レビュー
吸い込んだ空気の7倍の風量を放出する球体が家にやってきた!

“羽がない丸い扇風機”パナソニック「創風機 Q」ってどんなもの?

エアコンの利用時間が増すこの季節、電気代を抑えるために有効なのが扇風機。扇風機で空気を循環させてエアコンの“ムダな冷やし過ぎ”を防ぐ対策は、節電意識の高まりとともに一般的となった。そんな扇風機のトレンドは、“不快感のない風”や“インテリア性の高さ”。超微風やムラのない風を生み出すDCモーター搭載機や羽根のないタイプが人気を博している。そして、また不思議なカタチの扇風機が誕生した。羽根を備えない球体から送風する、パナソニック「創風機 Q(キュー)」だ。どのような風が創出されるのか、チェックしてみよう。

風が生まれる仕組みと構造をチェック

羽根がない扇風機というとダイソンが有名だが、「創風機 Q(以下、Q)」は、より“扇風機っぽいカタチ”をしていない。ボールのような丸い筐体に複数の穴が開いており、初めて見た時、筆者はスピーカーだと思ったほどだ。そんな「Q」が風を生み出す仕組みを解説しよう。

まず、本体背面にある吸気口から空気を吸い込み、搭載されたファンで高圧化。その高圧空気は高速風となり送風される際に、側面にある穴から空気を誘引する。これにより、放出される風は吸い込んだ空気の約7倍にまで増幅。また、この空気を誘引する働きを最大限に発揮するために、丸い形になったという。

本体背面の細かい穴が開いている部分が吸気口。ここから空気が吸い込まれ、ファンで高圧化された空気が本体内を通って前方に

その際、側面にある6つの穴から引き込まれた空気が合わさり、大きな風量となって放出される

その際、側面にある6つの穴から引き込まれた空気が合わさり、大きな風量となって放出される

必ず、スタンドにセットした状態で使用する

準備は電源コードを接続し、スタンドに乗せるだけなので迷うことはない。必ず、スタンドにセットした状態で使用する

操作部は、上部にある状態となる

操作部は、上部にある状態となる

コントロールできるのは電源のON/OFFと風量、「切」タイマー(1時間と3時間)のみ。風量は5段階から選べるほか、信州・蓼科高原に吹く風をプログラムした「1/fゆらぎ」というモードも用意されている。リモコンは付属していないので、すべて操作部で行う

首振り機能はないが、スタンドの上で球体の向きを自由に動かせるので風が出る方向は細かく調節できる

首振り機能はないが、スタンドの上で球体の向きを自由に動かせるので風が出る方向は細かく調節できる

どんな風が創られる?

吸い込んだ空気の約7倍の風が出るとはいえ、本体サイズが直径25cmほどしかない「Q」で部屋中に満足のいく風を届けられるのだろうか。

吹出口の周りにビニールテープを付けて、風量を比較。写真は停止時

吹出口の周りにビニールテープを付けて、風量を比較。写真は停止時

風量「1」ではテープ1本がかすかに揺らぐ程度

風量「1」ではテープ1本がかすかに揺らぐ程度

風量「5」にすると3本とも床につかないほど勢いよくなびいた

風量「5」にすると3本とも床につかないほど勢いよくなびいた

背面の吸気口や側面の誘導口から風が引き込まれているということだが、手やテープがくっつくほどの強い吸引力ではないようだ

6畳の部屋で検証
どのように風が届くのかを、6畳の部屋で調べてみる。「Q」の吹出口より90cm離れた所からビニールテープを垂らし、約60cm間隔で部屋の奥まで配置。横に垂らしたテープは、中央部を除いて約30cm間隔とした(中央部分のみ電気があるため、約60cmの開き)。風量を1〜5に順に変えていき、最後に「1/fゆらぎ」を実行して風の動きをチェックする。

「Q」の吹出口が床から約40°の位置になるようにセットして、運転スタート

「Q」の吹出口が床から約40°の位置になるようにセットして、運転スタート

風量「1」では「Q」の正面にあるビニールテープが揺れる程度だが、「2」になると奥のほうまで風が届いてる(上の動画参照)。「3」にすると正面だけでなく、部屋全体のテープが揺らぎ、「4」で天井付近までなびいた。風量「5」になると、「Q」と一番離れた所のテープも勢いよく揺れている。最後に実施した「1/fゆらぎ」は風量「5」の状態で試したが、大風量と微風が切り替わりながら送風された。

