ツカモトエイムは、2016年10月11日、フィルターに“水”を用いた新しいコードレス掃除機「Vagua」の発売を開始した。これに先立つ10月6日には、東京の「東急ハンズ新宿店」にてVaguaの商品デモ体験会が行われた。水をフィルターにしたってどういうこと? どんな仕組みなの? そんな疑問を抱きつつ、参加した体験会の様子を、製品の詳しい説明とともにレポートする。
10月11日に発売を開始したツカモトエイムの水フィルター掃除機「Vagua」。ボディカラーはアクアのみ。通常価格は38,000円で、東急ハンズでの購入は30,000円の特別価格になるとのこと。(価格は税別)
Vaguaは、ゴミを“水”でろ過する、水フィルター搭載のコードレス掃除機だ。水をフィルターにした掃除機は、同社調べによると世界初だそう(2016年9月時点)。従来の掃除機は、ゴミやホコリを掃除機内に吸い込んでいく過程で、紙パックやフィルターなどの目に埃やゴミが付着し、吸引力が低下する。そこで、目詰まりをおこさない“水”をフィルターにしたことで、吸引力が持続するという仕組みだ。また、水にホコリが吸い込まれるため、ゴミを捨てる際にホコリが舞わないのも大きなポイントだろう。その具体的な仕組みを、デモ体験会の流れに沿って説明していこう。
一般のお客さんも興味津々な商品デモ体験会開始前。なお、デモ体験会の今後のスケジュールは未定とのこと
本体はスタンドなしで自立する
中央部分を取り外せばハンディ掃除機としても使用可能。ただし、ハンディ部分は水フィルター非搭載で、通常のダストカップを使う
実演販売担当者がさっそく説明を開始した水フィルターの仕組みは、想像以上にシンプルなものだった。通常、ダストカップや紙パックが備えられている部分に水タンクがあり、タンクの水の中に直接、吸い込まれた埃やゴミが入ってくる。この水の中にホコリやゴミが吸い込まれ、空気がろ過されるという仕組み。さらに、水タンクを通り抜けてわずかに残った埃も、その上のハンディ掃除機内にある高性能フィルターでキャッチされてから排気口を通過するので排気は非常にクリーンだという。
左がVaguaの水タンク、右が一般的なダストカップ。ダストカップに溜まったゴミは捨てる時にホコリが舞ってしまいそうなのがわかる
水タンクは、適量の水を入れて取り付けるのみ
セット完了
準備ができたので早速掃除のデモを開始する。体験会では、掃除の成果がよくわかるように、ゴミとしては大きめなオガクズを使用。まずは、基本的な掃除能力をチェック。比較対象として、従来モデル(通常のフィルター搭載)と並べて掃除を行っていた。見た目ではっきりとわかるほど違いはわからなかったが、Vaguaは床に散らばったオガクズを、1ストロークないし2ストロークでキレイに吸い込んでいた。比較した様子は下記の動画を参照。
床および黒いじゅうたんに散らばったオガクズをほぼ1ストロークで掃除完了。リチウムイオンバッテリー搭載で最長約50分間(エコモード時)稼働するという
続いて、畳のゴザに小麦粉をこぼして実験を開始。畳は目が細かく、粉ものをこぼすと隙間に入り込み、掃除機でも吸いきれないことがある。このデモでも、Vaguaは問題なく粉を回収できていた。秘密は、強力なモーターを搭載した電動パワーブラシを採用したことにある。ブラシは強力なパワーで自動回転するうえ、毛の部分が長く細かく、小さなホコリもしっかりかき出すのだ。2枚重ねたゴザの内側を掃除後にチェックすると、小麦粉はまったく残っていなかった。なお、ブラシは取り外して洗うことができるので清潔さも保てる。
取り外しができるブラシ。毛先が長めなので細かい隙間の小さなゴミもかき出して吸い込まれる
掃除の能力がよくわかったところで、今度は気になるゴミ捨ての実演。水に取り込まれたゴミをどのように処理するのかとても気になるところだ。まずは、取り付け時と同様に水タンクを取り外す。そして、タンクの水を専用のダストカップに注ぐ。このダストカップは2段構造になっており、上段のザルのみを持ち上げると、ザルに残ったゴミだけを捨てられる。多少水気はあるが、そのままゴミ箱に捨てて問題ないだろう。思いのほかシンプルで納得の構造だ。そしてもちろん、水分を含んでいるので埃が舞わない。ホコリアレルギーがある人や小さな子どもがいる家庭でも安心して使用できる。
体験会ではオガクズを使用したのでイメージがつきにくいが、水タンクは外から見えるため、タンクの水がゴミを吸って汚れてくると、ひと目でわかるだろう
タンクの水をゴミごとダストカップに注ぐ
上段にゴミだけが分別されるので、持ち上げてさっとゴミ箱に捨てるのみ
ここまで掃除の流れを見てきて、筆者個人的には、想像以上に作りがシンプルで手入れが簡単だと感じた。吸引力の持続については、長期間使い続けていないのでわからないが、フィルターの目詰まりがないという点で吸引力が続く理屈は納得する。また、清潔さの面で、ゴミ捨ての際にホコリが舞わないのはかなりポイントが高い。ダストカップを開けるたびに息を止める必要がないのだ。さらに、本体内にはUVライトを搭載し、充電時にはタンク内を除菌できる。フィルター交換時の臭いもこれで対処できるというわけだ。
実際に掃除を体験してみて感じた唯一の難点は、本体が重いという点。水フィルターを使っていることもあり、コードレス掃除機ながらスティック部とハンディ部あわせて4.6kgと、片手でスイスイとはいかない。が、掃除機自体を持ち上げて移動させるなければ、さして問題にはならないだろうが、同様のスティッククリーナーがおよそ3kg程度であることを考えると、気になる人もいるかもしれない。
UVライト点灯で内部タンクを除菌しているのがわかる