価格.com 家電トレンド研究所

人気のコードレス掃除機は「サイクロン」だけど、実は3人に1人は選んでいる「紙パック」の掃除機

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長年家電業界を見てきた価格.com編集長が、価格.comが保有するさまざまなデータと、自身の知識・経験をベースに、家電製品の最新トレンドを解説。今押さえておくべき機能やスペックを紹介しつつ、コスパ、性能、ユーザー評価などの観点から、今買って間違いなしの製品を厳選して紹介する。

第28回は、年末の大掃除に向けて需要が高まる掃除機の最新トレンドについて解説する。

年末年始に需要が高まる掃除機。人気の中心はサイクロン式のコードレススティック掃除機

【図1】価格.com「掃除機」カテゴリーの閲覧者推移(過去2年)

【図1】価格.com「掃除機」カテゴリーの閲覧者推移(過去2年)

年末と言えば「大掃除」というキーワードが思い浮かぶ人も少なくないだろう。実は、大掃除に必要な掃除機もこの年末にかけて需要のピークを迎える製品である。図1は、価格.com「掃除機」カテゴリーの過去2年における閲覧者推移を示したものだが、例年年末から年始にかけて大きなピークを迎えており、年末の大掃除との関連性が大きいことがわかる。もちろん、年を越して年始の1月にもピークが続いているので、年末の大掃除で、そろそろ掃除機も買い替えたほうがよいかも……と思い、年始に購入するケースも少なくないと推察される。

【図2】価格.com「掃除機」カテゴリーにおける集じん方法別割合(2023年12月18日時点)

【図2】価格.com「掃除機」カテゴリーにおける集じん方法別割合(2023年12月18日時点)

そんな掃除機だが、現在売れ筋の中心となるのは、サイクロン式のコードレススティック掃除機ということになる。図2は、価格.com「掃除機」カテゴリーにおける、各掃除機の集じん方法別の割合を示したものだが、これを見ると「サイクロン」が約63%で全体の約3分の2を占めている。「紙パック」は残る3分の1ほどで、ほぼこの2つの方式に集約されているわけだが、電源コード付きのキャニスター型、コードレススティック型のいかんを問わず、集じん方式で見ると、「サイクロン:紙パック」はほぼ「2:1」の割合となっている。サイクロン全盛の現在だが、意外に紙パック派も多い印象だ。

なお、掃除機の形状などの方式を示すデータとしては、価格.comの「掃除機」カテゴリーで今購入することができる製品の数(2023年12月18日時点)を見ればよいだろう。これによれば、最も多いのが「ハンディ」で592製品、次いで「スティック」505製品、「2in1(2way)」402製品となっている。なおこれら3つの種類は実際には同じようなもので、本体を分離してハンディタイプとして使えるかどうかくらいの差しかなく(機能的に重複あり)、いわゆる「(コードレス)スティック」タイプの製品をさしている。こうした「(コードレス)スティック」タイプがおよそ600〜700製品程度あると考えると、対する「キャニスター」は287製品なので圧倒的に多い。ちなみに、最近普及してきている「ロボット」については121製品ということで、まだまだ割合としては少ない。

人気の価格帯は1万円台と3万円台。3万円台の製品はパワーもブラシも十分で満足度も高そう

【図3】価格.com「掃除機」カテゴリーにおける販売価格帯別割合(2023年12月18日時点)

【図3】価格.com「掃除機」カテゴリーにおける販売価格帯別割合(2023年12月18日時点)

今度は少し違う視点で、掃除機のトレンドを見てみよう。図3は、価格.com「掃除機」カテゴリーにおける販売価格帯別の製品割合を示したもの。これを見ると、最も多いのは、1万〜2万円の価格帯と、3万〜4万円の価格帯でどちらも約23%。次いで4万〜5万が約16%という形になっており、全体的に価格帯はかなりバラけていることがわかる。このうち、1万〜2万円台の低価格帯の掃除機は比較的シンプルな製品が多く、ヘッドのブラシなどが簡易的なものかないものも多い。いっぽう3万〜4万円クラスの製品になると、モーターの出力も強く、ヘッドのブラシも精巧に作られたパワーブラシなどを採用するものが多くなる。当然ながら、この差は、ゴミの集じん力に大きく影響するわけだが、やはり3万〜4万円台の製品のほうが、購入後の満足度は全体的に高そうだ。

なお、7万円以上の高額製品も1割近く存在するが、この価格帯になると高性能なロボット掃除機などが購入できる。最近のロボット掃除機は、従来のブラシによる集じんに加えて、水拭きパッド(モップ)による水拭きなども行える製品が増えており、日本の住環境になじむものも増えてきた。自動でゴミ取りやモップ洗浄を行ってくれる高機能製品もあり、家事を楽にしたい主婦層からの人気も高まってきている。

掃除をどれだけひんぱんに行うか、家の大きさはどれくらいか、などの要素によって掃除機に求められるニーズは左右されるので、価格とのバランスも見ながら、より自分のライフスタイルに合った製品を選んでもらいたい。

コレ買っときゃ間違いない! 価格.com編集長が今注目する掃除機6選

※最安価格とユーザー評価は、いずれも2023年12月19日 時点のものです。

日立「かるパックスティック PKV-BK3K」

PKV-BK3K

価格.com最安価格:35,480円
発売日:2022年12月中旬発売
発売日:★4.54(67人)

