「ジレット」初となるボディ⽤T字カミソリ「ジレット フュージョン ボディ 」(左)と、ブラウンの電動ボディシェーバー「ボディグルーマー シリーズ7 BG7550 」(右)
夏は肌の露出が増え、体毛が気になるシーズンだ。
近年、男性の2人にひとりが体毛を処理しており、ボディシェーバーの使⽤者数は 200 万人以上に達している。特に若年層の男性の64%は、体毛に何らかのケアをしているという。しかし、ボディシェービングをしている人の約50%は、身体を剃る際に顔用のT字カミソリを流用しているのが現状だ(P&G調べ)。
当然、体毛処理専用ツールを選ぶほうが使い勝手も仕上がりもいいのだが、とことん無毛や永久脱毛に近いツルツル状態にするのか、それとも自然な形で毛を残しておきたいのかでツールも変わってくる。
今回は、T字カミソリでノウハウをため込んだジレットの体毛処理専用T字カミソリ「フュージョン ボディ 」と、電動シェーバー界で深剃りに定評のあるブラウンの電動ボディシェーバー「ボディグルーマー シリーズ7 BG7550」の2つの体毛処理ツールを比較してみた。
まずは、ランニングコストから比較してみよう。
初期投資を考えると、「ジレット フュージョン ボディ 」のようなT字カミソリは本体が1,000円台と圧倒的に導入しやすい。カミソリの刃はおよそ14回が使用回数の目安。体毛はヒゲと違い、毎日剃ることはないし、夏だけを考えるなら2、3日に1回程度の使用で済みそう。そうなると、月に一度替え刃を交換するだけでワンシーズンもつため、3個入りで2,000円程度の替え刃を1回買えば済む計算となる。つまり、3,000〜4,000円でひと夏過ごせるわけだ。
いっぽう、ボディ用電動シェーバー「ボディグルーマー シリーズ7 BG7550」の場合、価格.com最安価格は11,789円(2025年8月5日時点)。本体は5〜7年持ち、替え刃交換も約18か月を推奨 と、一度買えば追加費用はしばらく必要ない。
通年使用の場合で計算すると、「ジレット フュージョン ボディ 」は18か月(540日)で6回替え刃を購入して交換すると10,000〜12,000円程度に。本体と合計しても1万円台なかばなので、長期のランニングコストは同じくらいとなる。
ただ、先述したが、夏限定で使用する場合は、T字カミソリ型のほうがコストはかからない。
手動か電動かというよりは、ランニングコストや仕上がりで選ぼう
次に、使用したときの仕上がりを比較してみよう。
まずはT字カミソリ「ジレット フュージョン ボディ 」から。こちらは、ヒゲ用T字カミソリとほぼ同じで取り回ししやすく、充電作業もいらず、風呂剃りも手軽にできてとにかく楽だ。仕上がりは、ツルツルスベスベ肌。ただ、毛の長さは調整できないので、いかにも処理していますというツルすべの仕上がりが気になる人には向かない。
いっぽう、電動シェーバー「ボディグルーマー シリーズ7 BG7550」は、付属のアタッチメントを駆使することで、短め/中くらい/長めという毛の残し方が簡単にできる。周囲に処理していると感じさせない自然なムダ毛処理が可能なのはこっちだ。
つまり、短パン着用時のスネ毛をイメージしたとき、ツルすべにすることには抵抗があるという人も少なくないだろう。そんなとき、ボーボーではなく、短めにきれいに整っているという清潔感のある仕上がりがいいというなら、「ボディグルーマー シリーズ7 BG7550」がおすすめだ。
特に本モデルは、アタッチメントを装着することで、カミソリの刃が肌に直接当たらないため、安全性も高い。VIOなどのやわらかくて刃が食い込みやすく、傷つきやすい部分も、安全に処理できるというメリットもある。
得意分野で選ぶのがよさそう!
ここからは、ジレットのボディ用T字カミソリ「フュージョン ボディ 」と、ブラウン「ボディグルーマー シリーズ7 BG7550」を実際に使ってみて、それぞれの使い心地を比べてみよう。
見た目は通常のT字カミソリとあまり変わらない「フュージョン ボディ」
そもそも、ヒゲを剃るときにいつも使っているT字カミソリで、身体のムダ毛処理をするとどうなるか。
まず、ヒゲよりも体毛のほうが多くて長い分、近年主流の5枚刃のT字カミソリなどでは、剃りはじめるとあっという間に目詰まりしてしまう。また、ヘッドが大きく、剃る部分が目視しづらいため、刃の角度が付いた状態で剃ってしまうなど、肌を傷つけやすい。したがって、ヒゲ剃り用T字カミソリの流用は、使い勝手や安全性の面でおすすめはできない。
その点、「フュージョン ボディ」はボディ専用に設計されたT字カミソリ。ハンドル部はシリコンコーティングが施され、どこを持ってもホールドしやすく、風呂剃りにももってこいだ。また、5枚刃よりも刃と刃の間隔が広い2枚刃をあえて採用しており、長い体毛が詰まりにくくなっている。さらに、刃と刃の間には樹脂製の「スキンプロテクト」を搭載。刃が必要以上に肌に食い込まないように、肌への刃の圧力が分散されるように設計されている。
シリコンコーティングが施された「アクアグリップ」は、ベタついていると感じるほどホールド感が高い
向こう側が見えるほど2枚刃の間隔は広く、単純に剃りやすい
ヘッドの可動域は上下のみ
肌を濡らし、シェービングジェルを塗ってから、「フュージョン ボディ 」で実際に剃ってみた。
刃の上下に配置されたアロエ成分配合のストリップのおかげで、ヘッドが肌の上を滑らかに滑るので、強く押し当てなくてもスルスルと剃れる。もちろん、切れ味を保つためには、3〜4ストロークしたら刃をゆすごう。
もちろん、そうは言っても刃が肌に当たる感覚はある。毛が濃いとついつい押し当ててしまいたくなるかもしれないが、刃の切れ味がいいのであくまで滑らせる程度に。ヒゲの場合は順剃りが基本だが、順剃りができないスネ毛などは逆剃りするしかないので、余計な力をかけないほうが剃った後、ヒリヒリしないはずだ。
剃り上がりはやはりツルすべ。電動シェーバーでも見た目は同じように無毛に近い状態にできるが、「フュージョン ボディ 」で剃った後のツルすべ感は格別だ。肌の触感も意識している人は「フュージョン ボディ 」一択だ。
水で塗らした後、シェービングジェルを使用
引っかかりなくスムーズに剃れる!
