アイロボットは、床拭きロボットの新製品「ブラーバ ジェット 240」(以下、ブラーバ ジェット)を発表した。新製品最大の特徴は、本体のコンパクトさ。そして、本体前方からジェットスプレーを「吹き付けて」掃除するという特徴的な動作だ。本日、都内で行われた製品説明会でその動きをいち早くチェックしてきたのでお届けしよう!
アイロボットの床拭きロボット「ブラーバ ジェット 240」。本体上部の「CLEAN」ボタンで掃除を開始する
ブラーバといえば、ロボット掃除機「ルンバ」を開発したアイロボット社の床拭きロボット。フローリングやタイル床などの水拭き・乾拭きといった「雑巾がけ」が可能で、掃除機では取り切れない、ザラザラとした砂汚れやベタベタの皮脂汚れまでスッキリ掃除できる。このため、外の土を持ち込む子育て世帯やペットを飼っている家庭にはとくに人気だ。
本体前面には、後述するジェットスプレーを吹き付けるための穴を配置
本体後面にはバッテリーを搭載。ルンバのように、自分で充電ステーションにもどるタイプではないため、バッテリーをアダプターに装着して充電する必要がある
新製品ブラーバ ジェットの最大の特徴は、水拭き掃除の方法。従来のブラーバで水拭きする場合、水タンクを備えたパッドに布を巻き付けて「濡れた雑巾」で床を磨く方式だった。一方、ブラーバ ジェットは床に水をシュッとスプレーし、その上をパッド(雑巾)で拭きとる方法を採用。あらかじめ、ジェットスプレーで水を吹き付けることで汚れが浮かび上がるため、より多くの汚れが掃除できるという。また、掃除中はヘッドが振動しながら動くため、ただ床を往復するだけの床拭きロボットと比較し、よりしっかりと汚れを落とすという。
本体前方にシュッと水をスプレーし、濡れた床面を装着したパッドで拭き取る
以下の動画は、一番よく水を使用する「ウェットモップモード」で掃除しているようす。動作後すぐと、12秒目で2回水をスプレーしているのが見える。
本体を裏からみると、パッドが振動しながら動いているのが確認できるだろう。
本体のハンドル部分を起こすと、水を入れるタンクの入り口がある。入口はゴミが入らないようにフィルターになっており、取り外して洗うことも可能
ブラーバ ジェットのもう1つの特徴が、本体のコンパクトさだ。本体サイズは178(幅)×84(高さ)×170(奥行)mm。従来のブラーバも、ルンバと比較するとかなり小さく感じたが、それよりさらに小さい。このコンパクトなボディーで、部屋の狭い場所にもスイスイと入り込み、汚れを落としてくれる。
ブラーバ ジェット(左)とブラーパ(右)を比較。ブラーパもロボット掃除機と比較すると小さかったが、ブラーバ ジェットはさらに小ぶり
重さも約1.2kg(バッテリー装着時/クリーニングパッド除く)と軽量。ハンドルも搭載されていて、家じゅうに持ち運びやすい
部屋を移動するナビゲーションシステムには、ルンバの上位機種と同じ「iAdapt 2.0」を採用。掃除ごとに部屋の広さや障害物の位置をマッピングすることで、規則正しいパターンで効率よく掃除ができる。また、水拭き時は、家具に水をスプレーしないよう、一度後退してから水をスプレーするなど、細かな点にも気を配っている。
ブラーバ ジェットは専用のクリーニングパッドを装着して掃除をする。用意されているパッドの種類は3タイプ。そして、パッドの種類にあわせて、本体は3つのモードで動作する。ちなみに、本体製品購入時には、使い捨ての各パッドが2枚ずつ付属する。
専用パッドは、本体横から「カチッ」と音がするまでスライドさせて装着。モードを選択するボタンなどはなく、装着したパッドで自動的に本体の動作モードが設定される
1つが、一番汚れを落とす「ウェットモップモード」。これは、パッドを振動させながら、同じ場所を3回念入りに掃除するモードだ。掃除中は、左右に蛇行する特徴的な動きをする。
10枚組で販売される使い捨てウェットモップパッド(使い捨て)と、ウェットモップモードに使用する洗濯可能で繰り返し使えるクリーニングパッド。使い捨てのパッドには洗剤が染み込ませてあり、水だけで掃除するよりもきれいに掃除できる
もう1つが、日常的な水拭き掃除に使える「ダンプスウィープモード」。これは、振動しながら少ない水で水拭きをするモード。ウェットモップモードとは異なり、前後に移動する直線的な動きで同じ場所を2回掃除する。
こちらも10枚組で販売されるダンプスウィープモード用の使い捨てパッドと洗濯可能なクリーニングパッド。こちらも、使い捨てパッドにのみ洗剤が含まれている
さいごに、乾いたパッドで掃除する「ドライスウィープモード」。こちらは、水なしでホコリや毛などの汚れを乾拭きするのに向いている。同じ場所は一度しか掃除しないのも特徴だ。
10枚組の使い捨てドライスウィープパッドと、洗濯可能なクリーニングパッド。ドライスウィープパッドのみ、使い捨てのパッドにも洗剤が含まれていない
パッドで選択できるモードのほか、アプリから操作可能な「スポットモード」も搭載。これは、本体前方1平方メートルを限定的に掃除するモードだ。子供がジュースをこぼしてしまった場合など、ちょっとした掃除に便利。
本体はスマートフォンのアプリからも起動・動作可能。また、アプリからは前方1平方メートルを掃除する「スポットモード」も選択できる
ちなみに、従来のブラーバはドライモードで56畳、ウェットモードで20畳の掃除ができたが、ブラーバ ジェットはコンパクトな分最大稼働面積はウェットモップモードで12畳、ダンプスウィープモードとドライスウィープモードで15畳と、従来より狭い。家全体を掃除するには少々スペースが小さいため、同社では家全体は従来のブラーバ、汚れの激しいキッチンや風呂場などの掃除にブラーバ ジェットなど、使い分けることを推奨するという。
可動範囲は狭いが、従来よりも汚れ落ちがよいので、汚れがひどくなりやすいキッチンなどの掃除に最適