レビュー

フィルムケース大の謎カメラに2代目登場! ソニー「RX0 II」で”美動画”撮ってきた

2019年4月12日に発売となるソニーの新型カメラ「RX0 II(DSC-RX0M2)」。2017年10月に発売された初代「RX0」は、わかる人にはわかる小型高性能カメラとして一部で認知されておりましたが、今回は満を持してその2代目が登場したと言うわけです。スペックや初代との違いは後ほど詳しくお伝えします。

さて、このRX0 IIの性能を試すために、私、自称「RX0マスター」カメラマン中居中也は、今日のモデルの桂華(けいか)ちゃんと一緒に「横浜・八景島シーパラダイス」にやってまいりました(私、初代「RX0」を予約購入し、発売日から私事に仕事に使い倒しておりますもので、RX0マスターの称号を勝手に付けさせていただいた次第です)。

こちらがRX0 II

こちらがRX0 II

今日のロケはいわゆる「台本なし・詳しい打ち合わせなし・ぶっつけ本番」ってやつですね。桂華ちゃんもミッションを理解したようで、さっそくアクアミュージアムに入って撮影を開始! すると、驚くべき結果が……!

論より証拠、とりあえず2分足らずの動画を見よ

この映像品質を体感していただくために「速い通信環境」のもと、YouTubeのギアマーク「画質設定」 を「自動設定」から「4K画質(2160p)」に変更して「フルスクリーン表示」でごらんください(スマホの場合は、右上角の「縦3●アイコン」から「画質」を「自動」→ 最高画質の「1080p」に)。データ読み込み時間が少しかかりますが、「RX0 IIの本当の画質」を知るためにご辛抱を……

予想を遥かに超える「美しすぎる4K映像」! もはやこれは写真機のオマケ機能などではなく、本格的な「高画質4Kビデオカメラ」ではないか!! グリップ撮影だけで、ブレの少ない超キレイなビデオコンテンツ制作が可能になったんです。こんな小さなカメラなのに……(動画を見てから以下を読みましょう。でないとわかりません)。

そして、我々のムチャ振りミッションを、わかりやすく、しっかりまとめてレポートした桂華ちゃんの「レポーター力」も見事です! ノープランで取材に臨んだ我々無能スタッフを助けていただきました。ウソみたいな話ですが、本当にやらせなし、ガチなんです。レポートコメントも撮影も!

「RX0 II」の新機能をからめてメイキングを紹介

さて、ここから「RX0 II」の新機能を絡めて”メイキング”をご紹介します。

まずは、アクアミュージアム入口でオープニング収録をする桂華ちゃんの様子です。「RX0 II」に「シューティング・グリップ VCT-SGR1(別売)」が取り付けられていることがわかります(その間についた"変な形の棒"については記事の最後にお知らせします)。

【ポイント-1】
新採用の「チルト式液晶モニター」は 自撮りの味方!

「RX0 II」から新採用された「チルト式液晶モニター」は、上に180°、つまり逆方向になるので、モニターを見ながらの「自撮り」ができるようになりました。

「シューティング・グリップ VCT-SGR1」を接続すると、手元操作で「動画録画開始(AFロック)・停止ボタン」「写真撮影レリーズボタン(AFロック)」ができ、いずれの自撮りも完璧にこなします。

録画開始時にAFが作動しピントは固定され、写真モード設定時でも録画ボタン一発で録画を開始できます。実は初代「RX0」の動画撮影では「AF」を使うことはできませんでした(本体記録でフルHD解像度でしたし)。

【ポイント-2】
新機能「本体内電子手ブレ補正(動画のみ)」搭載! グリップだけでブレないビデオ!

