アップルが腕時計型端末「Apple Watch」を発売したのは去年2015年4月。それから約1年4か月が経ち、新モデルが発表された。モデル名は「Apple Watch SERIES 2」。最大の進化点は、装着したままで水泳ができるほどの防水性能を備えた点だ。ランニングやハイキングなどのエクササイズにApple Watchを利用するユーザーには便利なGPSも内蔵した。
Apple Watch SERIES 2の一番の強化点は防水に対応したこと。初代モデルも高い防水性能を備えていたが、新モデルは装着したまま水泳ができるほど高い防水性能を実現している。各パーツに防水用のゴムパーツを取り付けたほか、密閉するこのできないスピーカーに関しては、中に入った水を音の振動を使って外に排出するスピーカーを開発した。水泳中の動きを正確に測定し、その情報をアクティビティアプリケーションに取り込めるように、700人のスイマーに協力してもらったという。スイミングといっても、プールと海では消費量などが異なることから、別々のワークアウトを用意するなど、こだわって作り込まれている。
パーツとパーツの間はシーリングされている
音の振動で水を外に排出する新機構により、高い防水性能を実現。スライドのように水が飛び出るのか気になるところだ
Apple Watchを装着してランニングやウォーキングをしているユーザーにとって、うれしい改良点がGPSを内蔵したこと。iPhoneを持たずに出発しても距離や速度、ペースを正確に測定できるという。また、走り出す前にiPhoneを経由してGPS信号をつかむまで待つ必要もなくなった。iPhone 7シリーズと同じ、Suica対応の「Apple Pay」が使えるようになったのも特徴だ。
パフォーマンス面では、第2世代の「S2」(System in Package)を搭載。デュアルコアで、従来モデルの「S1P」より50%速く、グラフィックス性能は2倍にアップしている。これにより、最新の「watch OS 3」も他社製のアプリの動作も軽く、スピーディになっているという。さらに、ディスプレイは輝度が大幅にアップし、明るい屋外でも見やすくなった。それでいてバッテリー駆動時間は約18時間と初代Apple Watchと変わっていないのはすごいが、バッテリー駆動時間が伸びなかったのは残念だ。
第2世代SiPのS2を搭載。パフォーマンスはアップしているが、バッテリー駆動時間は初代Apple Watchと同じ18時間
背面にSERIES 2の文字が刻印されている
新しい素材を使ったモデルとして、ホワイトセラミックを使用した「Apple Watch Edition」をラインナップ。ステンレススチールの4倍の硬度をもった素材で傷に強いのが特徴だ。10月下旬には、スポーツ用品大手のナイキと協業した「Apple Watch Nike+」を発売する。こちらは、走るのをサボり気味のランナーに対して、走る事を促す機能が盛り込まれている。高級ブランドのエルメスと協業したモデルも引き続き用意する。
ラインナップは、Apple Watch SERIES 2とSERIES 1の2ライン。どちらも9月9日から予約の受付を開始し、9月16日に発売する。SERIES 1は初代Apple Watchの機能はそのままに、新しいデュアルコアプロセッサーと最新の「Watch OS 3」を搭載したもので、初代Apple Watchとは別物だ。Apple Storeでの価格は27,800円(税別)から。
SERIES 2は無印のApple Watch、ナイキとコラボレーションしたApple Watch Nike+、Apple Watch Hermes、セラミックケースのApple Watch Editionの4つを用意する。価格は37,800円(税別)から。
ホワイトセラミックを使ったApple Watch Edition
Apple Watch Nike+
Apple Watch Hermes
iPhone 7 Plusを持つティム・クック最高経営責任者(CEO)
新製品発表会が開催されたビル・グラハム・シビック・オーディトリウムは歴史あるコンサートホールだ。世界中から多くの報道関係者が集まった