「LUMIX GX7 Mark III」はボディ単体で購入するより、レンズキットの方がハイコスパだ。キットには2種類あり、スリムなズーム12-32mm/F3.5-5.6と、明るい単焦点15mm/F1.7のどちらかが選べる。フォーサーズ規格のレンズは焦点距離を2倍にするとフルサイズに換算できる。つまり24〜64mmのズームと、30mmの単焦点になる。スナップシューターを気取るなら「LEICA DG SUMMILUX 15mm / F1.7 ASPH.」がオススメだ。もし初めて購入するマイクロフォーサーズのミラーレスであっても、レンズキットは明るい単焦点を選んで、ズームレンズは別途、5倍ズームにしたほうが使いやすい。
15mm / F1.7に付属の金属製フードを装着。フードはネジ込み式ではなくバヨネットマウント採用して、カチッとはめられる
ボディ側のAF切り換えレバーを使って、シングルAF、コンティニュアスAF、MFが素早く切り換えられるのでスナップ撮影に便利だ
AFで撮影していても、切り換えなしでピントリングを回すとMFにできるので、意図した位置にピントを合わせられる
Panasonic LUMIX GX7 Mark III、LEICA DG SUMMILUX 15mm / F1.7 ASPH.、15mm、F1.7、1/320秒、ISO200、ホワイトバランス:オート
撮影写真(5184×3888、6.49MB)
マイクロフォーサーズは絞り開放でも、被写界深度が深くピントが外れないのでスナップ向きだ
Panasonic LUMIX GX7 Mark III、LEICA DG SUMMILUX 15mm / F1.7 ASPH.、15mm、F1.7、1/400秒、ISO200、ホワイトバランス:オート
撮影写真(5184×3888、8.59MB)
センサーサイズが小さいので高感度が苦手と言われてきたがISO6400までは実用範囲だ。手ぶれ補正の効果が強力なので感度をさほど上げなくても手ブレを抑えられる
Panasonic LUMIX GX7 Mark III、LEICA DG SUMMILUX 15mm / F1.7 ASPH.、15mm、F5.6、1/20秒、ISO3200、ホワイトバランス:オート
撮影写真(5184×3888、8.46MB)
暗くてもAFが迷うことはない。パナソニックの空間認識AFは優秀だ。露出補正機能を前ダイヤルに割り振ってEVFをのぞきながら無理なく操作できるようにした
Panasonic LUMIX GX7 Mark III、LEICA DG SUMMILUX 15mm / F1.7 ASPH.、15mm、F1.7、1/160秒、ISO3200、-0.3EV、ホワイトバランス:オート
撮影写真(5184×3888、6.38MB)
オススメの標準ズームは「LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm / F2.8-4.0 ASPH. / POWER O.I.S.」である。開放絞り値はF2.8だが、通しではないのでレンズが巨大化せずに重さ約320gに収まっている。レンズ内に光学手ブレ補正を持ちボディ側手ぶれ補正と連動して高性能化するDual I.S.にも対応している。防塵、防滴、耐低温設計でライカの光学基準をクリアーした高性能レンズである。広角は24mmからとスマホの28mmレンズよりも広い画角で、望遠は120mmの5倍ズームなので大抵の被写体はカバーできる。
LUMIXの大三元レンズ中の2本を加えた贅沢なレンズトリオ。このカメラの性格から考えると単焦点レンズ中心の趣味性の高い構成も考えられる
LEICA DGレンズは光学性能優先のためレンズは大きめだが、重量がさほどないので持ち歩くのは苦にならない
標準レンズの画角52mm相当で撮影。歪みが少なく素直な描写である。壁面いっぱいに描かれた少女のイラストにさびた水がしたたり意図せぬ世界が生まれていた
Panasonic LUMIX GX7 Mark III、LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm / F2.8-4.0 ASPH. / POWER O.I.S.、12mm、F3.5、1/250秒、ISO200、ホワイトバランス:オート
撮影写真(5184×3888、10.3MB)
120mm相当で絞り開放で撮影。さすがにここまで望遠になると背景はキレイにボケる。マイクロフォーサーズでも、ズームでも、F2.8でなくてもこれくらいはボケる
Panasonic LUMIX GX7 Mark III、LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm / F2.8-4.0 ASPH. / POWER O.I.S.、60mm、F6.3、1/160秒、ISO200、ホワイトバランス:オート
撮影写真(5184×3888、7.16MB)
120mm相当で最短撮影距離はテレ側で撮像面から24cmとかなり寄れる。これを生かせば望遠マクロ的な撮影もできる。等倍で見るとクモと目が合ったように気分になれる
Panasonic LUMIX GX7 Mark III、LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm / F2.8-4.0 ASPH. / POWER O.I.S.、60mm、F5、1/640秒、ISO200、-0.3EV、ホワイトバランス:オート
撮影写真(5184×3888、8.08MB)
さらにこの1本加えると私的には完璧。「LEICA DG VARIO-ELMARIT 8-18mm / F2.8-4.0 ASPH.」。16mm(35mm換算)から、という超広角ズームレンズを約315gで実現。さらにフィルター径φ67mmで通常のフィルターに対応する。オリンパスにも同様の超広角ズームがあるのだが、開放絞り値F2.8の通しにこだわり、重さは534gで、レンズ前玉がデメキンのように飛び出しているためフィルターが使えないどころかフードをしていてもキズが付きそうで、気が気でないレンズなのだ。もしフルサイズでエフニッパチの「AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED」ともなれば、重さ約970gでレンズフード固定、フィルター使用不可、希望小売価格30万2400円である。フォーサーズは焦点距離が2倍になるので望遠レンズが小型化できるが、それだけでなくセンサーサイズが小さいので広角レンズも小さくできるのだ。
20mmでも超広角感があったのだが、16mmまで来るとさらにスゴイ。そしてテレ側が36mmまであるので1本で使いやすい超広角ズームに仕上がっている
レンズフードを付けるとかなりの迫力だが、超広角なのでフードは必需品。携帯時以外は屋内でもレンズ保護のためにフードは付けておきたい
チルトEVFを駆使してローアングルでマンホールのふたを風景に入れた。水平が取れていないのではなく、ここは坂道なのだ
Panasonic LUMIX GX7 Mark III、LEICA DG VARIO-ELMARIT 8-18mm / F2.8-4.0 ASPH. 、9mm、F8、1/640秒、ISO200、-0.3EV、ホワイトバランス:オート
撮影写真(5184×3888、9.67MB)
先ほどの蔦に覆われた家屋の正体がこれ古いアパートである。こちらもローアングルで地面からあおった
Panasonic LUMIX GX7 Mark III、LEICA DG VARIO-ELMARIT 8-18mm / F2.8-4.0 ASPH. 、8mm、F8、1/320秒、ISO200、-0.7EV、ホワイトバランス:オート
撮影写真(5184×3888、10MB)
16mmを使っていると24mm相当でも画角が狭く思えてくる。現代人の標準レンズは28mmであることはスマホで証明された。これからは広角の時代なのだ
Panasonic LUMIX GX7 Mark III、LEICA DG VARIO-ELMARIT 8-18mm / F2.8-4.0 ASPH. 、12mm、F3.3、1/250秒、ISO1250、ホワイトバランス:オート
撮影写真(5184×3888、8.59MB)
カメラとオーディオが専門のライター。モノクロフィルムの現像、カラーのプリントを経て、デジカメ時代に突入。現在は仕事もプライベートもミラーレスOLYMPUS OM-D E-M1MK2を愛用。「阿佐ヶ谷レンズ研究所」にて掲載記事をまとめて発信中。