レビュー
安全性を高めるテクノロジーと便利なIoT機能を搭載

ウインカーを出したり、ハンズフリー通話もできる自転車用ヘルメット「LIVALL」を試す!


道路交通法上、自転車乗車時のヘルメット装着は義務ではないものの(一部の地域では条例などでの努力義務あり)、ロードバイクをはじめとするスポーツタイプの自転車で長距離ライドする人たちのあいだではヘルメット使用率は高い。今回は、安全性をさらに高める機能やIoT機能を搭載した多機能ヘルメット「LIVALL(リボール)」を試してみた。

スマートフォンと連携する多機能ヘルメット

自転車用ヘルメットは安全性や通気性といった基本性能の高さも重要だが、自分の頭に合うものを選ぶのが大前提。LIVALLは日本製ではないため幅が気になるところだが、筆者が装着した印象では不快感はない。ただ、筆者の頭部は比較的幅が狭く、奥行のある形状なので、欧米人に適するヘルメットと相性はいいほう。しかしながら、LIVALLをかぶった際にサイドに余裕があったので、フィット感を調節する機構を用いれば多くの日本人が違和感なく装着できるのではないかと思われる。ヘルメットとしての性能に関しては、素材に高い耐衝撃性を誇る高強度のポリカーボネートを採用しており、その性能は専門機関によって認定されているという。さらに、首回りへの負担が少なくなるよう重量を約300gに抑えるとともに、空気抵抗を減らすデザインとされている。なお、LIVALLにはデザイン違いの「BH60SE」と「BH62」の2モデルがラインアップされているが、性能や機能に差はない。

今回は、今回はBH60SEを中心に説明する。サイズは230(幅)×150(高さ)×285(長さ)mmで、重量は285

今回は、今回はBH60SEを中心に説明する。サイズは230(幅)×150(高さ)×285(長さ)mmで、重量は285g

BH60SEにはホワイトとブラックの2カラーがラインアップ。ペント数(穴)は24個あり、通気性は上々だ

アウター部に厚さ1mmのポリカーボネートを、内側にはショックをやわらげるEPS発泡を使用。頭部に接する部分には、クッション材が装着されている

クッション材は着脱可能。取り外して洗浄すれば、清潔性を保てる

クッション材は着脱可能。取り外して洗浄すれば、清潔性を保てる

BH60SEをかぶってみたが、一般的なヘルメットと装着感は変わらない

BH60SEをかぶってみたが、一般的なヘルメットと装着感は変わらない

もちろん、頭部のフィット感やあごストラップの長さを調節する機構も装備されている。適応ヘッドサイズは55〜61cm

BH60SEより丸みを帯びたデザインのBH62も、基本的なスペックや以降で紹介する機能は同じ。ペント数(穴)は25個あり、デザインが若干異なるため、重量は310gとなっている

ここまでは一般的なヘルメットと大きく変わらないが、LIVALLには“頭部を守る以上の働きをする機能”が備えられている。バッテリー(3.7V/600mAh)や電子部品が搭載されており、電源をオンにすることでヘルメット後方に装備されたLEDライトが点灯し、テールライトやウインカーとしての役割を果たすのだ。ハンドルに取り付けられるリモコンも付属しているので、自転車に乗りながらの操作もカンタン。なお、LIVALLは「IPX4」相当の防水設計なので雨天でも使用できるが、完全防水ではないため雨の中での長時間ライディングは推奨されていない。

消灯しているので何も見えないが、後部にLEDライトが14灯搭載されている。ピンクの囲み部分がテールライトで、黄緑色の囲み部分がウインカーだ

テールライトやウインカー機能を使うには充電が必要。ヘルメット前方にある充電ポートに付属のUSBケーブルを接続して充電しよう。バッテリー残量ゼロの状態から満充電まで約3時間かかり、充電が完了するとテールライトが消灯する

