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大容量4,096Whのポータブル電源「EcoFlow DELTA Pro 3」登場! 家庭用蓄電池の代替需要を想定

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EcoFlow(エコフロー)は2024年6月25日、大容量4,096Whのポータブル電源「EcoFlow DELTA Pro 3(エコフロー デルタ プロ スリー)」を発売した。メーカー希望小売価格は539,000円。今回は都内で行われた発表会の内容を基に、先進のテクノロジーを随所に採用した本製品の開発背景や、製品の特徴を見ていこう。

【開発背景】卒FITの節電需要により、家庭用蓄電池の需要が増す

今回発売された「EcoFlow DELTA Pro 3」は、従来の家庭用蓄電池との代替需要を視野に入れて開発されたという。昨今、電力会社が再生可能エネルギーを固定価格で買い取る「FIT」(Feed-in Tariff)制度の買取価格が下落しており、家庭で発電した電気を電力会社に売電するメリットが薄れている。

FIT制度には適用年数が設けられており、2023年に期限を迎える世帯は165万件に及ぶという

FIT制度には適用年数が設けられており、2023年に期限を迎える世帯は165万件に及ぶという

さらに、同制度の適用終了後、いわゆる「卒FIT」を迎える世帯が増えることにより、ソーラーパネルなどによって発電した電気を売電せずに、自家で消費して節電を図るニーズが強まると見込まれる。そのため、手軽に設置できる家庭用蓄電池の需要が膨らむと想定されるのだ。

家庭用蓄電池の需要は今後強まっていくものと見込まれている

家庭用蓄電池の需要は今後強まっていくものと見込まれている

家庭用蓄電池を導入する場合、電力会社の送配電網に接続する「系統連系」が必要となるが、ポータブル電源の「EcoFlow DELTA Pro 3」ではこれが不要。また、従来の家庭用蓄電池で必要な複雑な審査プロセスや高価な設置工事費用も省けるため、家庭用蓄電池を導入するよりメリットが大きいという。そこで、「EcoFlow DELTA Pro 3」を開発するに至ったわけだ。

同社では、3人家族で毎月の電気代が約1万円の場合、本製品1台を導入するだけで約30%、2台のエクストラバッテリーを組み合わせると最大約90%の節電ができると試算。別売りの切替分電盤を介せば、家庭の電気回路に接続してコンセントで接続されていない照明などの設備へ電源供給ができ、「停電時は10ms以内に自動でバッテリー運転に切り替わり、持続的な電力供給を実現する」という。

エコフローは、「EcoFlow DELTA Pro 3」を導入した場合、毎月の電気代が大幅に節電できると試算している

エコフローは、「EcoFlow DELTA Pro 3」を導入した場合、毎月の電気代が大幅に節電できると試算している

【製品特徴】大容量4,096Wで急速充電対応、そのうえ高耐久

「EcoFlow DELTA Pro 3」は本体が4,096Whと大容量であるうえに、容量4,096Whの専用エクストラバッテリーを2台まで連結して拡張することが可能。昼間に太陽光パネルなどによって発電した電気を「EcoFlow DELTA Pro 3」に蓄えておき、複数の家電製品に給電できる。

「EcoFlow DELTA Pro 3」の製品コンセプトは「誰もが手軽に節電を実現できる家庭用蓄電池」だ

「EcoFlow DELTA Pro 3」の製品コンセプトは「誰もが手軽に節電を実現できる家庭用蓄電池」だ

先進技術もてんこ盛りだ。電気自動車(EV)と同じグレードのリン酸鉄リチウムイオンバッテリーを内蔵。4,000回の充放電を繰り返しても初期容量の80%を維持できるという。独自の高速充電技術「X-Stream」により、AC100V 1,500W充電時は、150分で0から80%まで、198分で満充電ができる。もちろん、EV充電ステーションなどの充電も可能だ。

独自の高速充電技術「X-Streem」により、あらゆる充電方法で高速充電を可能にした

独自の高速充電技術「X-Streem」により、あらゆる充電方法で高速充電を可能にした

本体は自動車にも活用されている「CTC(セル・トゥ・シャシー)」テクノロジーによる頑丈な構造で、一体型バッテリーパックを内蔵。電気機械・器具の筐体・キャビネットに対する防塵や防水といった保護性能を評価する「EC 60529」規格に適合し、IP65にも準拠する。これらにより、製品寿命は10年以上を実現したとのことだ。

自動車にも活用されているCTCテクノロジーなど、耐久性を高める技術を積極的に採用した

自動車にも活用されているCTCテクノロジーなど、耐久性を高める技術を積極的に採用した

出力端子は、AC/DCを含む計13ポートを備え、3,600Wで家電製品を複数台同時に使用可能。単相3線100V/200V出力により、一般的な家庭なら停電時も不安のない容量を実現した。

出力ポートは、AC/DCポートやUSB Type-C/Type-Aを含む計13ポートを搭載している

出力ポートは、AC/DCポートやUSB Type-C/Type-Aを含む計13ポートを搭載している

専用のスマートフォンアプリと連携することで、電力使用量や接続機器の動作状況などをリアルタイムで把握できる。なお、充電時の動作音は約30dBと静かだ

専用のスマートフォンアプリと連携することで、電力使用量や接続機器の動作状況などをリアルタイムで把握できる。なお、充電時の動作音は約30dBと静かだ

【まとめ】蓄電池として十分な容量と高い耐久性が魅力

ポータブル電源というと、バッテリー容量が小容量ならリモートワーク、中容量ならキャンプといった用途が主流だが、4,096Whという大容量の「EcoFlow DELTA Pro 3」なら、ソーラーパネルで発電した電気を蓄え、万が一の災害発生時や停電時の緊急用用途にも活用できる。

ただし、こうしたハードな用途になるほど、本体の信頼性や耐久性が重要。その点、本製品はEV用のリン酸鉄リチウムイオンバッテリーを内蔵し、CTCテクノロジーによる頑丈な構造を採用しており、いざというときにも頼もしいパフォーマンスを発揮してくれそうだ。

このように、「EcoFlow DELTA Pro 3」は高い技術に裏付けられた信頼性の高さが大きな魅力。今回発売された本製品に加え、小・中容量モデルの新製品の動向にも注目したいところだ。

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2025/07/20 09:01
宮澤保生(編集部)
Writer / Editor
宮澤保生(編集部)
学生時代から価格.comのヘビーユーザーで、外資系金融機関、出版社、新聞社を経て念願のカカクコムへ。趣味はドライブ、JAZZ鑑賞、映画鑑賞。ユーザー目線に立った記事の作成を心掛けています。
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