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ドラム式洗濯機は今が買い時! 値下げ合戦勃発で人気モデルが半額の“ほぼ底値”で買えるチャンス

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長年家電業界を見てきた価格.com編集長が、価格.comが保有するさまざまなデータと、自身の知識・経験をベースに、家電製品の最新トレンドを解説。今押さえておくべき機能やスペックを紹介しつつ、コスパ、性能、ユーザー評価などの観点から、今買って間違いなしの製品を厳選して紹介する。

第42回は、ここのところ価格下落が著しいドラム式洗濯機について、その背景を解説するとともに、厳選したお買い得モデルを紹介しよう。

コロナ禍の反動で需要が下がってきているドラム式洗濯機

洗濯機には大きく分けて、縦型洗濯機ドラム式洗濯機の2種類があるが、それぞれ発売サイクルが異なっており、縦型は主に6〜7月の初夏、ドラム式は主に9〜11月の秋が、新モデルの発売時期となる。そのため、通常、この記事を執筆している7月であれば、モデルチェンジにともなう型落ちモデルが安くなる縦型洗濯機が買い時となり、ドラム式については8月以降の秋口が買い時となるのだが、今年に限って言えば、やや状況が異なっている。縦型洗濯機自体の価格下落は例年通りだが、いっぽうのドラム式洗濯機のほうが、それを超えるような勢いで価格下落しており、すでに底値かと思われるような低価格で売られているのだ。

【図1】価格.com「洗濯機」カテゴリーの閲覧者数推移(過去3年)

【図1】価格.com「洗濯機」カテゴリーの閲覧者数推移(過去3年)

図1は、価格.com「洗濯機」カテゴリーの過去3年における閲覧者数推移を示したものだ。全体としては、まだコロナ禍だった2021年に比べて、ここ3年で3割ほど落ちている。実は洗濯機自体、コロナ禍で需要が伸びた家電製品のひとつであり、コロナ禍が収まってくるのに合わせるように、その需要も下がってきているからだ。なかでもドラム式洗濯機の需要がこの時期に伸びたため、その反動が今出てきているとも言える。

なお、洗濯機の需要期であるが、例年、年明けの1〜2月にひとつのピークが来ており、そのほかでは6〜7月の初夏の時期にゆるめの山が来ていることが見て取れる。前者は、冬のボーナス商戦の一環で洗濯機を買い替えようとする動きと、新生活シーズンを前に、新たに洗濯機を購入する動きが重なったもの。後者は、洗濯機が比較的活躍する機会の多い夏場を前に洗濯機を買い替えようという動きと思われる。そして、上述したように、この時期は、縦型洗濯機のモデルチェンジ時期と重なるため、主に縦型洗濯機の需要が増加する。

しかし、今年の場合、この時期にドラム式洗濯機の人気がむしろ高まっている。「洗濯機」カテゴリーの売れ筋ランキングを見ても、ベスト10中、7製品ほどがドラム式洗濯機で占められており、縦型洗濯機の人気をしのいでいる。ちなみに、同カテゴリーにおける、2024年6月時点でのドラム式洗濯機の割合は33.3%で、この割合は今年の1月とほぼ変わっていない。つまり、全体としてはドラム式と縦型の需要は変わっていないが、売れ筋製品の上位に限って見れば、ドラム式のほうが人気になっているということだ。

高値止まりのフラッグシップモデルの陰で、価格下落が進む廉価モデルの存在

この理由だが、ひと言で言えば、縦型に比べてドラム式のほうが価格下落が激しく、売れ筋モデルの人気が押し上げられているためだ。上述のように、コロナ禍で需要を先食いした反動で、全体としてドラム式洗濯機の売れ行きが芳しくない状況の中、秋口のモデルチェンジ時期を前に、旧モデルの在庫をなるべく売ってしまいたいメーカーや小売店の動向によって、販売価格がじりじり下がっているのである。

【図2】ドラム式洗濯機主要モデルの最安価格推移(過去半年)

【図2】ドラム式洗濯機主要モデルの最安価格推移(過去半年)

図2は、価格.comの「洗濯機」カテゴリーにおける、過去半年のドラム式洗濯機の主要モデルの最安価格推移を示したもの。当然ながら、販売価格は徐々に下がっているが、全体として4月に入ったくらいのタイミングで大きく価格が下がり、さらに6月に入ったくらいのタイミングでもう一段の下げが来ている。モデルによっては、発売当初の半額くらいの販売価格を付けているものもあり、ここまで来ると価格下落というより、もはや価格崩壊に近いような下がり方だ。

