レビュー
とんでもなくパワフルで、しかも65分の長時間運転

パナソニック「パワーコードレス」に、コードレススティック掃除機の理想を見た!

機動力が高い半面、吸引力が貧弱でバッテリーの持ちも悪く、とてもメインの掃除機としては使えないというのがかつてのコードレススティック掃除機のイメージだった。しかし、ここ5〜6年で状況が一変。弱点だった吸引力やバッテリー性能が飛躍的に向上し、今や、キャニスター型に代わる掃除機の主流になりつつある。こうしたトレンドを背景に、メーカー各社から意欲的なモデルが続々と発売されている。今回注目したのは、パナソニック「パワーコードレス MC-SBU820J」(以下、パワーコードレス)。とんでもなくパワフルな吸引力に加え、65分の長時間運転を実現しているパナソニックの最新モデルである。

パワフルでスタミナもあるのに、本体は重くない

期待半分、不安半分というのがレビュー開始前の率直な心情だった。期待はもちろん、「パナソニックのコードレススティック掃除機史上最高」とうたわれる吸引力と、長時間運転の実現についてである。しかし同時に、どうしても不安が頭をもたげてくる。パワフルなモーターと大容量のバッテリーを搭載しているのなら、その分本体が重くなってしまうのではないか――?

というわけで、まずは本体重量をチェックしてみたところ、カタログには2.5kgと記載されていた。決して軽いとは言えないが、かといってコードレス掃除機として重すぎるわけでもない。階段を掃除する時や、高いところを掃除する場合などには多少腕に負担を感じそうだが、妻に持ってみてもらったところ、「私は全然気にならない」とのこと。確かに実際に持ってみると、握りやすいハンドルも手伝ってか、数値以上に軽く感じられる。ヘッドを床につけ前後に往復してみたが、この状態だとほとんど重さは気にならない。どうやら筆者の不安は杞憂だったようだ。

2018年8月30日発売された、パナソニックの最新コードレススティック掃除機「パワーコードレス」。製品名の通り、パワフルな吸引力を実現しているのが最大の特徴だ

後述する大口径のモーターで約80g、バッテリーで約110gも従来モデルより重くなってしまったというが、それでも本体重量を2.5kgに抑えている。軽量化の秘密は、本体の素材に採用された「セルロース・ファイバー樹脂」と、ノズル部に採用された「中空ガラス配合軽量プラスチック」。どちらも軽くて強度が高いうえ、本体裏側を、正六角形柱を隙間なく並べた「ハニカム構造」で形成したことにより、軽さと堅牢性を効率よく両立できたのだ。

軽量かつ強度の高い「セルロース・ファイバー樹脂」を本体に採用。裏側は航空機の壁にも用いられる「ハニカム構造」で形成されており、本体の剛性をさらに高めている

ノズル部には、同じく軽量かつ強度の高い「中空ガラス配合軽量プラスチック」を採用している。モーターやバッテリーで増えた重量を、本体やパイプの素材を変えることで相殺しているのだ

腕にかかる重さを分散するため、ハンドル上部には、手に当たるように「ハンドルサポーター」が用意されている

他の追随を許さない、圧倒的なハイパワーとロングライフ

不安を解消できたところで、ここからは、「パワーコードレス」のセールスポイントである吸引力とスタミナをチェックしていこう。コードレススティック掃除機の心臓部とも言えるモーターには、業務用掃除ロボット「RULO Pro」の大口径モーターをベースにして新開発されたハイパワーモーターを搭載。これによって、同社のキャニスター型掃除機(MC-SR560)とほぼ同じ、最大吸込仕事率約200Wを実現している。

またスタミナ面については、大容量リチウムイオン電池を8本搭載し、標準の自動モード時で約18分〜約40分、ロングモード時で最長約65分(ノズルブラシ回転オン時は約50分)の長時間運転を実現。充電切れを心配することなく、家中を隈なく掃除できるのがありがたい。

V字型のブラシを搭載し、ゴミを中央に集めて効率よく吸引する。フローリングの拭き掃除に適したY字ブラシ(緑)と、畳やカーペットからゴミを掻き出すかたいブラシ(白)の2種類を備え、さまざまな床面からゴミをしっかり取り除けるのも特徴だ

壁面にノズルが当たると前部が大きく開き、ブラシが壁ギリギリまで届く「ガバとり」機能を採用。取り逃しやすい壁際のゴミも確実に除去できる、目から鱗のアイデアと言えるだろう

ヘッドの可動域も広く、手首の返しにスムーズに追従してくれた

ヘッドの可動域も広く、手首の返しにスムーズに追従してくれた

「パワーコードレス」の集じん力を確かめてみることに。微細なホコリに見立てた重曹をフローリングの上にまき、ヘッドを1回通過させてみたところ、フローリングの溝に入り込んだものも含めて、ひと粒たりとも取り逃すことなく吸引に成功。筆者が普段使用している、一般的なコードレススティック掃除機とは集じん力が明らかに違う

