兄弟機の「Xperia XZ」と比較

2016年冬のコンパクトスマホ「Xperia X Compact」の処理性能やカメラ機能をレビュー

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NTTドコモから11月2日に発売中のAndroidスマートフォン「Xperia X Compact SO-02J」(ソニーモバイル製)は、小型ボディに上位モデル「Xperia XZ」ゆずりのカメラ機能などを備えた、取り回しのよい製品である。同時に発売された「Xperia XZ」との違いに着目しつつ、本機のレビューを行った。

小さなボディに「Xperia XZ」の特徴を凝縮させた「Xperia X Compact」。4.6型液晶搭載のボディは手の中にしっくりと収まる

コンパクトにまとめられたボディは、樹脂製だがチープではない

「Xperia X Compact SO-02J」(以下、Xperia X Compact)は、720×1280のHD表示に対応した約4.6インチ液晶を備えた、小型のスマートフォン。最近のAndroidスマートフォンは画面サイズが5インチ台のものが多いので、本機のような4インチ台の製品は貴重だ。

実機は、コンパクトかつボディ側面の丸められた形状の効果もあって、手によくなじむ。「Xperia XZ」は、最近のスマートフォンでは一般的な薄いフォルムなので、感触の違いは大きい。また、「Xperia X Compact」のボディの素材は樹脂製で、アルミ合金を使った「Xperia XZ」とは質感も異なっている。ただ、「Xperia X Compact」は樹脂製といっても塗装に透明感があるのでチープな印象はない。

デザインの細部を見ると、プロポーションは異なるが、「Xperia X Compact」は「Xperia XZ」をそのまま小さくした雰囲気で、指紋センサーを内蔵した側面の電源ボタンやシャッターボタン、キャップレスのUSB Type-Cポートなども共通している。

金属ボディが流行しているが、本機のボディは樹脂製

金属ボディが流行しているが、本機のボディは樹脂製

「Xperia XZ」とサイズを比べてみた、横幅では約7mmの違いがある

「Xperia XZ」とサイズを比べてみた、横幅では約7mmの違いがある

「Xperia XZ」は厚さ約8.1mmだが、「Xperia X Compact」は9.5mm、コンパクトなスマホでは一般的な、ずんぐりとしたシルエットだ

楕円形の電源ボタン兼指紋センサーや、ボリュームボタン、シャッターボタンなどの配置やデザインは共通

楕円形の電源ボタン兼指紋センサーや、ボリュームボタン、シャッターボタンなどの配置やデザインは共通

昨年のハイエンド機に近い処理性能。バッテリーの持ちも良好

処理性能を見てみよう。CPUには、クアルコムのヘキサコア「Snapdragon 650 MSM8956(1.8GHz×2+1.4GHz×4)」を搭載し、3GBのRAMと32GBのROMを組み合わせる。OSはAndroid 6.0。このスペックを、昨年モデルの「Xperia Z5 Compact」と比較すると、RAMの容量が2GBから3GBに増やされた点が大きい。なお、「Xperia XZ」もRAMは3GB、ROMは32GBで本機と共通している。なお、「Xperia X Compact」と「Xperia XZ」、「Xperia Z5 Compact」のいずれもが、NTTドコモが発表したAndroid 7.0のバージョンアップ対象機種になっている。

「Xperia X Compact」は、小さいが高性能というのがポイントだが、上位モデル「Xperia XZ」のほうはクアッドコアCPU「Snapdragon 820」を搭載しており、この点が異なる。この両機にどれくらいの性能差があるのか、定番のベンチマークテストアプリ「Antutuベンチマーク」を使って調べてみた。

「Antutuベンチマーク」の総合スコア。左が、「Xperia X Compact」で77556、右が「Xperia XZ」で127487。かなりの差が開いた

その総合スコアは、「Xperia X Compact」が77556、「Xperia XZ」が127487となり、スコア上ではかなりの差が開いた。なお、「Xperia X Compact」のこのスコアは、筆者が使っている「Nexus 6P」(Snapdragon 810搭載)とほぼ同レベルだ。

なお、サブスコアを見てみると、CPUとRAMのスコアの差は思ったほどはない。だが、描画のスコアである「3D」が、「Xperia X Compact」では16504なのに対して、「Xperia XZ」では51419という大差がつき、上記の総合スコアの結果に大きな影響を与えたようだ。

体感速度も、「Xperia X Compact」と「Xperia XZ」の差は弱冠感じられる。だが、この差を許容できるかどうかは、使うアプリによるだろう。大きな差を感じたのは3D描画を使った「ポケモンGO」など、処理が重いゲームアプリの動作だ。だが、そこまで負荷のかからないカジュアルゲームを遊ぶ程度なら、性能の差は無視できるレベルにある。

使用中のCPUの温度変化のグラフ。37〜38℃台で推移している。CPU自体の発熱は少し高めだ

使用中のCPUの温度変化のグラフ。37〜38℃台で推移している。CPU自体の発熱は少し高めだ

なお、使用中のCPUの発熱は37〜38℃台で推移しており、「Xperia XZ」よりも数度高めである。「Xperia X Compact」が採用する「Snapdragon 650」は、発熱が高めなARM社の設計による「Cortex A72」および「Cortex A53」コアを使用しているのに対し、「Xperia XZ」が採用する「Snapdragon 820」では、ARM社の設計をベースにクアルコムが改良を施した「Kryo(クライヨ)」コアを使っている点が影響しているのだろう。