ペンギンのエリアにやってきました。モデルの桂華ちゃんは、素早く動くペンギンの「追い撮り」をしています。にもかかわらず、スムーズな動きの映像になっていましたよね!? 桂華ちゃんは動画撮影の経験がほぼないらしいのですが、そんな女の子でも、「RX0 II」できれいなムービーが撮れちゃうってことじゃないですか! とはいえ、手ブレ補正は万能と言うわけではありません。正確には「ブレにくい」って感じですね。

冒頭のレポートビデオは、ほぼ桂華ちゃんが撮影したものですが、桂華ちゃんが水槽を横切るシーンの1カットだけ、私が撮りました。三脚固定はせずに同じく「グリップ手持ち撮影」です。

【ポイント-3】
最短撮影距離が20cmへ大きく進化!(初代は50cm)

初代「RX0」の「最短撮影距離50cm」は、発売当時からの懸案事項でした。広角24mmレンズで50cmって、撮るものが遠すぎて、小さくしか写りませんもん。だからこれは当然の進化ともいえます。ただ私の予想をはるかに超えて、従来の半分以下「20cmまで寄れる」ってのは少し驚きました。このおかげで、桂華ちゃんは何も気にせず「ミズクラゲの寄り」を撮っていました。

レポートビデオの最後は晴天の日向と影がある、撮影にはキツイシチュエーションでしたが、キレイに撮れていましたよね!? ハイエンド・ハンディカムと同じサイズの「大型 1インチセンサー」ならではの、ワイドなレンジ(広域な階調) だからこその映像になったのではないでしょうか。

こういう状況においては、センサーが「RX0 II」とは比べものにならないくらい小さい「スマホ」や「アクションカム」だと、ハイライト(明部)が白飛びしたり、シャドー(影部)がつぶれたり、どちらかもしくは両方に問題が発生する能性があります。そういう映像を見ているだけでは気にならないでしょうが、上質な映像を目にしてしまうとその違いに気がつき、後戻りできない体になってしまうはずです。

※音声は、最初と最後の「自撮り」カットのみ「TASCAM DR10L」と言う「ピンマイクレコーダー録音」の音と「RX0 II本体録音」とブレンドしています。そのほかのカットはすべて「RX0 II」本体録音のみです

そもそも「RX0」とは何者なのか!?

ここで、初代も含めて「RX0」とはどんなカメラなのか、特徴をおさらいしておきましょう。今回の比較検証のため、このような「手作りブラケット」を作りました(これ売ってませんのであしからず)。

両者に共通の特徴

1. フィルムケースサイズの“極小”高級コンデジ(注:アクションカムではない)
2. 高画質と高機能を実現する、メモリー一体1.0型積層型Exmor RS CMOSセンサー
3. 究極までゆがみを抑えたカールツァイス製 高性能「単焦点 広角24mmレンズ」
4. 起動から約4秒で快速スナップ、撮りたい瞬間を逃さない!
5. 「一体型ジュラルミン筐体(きょうたい)」採用、とにかくものすごく頑丈
6. ハウジングなしで「10m」防水
7. 手袋をしていても操作可能。 迷わず使える「大型電源ボタン」と「大型レリーズボタン」
8. 縦・横問わず置くだけで「水平構え」ができる、道具に徹したカタチ

【補足】
(1)RX0は「アクションカムではない」ことを、とにかく覚えてください。AFやセンサー、レンズがまるで違うのです
(2)(3)高画質追求のために、あえて「1インチ大型センサー」「単焦点レンズ」を採用してします
(2)「メモリー一体1.0型積層型」なので、電子シャッターにもかかわらず、ほぼ歪みがない描写を可能としています。さらに「16コマ/秒」の高速連続撮影、「1/32,000秒」の超高速シャッタースピードが可能(このセンサーの仕組みは、同社フラッグシップ機「α9」と同じ)
(4)使っていて本当に快適! AFも快速で、写真機としてとても正しいと思います

では「RX0 II」はどう進化したのか!?