壁際はどうだろう? ゆっくりとヘッドを前進させ、壁に当たったところで電源をオフ。結果はご覧の通りで、こちらもきっちり疑似ゴミが取り除かれていた。「パワーコードレス」の圧倒的な吸引力と、「ガバとり」機能の効果を実感できた瞬間だ

運転モードは自動/強/ロングモードの3種類で、ロングモードでは最長約65分の運転が可能となっている。充電時間は約3時間

約20 μmのゴミまで検知する、独自の「クリーンセンサー」を搭載。ゴミがある時は赤点灯、キレイになったら青点灯となる仕組みで、ゴミを可視化できるため、取り残しの心配が少ない。なお、自動モード時にはこの「クリーンセンサー」でゴミの有無を検知し、運転のパワーを自動でコントロールする。高精度のセンシング技術も、長時間運転にひと役買っているというわけだ

多彩な付属ノズルで家中掃除

掃除中に、「これは助かる」と感心したのが「親子ノズル」である。ヘッド手前に装備されたレバーを足で踏むと、標準ノズルが外れてすき間用のノズルに早変わり。ヘッドを付け替える必要がなく、そのまま狭いすき間を掃除できるのだ。また、付属ノズルも豊富で、サッシや出窓、小物周りなどの掃除に便利な「すき間ノズル」をはじめ、ベッドの下など、狭いすき間の奥までヘッドが届く「ペタすき間ノズル」、ふとんのダニや花粉をたたいてかき出す「ふとんノズル」、高いところやカーテン掃除に重宝する「ホース」が用意されている。パワフルで、スタミナがあり、そのうえ使い勝手もいいのだから、まさに死角なしといった印象だ。

ヘッド手前のレバーを足で踏み込み、パイプを持ち上げると、これはびっくり、狭いすき間にぴったりの「子ノズル」が登場する

「子ノズル」を使えば、壁と家具の狭いすき間もスムーズに掃除できる

「子ノズル」を使えば、壁と家具の狭いすき間もスムーズに掃除できる

メイン機として家中を掃除できるよう、「すき間ノズル」「ペタすき間ノズル」「ふとんノズル」「ホース」が付属する

窓のサッシはパイプを外し、ヘッドを「すき間ノズル」に付け替えて掃除。これまでは雑巾で掃除していた場所だったが、これなら簡単かつスピーディーにゴミが取り除ける

自在に角度調節できる「ペタすき間ノズル」は、ベッドやソファの下の掃除に重宝した

自在に角度調節できる「ペタすき間ノズル」は、ベッドやソファの下の掃除に重宝した

「ホース」と「ふとんノズル」を組み合わせれば、ふとん掃除もラクラク

「ホース」と「ふとんノズル」を組み合わせれば、ふとん掃除もラクラク

階段掃除では、ハンディ型で「ペタすき間ノズル」を使用。付属ノズルを使えば家中を隈なく掃除でき、なんとも爽快な気分に

スタンド式の充電台にもひと工夫。土台部分に付属ノズルをすべて収納しておけるので、付属ノズルの置き場所に困らないのだ

ハンドル底部には滑り止めゴムが装備されており、掃除を中断したい時にはトンッと壁に立てかけておける。家具を移動したり、子どもの「ママ、見て見て」に対応したり。そんな時にもいちいちスタンドに戻す必要はないのだ

本体からダストカップを外し、側面のレバーを引くだけでゴミが捨てられる。ダストカップの容量は0.2L。集じんしたゴミを上から圧縮する機能を採用しているので、ゴミ捨て頻度は想像以上に少ないはずだ。なお、ダストカップは丸ごと水洗いできる

死角が見当たらない、コードレススティック掃除機の最高峰

どんなにデキのいい製品でも、ひとつやふたつは欠点があるものである。しかし「パワーコードレス」に関して言えば、少なくとも今回のレビューにおいては、およそ欠点らしい欠点は見当たらなかった。吸引力はパワフルで、バッテリー持ちも十分。個人的には本体重量もさほど重く感じることはなく、使い勝手もいい。さらに言えば、運転音も比較的静かなのである。85,305円(2018年9月7日時点の価格.com最安価格)と、価格が高いのがネックと言えばネックなのだが、パナソニックの最新モデル「パワーコードレス」には、同社の“本気”と、コードレススティック掃除機の理想を見た気がした。

毛利真大

毛利真大

編プロでの広告制作、雑誌編集を経てフリーライター/エディターに。家電をはじめ、自動車、ファッション、ビジネス関連など幅広い分野で活動。86年、秋田県出身。「大曲の花火」とグミをこよなく愛する。

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