さらに細かく見てみよう。ドラム式洗濯機の主要モデルとひと言で言っても、価格帯でいくつかのグループに分けられる。まずは最も高いフラッグシップモデルだが、ここには、パナソニック日立という2大メーカーの最上位モデルと、最近人気を増している東芝の最上位モデルが分類される。ただし、東芝の「ZABOON TW-127XP3L」はパナソニック、日立に比べると、安めの価格で販売されており、やや値動きが異なる。パナソニック「NA-LX127CL-W」と、日立「ビッグドラム BD-SX120JL(W)」は、メーカー側の価格統制がかなりされている製品のようで、長らく30万円を超える価格を維持してきたが、4月以降販売価格が下がり、今では25万円を切るほどまで落ちている。いっぽう、東芝の「ZABOON TW-127XP3L」については、元々25万円を切るくらいの最安価格を付けていたが、すでに20万円台まで下がっており、かなりお買い得となっている。

ちなみにこの3モデルについて見ると、販売価格の差が大きかったこともあり、東芝「ZABOON TW-127XP3L」がランキング5位以内という高い人気を維持してきたのに対し、パナソニック「NA-LX127CL-W」、日立「ビッグドラム BD-SX120JL(W)」の2モデルは、4月の価格下落以前はランキングベスト30圏外にあった(図3参照)。販売価格の下落とともに、人気も上がってきており、このあたりに販売価格と人気の強い関連性が見て取れる。

【図3】ドラム式洗濯機主要モデルの売れ筋ランキング順位推移(過去半年)

【図3】ドラム式洗濯機主要モデルの売れ筋ランキング順位推移(過去半年)

上述のようにパナソニック、日立のフラッグシップモデルがかなり高値で販売されていた影響で、人気がなかなか上がらなかったわけだが、その代わりに、各社の廉価モデルが今シーズンは人気だ。なかでも人気なのは、日立「ビッグドラム BD-SV120JL(W)」で、売れ筋ランキングでも上位の常連モデルだが、こちらの最安価格はこの半年でも16万〜19万円レベルとかなり安めに設定されており、これが人気の理由となっている。同様に、パナソニックも「NA-LX125CL-W」が4月以降大幅に値を下げており、上述した東芝「ZABOON TW-127XP3L」と張り合うほどの低価格を付けている。対する東芝も、廉価モデル「ZABOON TW-127XM3L(W)」を発売しており、17万〜19万円のレベルで日立「ビッグドラム BD-SV120JL(W)」といい勝負を繰り広げている。上位3メーカーだけでも、このように高いフラッグシップモデルの陰で、少し性能を落とした廉価モデルが20万円を切る価格帯で熱い価格合戦を繰り広げているのだ。

さらに、今期はダークホース的存在として、AQUAの「まっ直ぐドラム2.0 AQW-DX12P-L」が、売れ筋ランキングの上位常連モデルとして存在感を強めている。最安価格では初めから20万円を切る価格設定で、上述の主要メーカーの廉価モデルとほぼ同等の価格設定で人気を得ている。最安価格合戦では、上述の日立「ビッグドラム BD-SV120JL(W)」、東芝「ZABOON TW-127XM3L(W)」といい勝負で、現時点では3モデルが15万〜16万円台の最安価格で争っている状況だ。

このように、ドラム式洗濯機は、コロナ禍の反動で売れ行きが鈍っていることに加え、パナソニック、日立の2大メーカーがフラッグシップモデルの販売価格をかなり高めに設定した裏で、東芝やAQUAがかなり価格を下げた販売で好調を得ており、これに反応するような形で、各メーカーの廉価モデルがさらなる価格引き下げで対抗するような形となっているため、全体的に販売価格がかなり下げられているという状況となっている。消費者にとってみれば、これは実にありがたい話であり、ドラム式洗濯機の購入を考えているのであれば、これほどの好機もめったにないほどの買い時となっている。

コレ買っときゃ間違いない! 価格.com編集長が今注目するドラム式洗濯機6選

※最安価格とユーザー満足度・評価は、いずれも2024年7月17日 時点のものです。

東芝「ZABOON TW-127XP3L」

TW-127XP3L

価格.com最安価格:210,019円
発売日:2023年9月発売
ユーザー満足度・評価:★4.57(16人)
洗濯容量:12kg / 乾燥容量:7kg

東芝「ZABOON」のフラッグシップモデル。発売時の価格は40万円近かったことを考えると、ほぼ半額レベルのスーパープライスとなっており、まさにお買い得。「抗菌ウルトラファインバブル洗浄EX」にはよる高い洗浄力が特徴で、昨今のトレンドである液体洗剤・柔軟剤自動投入にはもちろん対応。乾燥はヒートポンプで省電力。操作しやすくスタイリッシュな大型カラータッチパネルを備え、デザイン性にもすぐれるなど、全体的なレベルの高い人気モデルだが、廉価モデルをラインアップしたことで売れ行きが落ちたのか、早くから価格が下がって、価格.com上でも人気モデルの常連となった製品。