フラッグシップモデル「ボディグルーマー シリーズ7 BG7550」
「ボディグルーマー シリーズ7 BG7550」は、ブラウンのシリーズ最高峰のボディシェーバー(ボディトリマー)。体毛を剃り上げるだけでなく、整えるために特化しているところが特徴だ。ヒゲ用シェーバーとの違いは、刃の当たる部分が広く、凹凸の多い部位にも対応しやすい設計を採用している点。
持ってみると、手のひらに収まるコンパクトさ。入門者向けの電動シェーバーのような見た目で、ひたすら軽く、扱いやすい。
最大の特徴は、2種類のヘッドや、各種アタッチメントの付け替えにより、毛の残し方にこだわれるところ。
ヘッドは2種類。外刃付きの「ボディシェーバーヘッド」(左)と刃が横一列に並んだタイプ(右)から選べる
「肌保護用アタッチメント」と3mmと5mmのコームが付属
しかも電源を入れると、ヘッドライトのように業界初の「スマートライト」が点く。確かに、ボディは凹凸が多いし、目から遠いところのうぶ毛などは目視しにくい。そんな場所の毛も、光で浮かび上がるので、見つけやすく、とても便利だった。
うぶ毛も照らし出す「スマートライト」
「スマートライト」で浮かび上がるムダ毛
また、ハンドル部には水に濡れた状態でも滑りにくい「アクアグリップ」を採用するほか、100%防水設計なので風呂剃りも可能だ。
いくらヒゲ剃りで慣れていたとしても、電動シェーバーをボディに使うのはちょっと感覚が異なる。深剃りできるタイプのヒゲ用電動シェーバーを、コントロールしにくい体毛部分に当てるのは少々勇気がいるだろう。その点、本機は「スキンプロテクトテクノロジー」を搭載しており、刃が肌に直接当たらないので安心して使える。
まずは、刃が横一列に並んだタイプで剃ってみる。刃がむき出しにならないように装着するのが「肌保護用アタッチメント」。刃よりも先に樹脂部分が肌に触れるので安心感は高い。
引っかかりや痛みはまったくなし!
体毛をもう少し残したい人は、3mmか5mmのコームを装着して、自分の好みの長さに整えよう。特にスネ毛は、ツルツルではないが、短く自然に整っているという絶妙な状態に仕上げられる。
3mmコームを付けて剃って、スネ毛を自然に残してみた
もちろん、ワキやVIOなどのやわらかく傷つきやすい部分も、ライト照射と刃のガードで安心して作業できる。
ガードのおかげで、見えづらい部分も安心して使える
短く刈り込みたい人は、ヘッド部分を「ボディシェーバーヘッド」に交換してみよう。これも外刃を取り囲むように「スキンプロテクトガード」が搭載されているので、肌の傷つきを防止してくれる。この剃り方では、「フュージョン ボディ」ほどではないが、かなりスベスベな仕上がりまで到達できた。
短くしたい人には「ボディシェーバーヘッド」。これも刃の上下にガードが付いているので安心だ
ちなみに、「ボディグルーマー シリーズ7 BG7550」は90分のフル充電で100分駆動(充電は専用ACアダプターを使用)
体毛を手軽にツルツルスベスベにしたい、使い慣れているT字カミソリと同じ要領で体毛も剃りたいという人には、「フュージョン ボディ 」がおすすめ。特にヒゲ用T字カミソリで体毛をケアしていた人は、「フュージョン ボディ 」の使いやすさに感動するはずだ。肌を傷つけたくない敏感肌の人でも使いやすい。夏の間だけ何とかしたい人にも導入のしやすさからおすすめできる。
いっぽう、あくまで見苦しくない程度にほどよく手入れがしたいなら、「ボディグルーマー シリーズ7 BG7550」がいい。うぶ毛さえ浮かび上がらせる「スマートライト」が装備されているのはこの機種だけ。スポーツジムや室内プールで運動する人など、1年中手入れが必要な人は、ランニングコストを含めるとこちらのほうがおすすめだ。あえて問題をあげるとするならば、アタッチメントの管理くらい。紛失しないように、付属のケースにまとめておくクセをつけておきたい。
体毛の長さの好みやランニングコストで選ぼう!