肌に微弱な電流を流すことで、クレンジングや保湿などのスキンケア効果を高めてくれる導入美容器。専用のお手入れ用化粧品が必要な製品もありますが、近年では普段使っている化粧品で利用できるものも増えて、スキンケアに手軽に取り入れられるようになりました。
日ごろから導入美容器を愛用している筆者。パナソニックから三角ヘッドの導入美容器「イオンエフェクター 温感タイプ EH-ST51」(以下、EH-ST51)が発売されたということで、さっそく使ってみました。筆者が普段使用している導入美容器のヘッドは丸型ですが、ヘッドが三角になることで、使い勝手はどのように変わるのでしょうか? 肌への効果とともにレポートします。
EH-ST51は、化粧品の保湿成分の浸透性を高めることで、ハリ感とうるおいのある肌へ導くことができる導入美容器です。毛穴に残った汚れを引き出す「スキンクリア」、化粧水などのうるおい成分を角質層まで浸透させる「保湿」、温かいヘッドとリズムタッチで肌を引き上げるようにケアする「温感リズムケア」の3つのモードを搭載し、すべてのケアを行っても、約9分で完了。充電式なので、コンセントのない場所でも使用できます。
サイズは4.6(幅)×15.5(高さ)×5.5(奥行)cm、重量約110gと軽量。ケアの際は片手で扱うので、この軽さはうれしい
操作スイッチは、運転モードの切り替えを行う「電源/モード選択」、イオンの強さ(強/中/弱)を調整する「イオンレベル」、温感の高(47℃)/低(40℃)/オフを選択する「温感」の3つ
約1時間の充電で約3回(1回9分)使用可能。AC100〜240V電源対応なので、海外旅行にも持っていけます
導入美容器というと丸型のヘッドが一般的ですが、EH-ST51には三角のヘッドを採用しているのが特徴。三角のヘッドは丸型に比べ、肌の引き上げや、目元や小鼻といった細かいパーツのケアもしやすいそうです。
ヘッドには、「@肌を引き上げやすいストレート形状」「A小鼻などの細部に使いやすい角」が設けられています。素材には、金属アレルギーを起こしにくいと言われるチタンを使用
「B目元に当てやすい凸面」も設けられています
さっそく、EH-ST51の使用感をチェックしていきましょう。今回は「スキンクリア」「保湿」「温感リズムケア」の3つのモードをすべて行いましたが、ケアのタイミングや肌のコンディションに合わせて、一部のモードだけを使用することも可能です。
毛穴に残った汚れをやさしく取り去る「スキンクリア」(3分間)
スキンクリアは、肌にプラスとマイナスの電流を交互に流すことで、洗顔で落としきれなかった肌の汚れを角質層から引き出すモード。ヘッド部に化粧水やふき取り化粧水を含ませたコットンを装着し、そのコットンに汚れを吸着させます。ただし、このモードだけではメイク落としや洗顔ができるわけではないので、使用前の洗顔は忘れずに。
コットンを本体に固定するためのコットンリングが製品に付属しています
ヘッドにコットンを取り付けます
ケア中にコットンの水分がなくなった場合は、化粧水を追加しましょう
モードを「スキンクリア」に合わせ、イオンレベルと温感の温度を選択。イオンレベルを強くすれば肌に与える効果は高くなるものの、その分刺激も強くなるため、最初は「弱」での使用が推奨されています
約1分間の予熱が完了したら準備OK。ちなみに温感はオフで使用することも可能です
本体背面のイオンパネルにしっかり触れるように本体を握ってヘッドを肌に当てると、ヘッドが振動します。ヘッドが振動しないとスキンケアの効果が得られないので注意
肌に当てると、温かなヘッドから「ブー、ブー」という振動が伝わってきます。あご→ほお→Tゾーンと、顔の下から上にコットンをまんべんなく当てていきましょう
三角ヘッドのおかげで、汚れが溜まりやすい小鼻のキワにもしっかりフィット
顔の半分をEH-ST51の電源をON(スキンクリアモード)にして使用、半分を電源OFFで使用し、「スキンクリアモード」の効果を検証! 電源をONで使用したコットン(写真左)には汚れが付いているのがはっきりと確認できますが、電源OFFの状態で使用したコットン(写真右)は、ほとんど汚れていません。毎日「スキンクリア」を使用すれば、肌に透明感が出てきそうです
角質層までうるおい成分を浸透させる「保湿」(3分間)
毛穴の汚れを落とした後は、コットンに含ませた化粧水を肌に浸透させる「保湿」モードを行いましょう。「保湿」は、プラスからマイナス電極へ向かって発生する微弱電流によって、化粧品の保湿成分を角質層まで届けるモードです。今回は化粧水とコットンでケアしましたが、シートマスクを使用してもOK。シートマスクを使う場合、コットンは必要ありません。
ヘッドが肌に触れている部分がプラスの電位を持ち、肌の内側がマイナスの電位を持っているため、写真のように微弱電流が流れます。この流れは肌表面から角質層へ向かっており、この流れに乗って化粧品の保湿成分も一緒に移動するため、角質層への浸透力がアップするのだとか
「スキンクリア」同様、本体に装着したコットンに化粧水を含ませ......