次に、バッテリー関連の性能を見てみよう。「Xperia X Compact」は、2,700mAhのバッテリーを内蔵。電池持ちを示す指標である「電池持ち時間」は、約95時間で、「Xperia XZ」と同じだ。また、ユーザーの生活サイクルを感知して充電ペースを調整する「いたわり充電」や、3段階のレベルを調整可能な「STAMINA」モードも「Xperia XZ」同様に搭載されている。また、急速充電の規格「QuickCharge 3.0」に対応したUSB Type-Cポートも備わっている。同ポートは、裏表がなく、端子自体も丈夫だ。扱える電流の上限が大きいので充電時間も短いなどメリットが多い。

USB Type-Cポートを採用。充電器やケーブルが同梱されないので別途そろえる必要がある

USB Type-Cポートを採用。充電器やケーブルが同梱されないので別途そろえる必要がある

「Xperia XZ」とは、LTEの通信性能にも違いがある。「Xperia XZ」は、2017年3月に始まる、3波のキャリアアグリゲーションと256QAMに対応しており、下り最大500Mbpsの通信サービスが利用可能。これは同年2月に発売が予定されているLGの「V20 PRO」ともに、国内のスマートフォンでは最速の通信性能である。いっぽうの「Xperia X Compact」は、2波のキャリアアグリゲーションのみの対応で、下り最大で262.5Mbpsにとどまる。また、いずれもVoLTE対応ではあるが、「Xperia XZ」のほうは、より高音質な「VoLTE (HD+)」に対応している点が異なっている。

なお、速度計測アプリ「ドコモスピードテスト」を使って、最大通信速度370Mbpsのエリアで、両機の実効スループットを比べてみたが、目立った差は感じられなかった。差がつくのは、500Mbpsのサービスが始まってからになるのかもしれない。

Xperia XZと通信の実効スループットを比較したが、有意な差は見られなかった。差が出るのは今後だろう

Xperia XZと通信の実効スループットを比較したが、有意な差は見られなかった。差が出るのは今後だろう

メインカメラの画質は「Xperia XZ」と基本的に同等

メインカメラは、3種類のセンサーを組み合わせた高性能なもの。映像エンジンなども含めて「Xperia XZ」と同じものが使われている

「Xperia X Compact」の魅力の大きな部分を占めているのはやはり、「Xperia XZ」と同じ性能を持つメインカメラだろう。このメインカメラは、通常のイメージセンサーに加えて、暗い場所での高速なオートフォーカスを実現する「レーザーAFセンサー」と、正確なホワイトバランスをもたらす「RGBC-IRセンサー」という合計3種類のセンサーを使い、高速かつ高感度な撮影が行えるのが特徴だ。なお、サブカメラについては、「Xperia XZ」が1320万画素なのに対して、「Xperia X Compact」が約510万画素という違いがある。

2機種で撮影した作例をいくつか用意した。左が「Xperia X Compact」右が「Xperia XZ」のもので、設定はいずれも初期設定のままである。

ホワイトバランスなど全体のトーンは共通している

ホワイトバランスなど全体のトーンは共通している

同じシーンだが、シャッター速度で左の「Xperia X Compact」は1/125秒、右の「Xperia XZ」は1/160秒という違いが出たため、明るさが微妙に異なる仕上がりとなった。だが、いずれも肉眼の印象に近い仕上がりとなった。

RGBC-IRセンサーによるホワイトバランス調整機能では、すでにお届けした「XperiaXZ」のレビュー記事で発覚した、特定の状況で起こる色かぶり現象がこちらでも起こった

「Xperia XZ」と機能の違いはいくつかある。バランスの取れた性能やカメラ機能は魅力

今期のNTTドコモの製品ラインアップの中で4インチ台のディスプレイを備えるのは、本機と「MONO」(HD表示対応、4.7インチ)のみ。ほかのキャリアを見渡してみても、ソフトバンクの「AQUOS Xx3 mini」(フルHD表示対応、4.7インチ)くらいしか見当たらない。主要なSIMフリースマホを見ても、ほとんどが5インチ以上だ。コンパクトなスマートフォンを求める人にとって、現状の選択肢は思った以上に少ない。

その点、本機はXperiaのブランドや、基本性能やカメラの性能は十分なレベルにあり、通信キャリア製スマートフォンらしく、FeliCaポートや防水・防塵ボディ、ワンセグチューナーなどを備えており、期待を裏切らない完成度の高い製品だ。ただ、フルセグチューナーや、「VoLTE (HD+)」、500Mbpsの通信など、省略された機能もいくつかあり、「Xperia XZ」を単純に小さくしたモデルというわけではない。

「Xperia XZではちょっと大きい」と感じている人や、Android 7.0へのバージョンアップが見送られた「Xperia Z3 Compact」の買い替えとして満足できる製品と言えそうだ。

田中 巧(編集部)

田中 巧(編集部)

FBの友人は4人のヒキコモリ系デジモノライター。バーチャルの特技は誤変換を多用したクソレス、リアルの特技は終電の乗り遅れでタイミングと頻度の両面で達人級。

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2017.6.28 更新
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