価格.comプロダクトアワード2023」で掃除機部門の金賞、および生活家電部門の大賞に選出された人気のコードレススティック掃除機。日立のコードレススティック掃除機は、女性でも扱いやすいように軽量に作られたものが多く、本製品も重量はわずか1.1kgと軽い。軽量ながらも、小型でパワフルなモーターと、自走式の「パワフル スマートヘッド light」で、しっかり集じん。さらに集じんしたゴミを衛生的に捨てられる紙パック方式を採用しており、紙パック派からの支持も非常に高い。ハンディブラシ、2Wayすき間ブラシなどのほか、スティックスタンドが付属する。

日立「パワかるスティック PV-BL50K」

PV-BL50K

価格.com最安価格:42,349円
発売日:2022年10月発売
ユーザー評価:★4.79(10人)

上記「かるパックスティック」のサイクロン版とも言えるのが、こちらのモデル。サイズ感はほぼ同じで、重量は約1.4kg。やや重くはなるが、十分に許容範囲内の軽さで、パワフルに集じんする。自走式の「パワフルスマートヘッド」は、押しても引いてもゴミをからめ取れる仕様で、緑色のLEDライトが床の上のホコリを見つけやすくしてくれるため、お掃除がはかどると評判だ。ミニパワーヘッド、ハンディブラシ、ほうきブラシ、伸縮すき間用吸口のほか、充電スタンドも付属する。

シャーク「EVOPOWER SYSTEM STD+ CS150JAE」

CS150JAE

価格.com最安価格:44,000円
発売日:2023年2月1日発売
ユーザー評価:★4.87(8人)

最近日本市場でも目にすることが多くなったシャークニンジャのコードレススティック掃除機。4万円台で購入できる製品ながら、自動でゴミを吸い取ってくれる「自動ゴミ収集ドック」が付属するのがポイント。約30日分のゴミをドックにためておける。ヘッドには、いわゆるブラシではなく、毛などがからみづらい「ブラシレスパワーフィン」を採用。サイクロンモーターの強力な吸引で、どんな床でもゴミをきれいに集じんできる。本体自体のゴミカップが小さいためボディ自体は細身で、扱いやすいのも特徴だ。重量は約1.9kg。ブラシ付き隙間用ノズル、マルチノズル、布団ノズルが付属する。

シャープ「RACTIVE Air POWER EC-SR9」

EC-SR9

価格.com最安価格:53,200円
発売日:2023年8月24日発売
ユーザー評価:★5.00(4人)

掃除機の騒音にこだわったシャープのコードレススティック掃除機。独自の低騒音化技術により、運転音と運転時に不快に感じる耳障りな音(ピーク音)を抑制し、実感音として非搭載モデルに比べて約37%の騒音をカット。騒音を少なく掃除が行える。もちろんパワーも「RACTIVE Air史上最強パワー」をうたい、8本の毛ブラシすべてを高密度化した「パワフルスリムヘッド」との組み合わせで、強力にゴミを集じんする。バッテリーは交換式で、1個あたり最長約45分の駆動が可能だ。コンパクトふとん掃除ヘッド、はたきノズル、スグトルブラシ、すき間ノズル、ハンディノズルのほか、スタンド台が付属する。

ダイソン「Dyson Micro Plus SV33 FF PL」

Dyson Micro Plus SV33

価格.com最安価格:55,636円
発売日:2023年4月5日発売
ユーザー評価:★4.52(9人)

高い集じん力で人気のダイソン。その最新モデルにして、軽量化をも図ったモデルがこちらの製品だ。ダイソンのラインアップの中では軽量な1.54kgを実現。独自の「Radial Root Cycloneテクノロジー」によりゴミを強力に集じんする。ヘッドには、大きいゴミから微細なゴミまで両方を一度に除去できる「Fluffy Opticクリーナーヘッド」を採用。さらに、床上のホコリが見えやすくなる緑色LEDも搭載し、より使いやすくなっている。HEPAフィルターを搭載し、排気がキレイなのも特徴だ。毛絡み防止スクリューツール、コンビネーション隙間ノズル、卓上ツールが付属する。

エコバックス「DEEBOT N8+ DLN26-11EE」

DEEBOT N8

価格.com最安価格:43,904円
発売日:2021年12月20日発売
ユーザー評価:★4.47(10人)

最近高機能化が著しいロボット掃除機。なかでも中国を本拠とするエコバックスの「DEEBOT」シリーズは、水拭き機能を備えたラインアップを豊富に備え、価格も安いことから日本市場でも人気を伸ばしてきている。本モデルは、航空宇宙規格の検出技術「D-ToF技術」を採用した正確なマッピング機能を備えつつ、2300Paの吸引力と、水拭き用の「OZMOモップシステム」を搭載し、1台でゴミ取りから水拭きまで対応。ゴミ自動収集機能付きのステーションも付属し、最大60日間ゴミを保存可能だ。これだけの機能を備えながらも、5万円以下で購入可能という高コスパは驚異的。ロボット掃除機の入門モデルとしてもピッタリの1台だ。

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鎌田 剛(編集部)
Writer
鎌田 剛(編集部)
1996年にソフトバンクにて複数のパソコン情報誌の編集・立ち上げに携わった後、2002年にカカクコム入社。2006年「価格.comマガジン」を創刊。以降、編集長としてメディア運営に携わる。日経MJにてコラム連載、ラジオ出演なども幅広く行う。家電製品アドバイザー資格保持者。
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北島圭介(編集部)
Editor
北島圭介(編集部)
出版社で10数年、編集者として経験を積み、2022年にカカクコム入社。家電製品から文房具など、さまざまな商品を検証するモノ雑誌の編集経験を生かし、価格.comマガジンで生活家電を中心に気になる製品をレビューしている。
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