選び方・特集

【2018年】人気の電子辞書の選び方! 「EX-word」&「Brain」徹底比較

毎年春のこの時期、特に社会人をターゲットにした英語学習教材の売れ行きが上がるという。新年度の異動で新たな部署、新たな仕事に就くにあたって勉強が必要になることもあるだろうし、そんな周囲の雰囲気から「自分も何か始めなくちゃ」という焦りに近い衝動で……という人も多いようだ。

そんなビジネスマンをはじめ、中高生などの現役世代にも最近注目されている学習ツールが、電子辞書だ。

ひと昔前の電子辞書といえば、単に「国語」「漢和」「英和」などの辞書が電子化されただけのガジェットだったのが、近年は言語学習に特化した学習用ツールとして大きく進化している。

そんな学習用電子辞書における2大メーカーであるカシオ計算機とシャープの製品に注目。使うシチュエーションや勉強の進行状況に合わせて、どのモデルを選ぶのがベストなのかを解説したい。

「世代/コンテンツ別の2大ブランド機種カタログ」こちらから!

基本は自分の世代! 電子辞書の選び方

まず、電子辞書選びで最も基本となるのは、自分の世代に合わせたモデルを選ぶこと。カシオ計算機、シャープともに、「ビジネスマン/大学生向け」「高校生向け」「中学生向け」など、世代別のモデルがラインアップされている。

カシオ計算機の電子辞書ブランド「EX-word」の公式ホームページ。ひとつのブランドの中にも、実に多彩なジャンルの電子辞書がラインアップされている

たとえば、ビジネスモデルは収録辞書の種類や語彙数が多く、例文も高度。さらにTOEIC対策の教材が収録されているなど、実践的だ。

対して、中・高生モデルは辞書の語彙数こそ少ないものの、その分だけ必要な単語を探しやすいというメリットがある。さらに語学だけでなく、数学や理科、社会などの学習コンテンツも豊富に収録している。

購入の際には収録辞書数などのスペックだけでなく、今の自分に必要なコンテンツが入っているかを見極めるのがポイントだ。

カシオ計算機とシャープ、どちらを選ぶ?

今、日本国内で電子辞書を選ぶとなると、基本的にはカシオ計算機「EX-word(エクスワード)」シリーズか、シャープ「Brain(ブレイン)」シリーズのどちらかを選ぶことになるだろう。しかしその両ブランドの違いは、なかなかわかりづらい。

カシオ計算機「EX-word XD-Z20000」(左)と、シャープ「Brain PW-SB5」(右)

カシオ計算機「EX-word XD-Z20000」(左)と、シャープ「Brain PW-SB5」(右)

そこで、2つのブランドの違いを浮彫りにするために、それぞれのフラッグシップモデルであるカシオ計算機「EX-word XD-Z20000」(以下、EX-word)とシャープ「Brain PW-SB5」(以下、Brain)をセレクトして比較してみた。

【液晶画面】文字がより読みやすいのは「Brain」

まず目に留まるのは、液晶画面だ。

両社とも高輝度で見やすいタッチ液晶パネルを搭載しているが、文字の読みやすさや解像度の高さは、さすが液晶に強いシャープの「Brain」に軍配が上がる。なお解像度は、「EX-word」の5.3型カラー液晶タッチパネルが528×320ドット、「Brain」の5.5型カラー液晶タッチパネルが854×480ドットで、「Brain」のほうが細かい。

液晶画面の解像度が高く、文字が読みやすいのはやはりシャープ「Brain」

液晶画面の解像度が高く、文字が読みやすいのはやはりシャープ「Brain」

【電源】乾電池使用の「EX-word」は海外でも便利

次に、使っているといずれ気になってくるのがバッテリーの問題だ。

「EX-word」は単3形アルカリ電池2本(「エネループ」などの充電池にも対応)、「Brain」は内蔵のリチウムイオン充電池を電源としている。最近はモバイルバッテリーを持ち歩くケースも多いとは思うが、やはりいざという時にも素早く補充が効く単3形電池使用の「EX-word」が便利だろう。

