【2022年6月】格安SIM人気12回線の通信速度を比較 速い/遅いMVNOは?

大手携帯キャリアと比べて毎月のスマホ料金が安い格安SIM。料金が安いのはうれしいが、肝心の通信速度は遅いと言われている。実際のところはどうなのかを探るべく、人気12回線の通信速度を調査した。2022年6月9日・10日に実施した今回は、スピードテストアプリの下り平均速度が前回から大幅に減速する結果となった。

1.【はじめに】通信速度の調査方法

格安SIMは、時間帯や場所によって通信速度が遅くなりがちだ。たとえば、休憩時間にあたる平日昼の12時台や、プライベートでの通信が増える夕方から深夜、都市部のターミナル駅周辺のように人口が極端に集中する場所においては、通信が混雑して回線速度が低下しやすい。ただ、その度合いは通信会社ごとに異なっており、重要な比較要素のひとつと言える。

本調査では、人口密度の高い地域に東京都千代田区の東京駅周辺、対照となる低い地域に長野県佐久市の佐久平駅周辺を選定。通信が集中する12時台と18時台、そして比較的通信が少ない14時台において、12回線の格安SIMの通信速度を調査している。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の状況を考慮し、2020年3月以降は筆者の居住地である長野県佐久市の佐久平駅周辺のみで調査を続けていたが、前回2022年5月から東京駅周辺での調査を本格的に再開した。

今回の調査日は東京駅周辺が2022年6月9日(木)、佐久平駅周辺が6月10日(金)となる。測定に用いた端末はモトローラの「moto g50 5G」だ。

調査方法は以下のように「スピードテストアプリ」と「Playストアからのアプリダウンロード」の2通りを実施した。

【調査方法1】
スピードテストアプリ「Speedtest - インターネット速度」(Ookla)を用いて、各地点・各時間帯で5回測定した上り/下り通信速度の平均値を算出した。測定エラーは回数に含めず、正常に測定できた結果のみを採用している。

【調査方法2】
実際の体感速度に近い状況として、アプリのダウンロード時における通信速度を測定。「通信速度モニター」(Lufesu Inc.)による通信速度を表示した状態でPlayストアからアプリをダウンロードし、その間の速度推移を「moto g50 5G」の動画スクリーンショット機能で記録。測定終了後に動画を確認し、ダウンロード中の下り平均速度を算出した。限られた時間内で測定を行うために、開始から1分が経過した時点でもアプリのダウンロードが終わらない場合はインストールを中断し、その時点までの平均速度を求めている。

なお、調査の対象となる格安SIMは、以下の12種類だ。「moto g50 5G」は5Gネットワークに対応しているが、12回線とも4Gネットワークで調査を行っている。

●調査した12種類(10社)の格安SIM
ワイモバイル
UQ mobile
mineo(Aプラン)
IIJmio(みおふぉん)モバイルサービス(タイプD)
BIGLOBEモバイル(タイプD)
OCNモバイルONE(新コース)
イオンモバイル(ドコモ回線)
・LinksMate
NifMo
日本通信SIM
y.u mobile
QTmobile(Dタイプ)

2.速度が遅くなりやすい昼休み、12時台の測定結果は?

調査結果を詳しく見ていこう。まずは休憩中のユーザーが利用することで混雑しやすい12時台について、東京駅周辺の結果からだ。

東京駅周辺における12時台の測定結果(2022年6月9日実施。単位はMbps、以下同様)

スピードテストアプリの全体の平均は下りが9.38Mbps(先月は24.45Mbps)、上りが6.13Mbps(同6.67Mbps)だ。回線別に見てみると、下り通信速度はBIGLOBEモバイルの28.27Mbpsが最も速く、ワイモバイルの19.33Mbps、OCN モバイル ONEの15.97Mbpsがこれに続く。上り通信速度はUQ mobileの22.37Mbpsが一番速かった。

アプリのダウンロード速度は全体の平均が4.58Mbps(同5.69Mbps)だ。回線別では、ワイモバイルの12.46Mbps、BIGLOBEモバイルの9.28Mbps、mineo(Aプラン)の9.15Mbpsの順に速かった。

●スピードテストアプリ下り平均速度のトップ3(12時台/東京駅周辺)
1位 BIGLOBEモバイル:28.27Mbps
2位 ワイモバイル:19.33Mbps
3位 OCN モバイル ONE:15.97Mbps

●アプリのダウンロード速度のトップ3(12時台/東京駅周辺)
1位 ワイモバイル:12.46Mbps
2位 BIGLOBEモバイル:9.28Mbps
3位 mineo(Aプラン):9.15Mbps

続いて、佐久平駅周辺における12時台の結果を見てみよう。

佐久平駅周辺における12時台の測定結果(2022年6月10日実施)

スピードテストアプリの全体の平均は下りが16.56Mbps(先月は17.79Mbps)、上りが5.95Mbps(同5.12Mbps)だ。回線別に見てみると、下り通信速度はワイモバイルの50.77MbpsやUQ mobileの46.30Mbpsが速く、y.u mobileの26.77Mbps、OCN モバイル ONEの23.83Mbps、BIGLOBEモバイルの22.80Mbpsがこれに続く。上り通信速度もワイモバイルの19.63Mbpsが速かった。