風はどこまで届くのか?
上で検証した6畳の部屋では、「Q」から一番離れた位置でも風量「2」で“風がきている”と体感することができた。では、もっと大きな空間ではどうだろうか? 会社の一室を利用し、風の届く範囲を調査してみた。ビニールテープは「Q」の吹出口より、1本目約6m、2本目約8m、3本目約10m、4本目約12m、5本目約14m、6本目約16m離れた位置に配置。そして、筆者は吹出口から約19mの所でウォッチした。

しっかりと風が身体に触れる感覚を得られるのは、風量「5」でも約14m以内の範囲だった。しかし、「Q」の風は直線で送風するというような単純なものではない感じがする。風が壁や家具にぶつかって空気が攪拌されるのか、どこからともなく風が届くのだ。風量=風のパワーであることは間違いないが、微風であってもゆっくりと遠くまで風がやってくる感じ。約19m離れた所に居た筆者も、かすかに風を感じることができた。

実際に家で使ってみた

続いて、生活空間の中で「Q」を使うと、どのような感じになるのかをチェックしてみる。今回は日中に居間で稼働させたほか、就寝時にも利用したみた。

エアコンは稼働させずに、風量「1」の「Q」だけで就寝したが運転音や風はまったく気にならず。操作部で点灯するライトも弱い光なので、明るさがジャマになることもなかった

置き場所をいろいろ悩んだが、結局、普段は足元に置いて使用することに

エアコンを使用する季節になったら、サーキュレーターのように利用するものいいだろう

エアコンを使用する季節になったら、サーキュレーターのように利用するものいいだろう

長時間、「Q」の前で過ごしていた

居間に置いておいたら、姪っ子たちが「Q」に大接近! 子供の表情を見てもらえばわかるように、風が心地いいようだ。長時間、「Q」の前で過ごしていた

「Q」には羽根がないため、穴に手を差し込んでもケガをすることはない

「Q」には羽根がないため、穴に手を差し込んでもケガをすることはない

子供たちが勢いよく「Q」に触れるのでスタンドから本体が落ちるのではないかと心配していたが、スタンドは本体と接触する部分がゴム素材になっており、安定感バツグン。安全性も高いと言えるだろう

ただし、チャイルドロックがないので勝手に風量やタイマーを変えられてしまうことも。操作されてもそれほど問題はないが、安定した快適さを保つためにはチャイルドロック機能がほしいところ

まとめ

風を生み出す大まかな原理はダイソンの「エアマルチプライヤー」と同じなため、放出される“風の質”も似ている。ムラがない風で、大風量でもやさしい。DCモーターを搭載しているので運転音も小さく、風量「1」や「2」なら稼働していることにも気付かないほどだ。現に、風量「1」でこっそり運転ONにしてみると、同じ部屋にいた家族は音には気付かなかったが、“どこからか風が来る”と風を感じとった様子。空気が循環しているので、フワッとランダムに吹くような風の流れを家の中で感じられる。長時間その空間に居ても不快感はなく、常に稼働させておいても問題はなさそう。ちなみに、最大風量でも消費電力は18.5W。1日8時間使用したとしても、1か月の電気代は120円程度だ(電気代は、1kWhあたり27円で算出)。

そして、風の快適さだけでなく、設置の安定感も見逃せないポイント。「Q」は台座に対して本体が低いので転倒しにくい。幼い子供がいる家庭やペットを飼っている場合、接触で倒れる心配が少ない安心感は魅力的だろう。

羽根がないので、普段の手入れもラクラク

本体は布で拭けばOK。羽根がないので、普段の手入れもラクラクだ。たまに手入れすべきは、吸気口にあるフィルター

吸気口にあるフィルターに付着したホコリは、たまに掃除機で取り除こう

フィルターに付着したホコリは、掃除機で取り除こう

中村 真由美(編集部)

中村 真由美(編集部)

モノ雑誌のシロモノ家電の編集者として6年間従事した後、価格.comマガジンで同ジャンルを主に担当。アウトドアからオタク系まで意外と幅広くイケちゃいマス。

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