ウインカーの操作はリモコンで行う

ウインカーの操作はリモコンで行う

リモコンはハンドルに装備可能。取り付けはバンドを巻き付けるだけなのでカンタンだが、走行中に外れない程度にしっかり固定される

なお、ヘルメットとリモコンとの接続は、5m以内の位置にそれぞれを置き、ヘルメット前方にある「□」ボタンを押すだけで完了する

さらに、ヘルメットとスマートフォンをBluetooth接続することで、ヘルメットに搭載されているマイクとスピーカーを使って乗車中に通話や音楽再生も行える。スマートフォンに専用アプリ「LIVALL Riding」(無料)をインストールし、LLIVALLヘルメットと同期させておく事前準備が必要だが、1度設定するだけなのでそれほど手間はかからない。スマートフォンにかかってきた電話を受けてハンズフリーで通話したり、スマートフォン内にある音楽を聴くことができるのは便利だし、イヤホンのように耳をふせがないので(イヤホンを装着しながら自転車に乗るのは道路交通法違反)周囲の音もしっかり確認できる。

ヘルメット前方に操作部とマイク(ピンクの矢印部分)、両側面にスピーカー(青色の矢印部分)が装備されている

スマートフォンのBluetooth設定をオンにし、専用アプリ「LIVALL Riding」を起動。あとは、ヘルメットの「□」ボタンを押し、メッセージが表示された場合は、その指示に従って操作していけばペアリングできる

安全性を高めるテールライトとウインカー機能をチェック!

まずは、テールライトやウインカーの性能を試してみる。前照灯は法律で装着が義務付けられているが、テールライトはない、もしくは反射板で済ませているライダーも多いだろう。ただ、夜間に後方からの視認性が高まると、安全性もかなり高くなるのであるに越したことはない。とはいえ、充電式のテールライトの場合、自転車から取り外して充電する手間もあるため、ヘルメットと一体化されているのは非常に便利だ。

ヘルメットの操作部中央にある「□」ボタンを押し、電源をオンにする

ヘルメットの操作部中央にある「□」ボタンを押し、電源をオンにする

電源がオンになるとすべてのLEDライトが赤色に点灯。ウインカー部は点灯するだけだが、テールライト部は中央から外側にライトが流れるように点灯するのでより視認性が高まる(下の動画参照)。常時、LEDライトは点灯した状態となるが、ライトのみの使用ならバッテリーは最大10時間持続可能だ

ウインカーを出したい時は、出したい方向に合わせて「◀」ボタンか「▶」ボタンを押すとウインカー部のLEDライトがオレンジ色に点滅(下の動画参照)。約5秒点滅したあと、通常の赤色の点灯に戻る。ボタンは小さいが、グローブを装着したままでも操作しづらくはない

夜間目立つのはもちろんだが、昼間も陰に入った時や曇りの日にはテールライトやウインカーはよく見える。朝や夕方は視認性が悪くなりやすいので、LEDライトで存在を伝えられるのは安心だ

通話の音声はクリア? 音楽再生はどのように行う?

続いて、ハンズフリー通話を試してみよう。道路交通法では片手運転は禁止されているため、自転車に乗車しながら携帯電話やスマートフォンを手で保持して通話するのはご法度。そんな時に役立つのがハンズフリー通話だ。ただ、LIVALLで行える通話は、基本的に自分のスマートフォンに着信があった時に受話できる機能。乗車中に自由に発信して通話できるワケではないが、どうしても電話に出なければならない用事がある時には重宝するはず。とはいえ、走行中の通話は注意力散漫になりやすいため、なるべく停車させてから行うほうがいいだろう。

事前にスマートフォンに専用アプリ「LIVALL Riding」をインストールし、ヘルメットと同期させておけば、アプリは起動させておかなくても受話可能。ただし、スマートフォンのBluetooth設定はオンにしておくのを忘れないようにしよう。なお、電話だけでなく、LINEなどからの着信も受話できる

ヘルメットを装着すると、耳の真上より少し前にスピーカーがくる。走行中は前方から後方に風が流れるので、音が耳に届きやすくするための工夫なのだろうか

電話に着信すると、下の動画のように着信音が聞こえる。リモコンの「□」ボタンを押せばワンアクションで通話できるので、自転車に乗りながらでも電話対応が可能だ

上の動画は、停車した状態で、ヘルメットのスピーカーにカメラを近づけて録画したもの。電話をかけてきた相手の声は、かなり聞き取りやすい。実際に走行しながら通話してみると、比較的ゆっくり走っている時は停車時とほぼ変わらないクリアな音声だったが、スピードを出していくと徐々に風切り音が混じるようになる。とはいえ、聞き返さねばならないほどではないので、十分許容範囲内と言えるだろう。ただ、スピーカーで流しているだけなので音声は周囲にも聞こえる。走行中なら他人に聞かれるおそれはないかもしれないが、停車時に通話すると内容が丸聞こえになるおそれがあるので注意しよう。