アプリのダウンロード速度は全体の平均が7.48Mbps(同5.17Mbps)だ。回線別では、ワイモバイルの30.74Mbpsが一番速く、mineo(Aプラン)の22.13Mbps、UQ mobileの15.35Mbpsがこれに続いた。

●スピードテストアプリ下り平均速度のトップ3(12時台/佐久平駅周辺)
1位 ワイモバイル:50.77Mbps
2位 UQ mobile:46.30Mbps
3位 y.u mobile:26.77Mbps

●アプリのダウンロード速度のトップ3(12時台/佐久平駅周辺)
1位 ワイモバイル:30.74Mbps
2位 mineo(Aプラン):22.13Mbps
3位 UQ mobile:15.35Mbps

3.比較的速度が期待できる14時台の測定結果は?

次は休憩時間が明けてスマートフォンの利用も落ち着き、速度も回復してくる14時台の結果を東京駅周辺から見てみよう。

東京駅周辺における14時台の測定結果(2022年6月9日実施)

スピードテストアプリの全体の平均は、下りが25.07Mbps(先月は58.19Mbps)、上りが7.09Mbps(同7.23Mbps)だ。回線別に見ると、下り通信速度はIIJmio(みおふぉん)の35.77Mbps、LinksMateの33.63Mbps、OCN モバイル ONEの30.87Mbps、BIGLOBEモバイルの30.40Mbpsなど、NTTドコモの回線を利用する格安SIMの速さが目立つ。上り通信速度はUQ mobileの17.43Mbpsが最も速かった。

アプリのダウンロード速度は全体の平均が14.00Mbps(同17.37Mbps)だ。回線別に見てみると、OCN モバイル ONEの24.98Mbps、QTmobile(Dタイプ)の21.01Mbps、y.u mobileの17.36Mbps、BIGLOBEモバイルの17.05Mbpsの順に速かった。

●スピードテストアプリ下り平均速度のトップ3(14時台/東京駅周辺)
1位 IIJmio(みおふぉん):35.77Mbps
2位 LinksMate:33.63Mbps
3位 OCN モバイル ONE:30.87Mbps

●アプリのダウンロード速度のトップ3(14時台/東京駅周辺)
1位 OCN モバイル ONE:24.98Mbps
2位 QTmobile(Dタイプ):21.01Mbps
3位 y.u mobile:17.36Mbps

続いては、佐久平駅周辺における14時台の結果だ。

佐久平駅周辺における14時台の測定結果(2022年6月10日実施)

スピードテストアプリの全体の平均は、下りが26.48Mbps(先月は31.31Mbps)、上りが5.24Mbps(同7.28Mbps)だ。回線別に見てみると、下り通信速度はワイモバイルの55.10Mbpsが一番速く、mineo(Aプラン)の51.93Mbps、UQ mobileの44.77Mbpsがこれに続く。上り通信速度はUQ mobileの25.10Mbpsが最も速かった。

アプリのダウンロード速度は全体の平均が19.09Mbps(同16.26Mbps)だ。回線別に見ると、mineo(Aプラン)の39.93Mbps、UQ mobileの30.72Mbps、ワイモバイルの28.53Mbpsの順に速かった。

●スピードテストアプリ下り平均速度のトップ3(14時台/佐久平駅周辺)
1位 ワイモバイル:55.10Mbps
2位 mineo(Aプラン):51.93Mbps
3位 UQ mobile:44.77Mbps

●アプリのダウンロード速度のトップ3(14時台/佐久平駅周辺)
1位 mineo(Aプラン):39.93Mbps
2位 UQ mobile:30.72Mbps
3位 ワイモバイル:28.53Mbps

4.帰宅時間帯の18時台の測定結果は?

続いては、会社や学校が終わり再び通信が混雑し始める18時台の結果だ。東京駅周辺から見てみよう。

東京駅周辺における18時台の測定結果(2022年6月9日実施)

スピードテストアプリの全体の平均は、下りが20.40Mbps(先月は59.21Mbps)、上りが7.22Mbps(同7.38Mbps)だ。回線別に見てみると、下り通信速度はBIGLOBEモバイルの36.47Mbpsが一番速く、LinksMateの33.87Mbps、UQ mobileの27.80Mbpsがこれに続く。上り通信速度は日本通信SIMの13.17Mbpsが一番速かった。

アプリのダウンロード速度は全体の平均が9.62Mbps(同9.74Mbps)だ。回線別に見ると、BIGLOBEモバイルの24.96Mbps、IIJmio(みおふぉん)の23.80Mbps、QTmobile(Dタイプ)の17.35Mbpsの順に速かった。

●スピードテストアプリ下り平均速度のトップ3(18時台/東京駅周辺)
1位 BIGLOBEモバイル:36.47Mbps
2位 LinksMate:33.87Mbps
3位 UQ mobile:27.80Mbps

●アプリのダウンロード速度のトップ3(18時台/東京駅周辺)
1位 BIGLOBEモバイル:24.96Mbps
2位 IIJmio(みおふぉん):23.80Mbps
3位 QTmobile(Dタイプ):17.35Mbps