「RX0 II」、外観で大きく変わったのは、なんと言っても「チルト式液晶モニター」が採用されたことです。その分だけ「おおよそ5mm厚く」なっています。これにともない、重さも「22g」増えました。それでも、約132g(バッテリー・microSDメモリーカード含む)ですから、「iPhone7/8/X/XS」より軽量です。初代を使っていた私には、そのプラス22gがずっしりときましたけどね……。

上180°、下90°モニターが可動することにより、「真上アングル」「真下アングル」そして「自撮り」が簡単になったことは、大きく進化したところであります。

天面の「電源ボタン」や「レリーズボタン」の配置に変わりはありません。また、「microSDスロット」「マルチ/マイクロUSB端子」「HDMI」「マイク端子」の配置もRX0と同じです。

「三脚ねじ穴」の配置は、前面で合わせると同じ位置になります。少しだけ変わった点ですが、「ストラップひも穴」の配置が「左右逆」になりました。これを逆にするために、バッテリードアの形状も変更されています。そこまでして、左右逆にしたのにいったい何の意味があるのでしょうか? たぶん、付属ハンドストラップを使ったときに、レリーズボタン側になると言う理由ですかね?(でもハンドストラップで使うカメラじゃない気がするんですけど……)

さらに細かい点を突っ込みますが、三脚穴の深さが浅くなっています(ギリギリまでパーツを詰め込んだ結果ではないかと推測)。
※どーでもいいことかもしれませんが、予約して発売日にゲットした私所有の初代「RX0」のシリアルの末尾が「439」。今回ソニーさんからお借りした「RX0 II」のシリアル末尾が「475」。もちろん上桁はすべて同じ。この間36台しか売れてないってこと!? まさかね……。

「RX0 II」進化した点・まとめ

1. 4K/30p動画が撮れるようになった(初代は本体記録フルHD)
2. 動画でAFが使えるようになった(録画時AF固定)
3. 動画の「電子手ブレ補正」が付いた(専用アプリを通すと、さらなる手ブレ補正強化)
4. 最短撮影距離が「50→20cm」と劇的に短くなった
5. チルト式液晶モニターになって「自撮り」がラクにできるようになった
6. タイムラプス撮影(インターバル撮影)ができるようになった(どうして初代についてなかったのか謎)
7. 動画撮影時、発熱による「温度上昇マーク」がすぐには出てこなくなった
(「自動電源OFF温度=標準」で、です。初代はフルHDにもかかわらず、標準では録画開始4分くらいでマークが出ましたし、その後強制的にOFFになりました……)

冒頭から気になっていた方がいらっしゃると思いますが、手作りブラケットは「純正レリーズケーブル VMC-MM2」で、初代とIIを同期させるために作ったものです。レリーズコードを含めると、この記事のためだけにあつらえた「同時シャッター比較装置」なのです(このケーブルは、RX0に限らず、最近のソニー製カメラ(マルチ/マイクロUSB端子でレリーズできるもの)であれば、なんでも使えます。たとえば、「α9」で「α7RII」のレリーズは同期しました)。

最短撮影距離の違いを検証

桂華ちゃんに(4)の「最短撮影距離」についての比較撮影をしてもらいましょう。被写体は、一世を風靡した水族館のアイドル、小さな小さな「クリオネくん」です。体長は1cm強ってところでしょうか。

水槽の中をゆっくりと泳ぐクリオネくんを狙う桂華ちゃん。さて、新旧「RX0」同時シャッターの結果はどうなったでしょうか!?
結果はこちら。

初代「RX0」は、やはりピントが全然合いません。奥のコード(ピンク丸)に合掌しているようです。いっぽう「RX0 II」は、手前のクリオネくんをしっかりとらえているようです。画像をクロップしてみると……

話にならないくらいの違いです。クリオネくんを撮りたければ「RX0 II」を選ぶ以外ないようですね。

初代「RX0」と「RX0 II」、”ピントの合う最短距離イメージ”は、こんな感じでしょうか。

□「RX0 II」4K撮影 桂華ちゃんのビデオレポート2(オール自撮り)

ここで、ひと息コーヒーブレイク。1分ほどの「桂華ちゃんのセルフビデオレポート2」です! もちろん「RX0 II」使用、全編「自撮り」、しかも4K動画です。 ここはコーヒーブレイクコーナーなので気楽にご覧ください。

