レビュー

プレート搭載なのにエントリー向け! 自然と走りたくなるホカ「スカイワード X」

スムーズな走り心地を極限まで追求したホカ(HOKA)「スカイワード X(SKYWARD X)」。公式サイト価格は35,200円(税込)

スムーズな走り心地を極限まで追求したホカ(HOKA)「スカイワード X(SKYWARD X)」。公式サイト価格は35,200円(税込)

ウォーキングやジョギングは、時間と場所を選ばず特別な道具を揃える必要もない手軽な運動だが、ケガの予防や快適性を考慮するなら、シューズだけは自分の足にフィットした専用のものを選びたい。

近年、中・上級者向けランナーのレース用ランニングシューズは、厚底でカーボンやグラスファイバーなどでできたプレートを搭載したモデルが主流だ。マラソンや駅伝のテレビ中継を見ると、トップ選手たちがこぞってプレート搭載の厚底シューズを履いているため(見た目も機能美が感じられてかっこいい)、ランニングの経験がなくてもついつい履いてみたくなるものだ。

そして試着してみると、反発性が高く、クッション性も感じられるため思わず「これがいい!」と思ったりもするのだが、やはりエリートランナーのレース用に開発されたシューズは、ビギナーランナーが日常のジョギングに使ったり、ウォーキング用のシューズとして活用するのには適していない。脚力のあるランナーを想定して作られているため、サポート性や安定性といったビギナーランナーに不可欠な機能が削ぎ落とされている場合がほとんどだからだ。

健康維持やダイエット目的のジョギングやウォーキングとはいえ、最先端テクノロジーがたっぷりと搭載されたハイパフォーマンスなシューズを味わいたい。そんな思いに応えてくれるのが、ホカの「スカイワード X」だ。

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楽に楽しく走りたいエントリーランナーに向けて開発

「スカイワード X」は、前足部が43mm、かかと部が48mmと、ホカ史上最厚の分厚いソールが採用されたクッション性にすぐれたモデル。ミッドソールは2層構造で、その間にカーボンファイバープレートが搭載された、いわゆる“スーパーシューズ”である。

ソール厚は前足部が43mm、かかと部が48mmと、かなりの厚底モデル

ソール厚は前足部が43mm、かかと部が48mmと、かなりの厚底モデル

ミッドソールの下部に採用されているのは、「スーパークリティカルフォーム」という超臨界発泡をしたEVAをベースにした素材。樹脂に高圧力と温度をかけて、超臨界流体と呼ばれる気体と液体の中間的な状態にしてから成型用の金型に流し込んだもので、よりすぐれた反発性や強度を出せるのだという。

ミッドソールの上部には、ソフトで弾力性にすぐれた「PEBAフォーム」を採用。そして、その2つの素材の間にはアルファベットの「H」に近い形をした独自構造のカーボンファイバープレートが搭載されている。また、アウトソールには、耐摩耗性にすぐれたラバーアウトソールが配置された。

ミッドソール上部の赤い部分が「PEBAフォーム」。その下にチラリと覗く黒い部分がカーボンファイバープレートだ

ミッドソール上部の赤い部分が「PEBAフォーム」。その下にチラリと覗く黒い部分がカーボンファイバープレートだ

前足部も接地面積が広いので、厚底ながら安定感もある

前足部も接地面積が広いので、厚底ながら安定感もある

「スカイワード X」は、最新の素材を採用した独自のソール構造により、カーボンファイバープレートを搭載した厚底モデルでありながら、これからランニングを始めようとするエントリーランナーにも適したクッション性や安定性といった機能を備えることに成功。誰もが快適なライド感を楽しめるシューズに仕上げられているのだ。

高い通気性と心地よいフィット感を両立したフラットニットアッパー

高い通気性と心地よいフィット感を両立したフラットニットアッパー

ウォーキングに活用するならキビキビペースで

足を入れるとすぐに感じられるのが、クッション性の高さ。プレート入りとはいえ、フォームがやわらかく、かつミッドソールのボリュームがあるので、かなりフカフカ感がある。「アクティブ フット フレーム」という独自構造によって、かかと部分が包み込まれるので、足とシューズの一体感が感じられる点も魅力だ。

2〜3km程度のウォーキングと、5〜10km程度のジョギングを、それぞれ何度か試してみた。正直なところ、のんびりペース、さらにゆっくりなだらだらペースの散歩では、「スカイワード X」の魅力は引き出せない。やわらかいフォームかつ厚底ゆえの不安定さが感じられるというか、ほかのシューズのほうが適している。たとえばホカのラインアップなら、「ボンダイ」シリーズや、「クリフトン」シリーズを選ぶべきだろう。

腕を振ってキビキビと歩く、エクササイズ感覚のウォーキングペースまで速度を上げると、安定感も高まってくる印象。そして「スカイワード X」の特徴である推進力が際立ってくる。心地よく、スムーズに足が前に出るライド感が得られ、楽しくウォーキングができた。

高いクッション性により着地衝撃は緩和され、ほどよい反発性によって足がスムーズに前に出る。しばらくウォーキングをしていると、ペースアップして少しジョギングしたくなるほどの快適さだ。

いつもより長い距離を走るたくなるシューズ

ジョギング用シューズとして「スカイワード X」はかなりハイレベル。ウォーキング時よりもさらに快適さが増す印象だ。気持ちよく弾んでくれるので、いつもより速いペースで、いつもよりちょっと長く走りたくなる。接地面が広く取られているので、ペースアップしても安定感がある。

普段からランニングをしているというランナーにとっても「スカイワード X」は試す価値があるシューズだろう。何となくランニングへのモチベーションがわかないとき、「スカイワード X」の快適さと楽しさは、走る気持ちを高めてくれるはず。とりあえず「スカイワード X」を履いてウォーキングを始めれば、いつの間にか走りたくなってくるはず。いつもより少し長い時間走りたい、長い距離を踏みたいといったときにも助けになってくれるはずだ。

ウォーキング、ジョギングが楽しくなる弾むようなライド感が得られる

ウォーキング、ジョギングが楽しくなる弾むようなライド感が得られる

【まとめ】フィットネスなウォーキング&ジョギングに最適

「スーパークリティカルフォーム」と「PEBAフォーム」に、独自構造のカーボンファイバープレートを組み合わせ、快適かつ軽快なライド感を実現した「スカイワード X」。ビギナーランナーが履いても安心のバランスに仕上げられており、誰もが“最先端”なライド感を味わえるシューズだ。

のんびりペースの散歩向きではないが、脂肪燃焼を目指すキビキビとしたウォーキング、日々のジョギングを楽しく行いたいという人にはとても適したシューズだと言えるだろう。

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神津文人
Writer
神津文人
雑誌編集者(3媒体でトータル15年。モノ雑誌では副編集長を務める)を経て、フリーランスのライター&エディターに。ヘルス&フィットネス、スポーツ領域を中心に活動中。書籍の構成も手掛ける。趣味は柔術。ときどきランニング。
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牧野裕幸(編集部)
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牧野裕幸(編集部)
アイテム情報誌「GetNavi」や映像エンタメ情報誌「DVD&Blu-rayでーた」(当時)の編集者を経て「価格.comマガジン」へ。スティック&ロボット掃除機、コーヒーメーカー、扇風機、電動歯ブラシ、電気ケトルなどの白物家電のほか、AV機器や加熱式タバコを担当しています。LOVE, LINKIN PARK.
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