テバ「ハリケーン アンプソール ボルト(HURRICANE AMPSOLE VOLT)」は2024年春夏シーズンの新作。公式サイト価格は13,200円(税込)
夏場にウォーキングや散歩をするとき、できれば足元は涼しいサンダルを選びたいという人は少なくないはずだ。確かにサンダルは足元の風通しが抜群だが、そこそこのスピードで歩くウォーキングや、長距離・長時間の散歩に適しているわけではない。
人は歩くときに、足首が背屈(曲がっている)状態でかかとから着地し、足裏のアーチが着地衝撃を緩衝しながら、爪先までが地面に着く。そこから足首を底屈し(伸ばし)、地面を蹴るようにして足を前に運んでいる。
その際、たとえばビーチサンダルやシャワーサンダルのようなかかと部分がホールドされていないサンダルを履いていると、脱げないようにするために足首を背屈したまま足を引きずるように歩くことになる。人間本来の自然な足運びではないため、長時間続けていれば、足腰のトラブルの原因につながってしまうのだ。
したがって、ウォーキングや散歩のときにサンダルを履きたいときは、かかとがしっかりとホールドされるタイプが望ましい。今回紹介するTeva(テバ)の「ハリケーン アンプソール ボルト」は、かかとがホールドされるだけでなく、厚底でクッション性が高い。さらに、積極的にタウンユースしたくなるデザイン性も備えた魅力的な一足だ。
2024年に40周年を迎えたテバがスタートしたのは1984年。アメリカ・グランドキャニオンの谷底を流れるコロラド川のリバーガイドが、水辺でも脱げないようにビーチサンダルにアンクルストラップを付けたことが、安全性と機能性をあわせ持つ世界初のスポーツサンダル誕生の瞬間だった。
1987年にはテバ初の特許となる「ユニバーサルストラップシステム」を開発。近代的なスポーツサンダルというカテゴリーが生まれるきっかけとなった。読者の中には、1990年代のアウトドアブームの際にテバのサンダルがブームになったことを記憶している人もいるかもしれないが、ストラップによって足とサンダルを一体化させる仕組みはテバが得意とするところなのだ。
そんなテバの「ハリケーン アンプソール ボルト」は、2024年春夏シーズンの新作として登場。2017年春夏シーズンにリリースされて人気を博した「ハリケーン ボルト(HURRICANE VOLT)」の特徴的なアッパーと、男女を問わずに支持されている厚底サンダル「ハリケーン XLT2 アンプソール(HURRICANE XLT2 AMPSOLE)」のソールユニットを組み合わせたハイブリッドモデルだ。
メッシュのアッパーは通気性にすぐれており、足にやわらかくフィット。再生素材を30%利用している点も特徴だろう。ストラップには、アメリカ・ユニファイ社が製造する100%リサイクル素材「REPREVE(リプリーブ)」を採用している。「リプリーブ」は、使用済みのペットボトルなどを主原料としたポリエステル繊維。環境負荷が少ないだけでなく、速乾性や耐久性も高い。
ソールは厚さ約45mmと、厚底ランニングシューズ以上のボリューム。高いクッション性と耐久性を併せ持つEVAミッドソールと、耐久性とグリップ力にすぐれたラバーアウトソールを組み合わせ、安定性を確保するためにナイロン製シャンクが搭載されている。EVAミッドソールには30%、ラバーアウトソールには50%の再生素材が活用されている。
ソール厚は約45mm。EVAのミッドールとラバーのアウトソールを組み合わせ、ナイロン製シャンクも搭載
加えて、足をのせるフットベッドにはペパーミントをベースにした抗菌加工が施されており、バクテリアの繁殖を抑えてくれるという。たっぷりと汗をかくシーズンに裸足で履いても安心というわけだ。
フットベッドにはペパーミントをベースにした抗菌加工が施されている
ソール底面は幅広く、安定性も十分。アウトソールはトラクション性能にもすぐれている
着脱は足首部分のバックルで行う。ストラップによってフィット感の調整が可能だ。筆者は普段、27cmサイズのシューズを履いていて、「ハリケーン アンプソール ボルト」も27cmを選択した。特に問題なくフィットしたが、「常に裸足で履くことを想定している」という人や「ピッタリとしたフィット感が好み」という人は、場合によってはワンサイズ落としてもよいかもしれないと感じたので、購入を検討する場合は1度試着してみてほしい。
EVAの分厚いミッドソールが採用されているだけあり、クッション性は上々。一般的なランニングシューズレベルのクッション性があるのではないだろうか。ナイロンシャンクの効果と、底面の広さのおかげで安定感もしっかりと感じられる。ラバーのアウトソールルトラクション性能が高く、歩いていて安心感がある。サンダルというカテゴリーにおいては、ハイレベルな快適性を備えていると言えるだろう。数kmのウォーキングで何度か試してみたが、十分に機能的だった。もちろん、ビーチサンダルやシャワーサンダルで歩くときのような、歩きにくさや疲労感はない。
裸足はもちろん、ソックスと合わせてもよい
ストラップによって足がしっかりとホールドされるので歩きやすい
クッション性が高いうえに、ラバーのアウトソールとナイロンシャンクが突き上げを抑えてくれるので、砂利道も歩ける
本モデルは、かかとをしっかりとホールドしてくれて、クッション性と安定性を十分に備えているので、散歩やウォーキングの際に活躍してくれるのは間違いない一足。
タウンユースに適したデザインも魅力だ。アッパーの面積がそれなりにあって、スポーティーな印象は控えめなので、コーディネートもしやすいはずだ。ソックスと合わせればラフな印象を抑えられるので、さまざまなシーンで着用できそう。
また、ラバーのアウトソールはトラクション性能が高く、ラグもしっかりとあるので、アウトドアシーンでも活用できるだろう。
アウトドアシーンでも活躍してくれるはず
フットベッドに抗菌加工は施されているものの、汗をたっぷりとかく夏に裸足で履くのであれば、定期的にケアしておくのがベターだろう。テバのHPでは、石鹸を溶かしたぬるま湯やスニーカー用洗剤を活用し、やわらかなブラシで洗うことが推奨されている。洗った後はよくすすぎ、陰干しで自然乾燥を!