「UN-19Z1」は屋内で持ち歩けるポータブルテレビなので、スピーカー部から外したモニター部のみでも視聴は可能。防水ではないのでお風呂テレビにはならないが、ベッドサイド等に持ち出す用途でも使いまわせる。モニター側の内蔵スピーカーは1W+1W。音質面はドラマやニュースの台詞や音声は問題なく聴けるレベルだ。
地デジ放送、そしてBDの画質はというと、19型というサイズを考えると十分な高精細さだ。映像モード「スタンダード」で明るい部屋でも見やすい。見たところ、放送をデコードしただけでなくテレビとして味付けもなされているようで、ノイズも目立たないし画面全体の精細感をしっかり出している感じだ。
なお、映像の途切れやすさについてはマンションの屋内で壁越しかつ5m離れている程度なら問題ナシ。基本はIEEE802.11a/b/g/n準拠の無線LANなので、一般的なルーターの電波の届きやすさと同程度が基準となる。なお、内蔵バッテリーは3.5時間で映画一本なら余裕で観られる計算だ。
モニター部だけを取り外せばベッドサイドにも便利
基本の操作性、画質、機能もチェックしていこう。
「UN-19Z1」は”テレビ”なので、基本の操作はリモコンでモニター部に向けて操作する。厳密には、操作されるのは無線LAN越しのチューナー部なのだが操作レスポンスにはまったく遅れがなく快適だ。ちなみに、モニター部まで外して屋外で持ち歩いている時には、リモコンではなく画面タッチで操作したくもなるが……こちらは残念ながら非対応だ。
テレビ関係の機能は、チューナー側に500GBのHDDを搭載しており、さながら”ミニDIGA”といったところ。録画は基本機能のみで、モードも基本的には選べないが(設定からDR/5/10/15倍の切り替えは可能)、見逃し視聴用としては十分だ。なお、チューナーは1番組録画+ライブ視聴の2チューナーだ。
番組表から録画予約する画面はレコーダーのDIGAに似ている
録画番組の再生はジャンル表示も対応
モニター部のみで使う際、リモコン以外の操作は本体搭載のボタンと、本体上部に設置したマイクで音声操作ができる。音声操作は「マイクオン」で認識モードに切り替えてから声で操作するのだが……実用性はそれなりといったところ。
たとえば、テレビ放送視聴時に「1チャンネル」「NHKを見たい」というような操作、「音量」といった操作は不満はなし。番組表や、YouTubeに対する番組検索もできるのだが、たとえば『陸王』(ドラマのタイトル)のような造語の成功率は1/10程度。『クレイジージャーニー』(紀行番組)のような一般名詞の組み合わせの場合は、成功率は1/3程度だ。発音自体の認識精度は高いのだが、実際の番組名へのマッチングはしていないようだ。
本体上部には音声操作用のマイクを搭載
「マイクオン」の声で始められる音声操作の操作性はそれなり
「UN-19Z1」のもうひとつのウリは、ポータブルテレビでありながらネットサービス対応の強化だ。対応サービスは「YouTube」「Netflix」「hulu」「dTV」「DAZN」「radiko.jp」で「Amazonビデオ」には非対応。
実際に「Netflix」「DAZN」は契約中のアカウントでログインして視聴してみたが、「UN-19Z1」にしかない音のよさと、家電製品として開発されている安定感はさすが。特に「DAZN」を安定して観れる環境としてスポーツファンにはなかなかよさそうだ。
ネットサービスを利用する際には無線LAN設定をルーター経由に切り替える
アプリアイコンの並ぶ専用メニューから各種映像配信と「radiko.jp」にアクセス可能
「UN-19Z1」は、使えば使うほどよく考えられた隙間製品だ。屋内で持ち歩くポータブルテレビや映像配信用モニターなら、汎用性の高いタブレットでいいのでは……? と考えてしまいがちだが、「UN-19Z1」の19型というサイズはタブレットにはない”ちょっと大きめ”のサイズ。また放送ライブ視聴と録画だけでなく、BD/DVD再生まで対応するところもうれしいポイント。そして今時の映像トレンドである映像配信にまでしっかりと対応を果たしている。
小型テレビ=安物と思われがちだが超高音質という付加価値。実物を体験しないとわかりにくいが、使うと思わず欲しい!と思う完成度。パナソニックによる「UN-19Z1」のコンセプトは”ひとり贅沢”とのことだが、そのコンセプトはしっかりと反映されている。まさに、
映画や海外ドラマ、アニメにハマる大人の男性が、自分用に買うテレビとしてオススメしたい1台だ。