イベントレポート

オフロードでの走行性能もよくて普段使いもしやすい! パナソニックのe-MTB「XEALT M5」に試乗

パナソニックが2022年2月に発表した、新たなe-Bikeブランド「XEALT(ゼオルト)」の第1弾モデル「XEALT M5」のメディア向け試乗会を開催。e-MTB(マウンテンバイクタイプのe-Bike)としての走行性能を確かめるべく、マウンテンバイクコースでオフロード走行してきた。

日本人の体型と日本国内のトレイルに合わせた設計のe-MTB

XEALT M5は、日本人の体型や比較的狭い場所が多い日本の山道(トレイル)に合わせた設計となっているのが特徴のe-MTB。スタンドオーバーハイト(クランク軸上の地面からトップチューブ上面までの高さ)を抑えて小柄な人でもまたぎやすくし、ホイール径は近年の海外製マウンテンバイクで主流となっている29インチよりも小さい27.5インチを採用している。

フレームサイズ360mmの「BE-GM136」(適応身長157〜170cm)と420mmの「BE-GM142」(適応身長170〜183cm)の2車種がラインアップされている。メーカー希望小売価格は442,000円(税込)

フレームサイズ360mmの「BE-GM136」(適応身長157〜170cm)と420mmの「BE-GM142」(適応身長170〜183cm)の2車種がラインアップされている。メーカー希望小売価格は442,000円(税込)

ブルブラックと、初回50台限定カラーのスターライトシルバーの2色が用意される。ブルブラックは2022年4月8日発売予定で、スターライトシルバーは2022年7月発売予定

ブルブラックと、初回50台限定カラーのスターライトシルバーの2色が用意される。ブルブラックは2022年4月8日発売予定で、スターライトシルバーは2022年7月発売予定

フロントからサドルの取付部に向かって大きく下がった形状のフレームは、小柄な体型の多い日本人でもフレームをまたいで立ちやすい。ケーブル類はフレーム内部を通す設計となっており、スマートなルックスに貢献している

フロントからサドルの取付部に向かって大きく下がった形状のフレームは、小柄な体型の多い日本人でもフレームをまたいで立ちやすい。ケーブル類はフレーム内部を通す設計となっており、スマートなルックスに貢献している

径の小さいホイールは車体全体のサイズを抑えるだけでなく、小回りの効いたハンドリングに有利だ

径の小さいホイールは車体全体のサイズを抑えるだけでなく、小回りの効いたハンドリングに有利だ

タイヤ幅は2.4と太めでエアボリュームがあり、グリップと衝撃吸収性を確保。フロントサスペンションストロークは150mmと、ハードテイルタイプ(前輪にだけサスペンションを配置したタイプ)のマウンテンバイクとしては十分なスペックだ。細かい装備も近年のマウンテンバイクのトレンドに沿ったものとなっており、変速ギアはリアのみの12速で、フロントとリアのギア比に気を使わずに走ることが可能。走行中に左手側のレバーで高さを変更できるドロッパーポストも標準で装備されている。

フロントフォークはSR SUNTOUR 製「AION35 EVO Boost RLR-PCS」。150mmのストローク量を持ち、ペダリングの際に動きを抑えるロックアウト機構も搭載されている

フロントフォークはSR SUNTOUR 製「AION35 EVO Boost RLR-PCS」。150mmのストローク量を持ち、ペダリングの際に動きを抑えるロックアウト機構も搭載されている

ブレーキは前後とも油圧ディスクでシマノ製「SLX」グレードを装着

ブレーキは前後とも油圧ディスクでシマノ製「SLX」グレードを装着

ブレーキレバーも同じくSLXグレード。タッチやコントロール性にすぐれた評価の高いものだ

ブレーキレバーも同じくSLXグレード。タッチやコントロール性にすぐれた評価の高いものだ

変速ギアはシマノのマウンテンバイク用の「DEORE」グレード。リアのみの12段で、変速の幅を大きくとることで激しい登り坂にも対応する

変速ギアはシマノのマウンテンバイク用の「DEORE」グレード。リアのみの12段で、変速の幅を大きくとることで激しい登り坂にも対応する

フロントには変速は搭載されていない。チェーン落ちを防ぐためのガードが両側に装備されている

フロントには変速は搭載されていない。チェーン落ちを防ぐためのガードが両側に装備されている

ドロッパーシートポストを作動させると、これだけシートの高さを変えられる。登りではペダリングに合わせたシート高に、下りでは腰を引く動作をしやすくするようにシートを下げられるドロッパーポストは、近年のマウンテンバイクでは必須の装備だ。なお、サドルはスリムだがクッション性は高い