ヘルメットのスピーカーから聞こえる音声はまずまずだったが、発信者側にはどのように聞こえているのだろう。ということで、自転車で走行している筆者に電話してきたAさんに、その様子を録画してもらった(下の動画参照)。音声を録音するため、スマートフォンの通話をスピーカー設定にしているので音が割れているが、スピーカー設定ではなく通常の耳に当てて聞くスタイルだともっとクリアに聞こえたという。ある程度スピードを出して走行していたが、風切り音も気にならなかったとのこと。

LIVALLの通話機能基本的に電話を受けるものだが、リモコンの「□」ボタンを2回早押しすると、最後に自分が電話した相手にリダイヤルすることもできる。

音楽再生に関しては、スマートフォンにインストールしてある音楽プレイヤーアプリを使用する。音楽プレイヤーを起動させた状態で、「□」ボタンを押すと再生/停止ができ、リモコンは「▲/▼」ボタン、ヘルメットの操作部は「+/−」ボタンを短く押すことで音量調節ができ、長押しで前の曲や次の曲を選択可能。なお、音楽を聴いている時に着信があった場合、着信が優先されるので音楽は一時停止となり、着信音が流れる。電話を受け、通話が終わると、一時停止したところから音楽が再生されるので、いちいち操作する手間はない。

音楽再生も、専用アプリ「LIVALL Riding」を起動させておかなくてもいい。ハンズフリー通話同様に、ヘルメットのスピーカーから周囲に音は漏れるので、音量には注意が必要だ

なお、テールランプやウインカー、そしてハンズフリー通話、音楽再生など、LIVALLに搭載されている機能をまんべんなく使った場合、通常5〜6時間連続使用できるという。

まとめ

ハンズフリー通話や音楽再生できるIoT機能はおもしろいが、個人的には走行中は周囲の音に耳をすませ、ライディングに集中するほうがいいと思うので、LIVALLの大きな魅力は、テールライトとウインカー機能にあると感じている。自転車の後方に反射板を装着していれば法規上は問題ないが、テールライトのほうが視認性は高い。LIVALLのテールライトはただ点灯するだけでなく、動きのある点灯で存在をよりアピールしてくれるようになっているので、一般的なテールライトの代用になり得る。もちろん、すでにテールライトを付けている人が、さらに安全性を高めるためにLIVALLを装着するのもいい。なぜなら、一般的なテールライトには付いていないウインカー機能が使えるから。ヘルメットは事故や転倒などの際に頭を守る、自転車でいうところのパッシブセーフティ(衝突安全)を担うものだが、テールライトやウインカーを装備することで事故を予防するアクティブセーフティ(予防安全)にも寄与する。それらの機能を集約したLIVALLの価格は、BH60SEが15,280円(税込)、BH62が16,280円(税込)。ヘルメットとウインカー機能を備えたテールライトをそれぞれ購入より、安く済むだろう。

また、今回試してはいないが、ほかにも機能が搭載されている。専用アプリ「LIVALL Riding」でグループを作れば、LIVALLを使っている人たちで会話できるトランシーバー機能や、走行時間やルートなどのログを記録できる機能、カメラ機能を完備。そして、万が一の時に役立ちそうなSOS機能も用意されている。この機能は、自転車で転倒し、衝撃を受けると登録しておいた相手にSOSのメッセージが送られるというもの。どの程度の衝撃でメッセージが送信されるのかなど具体的なことは記されていないが、ひとりでツーリングに行く人にとっては安心材料となるかもしれない。

専用アプリ「LIVALL Riding」にある「緊急連絡先」に電話番号を登録しておくと、万が一の時にSOSのショートメッセージが送信される。緊急連絡先には最大3名まで登録可能

スマートフォンのGPSを使用して走行ルートや距離、スピードなどを記録する機能も専用アプリ「LIVALL Riding」に用意されている

リモコン上部にあるカメラマークのボタンを押すと、スマートフォンのカメラが起動。再度、カメラマークのボタンを押すと撮影できる。グローブをしていてスマートフォンを操作できない時などに役立ちそうだ

増谷茂樹

増谷茂樹

カメラなどのデジタル・ガジェットと、クルマ・バイク・自転車などの乗り物を中心に、雑誌やWebで記事を執筆。EVなど電気で動く乗り物が好き。

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