の樹脂性カバーにはシボが入っており、ぱっと見ると革製のような印象を受ける。

本体のサイズは、約77.5 (幅)×156(高さ)×10.55(最厚部)mmで、重量は約202g。大容量のバッテリーを備えているため厚さや重量は、このクラスの製品としては大きめ/重めである。筆者が普段使っている重量約130gのスマホや、重量約180gのファブレットと比べてもずっしりとした手ごたえで重さを感じた。

HD表示に対応する約5.5インチの液晶ディスプレイを搭載。大きめの画面サイズに対して720×1280ドットと普通なので、細かな文字を表示させた場合に、弱冠にじみを感じることもある

タッチパネルは10点のマルチタッチに対応。こうした細部に、低価格機にありがちな手抜きはない

タッチパネルは10点のマルチタッチに対応。こうした細部に、低価格機にありがちな手抜きはない

オーソドックスな背面のデザイン。背面の樹脂性カバーは、表面に革のようなシボが入れられている

オーソドックスな背面のデザイン。背面の樹脂性カバーは、表面に革のようなシボが入れられている

下側面に備わるmicroUSBポート。防水仕様や防塵仕様にはなっていない

下側面に備わるmicroUSBポート。防水仕様や防塵仕様にはなっていない

大容量バッテリーを搭載しているため、厚みはそれなりにある

大容量バッテリーを搭載しているため、厚みはそれなりにある

カタログ記載の重量は約202gだが、SIMカードを2枚挿した状態で手元の重量計を使って計測した重さは200gだった

機能面を見てみよう。ワンセグやフルセグなどのテレビチューナー、FeliCaおよびNFCポート、赤外線通信ポート、防水仕様および防塵仕様など、日本のケータイに由来する機能いっさいない。このあたりは本機に限らずグローバルモデルをベースにしたSIMフリースマートフォンに共通する傾向である。

処理性能を見ると、クアルコムのクアッドコアCPU「Snapdragon 410 MSM8916(1.2GHz)」を搭載し、2GBのRAM、16GBのROMを備える。外部ストレージとしては最大128GBまで動作確認の取れたmicroSDXCメモリーカードが利用可能だ。プリインストールされるOSは、Android 5.0.2が使われている。これらのスペックは、今選ぶことのできる3万円台前半のSIMフリースマートフォンとしては標準的なものといってよいだろう。

搭載されるセンサー類では、ジャイロスコープセンサーの搭載が見送られている。傾きを検知するジャイロスコープセンサーは加速度センサーともに、ゲームアプリの操作などでも使われるので、ゲームをよくプレイすると言う人は注意が必要だ。

このほかの機能を見ると、ワイヤレスで外部モニターに映像を映し出すことのできる「Miracast」や、microUSBポートに接続したUSBメモリーなどをストレージとして認識できる「USB On-The-Go」に対応している。これらの機能は、低価格モデルでは省略されることも多いので、本機のライバルに対する優位点といえる。

ベンチマークアプリ「AnTuTuベンチマーク」の総合スコアは25220だった。「Snapdragon 410」を搭載するスマホとしては標準的なスコアだ

128GBまで動作確認の取れたmicroSDXCメモリーカードスロットを搭載する

128GBまで動作確認の取れたmicroSDXCメモリーカードスロットを搭載する

「USB On-The-Go」に対応。USBポートに接続したUSBメモリーなどにアクセスできる

「USB On-The-Go」に対応。USBポートに接続したUSBメモリーなどにアクセスできる

約1,300万画素のメインカメラ。高速なレーザーオートフォーカスや、暗い場所でも自然な発色でフラッシュ撮影ができるデュアルカラーLEDフラッシュを搭載するなど、なかなかの高機能ぶりだ

気になるバッテリーの実力。モバイルバッテリー機能はどれだけ使えるか?

前述したとおり、本機は5,000mAhという破格の大容量バッテリーを備えており、長い駆動時間を誇る。カタログスペックでは、連続通話時間が約2,258分(3G)、連続待ち受け時間約914.4時間(3G)/約683.6時間(LTE)、ASUS独自の指標で、解像度720Pのインターネット動画を連続再生できる時間は、約20.7時間(モバイル回線)/約22.6時間(Wi-Fi)となっている。これらの数値を本機の姉妹機といえるスタンダードモデル(バッテリー容量3,010mAh)「ZenFone Go」と比べてみると、の連続通話時間約960分(3G)、連続待受時間約514時間(3G)/約400時間(LTE)、動画の連続再生時間の約10時間(モバイル回線)/約17時間(Wi-Fi)と、多くのスコアで倍以上の数値を記録している。本機のロングスタミナぶりが理解できるだろう。

実際に使ってみたところ、検証を行った5日間で、充電を行ったのは1回だけ。しかも、検証中に1時間以上連続して通信を行ったり、ベンチマークテストアプリを立て続けに動作させるなど、かなり過酷な使用条件も含んだ結果である。本機の駆動時間は、電池が持つと評判の一部スマートフォンと比較してもまったく引けをとらないどころか、むしろ勝っているといっていい。

