パナソニックは2017年1月12日、ノートパソコン「Let's note(レッツノート)」の新モデルとして、着脱式の2in1パソコン「XZ6」シリーズを2月17日に発売すると発表した。12型以上のディスプレイを備えた着脱式2in1パソコンとしては世界最軽量の約1.019kgの軽さを実現。タブレット部の重さも約550gに抑えた。価格はオープンで、予想実売価格は25万円前後(税別)の見込み。
XZ6シリーズは、レッツノート初の着脱式2in1パソコン。同社では“タブレットモバイルPC”という名称で訴求する
XZ6シリーズは、キーボード着脱式の2in1パソコン。12型液晶を搭載しており、キーボードベースと切り離して、ディスプレイ部分をタブレットとして利用できる。キーボード着脱式2in1パソコンのメリットは、ノートパソコンとして使いやすいこと、ノートパソコンとタブレットの2台持ちを解消できること、タブレット部を軽くできることなどが挙げられる。レッツノートには、ディスプレイ部分が360度回転してタブレットスタイルで使えるモデルがあるが、さらなる軽量化を求める声に応え、キーボード着脱式のXZ6シリーズの投入を決めたという。
XZ6シリーズの特徴は、ほかのレッツノートと同じ、軽量、長時間バッテリー駆動、そして頑丈設計だ。重量は12型以上のディスプレイを備えた着脱式の2in1パソコンとしては世界最軽量の約1.019kg。タブレット部の重さは約550gで、実際に手にすると非常に軽く感じられた。
タブレット部の重量は約550g。12型のタブレットとしては軽量だ
バッテリー駆動時間は、バッテリーパック(S)装着モデルが約9時間(重量は約1.019kg)、バッテリーパック(L)装着モデルが約15時間(重量は約1.109kg)。タブレット単体は約4.5時間。キーボード側のバッテリーは交換可能。キーボード側のバッテリーからタブレットの内蔵バッテリーに充電できるほか、キーボードベースは単体でモバイルバッテリーとして動作する。
頑丈設計は、リアキャビネット、フロントシャーシ、タッチパネルの3つ基板や液晶を挟み込む3層構造は従来と変わらないが、フロントシャーシを樹脂製からマグネシウム合金製に変えることで、強度を高めつつ、薄型化も図った。着脱式の2in1パソコンにとって重要なコネクターは、同社の堅牢パソコン・タブレット「タフブック」や「タフパッド」で培った頑丈設計の技術を用いて、繰り返しの着脱に強い高耐久のコネクターを新規開発したという。これらの頑丈設計により、ノートパソコンスタイルで76cm落下試験(動作時・底面方向)や30cm落下試験(非動作時、26方向)、100kgf加圧振動試験(非動作時)などをクリア。タブレット単体でも76cm落下試験(動作時、6方向)をパスしたという。
3層構造により強度を高めている
ボンネット構造に近いデザインの天板
ディスプレイは解像度が2160×1440の12型液晶を搭載。アスペクト比が3:2で、WebページやPDFなどの資料を表示するのに適したディスプレイだ。映り込みの少ないアンチリフレクションフィルムが貼られている。画面の上部には顔認証対応のIRカメラを備えており、Windows 10の生態認証機能「Windows Hello」を利用できる。オプションで、アクティブ静電結合方式のスタイラスペンを用意(希望小売価格は税別9,800円)。Windows Inkに対応しており、1024段階の筆圧検知をサポートする。
タブレット利用時の操作性を高めるために、独自の「ホイールパッド・タッチLite」を搭載。仮想のホイールパッドで、手元でポインティングやレッツノートではおなじみのくるくるスクロールなどができる。キーボードは「SZ」シリーズをベースにしたもので、約19mmピッチと約2mmのストロークを確保。右下の文字キーを均等幅にするなど、細かな部分の使い勝手にも配慮している。
ホイールパッド・タッチLite
SZシリーズと同等のキーボードを搭載
個人向け店頭モデルの基本スペックは、CPUが「Core i5-7200U」(2.50GHz、最大3.10GHz)、メモリーは8GB(拡張スロットなし)。128GBのSSDを搭載したモデルと256GBのSSDを搭載したモデルをラインアップする。nanoSIMカードスロットを備えたLTE対応モデルも用意。外部インターフェイスは、タブレットにUSB Type-Cとヘッドホン出力/マイク入力、SIMカードスロット(LTEモデル)を搭載。キーボード側には、USB3.0×3、HDMI、VGA、LAN、SDメモリーカードスロットを備える。
デュアル吸気・排気により、放熱効率を高めている
豊富な外部インターフェイスを搭載
レッツノートは昨年2016年で誕生から20年を迎えた。今回のXZ6シリーズは20周年を記念したモデルであり、レッツノート20年の集大成的な位置付けだ。構想段階から含めると発表まで2年かかったという。2年前に比べるとタブレットの勢いは少々落ち着いているが、同社によると法人市場を中心に、「iPad」からWindowsタブレットへの乗り換え需要が高まっているという。競合他社も力を入れているジャンルだが、レッツノートならではの軽量、長時間バッテリー駆動、頑丈設計で勝負する。