「モード選択」で「保湿」を選び、イオンレベルと温感をそれぞれ調節します
あご→ほほ→Tゾーンの順で、顔の下から上にコットンをやさしくなでるように当てていきます。イオンレベル「強」で使用したところ、化粧水が足りなくなると若干ピリピリとした刺激を感じましたが、化粧水を足すことで改善しました。刺激を感じたらイオンレベルを下げるか、化粧品を足すとよいでしょう
3種類のリズムでケアできる温感リズムケア(3分間)
仕上げに、ヘッドの熱とリズムタッチ、微弱電流によって角質層まで保湿成分を浸透させる「温感リズムケア」を行います。肌をタッチするリズムは3種類あるので、好みのリズムを選んで使用しましょう。「温感リズムケア」では、とろみのある化粧水、乳液、ジェル、ゲルタイプ、美容液、マッサージクリーム、クリームなど、さまざまな形状の保湿化粧品が使えるほか、アイクリームなどを使用した部分ケアも可能です。
化粧品(今回はクリームタイプの保湿化粧品を使用)を肌に付け......
リズムとイオンレベル、温感の温度を選びます
肌に当てると、リズムと温かいヘッドでやさしくマッサージされているような感じがします
ほおを引き上げるようなケアや目元の集中ケアも、三角のヘッドだと行いやすい気がしました。コットンがない分、温感は低(40℃)でもかなり温かく感じ、高(47℃)だとやや熱いと感じたほど
リズムは、「トトトトトト……」、「ブイーンブイーン……」、「ドッドドッドドッド……」の3種類。気分に合わせてリズムを替えれば、飽きずに使用できそう。ちなみに、どのリズムを選択してもスキンケア効果に大きな差はないそうなので、「気持ちよい」と感じるものを選んでOKです
以上で9分間のケアは完了。すべてのモードが心地よく、三角ヘッドで細かい部分まで念入りにケアをしていたせいか、あっという間に感じました。ケア後の肌は、お風呂上りのようにしっとりやわらか。夜にEH-ST51でケアをすると、翌日の朝までうるおい感が持続していました。
美容家電は、継続して使用することでより効果が現れやすいもの。EH-ST51には、便利に使える工夫も施されています。
メモリー機能
前回選択したイオンレベルと温感の温度が記憶され、同じ設定で使用できる機能。気に入ったイオンレベルと温感が決まっている場合、モードを選択するだけですぐにケアを始めることが可能に。なお、長期間使用しなかった場合や充電を使いきった場合、メモリーはリセットされます。
お手入れ簡単&便利な保護キャップが付属
使用後は、ティッシュなどでヘッドの汚れをふき取ればOK。本体とコットンリングを一緒に保管しておける保護キャップも付いています。
とくに汚れが気になる時は、固く絞った布巾などでふき取ります
手入れ後は、本体に付属の保護キャップをはめ、その上からコットンリングを取り付けます
こうしておけば、リングをなくす心配が少ないですね
「導入美容器のヘッドは丸型」と思い込んでいた筆者ですが、EH-ST51を使用して、「三角もアリだな」と思いました。最初に使用した時は、丸型ヘッドに比べるとほおに当てた時の密着感が物足りない気がしましたが、使用していくうちにそのよさを実感。三角ヘッドは顔の凹凸部分でも小回りが利き、角や凸面は目元や小鼻の毛穴などのポイントケアに最適です。ストレート形状の部分を使用すれば、肌のたるみを引き上げるようなケアも行いやすい。ヘッドの形状以外にも温感の温度やリズムタッチの種類が選べ、使用感の選択肢が多いのも◎。充電式で家中好きな場所で使用できるので、「小さな子供がいて、ずっと鏡の前にいることが難しい」といった方でも続けやすいはずです。欲を言えば、「温感で開いた毛穴をひきしめる冷感モード」や、「ケアの経過時間を知らせてくれるアラーム」が搭載されていれば、より使い勝手がいいのになぁ。