ドロッパーシートポストを作動させると、これだけシートの高さを変えられる。登りではペダリングに合わせたシート高に、下りでは腰を引く動作をしやすくするようにシートを下げられるドロッパーポストは、近年のマウンテンバイクでは必須の装備だ。なお、サドルはスリムだがクッション性は高い

ドロッパーシートポストを作動させるためのレバーは左手側に搭載されているので、走行中に操作できる

ドロッパーシートポストを作動させるためのレバーは左手側に搭載されているので、走行中に操作できる

e-Bikeの心臓部であるドライブユニット(モーターやセンサー、ケースなどを含むもの)は、欧州向けに輸出され、現地で高い評価を得ている「GXドライブユニット」を日本国内モデルとしては初採用。90Nmという高トルクを発揮し、ドライブユニット単体の重量は2.95kgと軽量でコンパクトに仕上げられている。「ECO」「HIGH」「AUTO」の3つの走行モードに対応し、最大135kmのアシスト走行が可能だ。

見た目にもコンパクトなGXドライブユニット。日本国内モデルとしてはトップクラスとなる90Nmの高トルクを発揮するが、アシストの制御は日本仕様となっている

見た目にもコンパクトなGXドライブユニット。日本国内モデルとしてはトップクラスとなる90Nmの高トルクを発揮するが、アシストの制御は日本仕様となっている

バッテリー容量は468Whで、フレームに内蔵されるインチューブ式。カバー部分まで金属製となっているのは、バッテリーを衝撃から守るための構造だ。バッテリー残量ゼロの状態から満充電まで約5.5時間かかる

バッテリー容量は468Whで、フレームに内蔵されるインチューブ式。カバー部分まで金属製となっているのは、バッテリーを衝撃から守るための構造だ。バッテリー残量ゼロの状態から満充電まで約5.5時間かかる

ハードテイルタイプのe-MTBは、舗装路を走る際もサスペンションによるロスが少なく、マウンテンバイクの中では街乗りに適している。エントリー層向けのXEALT M5にはバッテリーから給電されるフロントライトやサイドスタンドなども標準装備されているので、普段は通勤などに使用し、週末は山に出かけるという使い方も可能だ。

オフロード走行時に抑えが効くように、ハンドル幅は680mmとなっている。普通自転車の規格には収まらないため、歩道の走行はできないので注意しよう

オフロード走行時に抑えが効くように、ハンドル幅は680mmとなっている。普通自転車の規格には収まらないため、歩道の走行はできないので注意しよう

<関連記事>XEALT M5のくわしい構造は発表会レポートでチェック!

e-Bikeならではの設計で走行中の安心感が高い

ここからはXEALT M5に試乗した所感をお伝えする。まず、フレームをまたいだ様子を見てほしい。身長175cmの筆者が試乗車に選んだのはフレームサイズ420mmの「BE-GM142」だが、車体がコンパクトなことがわかる。前後27.5インチのタイヤと、高さを抑えたフレーム設計が効いているようだ。

ドロッパーシートポストを下げると、特に、車体のコンパクトさが感じられる

ドロッパーシートポストを下げると、特に、車体のコンパクトさが感じられる

今回試乗するコースは、オフロードのみとなる。なお、2022年2月に開催された発表会では舗装路での試乗を行っているが、その際、ペダルを踏んだ瞬間にドンっと押し出されるような感覚が薄まり、人がペダルを踏む力に合わせてアシストが上乗せされていくようなフィーリングとなっているのを確認できた。ペダルを止めてもアシストが残らなかったので、トレイルでもコントロールしやすそうだと感じていたが、実際の走行性能はいかに!?

