東芝映像ソリューション(以下、東芝)の展開する薄型テレビREGZAの2019年モデルがついに動き出す。東芝はREGZAの2019年モデルとして4K液晶テレビ「Z730X」シリーズ(65/55/49/43型)、「RZ630X」シリーズ(50/43型)、「M530X」シリーズ(65/55/50/43型)の3シリーズを発表。6月上旬より順次発売する。
東芝REGZAの2019年モデルとして、4K液晶モデルの「Z730X」シリーズ、「RZ630X」シリーズ、「M530X」シリーズが発表された
2018年モデルは新4K衛星放送チューナー搭載一番乗りでトップを独走した東芝だったが、2019年モデルは全機種4K放送チューナー2基を搭載した「4Kダブルチューナーウラ録対応」仕様。それを踏まえた上で、他社が追いついてきた4Kチューナー以外にアグレッシブに差別化を仕掛けたラインアップを展開していく。
REGZA新モデルの特徴を解説する東芝映像ソリューションREGZAを担当するマーケティングブランド統括マネージャーの本村裕史氏
まずは発表された東芝REGZAの2019年ラインアップ各機種を紹介していこう。
2019年の4K液晶REGZAの最上位モデルが「Z730X」シリーズ(65/55/49/43型)だ。東芝REGZAのラインアップ全体像を先に解説しておくと、昨年のREGZAのラインアップ最上位は有機ELテレビの「X920」シリーズで、次のラインが4K液晶テレビの「Z720X」。つまり、「Z730X」シリーズは4K液晶テレビとして最上位、REGZAのラインアップ全体としてはハイミドルクラスを想定したシリーズだ。
東芝REGZAの4K液晶テレビ最上位モデルとなる「Z730X」シリーズ
65型の大画面モデル「65Z730X」もラインアップする
そんな4K液晶REGZA最上位モデルとなる「Z730X」シリーズの特徴は、まずサイズバリエーションにある。
「Z730X」シリーズには東芝の4K液晶テレビとして昨年はなかった65型をラインアップし、「買える4Kテレビでもっと大きなZはないの?」(本村氏、以下同)という声に応えた大型モデルを展開。同時に「40型クラスのZが欲しい」という声に応えて、ここ数年上位モデルでは展開されることがなかった43型モデルも新たに加え、サイズバリエーションが上下に幅広いのだ。
4K液晶テレビの上位モデルとしては珍しい小型モデルの43型モデルもランアップ
「Z730X」シリーズは4K液晶テレビとしては最上位モデルだけに、バックライトの仕様は「全面直下LEDバックライト」で、部分駆動技術「リアルブラックエリアコントロール」にも対応。パネル方式は65型のみVAパネルで、55/49/43型はIPSパネルを採用している。
「Z730X」シリーズは全面直下LEDバックライトを搭載し、部分駆動にも対応する高画質設計を採用している
東芝が常に内製化にこだわり開発を続けている映像エンジンは、最新世代の「レグザエンジンProfessional」を搭載。新技術「AI超解像技術 深層学習超解像」では、シーンごとの画質の違いを深層学習テクノロジーで自動判別する。最近のテレビ番組に多いドローン空撮の映像でエッジがギラギラとするようなシーンが混在していても、深層学習した5層のニューラルネットワークでシーンに合わせて適切な超解像処理を実施するそうだ。
また、「バリブルフレーム超解像」では、動きに応じて複数フレーム超解像の参照フレームを適宜切り替えることで、ノイズを抑えて高精細化を実現。通常編集とHDR編集の違いを機械学習して通常映像をHDRに復元する「AI機械学習HDR復元」など、超解像技術にAIと機械学習を用いた高画質技術も盛り込まれた。
このほかにも、肌をリアルに描写する美肌リアライザーが、HDR映像にも対応した「美肌リアライザーHDR」へと進化。顔の陰影部分発生しやすい段差や黒ずみなどを抑え、肌の明かりさや質感をリアルに再現できるという。
「Z720X」シリーズに搭載される最新世代の映像エンジン「レグザエンジンProfessional」
「AI超解像技術 深層学習超解像」により、シーンに応じた適切な超解像処理を実施
サウンドについては、最新の「重低音バズーカオーディオシステムPRO」を搭載。フロントに新開発13mmシルクドームツイーターとフルレンジスピーカーを搭載した大型バスレフ2ウェイスピーカーで、ダブルウーハーと4基のパッシブラジエーターによる総合80Wという薄型テレビのスピーカーとは思えない贅沢過ぎる大出力が最大の特徴だ。「レグザサウンドプロセスVIR」技術として、高精度なVIRイコライザー、放送の圧縮音源を復元するレグザサウンドリマスターの技術まで投入されており、まさに外付けのオーディオシステムいらずといったところだ。
「Z720X」シリーズに搭載される最新の「重低音バズーカオーディオシステムPRO」。43型の小型モデルも総合80W出力を誇る
新たに音声信号処理技術としてEilix社の技術を用いた「レグザサウンドプロセスVIR」も搭載された
新4K放送チューナーは「Z730X」シリーズから2基搭載となり「4Kダブルチューナーウラ録」対応となった。そして、東芝REGZAの代名詞である地デジ6chまるごと録画機能「タイムシフトマシン」、新開発の「AIレコメンドシステム」にも対応した「みるコレ」も搭載。ボイスコントロール機能(7月下旬にソフトウェアダウンロードによるバージョンアップにて対応予定)までそろう。4K液晶テレビでも全部入りという、「Z720X」シリーズのコンセプトが強化された形だ。
なお、これら「Z730X」シリーズの仕様はシリーズ全体で共通なので、シリーズ最小サイズの「43Z730X」でも同じ。43型モデルで「全面直下LEDバックライト」「レグザエンジンProfessional」「レグザ重低音バズーカオーディオシステムPRO」まで入る「43Z730X」は、久々のモンスター級の小型・超高性能小型4Kテレビとして注目すべき存在だ。