小寺信良のGadget 2 Go!
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外付け端末唯一の4K配信機、Amazon Fire TV

今年9月24日、通販大手Amazonが日本で記者発表会を開き、Amazonプライムビデオのローンチと、Amazon Fire TVをはじめとする視聴ハードウェアの予約を開始した。プライムビデオは即日サービス開始だったが、ハードウェアの方は10月末の発送開始ということもあり、プレオーダーは3,000円引きの9,980円で購入できた。

Amazon Primeビデオは、Amazon Prime会員なら無料で視聴できる、ネットストリーミングサービスである。今年9月にサービスインしたNetflixに続き、海外勢第2弾となる大型サービスだ。Amazon Fire TVは、HDMIでテレビと接続することで、Amazon Primeビデオを視聴するためのデバイスだ。この手の製品はApple TVが先行しているが、これまで数々のオリジナルハードウェアを出してきたAmazonなりのこだわりポイントがある。

まずハードウェアとしては115mm四方の正方形、薄型のシンプルな箱だ。端子類は背面にしかなく、電源、HDMI、Ether端子、MicroSDカードスロット、USB端子がある。このうち接続が必須なのは、電源とHDMIのみだ。リモコンはスティック型で、円形の十字キーと6つのボタン、上部には音声検索用のボタンとマイクがある。

本体はただの四角い箱

本体はただの四角い箱

端子類はすべて背面

端子類はすべて背面

リモコンはシンプルなスティック型

リモコンはシンプルなスティック型

本体とリモコンはBluetooth接続で、赤外線ではない。リモコンで音声入力することを考えれば、当然だが赤外線の情報量では足りないわけだ。従っていちいち操作するために、どこかにリモコンを向ける必要がないのはスマートだ。電源ボタンもなく、ほっとけば勝手にスタンバイになり、リモコンを操作すると復帰する。

ハードウェアとしては、同時発売のスティック型端末「Fire TV Stick」もあり、こちらは4,980円。価格としては倍以上違うが、Fire TVにしかない機能は、音声検索ともう一つ、4K対応がある。

4Kコンテンツを配信するサービスとしては、他にもNetFlixやアクトビラがあるが、これらは各サービス対応4Kテレビか、4Kレコーダーがなければ4K解像度で視聴できない。ネット接続の外付けボックスで4K対応しているのは、日本で入手できるものに限ればFire TVが初である。

快適レスポンスが光る

Fire TVを使ったPrimeビデオの視聴は、快適だ。ASAP(Advances Streaming and Prediction)という機能は、ユーザーの好みそうなコンテンツの先頭部分をあらかじめプリロードすることで、コンテンツを選択するとすぐに再生が始まる仕組みだ。ネットサービスにありがちな、視聴を選んで絵が出るまで5秒10秒待たされるという、シラケる時間がない。

4Kコンテンツは、映画に関しては風景ドキュメンタリーみたいなものしかないが、Amazonオリジナルドラマが多数用意されている。ビットレートとしてはおそらく10数Mbpsといったところだろうが、ブロックノイズなどは感じられず、画質的にも納得できるレベルだ。かつてデジタル放送でハイビジョン放送が始まった時のガッカリ画質から比べれば、エンコード/デコード技術の進歩には目をみはるものがある。

4K作品はオリジナルドラマが増殖中

4K作品はオリジナルドラマが増殖中

もう一つ驚くのは、音声検索の認識精度だ。AppleやGoogleが提供するサービスのように、話し言葉の意味を理解するような動作はなく、コンテンツや出演者名といった単語を認識するだけだが、ほぼ聞き取り間違いはない。聞き取れない場合は、聞き取れなかったと表示が出るだけで、似て非なるものが見つかるという動作はまずない。

しかもものすごいスピードで単語を認識し、検索結果もものすごいスピードで帰ってくる。リモコンで入力した音声が本体に伝送され、圧縮されて音声認識サーバーへ送られ、そこで日本語変換されると同時にその単語のコンテンツを探し、結果が本体まで戻ってきているという、その物理的距離を考えれば、とてつもない速度である。

ホーム画面の操作は十字キー中心なので、ユーザーインターフェースとしては目新しい感じはしない。だが思いつきで音声で探して、パッと見るという使い方が基本だと捉えれば、まさに新体験を提供する端末と言えるだろう。

ホーム画面のUIはシンプル

ホーム画面のUIはシンプル

すでに4Kテレビをお持ちで、Amazon Prime会員なら、Fire TVを使わない手はない。しかも内部にアプリをダウンロードすれば、NetflixやHuluも視聴できる。Primeビデオ縛りというわけでもないので、テレビをネットサービス対応にするデバイスとしても、意外にリーズナブルな選択ではないだろうか。

小寺信良

小寺信良

AV機器評論家/コラムニスト。デジタル機器、放送、ITなどのメディアを独自の視点で分析するコラムで人気。メルマガ「小寺・西田の金曜ランチビュッフェ」も配信中。

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