レビュー
ブラザー新ラベルプリンター上位機種のモバイル性&印刷機能が進化

かなり便利! ラベルプリンター「PT-P950NW」&「PT-P900W」の使い勝手比較

ブラザーからラミネートラベルプリンター「ピータッチ」の新機種「PT-P950NW」と「PT-P900W」が8月上旬より発売された。業務用の上位機種と言う位置づけの本製品。スマホ用アプリ「Brother iPrint & Label」に対応し、パソコンを使わずにスマホからでもラベルを印刷できるようになっているのが特徴だ。さらにオプションとして、Li-ion充電池&充電池ホルダーも用意され、電源を確保しにくい野外での利用も可能となった。外での作業現場やイベント会場などに持ち運ぶこともでき、その場でスマホからラベルを印刷できるため、かなり利便性が向上している。

スマホアプリとで充電池に対応したラベルライターは、同社より「PT-P750W」が2年前に発売されているが、その機種ではラベル幅が最大24mmまでだった。それが最大36mm幅の機種でも登場したというので、さっそくチェックしてみた。さらに「PT-P750W」とも比較しているので、機種選びの参考にしてほしい。

左の黒いのが「PT-P950NW」で真ん中の白いのが「PT-P900W」。この2機種が新登場した。そして一番右のは「PT-P750W」で、この機種とも比べてみた

モバイルとしても活用可能だが……!

会社や学校で管理してあるパソコンや備品などに管理番号やバーコードが書かれたラミネートのラベルシールが貼られていることがあるが、今回レビューする製品の「PT-P950NW」と「PT-P900W」は、そういったラベルシールが作れるプリンターだ。この2機種は、これまで発売されていた「PT-9700PC」や「PT-9800PCN」の後継機になり、Wi-Fi(無線)/LAN(有線)接続が標準搭載されたほか、スマホのラベル制作アプリに対応。おかげで使い勝手が格段に向上している。もちろん、従来どおりパソコンとの接続(USBケーブル経由)も可能だ。これまでラベルのデザインをパソコンで専用ソフトを使って行って印刷していたが、スマホのアプリでラベルを作り、スマホから直接ラベルプリンターと無線で繫げてラベルを出力できるようになる。

スマホから簡単なラベルを印刷できる。なお、スマホとラベルプリンター本体をダイレクトにWi-Fi接続するには、最初にパソコンと本体を有線で繫げて設定する必要がある。ちなみに、右のiPhoneは6s Plusで、比べて見てもわかるように、本体は結構大きい

さらに別売のオプション品の充電池ホルダーとバッテリーを取り付けることで、電源の無い場所に持ち出して利用可能。使いたい場所やイベント会場などに持ち出し、その場でラベルを作成して使えるというわけだ。しかし本体のサイズが118(幅)×192(奥行き)×146(高さ)mmとDVDケースを8枚分重ねたほどで、重さは約1.51kgにもなる。これまで通り36mm幅のテープが利用できるために、前機種と変わらないほどに大きいのは仕方ないが、これにバッテリーセットを搭載すると約2kgにもなってしまい、気軽に持ち出しにくいのは残念なところ。次の機種では、モバイル性も重視して、軽量小型化してくれることを期待したい。

ラベルへの印刷性能はアップしており、印刷速度が従来機よりも3倍アップしたほか、36mm幅テープ使用時の最大印字幅が32mmまで向上しているのは嬉しいところだ。余白幅が少なく、テープ幅いっぱいに印字が可能となっている。

「PT-P950NW」はもちろん、「PT-P900W」にも充電池ホルダーの装着が可能で、稼動時間は約30分。ちなみに、充電池ホルダー「PA-BB-002」はオープン価格(通常価格6,480円)、Li-ion充電池「PA-BT-4000LI」はオープン価格(13,350円)。モバイル利用するには、約2万円も高くなる

ラベルテープは本体の上部二ある蓋を開けて、簡単に入れられる。蓋を閉じても小窓から中身のテープの種類がひと目でわかる

印刷スピードが高速印刷時に最高約80mm/秒にアップ。36mm幅のテープ使用時に、これまでは印刷幅が27.1mmまでだったが約5mmも広がった。余白幅を少なくなり、テープ幅いっぱいに印字が可能になっているのはうれしい

拡張性は?

今回、同時に発売された「PT-P950NW」と「PT-P900W」だが、見た目や大きさ的な違いがほとんど無いが、機能面や取り付けられるオプションで違いがある。「PT-P900W」は基本性能を備えた低価格モデルになっており、オフィスや医療業界向けのモデルになっている。それに対して「PT-P950NW」は「PT-P900W」の上位版といったところで、拡張性が高く、製造・物流向けモデルだ。さらに基本機能に加えて有線LANとUSBホストの端子が備えられており、Wi-Fi環境が無い場所でもネットワークプリンターとして利用できる。また、操作パネル&液晶ディスプレイを本体上部に装着可能で、データを呼び出して印刷したり、バーコードやシリアルナンバーを可変させて印刷も可能。ほかにもBluetoothユニットも取り付けられ、バーコードリーダーとの接続もできる。「PT-P950NW」は全部入りといったところで、その分お値段も高めになっている。個人や一般企業での利用であれば、「PT-P900W」で十分だろう。

左の白いのが「PT-P900W」で、右の黒いのが「PT-P950NW」だ。充電池ホルダーや操作パネル&液晶ディスプレイを取り付けた状態だと、「PT-P950NW」がより一層大きくみえるが、オプションを取り付けないと外見は同じサイズになる

「PT-P950NW」と「PT-P900W」の違いは、背面の接続ポートだ。左の黒いのが「PT-P950NW」で、LANポートとUSBホスト(バーコードリーダー接続用)が用意されている。右の白いのが「PT-P900W」で、LANポートとUSBホストは無く、拡張型シリアルポート(別売品のシリアルケーブル変換アダプター[PA-SCA-001]を接続)とUSBポート(パソコン接続用)がある

別売の操作パネル&液晶ディスプレイユニット「PA-TDU-003」は、オープン価格(17,820円)。これに予めテンプレートデータを転送しておくことができ、データを呼び出して印刷したり、バーコード、シリアルナンバーを可変させての印刷が可能。ちなみに本体に装着するには、上フタカバーを外しネジ止めして取り付ける

モバイル性は? 仕上がりは?