日立「ビッグドラム BD-SV120JL(W)」

BD-SV120JL

価格.com最安価格:157,300円
発売日:2023年9月中旬発売
ユーザー満足度・評価:★4.16(7人)
洗濯容量:12kg / 乾燥容量:6kg

日立「ビッグドラム」シリーズの中では廉価モデルに位置づけられる製品。フラッグシップモデルの「BD-STX130JL」や「BD-SX120JL」の販売価格が高止まりしているいっぽうで、かなりの低価格で販売され人気を得てきた。廉価モデルとはいえ、同シリーズの特徴である「ナイアガラ洗浄(温水非対応)」や「風アイロン」はもちろん、液体洗剤・柔軟剤の自動投入や「らくメンテ」にも対応し、基本的な機能はすべて備えていると言ってもよい。乾燥機能ではヒートポンプに対応していないが、その分、価格は安く、今なら15万円台という驚きのプライスで購入可能だ。

パナソニック「NA-LX125CL-W」

NA-LX125CL-W

価格.com最安価格:225,000円
発売日:2023年10月1日発売
ユーザー満足度・評価:★4.65(6人)
洗濯容量:12kg / 乾燥容量:6kg

パナソニックのドラム式洗濯機は人気が高いが、その多くがメーカー指定価格で高止まりしていたため、今シーズンはやや人気が低い。しかし、4月以降、その価格が一気に下がったため、人気が上昇中。とはいえ、フラッグシップモデルの「NA-LX129CL-W」や「NA-LX127CL-W」はまだまだ価格が高いため、20万円台前半で購入可能な本モデルを推奨したい。上位モデルと比べると、「スゴ落ち泡洗浄」や「トリプル自動投入」「はやふわ乾燥ヒートポンプ」といった基本機能は同等レベルだが、温水洗浄に対応していない点と、「ダニバスターコース」非搭載、スマホ連携非対応といった点が異なる。ただ、このあたりの機能性にこだわりがないのであれば、パナソニックの製品としては購入しやすい。

東芝「ZABOON TW-127XM3L」

TW-127XM3L

価格.com最安価格:160,385円
発売日:2023年9月発売
ユーザー満足度・評価:★4.42(3人)
洗濯容量:12kg / 乾燥容量:7kg

上記「ZABOON TW-127XP3L」の廉価版モデル。廉価版とはいえ、基本性能は上位モデルとほぼ同等で、温水洗浄に非対応なのと、スマホ連携に非対応な点を除けば、ほとんどの機能を網羅しており、そういう意味では非常にお買い得だ。なお、操作系はタッチパネルではなく、ボタン式となる。今なら16万円程度で購入でき、若干高級感は失われるが、実を取るならよい選択と言えそうだ。

AQUA「まっ直ぐドラム2.0 AQW-DX12P-L」

AQW-DX12P-L

価格.com最安価格:141,357円
発売日:2023年10月19日発売
ユーザー満足度・評価:★4.42(18人)
洗濯容量:12kg / 乾燥容量:6kg

今季のダークホース的存在のドラム式洗濯機。温水洗浄、液体洗剤・柔軟剤自動投入機能、ヒートポンプ乾燥など、他メーカーのフラッグシップモデル並みの機能・性能を持ちつつも、20万円以下の実勢価格で人気を得てきた。UV照射で除菌するエアウオッシュ機能は、洗うことのできない帽子やぬいぐるみの除菌などに便利と人気が高い。また、洗濯容量12kgの大容量モデルながら、コンパクトに設置できることから、マンションでの使用などに向いている。今なら15万円を切る破格のプライスで、かなりリーズナブルに購入可能だ。

シャープ「ES-X11B-L」

ES-X11B-L

価格.com最安価格:184,118円
発売日:2023年9月14日発売
ユーザー満足度・評価:★4.90(9人)
洗濯容量:11kg / 乾燥容量:6kg

シャープのフラッグシップモデル。他メーカーの製品の陰でやや目立たない感じはあるが、フラッグシップモデルらしく、マイクロ高圧洗浄、液体洗剤・柔軟剤自動投入機能、ヒートポンプ乾燥(ハイブリッド乾燥)といった諸機能を備えるほか、乾燥フィルターの自動お掃除機能や、スマホ連携機能、プラズマクラスターによる除菌・消臭機能など、機能性はかなり高い。前面スモークガラス&タッチパネル液晶のデザインも未来的。これだけの機能性を持ちながら、18万円台で購入できるのはお買い得だ。

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鎌田 剛(編集部)
Writer
鎌田 剛(編集部)
1996年にソフトバンクにて複数のパソコン情報誌の編集・立ち上げに携わった後、2002年にカカクコム入社。2006年「価格.comマガジン」を創刊。以降、編集長としてメディア運営に携わる。日経MJにてコラム連載、ラジオ出演なども幅広く行う。家電製品アドバイザー資格保持者。
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北島圭介(編集部)
Editor
北島圭介(編集部)
出版社で10数年、編集者として経験を積み、2022年にカカクコム入社。家電製品から文房具など、さまざまな商品を検証するモノ雑誌の編集経験を生かし、価格.comマガジンで生活家電を中心に気になる製品をレビューしている。
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