厚生労働省の調査によると、日本人の約84%が奥歯の虫歯を経験しており、奥歯はその磨きにくさゆえ、ほかの歯に比べて寿命が10年短いそうだ。また、奥歯が抜けてしまうと、奥歯にかかっていた負担がほかの歯にいってしまうため、連鎖してほかの歯も抜けやすくなってしまうと言われている。つまり、奥歯のケアは難しいにもかかわらず、歯の健康のための重要な要素というわけなのだ。
オムロン ヘルスケアの音波式電動歯ブラシの新モデル「メディクリーン HT-B315」(以下、HT-B315)は、そんな奥歯のケアをしっかり行えるのが特徴。ヘッドを傾けたことにより、直線形状の歯ブラシでは届きにくかった奥歯をしっかり磨けるというのだ。2016年10月5日発売予定で、市場想定価格は14,800円(税別)となっている。
「HT-B315」の最大の特徴は、奥歯の奥までブラシがリーチするよう、11°に傾いた独自のヘッドだ。この11°という角度は、歯科医師が使用するデンタルミラーを参考にしたもので、もっとも日本人の歯列にフィットしやすい角度。角度が浅いと奥歯の奥に届かないが、傾けすぎると前歯が磨きにくくなるため、歯科医師やモニターの意見を取り入れて算出されたという。
本体サイズ(ブラシ含む)は、約230(全長)×24(半径)mmで、重さは64gと、スリムで軽量。約10時間の充電で、40分程度使用することができる。カラーはブラックとシルバーが用意される
ヘッドが直線の従来機(左)と比べると、「HT-B315」のヘッド(右)は傾いていることがわかる
歯列に対して平行にブラシを入れた場合、まっすぐなヘッドでは奥歯とブラシの間に隙間ができるが(左)、「HT-B315」の場合はブラシが歯に密着している(右)
このように、「HT-B315」のヘッドを傾けることができるようになった理由は、内蔵されているモーターの進化にある。従来機に使用していたものよりもコンパクトになった高性能マイクロモーターによって、従来機までは本体に内蔵するしかなかったモーターを、ブラシの取り付け部分に内蔵できるようになった。これにより、ヘッドを傾けたデザインが実現したのだという。
高性能マイクロモーター(下)の体積は従来のモーター(上)の4分の1程度
モーターの小型化によって消費電力も少なくなるため、連続動作時間は従来モデルの1.3倍(40分)に伸びたという
「HT-B315」のブラッシングモードは、縦と横の振動による楕円運動で落としにくい歯垢をしっかり除去する「クリーンモード」(標準モードで25,000回転/分)、歯の側面に平行に大きく運動して歯茎をやさしく磨ける「ソフトケアモード」(13,000回転/分)、かみ合わせ面に対して垂直に大きく運動して、歯の溝にたまった歯垢をかき出す「ポイントケアモード」(33,000回転/分)の3種類となる。これらの動きは、ヘッドを直接振動させるのではなく、モーターの振動による遠心力(共振動)を利用した同社独自の立体音波振動で、多方向への大きな動きが可能なため、「クリーンモード」で「トリプルクリアブラシコンパクト」(後述)を使用した場合、手磨きの約10倍の歯垢除去力が期待できるという。
オムロン ヘルスケアによると、最大33,000回/分という高速音波振動は業界最高だという
「HT-B315」では、付属するブラシにも奥歯の奥に届きやすいよう工夫が施されている。3種の植毛で歯垢をしっかり除去する「トリプルクリアブラシコンパクト SB-072」は、前モデルに付属していた「トリプルクリアブラシ SB-092」より約20%もコンパクト化。また、横から見た時に、毛先が上に向かってアーチを描くような形状に進化したことで、より歯垢をかき出しやすくなったという。
「トリプルクリアブラシコンパクト」(左)は、「トリプルクリアブラシ」(右)より小さいため、口が小さい人や、奥歯をしっかり磨きたい人にも適しているという
「HT-B315」には、「トリプルクリアブラシコンパクト」のほかに、「トリプルクリアブラシ」、2種類の微細毛が歯面の凸凹や歯と歯の間、歯周ポケットの歯垢をやさしくかき出す「極細マイルドブラシ SB-082」、磨きにくい歯間や歯並びの悪い場所の歯垢をかき出す「すき間みがきブラシ SB-092」が付属しており、用途に応じて使い分けることが可能だ。
左から、「トリプルクリアブラシコンパクト」、「トリプルクリアブラシ」、「極細マイルドブラシ」、「すき間みがきブラシ」
「ソフトケアモード」が搭載されず、「極細マイルドブラシ」と「すき間みがきブラシ」が付属しないエントリーモデル「メディクリーン HT-B313」も用意されている。同日発売で、市場想定価格は11,800円(税別)。
エントリーモデルの「HT-B313」。カラーはホワイトのみ