「EX-word」は、海外でも入手しやすい単3形電池駆動なのがメリット

「EX-word」は、海外でも入手しやすい単3形電池駆動なのがメリット

【インターフェイス】カスタムできる「EX-word」と直感操作可能な「Brain」

さらに、トップ画面のインターフェイスも大きく異なる。

シンプルな画面にアイコンを配置し、コンテンツを18個まで自分で登録しておける「EX-word」に対し、トップ画面を辞書検索画面と英語学習画面の2画面に分けることで使いやすさを向上させた「Brain」。使い始めはとまどうかもしれないが、カスタムすることで使いやすさが向上する「EX-word」に対し、最初から誰でも直感的に使いこなせる「Brain」という印象だ。とはいえ、こればかりは好みの問題もあるので、優劣はつけづらいところ。

最大18個までのコンテンツをトップ画面に登録できる「EX-word」。このカスタム性の高さは、使い慣れるほど効果が上がる

英語学習と検索を2画面に分けた「Brain」。どちらも画面がスッキリとして見やすいのがポイント

英語学習と検索を2画面に分けた「Brain」。どちらも画面がスッキリとして見やすいのがポイント

【音声】「Brain」の“ゆっくり再生”が便利

また、両モデルとも英語学習用のリスニングコンテンツが多く収録されているため、音声機能も実は重要なポイントになってくる。

「EX-word」は前部に「スリムリフレクションスピーカー」を搭載。本体を置いた机に音を反射させて聴こえるようになっているため、音が上面に拡散せず聴き取りやすい。

いっぽう、「Brain」でよくできているなと感じたのは、音声の再生スピードをワンタッチで変更可能な音声キーだ。英文が早口過ぎて聴き取れないな、と感じたら即座に“ゆっくり再生”に切り替えられるのはありがたかった。

音声を机に反射させることで、聴き取りやすくする「EX-word」の「スリムリフレクションスピーカー」

音声を机に反射させることで、聴き取りやすくする「EX-word」の「スリムリフレクションスピーカー」

「Brain」のワンボタンによる再生速度変更は、リスニング学習にマストと言える便利機能

「Brain」のワンボタンによる再生速度変更は、リスニング学習にマストと言える便利機能

【検索】手書き入力検索に個性が出た

検索機能については両モデルともにかなり高速で、体感的な差はほとんどなし。ただ、液晶に直接書き込む手書き入力に関しては個性が出た。

「EX-word」は、手書き枠が5文字(日本語入力時は2文字)のマスに区切られており、1文字書き込むごとに自動で認識・検索がスタートされるシステム。

「Brain」の手書き枠は、マスで区切られていない自由入力になっており、全文を書き込まない限り認識・検索が始まらないようになっている。

読みのわからない漢字を大きく書いて調べるには、「Brain」の自由入力が使いやすいが、検索時の効率のよさは「EX-word」が勝利、というところか。

「EX-word」の手書き検索。1文字書くごとに自動で絞り込み検索が行われるので、結果的にかなりスピーディーに結果が得られる

「Brain」は入力枠が大きく、難しい漢字なども書きやすい。ただし「認識ボタン」をタッチするまで検索は始まらない

【独自機能】スマホ感覚で使える「Brain」の360°オープンスタイル

面白い機能としては、「Brain」独自の360°オープンスタイルがあげられる。

液晶とキーボードを360°折り返すことで、まるでタブレットかスマートフォンのような縦持ちスタイルで使うことができるのだ。先述の手書き入力時にもキーボードが手に当たらず書きやすいし、さらには電車などの移動中でも勉強が進められる。この使いやすさは大きなメリットと言える。

スマホ感覚で立ったままでも使える「Brain」の360°オープンスタイル。使う場所を選ばないのは、かなりの強みと言える

【比較まとめ】腰を据えてじっくりタイプは「EX-word」、いつでもどこでもタイプは「Brain」

単純に評価を分けるとしたら、紙のテキスト併用で腰を据えてじっくりと勉強に臨む人には「EX-word」、忙しい中で飛び飛びにでも勉強したい人なら「Brain」、と言える。ホーム画面のカスタム性が高い「EX-word」は、使うほどに作業効率が上がるのが強み。対して「Brain PW-SB5」の強みは、場所を選ばず使える360°オープンスタイルだ。まずは、自分の勉強スタイルを考えてどちらかのブランドを選び、あとは次ページで紹介する収録コンテンツ次第で機種を決めるのが得策と言えよう。

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