新製品「PT-P900W」と「PT-P950NW」は、モバイル性能面での機能が特徴であるが、同様にモバイル機能を持ったラベルプリンターとして、一般ユーザー向けの「PT-P750W」がある。そこでここでは、新製品と「PT-P750W」の違いについて紹介していこう。

大きな違いは、印刷可能なテープ幅だ。「PT-P900W」は最大36mmのテープが利用でき、その分文字を大きくできるうえ、行数も多く入る。それに対し「PT-P750W」が使用できるテープ幅は、最大24mmまで。そとはいえ、文字の大きさは24mm以下となるもののバインダーの背表紙や機器の管理など、普段使いであれば困らないだろう。また、ラベルの印刷解像度にも違いがあり、「PT-P900W」の解像度は360dpi×720dpiと「PT-P750W」の2倍。細かい文字などが鮮明に印刷できるので、行数の多いものを印刷するのに向いている。

本体サイズもかなり違う。「PT-P900W」と比較して「PT-P750W」は、高さがあまり変わらないものの、横幅が2/3程度スリムで奥行きも3/4。重量も1/2程度の軽さで、小型軽量で持ち運びやすくなっている。モバイル性を重視するなら「PT-P750W」で、印刷性能を重視するなら新製品「PT-P900W」にするのがいいだろう。

一般家庭用向けのラベルプリンター「PT-P750W」。本体のサイズは78(幅)×152(奥行き)×143(高さ)mmで約800gと、小型で軽量

ラベルテープは、本体の側面をカパッと開いて入れられる構造になっている。最大幅24mmのテープが使用可能

ラベルテープは、本体の側面をカパッと開いて入れられる構造になっている。最大幅24mmのテープが使用可能

同梱のACアダプターで駆動するほか、単三形電池6本でも使用可能。さらにオプションのLi-ion充電池「BA-E001」(価格/3,780円)も装着できるので便利

幅24mmのラミネートラベルを使って印刷の比較をしてみた。横書きは上が「PT-P900W」で、下が「PT-P750W」。縦書きは左が「PT-P900W」で、右が「PT-P750W」。印刷解像度の違いがはっきりわかる。「PT-P900W」の方が鮮明で美しい。特に「資」の文字の「貝」部分に注目

パソコンを使わずにスマホから簡単なラベルを印刷できる

ラベルの制作では、従来通りパソコン(Windows&Mac)用ラベル作成ソフト「P-touch Editor5.1」を使って行えるが、「PT-P900W」はスマホ用ラベル制作アプリ「Brother iPrint&Label」にも対応している。「PT-P750W」同様に、パソコンを使用せずにタブレットやスマホ端末とWi-Fiで接続して印刷できて便利だ。ただしスマホ用アプリ「Brother iPrint&Label」は、高度な編集機能が使えるパソコン用ソフト「P-touch Editor5.1」と違い、シンプルなものやテンプレートから選んで作るようになっている。簡単なラベルしか作れないので、表など凝ったものを作るには、パソコンが必要となるのは残念なところ。これからスマホを使ってラベル印刷もお手軽に行うニーズも高まって来るとは思うので、アプリの性能アップを期待したい。

ラベルのデザインはパソコンで専用ソフト「P-touch Editor5.1」を使って行う。表やバーコードなどはもちろん画像を入れ、自由に配置できる

スマホ用アプリでは、テンプレートなどを使って簡単なラベルを作れる。バーコードや用意されたアイコン、スマホで撮影した写真なども入れることが可能

印刷性能と汎用性を重視するなら「PT-P900W」

今回は、筆者自身がラベルプリンターを新調しようしていてどれにしようか迷っていたこともあって試させていただいた。新製品の「PT-P900W」はモバイル性能が上がっているものの、どちらかというとまだまだ据置利用が前提で、必要に応じて持ち運びだしても使えるといった感じ。もしモバイル性や価格面を重視するなら「PT-P750W」がいいだろう。しかし、ラベルプリンターを持ち出して使うことはあまり多くのではなおだろうか。であれば、印刷面での性能がアップしていて36mm幅のラベルが使える「PT-P900W」の方が、汎用性も高く使い勝手がよさそうだ。

実際、筆者自身はデスクワークがほとんどなので持ち出して使うことは少ないので、あとは設置場所と価格との相談になってくるが、価格の差が大きいので悩ましいところ。ちなみに、ブラザーの商品紹介ホームページでは、法人向けに製品の無料貸出が行われている(2016年10月現在)。気になった人は試してみるのもよいだろう。

川村和弘

川村和弘

新しモノ好きで、元ゲーム雑誌の編集者。玩具の攻略本を出版した経験もアリ。現在は、iPhone関連の情報メディアなどで編集・ライターとして活躍中!

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