東京都内で唯一のマウンテンバイクパーク「Smile Bike Park」で試乗

東京都内で唯一のマウンテンバイクパーク「Smile Bike Park」で試乗

ペダルを踏んで走り出すと、タイヤが路面をしっかりととらえるグリップが強く伝わってくる。アシストが強力だと、特にハードテイルの場合、グリップを失いやすくなることもあるが、XEALT M5ではその不安感がない。太いタイヤを履いていることも関係するが、アシストの特性が見直されていることと、e-MTB専用のフレーム設計による効果が大きいと思われる。このフレーム設計の大きなポイントとなるのは、バッテリーの搭載位置と、シートにつながるシートポストと呼ばれるフレームの部分の角度。XEALT M5のバッテリー容量は468Whと、500Whオーバーが一般的になりつつある海外製e-MTBに比べて小さいが、その分コンパクトなので、フレームの低い位置に搭載することが可能に。また、電動アシスト機能を搭載しない普通のマウンテンバイクよりもシートポストを寝かせた設計とすることにより、ライダーが座った際にリアタイヤに荷重がかかりやすくしている。こうした設計とすることで、グリップを高めているのだ。

普通のマウンテンバイクは、シートポストがもう少し直立に近い形状になっている

普通のマウンテンバイクは、シートポストがもう少し直立に近い形状になっている

シートに腰かけると、リアタイヤの上に座るようなライディングポジションになっていることがわかる

シートに腰かけると、リアタイヤの上に座るようなライディングポジションになっていることがわかる

e-MTB専用のフレーム設計と唐突過ぎないアシストフィーリングのおかげで、グリップの低いオフロードでも不安感なく走ることができた

e-MTB専用のフレーム設計と唐突過ぎないアシストフィーリングのおかげで、グリップの低いオフロードでも不安感なく走ることができた

登りでのグリップも高く、トルクが90Nmと強力なこともあって楽に登れる。その際に、フロントの荷重が抜けてしまうこともなかった

登りでのグリップも高く、トルクが90Nmと強力なこともあって楽に登れる。その際に、フロントの荷重が抜けてしまうこともなかった

試乗したコースには、バンクを設けたコーナーが連続するスラロームもあり、ここを走るのがとても楽しかった。コーナリング中の安定感が高く、安心してスピードを出せるのに加え、重心が低いこともあって車体が軽く感じられ、左右に切り返す動きもしやすい。車重は25.5kgと軽量ではないが、数値以上に軽く感じるのは基本設計がすぐれている証拠だろう。

コンパクトな車体なので曲がりやすい。安定感も高いため、スピードが乗るコースでも不安を感じることもない

コンパクトな車体なので曲がりやすい。安定感も高いため、スピードが乗るコースでも不安を感じることもない

実際の車重は重めだが、乗っていると重さを感じず、時間を忘れて走り回ってしまった

実際の車重は重めだが、乗っていると重さを感じず、時間を忘れて走り回ってしまった

試乗を終えて

筆者は、激しい登りもある山道を走り回れるe-MTBこそがe-Bikeの魅力をもっとも感じられると思っているが、e-MTBの世界は前後にサスペンションを装備したフルサスタイプが主流。フルサスタイプは山道での走破性は素晴らしいが、舗装路では抵抗が大きく車重もかさむことと、価格が高くなることもあって初心者にはハードルが高い。その点、XEALT M5は、普段使いも比較的しやすいハードテイルタイプ。これからe-Bike、あるいはマウンテンバイクに乗り始めたいと考えている人にうってつけだ。

それでいて、オフロードでの走行性能も上々。ハードテイルタイプはフルサスタイプに比べてリアタイヤのグリップを失いやすいのだが、e-Bike独自の設計を追求した構造もあって、リアのグリップは意外に高い。スペック値よりも車体の重さを感じない点も好印象だ。初めてオフロード走行をする人は、XEALT M5から始めると怖さを感じることなく、その楽しさを味わうことができるだろう。

わりと激しい下り坂では、ドロッパーシートポストを下げると腰を引いたポジションがとりやすく、不安なく下ることができる

わりと激しい下り坂では、ドロッパーシートポストを下げると腰を引いたポジションがとりやすく、不安なく下ることができる

増谷茂樹

増谷茂樹

カメラなどのデジタル・ガジェットと、クルマ・バイク・自転車などの乗り物を中心に、雑誌やWebで記事を執筆。EVなど電気で動く乗り物が好き。

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