最後は、佐久平駅周辺における18時台の結果だ。

佐久平駅周辺における18時台の測定結果(2022年6月10日実施)

スピードテストアプリの全体の平均は、下りが15.60Mbps(先月は25.47Mbps)、上りが6.12Mbps(同6.44Mbps)だ。回線別に見てみると、下り通信速度はUQ mobileの66.07Mbpsやワイモバイルの41.13Mbpsが速く、LinksMateの15.03Mbps、BIGLOBEモバイルの13.10Mbpsがこれに続く。上り通信速度はmineo(Aプラン)の23.47Mbpsが速かった。

アプリのダウンロード速度は全体の平均が9.84Mbps(同9.90Mbps)だ。回線別に見てみると、UQ mobileの33.28Mbps、ワイモバイルの31.95Mbps、mineo(Aプラン)の22.19Mbpsの順に速かった。

●スピードテストアプリ下り平均速度のトップ3(18時台/佐久平駅周辺)
1位 UQ mobile:66.07Mbps
2位 ワイモバイル:41.13Mbps
3位 LinksMate:15.03Mbps

●アプリのダウンロード速度のトップ3(18時台/佐久平駅周辺)
1位 UQ mobile:33.28Mbps
2位 ワイモバイル:31.95Mbps
3位 mineo(Aプラン):22.19Mbps

5.すべての時間帯における総合結果は?

それでは、すべての時間帯における平均速度をもとにランキングを求めてみよう。参考として前回(2022年5月)および前々回(2022年4月)の調査結果も併記しているが、前々回は佐久平駅周辺のみでの調査結果となる点をご了承いただきたい。

まずはスピードテストアプリの下り通信速度からだ。

スピードテストアプリの下り通信速度ランキング

今回の1位はUQ mobileの36.92Mbps(前回は51.43Mbps)、2位はワイモバイルの31.35Mbps(同39.73Mbps)、3位はBIGLOBEモバイルの26.35Mbps(同31.45Mbps)だった。

東京駅周辺での調査を再開した前回はドコモの回線を使う格安SIMが速かったが、今回は全体的に減速傾向が見られる。12回線全体の平均速度は18.92Mbps(同36.24Mbps)で、前回の約2分の1だった。

次は、スピードテストアプリの上り通信速度の結果だ。

スピードテストアプリの上り通信速度ランキング

1位はUQ mobileの18.43Mbps(前回は14.83Mbps)、2位はmineo(Aプラン)の12.93Mbps(同13.93Mbps)、3位はワイモバイルの10.72Mbps(同21.23Mbps)、だった。

上り通信速度の上位は前回と同じ3回線が占めている。12回線全体の平均速度は6.29Mbps(同6.80Mbps)で、先述の下り通信速度よりも減速の割合は低かった。

最後はPlayストアからのアプリダウンロード速度の結果だ。

アプリダウンロード時の下り通信速度ランキング

1位はmineo(Aプラン)の19.66Mbps(前回は16.72Mbps)、2位はワイモバイルの19.25Mbps(同15.25Mbps)、3位はUQ mobileの18.82Mbps(同16.22Mbps)だった。

アプリのダウンロード速度も前回と同じ3回線が上位を占めていて、いずれも先月と比べて2割前後速くなっている。12回線全体の平均は10.77Mbps(同10.70Mbps)で、前回とほぼ同水準だった。

6.【さいごに】今回の結果まとめ

本調査では新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により2020年3月から東京駅周辺での調査を中断していたが、前回2022年5月から本格的に再開し、今回2022年6月は再開後2回目の調査となった。

12回線全体の平均速度を見てみると、スピードテストアプリの下り平均速度は前回の半分程度まで大幅に低下している。そのいっぽうで、実際の利用環境の一例と位置づけているPlayストアからのアプリダウンロード速度は同水準を保っており、日常的な場面での影響は大きくなさそうだ。

以下のグラフは2021年5月以降の12回線全体の平均速度推移を示したものだ。点線から左側は佐久平駅周辺のみでの速度となる。直前の月と比べて数値が上がっている2022年2月と同年5月は、それぞれ端末更新と東京駅周辺での調査再開による影響が大きい。

12回線全体の平均速度推移(2021年5月~2022年6月。2022年4月までは佐久平駅周辺のみの結果であることと、2022年2月から調査に用いる端末を変更していることに留意)

例年、格安SIMの平均通信速度は年度末商戦の春頃に一度ピークを迎え、その後は秋頃に向けて徐々に速度が下がっていく。2022年2月から6月までの動きを見ると(東京駅周辺での調査を再開した5月は底上げされているものの)全体的な減速傾向が見られることから、今年も例年同様に推移するものと思われる。

次回の調査は2022年7月上旬~中旬を予定している。条件付きではあるものの外国人観光客の受け入れが再開された後となる次回の結果にも注目したい。

信州佐久からモバイル情報を発信するフリーライターであり2児の父。気になった格安SIMは自分で契約せずにはいられません。上京した日のお昼ごはんは8割くらいカレーです。
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