内蔵式のバッテリーは容量5,000mAhという大容量。本機最大の特徴だ

内蔵式のバッテリーは容量5,000mAhという大容量。本機最大の特徴だ

なお、本機のバッテリーは、USB経由で外部機器用のモバイルバッテリーとしても利用できるのも大きな特徴だ。ほぼばってりーがゼロのAndroidスマートフォンを接続して、供給される電流を調べたところ、450〜480mA程度で推移しており、PCのUSBポートから行う充電とほぼ同じレベルの充電能力を確認できた。専用のモバイルバッテリーと比較するとその能力は低いが、いざというときに、モバイルバッテリーの代わりに使えるというのは、なかなか便利だ。

なお、本機はASUS独自の急速充電規格「Boost Master」に対応しておらず、Qualcommの急速充電規格「Quick Charge 1.0」および「Quick Charge 2.0」のいずれにも対応していない。大容量バッテリーは充電に時間がかかるのがネックだが、本機の場合、急速充電を行う手段がない。

「Quick Charge 1.0」に対応するACアダプターを使った場合も、同梱される1Aの出力に対応する通常のACアダプターを使った場合でも、充電にかかった時間は約4時間40分。カタログに記載されている約4.8時間という充電時間の通りとなった。

同梱されるコネクターとケーブルを使って別のスマートフォンなどに接続することで、いざという時には、モバイルバッテリーとして利用できる

充電中の電流のグラフ。450〜480mA前後で推移している

充電中の電流のグラフ。450〜480mA前後で推移している

本機は、急速充電に対応していない。同梱されるACアダプターは出力が1.0Aの一般的なもの

本機は、急速充電に対応していない。同梱されるACアダプターは出力が1.0Aの一般的なもの

ドコモ系にくわえてau系ネットワーク対応のデータ通信SIMカードも利用可能

SIMフリースマートフォンで重要になるのが、モバイル回線のバンドの種類だ。「ZenFone MAX」では、3G(W-CDMA)ではバンド1/2/5/6/8/19に、4G(FDD-LTE)ではバンド1/3/5/6/8/9/18/19/28にそれぞれ対応している。なお、本機は、SIMカードスロットを2基備えるデュアルSIM機なので、さまざまなSIMカードを柔軟に組み合わせて使うことが可能だ。

本機のバンド対応を見ると、NTTドコモのLTEネットワーク「Xi」で運用中のバンドのうち1/3/19/28の4バンドに対応していることがわかる。これに加えて、auのLTEネットワークである「au 4G LTE」で使われている、LTEのバンド1および18に対応している点も見逃せない。特に、バンド18は800MHz帯を使ったいわゆるプラチナバンドで、「au 4G LTE」ではサービスの中核として使われているだけに、利用価値が高い。

ASUSに確認したところ、「KDDIのバンドだけではなく、弊社の端末は日本で販売するために必要な法律(技術適合認定)を正しく取得して、出荷している」という回答が得られた。つまり、本機では、技術的側面と法的側面の両面でau系のSIMカードに対応している。

なお、「ZenFone Max」は、auが音声通話サービスで使用するCDMA2000方式の3Gネットワークや、LTEネットワーク上で音声通話を行う技術「VoLTE」に対応していないので、音声通話は行えない。それでも、au系のデータ通信対応SIMカードと組み合わせられるSIMフリースマートフォンは現状かなり少ないことを考えると、本機は貴重な存在と言えるだろう。

試しに、auのLTEネットワークを使用するケイ・オプティコムの「mineo」のデータ通信専用SIMカードを「ZenFone Max」に挿してみたところ、最初のネゴシエーションに少し時間がかかったが、あとはすんなりとLTEの接続が確立し、データ通信が行えた。

microSIMカードを2枚利用できるデュアルSIM仕様。データ通信をMVNOの格安SIMカードで、音声通話を通信キャリアのSIMカードでといった使い分けも可能

驚異の長時間駆動は魅力

本機最大の魅力である5,000mAhという大容量バッテリーは、期待通りのスタミナをもたらしてくれる。国内で今選ぶことのできるスマートフォンの中ではもっともバッテリーが持続する1台といっていい。これだけのスタミナがあれば、キャンプなど充電事情が心もとない屋外のレジャーでも安心して使うことができるだろう。モバイルバッテリーとしての性能はほどほどで、専用の製品を置き換えるほどではないが、いざというときの予備として役に立つ。基本性能はそこそこだが、ゲームなどがメインでなければ、実用上はほぼ問題なく、+3万円程度で買えるコストパフォーマンスのよさも魅力だ。auのデータ通信に対応するなど、ユニークな一面も持っている。安くてバッテリーの長持ちするSIMフリースマホを選ぶなら、本機は最有力の1台といえそうだ。

田中 巧(編集部)

田中 巧(編集部)

FBの友人は4人のヒキコモリ系デジモノライター。バーチャルの特技は誤変換を多用したクソレス、リアルの特技は終電の乗り遅れでタイミングと頻度の両面で達人級。

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2017.12.11 更新
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