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洗剤成分と混合した1μm未満の泡が繊維の奥の汚れまで落とす

普通の洗濯コースで黄ばみ防止! 東芝の洗濯機「ZABOON」の「ウルトラファインバブル洗浄」がよさげ

2016年に中国「美的集団(ミディア)」の傘下となった東芝ライフスタイルが、家庭用洗濯機で初となる「ウルトラファインバブル」による洗浄を採用した縦型洗濯機「ZABOON」を発表。ウルトラファインバブルとは直径1μm未満の微細な泡で、この泡を洗剤液と混合させることで洗浄力が従来よりも20%向上したといいます。特に、衣類の黄ばみ防止には絶大な効果を発揮するそう。発表会で見てきた「ウルトラファインバブル洗浄」の詳細をお伝えします。

左側が洗濯機「AW-10SD6」(市場想定価格14万円前後/2017年8月上旬発売予定)、右側は乾燥も行える洗濯乾燥機「AW-10SV6」(市場想定価格20万円前後/2017年7月上旬発売予定)。これら洗濯容量10kgタイプのほか、洗濯容量9kgタイプ(AW-9SD6、AW-9SV6)も同タイミングで発売されます

「ウルトラファインバブル洗浄」って、どんなもの?

洗濯機は、「洗剤」「機械力(洗濯機の性能)」「水」のチカラを利用して洗浄します。近年は、皮脂汚れや黄ばみを落したいというニーズに応えるため、水を温めて洗剤に含まれる酵素を活性化させる「温水洗い」や、温めた洗剤液にじっくり浸す「つけおき洗い」といった洗濯コースがトレンドですが、これらは標準の洗濯コースではなく、あくまでも特別なコース。温水洗浄を行うためにはヒーターを使う電気代が発生し、つけおき洗いすれば洗濯時間が長くなります。しっかり洗いたい時はこういったコースを利用すればいいのですが、東芝は“普段の洗濯でも高い洗浄力”を提供したいという思いから、「ウルトラファインバブル洗浄」を洗濯機に搭載しました。

今回発表された「ZABOON」では、ホースから出てきた水に圧力をかけ、小さな気泡「ウルトラファインバブル」を含んだ「ウルトラファインバブル水」を生成。この「ウルトラファインバブル水」は普通の水よりも洗浄力が強く、すでに業務用機器では外壁の汚れ落としやトイレの清掃に利用されています。そんな「ウルトラファインバブル水」を洗剤液に投入すると、バブルが洗剤成分を吸着。ナノサイズの小ささなので繊維の奥にある汚れにまで洗剤成分を届けることができ、これまで取り残されていた汚れ、特に黄ばみの原因となる皮脂汚れも“常温の水、普通の洗濯コース”で落とせるのです。

洗濯機の背面に、ウルトラファインバブルの生成器が搭載されています

洗濯機の背面に、ウルトラファインバブルの生成器が搭載されています

洗濯機を背面から見たカットモデルで生成器をチェックしてみましょう。ホースから洗剤ケースに水が送られる間に生成器があります

下の動画で「シュー」という音がしている時に、ウルトラファインバブルが生成されています。生成器で圧力をかけて真空状態にすることで、微細な気泡を発生させるそう。その泡を含んだ「ウルトラファインバブル水」が洗剤ケースに送られ、洗剤液と混合して洗濯槽に投入されます。

下の動画にある2つのケースには、純水(左)と「ウルトラファインバブル水」が入っていますが、肉眼では違いはわかりません。ウルトラファインバブルは非常に小さいため、目で見ることができないからです。そこで、光を当て、ウルトラファインバブルを可視化してみました。「緑色に光っている=泡がある」ということです。また、ウルトラファインバブルは微動だにしていないことに気付かれたでしょうか。一般的な泡は浮いてしまい、破裂して消滅しますが、ウルトラファインバブルは浮力が非常に小さいため、長時間水中に浮遊し続けることが可能。つまり、洗濯中ずっとウルトラファインバブルが滞留し、汚れを落とすために作用するのです。

髪の毛の太さ程度の「マイクロバブル」でも十分細かいと思っていましたが、それよりもはるかに小さいウルトラファインバブルなら、これまで入り込めなかった繊維の奥に侵入できそうですね

ウルトラファインバブルが、どれほど汚れに作用するのかを下の動画でチェックしてみましょう。粘着力の強い水あめがついたプラスチックを「ウルトラファインバブル水」(左)と水道水(右)に入れ、洗濯機の水流の代わりに超音波で振動を与えます。すると、実験を始めて早々に「ウルトラファインバブル水」のほうは水あめがするすると剥がれ、キレイに落ちてしまいました!

