NTTドコモのスマートフォン「Xperia X Compact SO-02J」(ソニーモバイル製)が、11月2 日に発売される。約4.6インチのディスプレイを備えたコンパクトなXperiaで「Xperia Z5 Compact」の後継となる製品だ。その試作機を入手したので概要をレポートしよう。
「Xperia X Compact」は、コンパクトさと使いやすさを両立したボディに、「Xperia XZ」ゆずりの高性能を備えたモデルだ
Xperiaシリーズは、国内ではAndroidスマートフォンの定番モデルとして人気が高い。この冬は、NTTドコモ、au、ソフトバンクの3社から、約5.2インチのディスプレイを備えた「Xperia XZ」がそろって投入されることからもその人気ぶりがわかる。さらに、NTTドコモでは、コンパクトモデルとなる本機「Xperia X Compact SO-02J」も投入される。
「Xperia X Compact」は、720×1280のHD表示に対応した約4.6インチの液晶「トリルミナスディスプレイ for mobile」を採用。ボディサイズは、約65(幅)×129(高さ)×9.5(厚さ)mm、重量は約135gで、最近のスマートフォンとしては、横幅がかなり小さい。
約4.6インチという画面サイズのディスプレイは、HD(720×1280)という解像度。フルHDではないが、逆に、バッテリーの持続性がよくなるなど、トータルバランスがすぐれている
「Xperia XZ」は、背面が金属製のボディだが、この「Xperia X Compact」では、樹脂製のボディが採用される
ヘッドホン端子は上面に配置される。ハイレゾ音源の再生に対応するほか、ノイズキャンセリング機能、圧縮音源の音質を高めるDSEE HXも「Xperia Z5 Compact」から継続して搭載される
下面には、USB Type-Cポートが備わる
厚みは約9.5mm。指紋センサーと一体化された電源ボタン、ボリュームボタン、シャッターボタンが側面に備わる
SIMカードはnanoSIMサイズ。microSDXCメモリーカードは256GBまで使用可能だ
カラーバリエーションは左から、ユニバースブラック、ホワイト、ミストブルー、ソフトピンクの4色
CPUには、ヘキサコアの「Snapdragon 650 MSM8956(1.8GHz×2+1.4GHz×4)」を採用。3GBのRAM、32GBのROMを組み合わせで、OSはAndroid 6.0.1だ。CPU以外は「Xperia XZ」と同じである。なお、CPUのコア数だが、本機が6コアなのに対して、「Xperia XZ」が4コアなので、一見すると本機のほうが高性能なように見える。だが、CPUコアや描画用のGPUの世代が異なるほか、集積度を定めるプロセスルールについても本機が20nmなのに対して、「Xperia XZ」が14nmという違いがあり、実際の処理性能は「Xperia XZ」のほうが上だ。試作機のため、ベンチマークテストは行っていないが、最近のスマートフォンは処理性能が過剰気味なうえに、本機は画面解像度がHDなこともあって、体感速度に不満を感じるようなことはない。外部接続インターフェイスについては、USB Type-Cポートを備えるほか、NFCポートとFeliCaポートを搭載。テレビチューナーについてはワンセグのみで、フルセグには対応していない。
通信機能を見てみよう。LTEの対応バンドは、NTTドコモのLTEでサービス中の、B1/3/19/21/28Bに対応。キャリアアグリゲーションは2波までの対応なので、ダウンロード時の最高速度は262.5Mbpsとなる。なお、VoLTEには対応しているが、高音質コーデックを採用する「VoLTE (HD+)」には対応していない。
バッテリーは容量が2700mAhで、実際の利用パターンに近い条件で計測された「電池持ち時間」も、約95時間となかなか長い。スペック上は、フル充電で4日近く持つことになる。
バッテリー関連の機能では、「いたわり充電」というユニークな新機能が採用されている。これは、繰り返し充電することで起こるバッテリーの劣化を遅らせるもの。具体的には、ユーザーの利用パターンを学習し、充電ペースを工夫することでバッテリーに負担のかかる100%充電の時間を短くできる。
OSはAndroid 6.0.1(通称「Android M」)がプリインストールされる
「Xperia X Compact」には、同時に発表された上位モデルの「Xperia XZ」と同じメインカメラが搭載されている。メインカメラは、画素数約2300万画素のイメージセンサーのほかに、暗い場所でのピント合わせを速く正確に行えるレーザーAFセンサー、ならびにホワイトバランスを正確に計測できるRGBC-IRセンサーという合計3種類のセンサーを組み合わせているのが大きな特徴だ。レーザーAFは、センサーから赤外線を照射し、それが戻ってくる時間を計測することで被写体との距離を正確に計測する。これを使えば今までのオートフォーカスが苦手にしていた暗い被写体とのピント合わせもすばやく簡単に行える。いっぽうのRGBI-IRセンサーは、画質を大きく左右するホワイトバランスを正確に計測し、肉眼の印象に近い撮影が行える。
F値2.0のレンズは24mmの広角撮影に対応。メインカメラのハードウェアは「Xperia XZ」と同じ高性能なものになっている
サブカメラは約510万画素。「Xperia XZ」の約1320万画素より簡略化されている
「Xperia XZ」との違いは、4K動画の撮影機能が省略されている点。フルHDまでの動画撮影に対応する
本機は、今期のNTTドコモのラインアップでもコンパクトな製品だ。同時に発表された超低価格モデルの「MONO」はサイズこそ近いが、性能はまったく違う。ハイエンドモデルの「Xperia XZ」に近い高性能やすぐれたカメラ機能を装備しつつ、ボディを小型にし、バッテリー持ちもいいというトータルバランスにすぐれた製品といえる。
なお、本機の製品版を使った、実際の使用感に迫ったレビューは後日掲載する予定だ。
FBの友人は4人のヒキコモリ系デジモノライター。バーチャルの特技は誤変換を多用したクソレス、リアルの特技は終電の乗り遅れでタイミングと頻度の両面で達人級。