「春眠暁を覚えず」というのは、1,300年ぐらい前に作られた中国の詩が元だそうで。つまり「春って暖かくて気持ちいいからウトウトしちゃうよねー」というのは、1,300年前から変わってないわけです。人間、たいして進化していないですね。
筆者こと自堕落王(ジダラキング)もこの季節は、どれだけ寝ても寝足りません。特に昼ご飯を食べた後なんか、仕事用のデスクの前に座った途端にフッと意識が遠のいて、そのまま突っ伏してスヤーッ……と。つい寝ちゃうのは春のせいとしても、いまいちスッキリしないというか、むしろ全身が妙にダルくなるのが悩みどころ。
まぁそもそも、デスクに突っ伏している姿勢自体が、寝るのに適していないのはわかります。胸がデスクに圧迫されて息苦しいし、枕代わりにした腕は痺れるし、顔に変な跡も付くし。かといって、横になってがっつり寝たら夜の睡眠に影響が出そう。であれば、“昼寝専用”の枕を導入してみるのはどうでしょうか。
元からダラダラ寝るのが大好きなジダラキングですから、これまでにいくつも昼寝用枕を試してきました。その中でも特に「おっ、いいかも!?」と感じたのが、デスクに置いて使える「午後のまくら」(アテックス)です。
休憩中のチョイ昼寝を快適にする「午後のまくら」(アテックス)。45度時の本体サイズは約240(幅)×310(奥行)×330(高さ)mm
設置方法はシンプルで、本体をデスクに載せて、フェイスホールの付いたクッション部分を立ち上げればOK。角度は10度・25度・45度の3段階で調節できます。
好みの角度で固定したら、あとは中央のフェイスホールに顔を入れるようにしてもたれかかれば昼寝の準備完了です。
ちなみに、アラームをセットすることも可能です。音は鳴らずやさしく振動するタイプのアラームで、時間は1分から60分まで1分刻みで設定可能。必要に応じてセットしましょう。
デスクの端までクッションがカバーしてくれるフォルムで、設置してみるとなかなかの存在感。もしオフィスで使ったら初日は「何それ?」なんて話題にされそう
実際にもたれてみると、この姿勢はものすごくラク! 広い面で上半身を受け止めてくれるのでずっと呼吸しやすく、ほどよく脱力できるんです。腕が疲れないのも地味にうれしいポイント。
頭を含めて上半身の重みをすべて枕が受け止めてくれて、すっごいラク。息でムワッと蒸れることもありません
クッション背面のスペースに腕を回して使用。体重を分散して支えてくれます
ちなみに、本体の重量は約1.4kgと軽いので、最初使うときは「寝ている間に本体がズレたり、動いたりしないかな?」と思ったのですが、結論を言うと杞憂に終わりました。底面の滑り止め加工がなかなか強力で、体重をかけることでかえって安定して使えました。
底面全体に滑り止め加工が施されています。上から体重をかけている限り、まずズレ動くことはありませんでした
それでは、実際に20分後にアラームが鳴るようにセットして昼寝してみましょう。本体側面の操作ボタンで時間を設定すると、数字の表示が点滅してカウントダウンがスタートします。
操作ボタンは本体右サイドに搭載されており、アラームのオン・オフと時間の設定が可能。タイマー設定時には、残り時間をデジタル表示で確認できます
タイマーを利用する際には、電源の用意も忘れずに! 本体内蔵の電池ボックスに、単3形乾電池2本(別売り)をセットしておきましょう
筆者は入眠が早いので、気が付くと20分のタイマーが終了。本体左側から「ヴィーッ、ヴィーッ」というバイブレーションが発生し、ハッと目が覚めました。
このバイブレーションがほどよく穏やかなのも高ポイント。寝ている本人だけが体感できるぐらいの振動で、このあたりもさすが“昼寝専用”なだけある! という印象です。
やさしい振動で、起きるときにビクッとならないのがありがたい。周囲が気になる環境でも使いやすそう
脱力してゆったり眠ったわけですが、さりとて熟睡していたわけでもないのでダルさが残ることもなく、かなりスッキリした気分です。もちろん眠気もかなり軽減されており、「午後からももうちょい頑張るか」というぐらいにはモチベーションも回復していました。
外側のカバーは取り外して洗濯が可能です。軽く汚れた程度なら、乾拭きするだけでもよさそう
あと、突っ伏して寝るよりも必要とするスペースが少なくて済む、というのもなかなかのメリットでした。デスクの上がゴチャゴチャしがちな筆者としては、寝るためにいちいち片付ける手間がかからないのは便利です。
椅子の後ろに引っ掛ければ、簡易ヘッドレストとしても使えます
“昼寝のためだけの枕”と考えると、本製品の8,800円(メーカー小売希望税込価格)という価格はちょっとためらってしまうかもしれませんが、「ほどよくリラックスできる体勢で眠れる」というメリットは意外と大きいです。突っ伏し寝とは別次元のスッキリ感で、筆者は起きたときに「おお、“質の高い昼寝”ってこういう感じかー!」と衝撃を受けました。
仕事で張り詰めていてなかなか疲労感が抜けないという人や、特に昼食後からダルさが出てきて困っているというような人なら、“質のよい昼寝”をとることで状況が改善するかもしれません。心当たりのある人はぜひ1度試してみてほしいです。