水道水のほうはほぼ落ちていません。水の中に泡があることが、これほど洗浄力の差につながるとは驚きです

水道水のほうはほぼ落ちていません。水の中に泡があることが、これほど洗浄力の差につながるとは驚きです

このように、「ウルトラファインバブル水」の状態でも洗浄力の高さを見せつけてくれましたが、洗剤と混合すると、さらなる効果を発揮します。洗剤成分である界面活性剤は、それ同士がくっついてまとまりやすい性質なのだそう。まとまった状態では洗浄力が作用しにくく、汚れ落ちもいまいち。ウルトラファインバブルは、このまとまっている界面活性剤をバラバラにし、吸着することで洗剤成分を活性化させるといいます。これにより洗浄力は、水道水を用いた時よりも20%アップ! その洗浄力を確かめるべく、皮脂汚れと同じ成分の汚れを付けたガーゼを、「ウルトラファインバブル水+洗剤」と「水道水+洗剤」で比較してみました。

上で行った実験と装置は同じ。「ウルトラファインバブル水+洗剤」(左)は、皮脂汚れが視認できないほど真っ白になりました

なお、すべての洗濯機に該当することですが、すばやく衣類に洗剤液を浸透させることも重要。早く汚れに到達できるほど、汚れ落ちがよくなるからです。今回発表されたZABOONは、循環水量が従来の約2倍となり、衣類に洗剤液をふりかけるシャワーが大流量になりました(下の動画参照)。

ウルトラファインバブルと大水量のシャワーにより、衣類の繊維の奥まで到達した洗剤成分が汚れを引き剥がしますが、もうひとつ必要なのが「機械力」。パルセーターを回転させ水流を起こすことで、汚れを落としていきます。ZABOONのパルセーターはモーターと直結しているので、エネルギーロスがなく、パワフルにかくはんできるのが特徴。下の動画のような3種類の強力な水流を作り出し、衣類を立体的に動かしながら洗います。

パルセーターと直結したDDモーターを採用しているため、振動や騒音も少ないそう

パルセーターと直結したDDモーターを採用しているため、振動や騒音も少ないそう

このようなワザを使い洗浄するのが「ウルトラファインバブル洗浄」です。「ウルトラファインバブル洗浄」はすでに付いてしまった黄ばみを落とすまではできませんが、いつもよりも電気代や時間がかかる洗濯コースを選ぶこともなく最大限の洗浄力が発揮されるので、何も気にせず黄ばみ防止ができるのが魅力。「ウルトラファインバブル洗浄」を続けていれば、1年後、衣類に大きな差が出るはずです。

左側は、従来の洗浄方法で洗ったワイシャツの1年後の状態。襟元が黄ばんでいるのがわかります。いっぽう右側はウルトラファインバブル洗浄し、1年保管したワイシャツ。ウルトラファインバブル洗浄により繊維の奥から皮脂汚れが落ちたおかげで、黄ばみはゼロです

黄ばみ防止だけでなく、汚れにもウルトラファインバブル洗浄は多大な効果あり。水温5℃では洗剤成分はなかなか作用しないものですが、ウルトラファインバブル洗浄であれば汚れを落としてくれます。冬場の洗濯に役立ちそうですね

また、ケチャップやコーヒー、ラーメンのスープといったシミになりやすい汚れもウルトラファインバブル洗浄でキレイになります。ケチャップは色素が繊維の奥に入り、念入りに洗っても落ちにくいので、これほどの洗浄力が普通の洗濯コースで望めるなら非常にありがたい!

使いやすい設計と清潔機能も完備

このほか、使い勝手に配慮し、奥までラクに手が届くように広くて浅い洗濯槽を採用。さらに、すすぎ工程のあとに洗濯槽を水で洗い流して黒カビ発生を抑制する「自動お掃除」機能も搭載されています。なお、「自動お掃除」で使用される水は最終すすぎ工程で使われる水なので、余分な水道代はかかりません。脱水時の高速回転で、水をかき上げて洗濯槽に付着している洗剤カスを洗い流します。

手前側が低くなったデザインなので、洗濯物の取り出しもラクラク! 洗濯槽の底までラクな姿勢で手が届きます

毛布などの大物の出し入れがしやすいように投入口は大きく設計されました

毛布などの大物の出し入れがしやすいように投入口は大きく設計されました

「自動お掃除」では脱水回転の遠心力で下から上に向かう水流を作り出し、洗濯槽の外側と底部をキレイに洗浄(下の動画参照)。洗濯やすすぎ時に水が溜まる際の水面辺りには洗剤カスがもっとも付着しやすいので、そのゾーンに勢いよく水が届くようにしているそうです。

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中村 真由美(編集部)

中村 真由美(編集部)

モノ雑誌のシロモノ家電の編集者として6年間従事した後、価格.comマガジンで同ジャンルを主に担当。アウトドアからオタク系まで意外と幅広くイケちゃいマス。

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