この映像品質を体感していただくために「速い通信環境」のもと、YouTubeのギアマーク「画質設定」 を「自動設定」から「4K画質(2160p)」に変更して「フルスクリーン表示」でごらんください(スマホの場合は、右上角の「縦3●アイコン」から「画質」を「自動」→ 最高画質の「1080p」に)。データ読み込み時間が少しかかりますが、「RX0 IIの本当の画質」を知るためにご辛抱を……

やはりキレイすぎる映像です! こんな簡単に、ちょっとしたビデオクリップが作れるなんて、より高みを目指す「YouTuberさん」にとってすごい武器になるんじゃないですかね!?
※この動画の音声は、すべて「TASCAM DR10L」という「ピンマイクレコーダー録音」の音のみ使用

自慢の「16コマ/秒」高速連写!さらに10m防水も

やって来たのは八景島シーパラダイスにある「アクアライドII」と言うアトラクションです。

水しぶきがかかるのがウリなのですが、ここで桂華ちゃんに「写真撮影」をしてもらいました。またまたきついミッション、ごめんね……。

「RX0 II」自慢の「高速連続撮影(16コマ/秒)」で撮ってもらうことに!(まずは、下のプレイヤーで「RX0 II」の連写疑似音を再生)

sound:「RX0 II」シャッター音リンク

掲載スペースの関係で、0.5秒間で撮れた「8コマ」を、並べてお見せしております。1秒だと16枚にもなっちゃいますから……。

そしてこれが、桂華ちゃんが撮ったその中の1枚!

大きい写真(4800×3200 pixel 2.61MB)はこちら

水を恐れず、至近距離でダイナミックに「スプラッシュ感」をとらえています! このような連写や防水は初代「RX0」から引き継いだ性能。ですがここで注意点。「防水が必要な撮影」をする場合、チルトモニターは開けて使ってもOKですが、すべてのフタを完全に閉じてください。そのため、防水が必要な撮影でグリップは使えません。

誰でも撮れる! くるくる回る1カット自撮り4K動画

今度は、桂華ちゃんに「RX0 II+グリップ」を持たせて、くるくる回ってもらいました。演出的にはそれだけです。しかも「1カット」で構成されています。つまり、誰でもできるってことですよ。それでは、43秒の動画をご覧ください。

この映像品質を体感していただくために「速い通信環境」のもと、YouTubeのギアマーク「画質設定」 を「自動設定」から「4K画質(2160p)」に変更して「フルスクリーン表示」でごらんください(スマホの場合は、右上角の「縦3●アイコン」から「画質」を「自動」→ 最高画質の「1080p」に)。データ読み込み時間が少しかかりますが、「RX0 IIの本当の画質」を知るためにご辛抱を……

美しい映像なので、こんな安易な演出でもそれなりのビデオになっちゃってます。カメラの「電子手ブレ補正」も違和感なく効いているようですね。ロケーション次第では、ものすごく「映える動画」になっちゃうかもしれませんよ! この「くるくる動画」は、流行ってしまうかも……。

※この動画の音声はすべて「TASCAM DR10L」という「ピンマイクレコーダー」録音の音のみ使用

現実的に使えるようになった「ハイフレームレート240fps」

RX0には(IIにも)、「ハイフレームレート(HFR)」という機能があります。ざっくり言うと「スローモーション動画」を撮るための機能です。この機能を使って桂華ちゃんに「しゃぼん玉」を吹いてもらうシーンを撮影しました!

この映像品質を体感していただくために「速い通信環境」のもと、YouTubeのギアマーク「画質設定」 を「自動設定」から「1080p HD」に変更して「フルスクリーン表示」でごらんください(スマホの場合は、右上角の「縦3●アイコン」から「画質」を「自動」→ 最高画質の「1080p」に)。データ読み込み時間が少しかかりますが、「RX0 IIの本当の画質」を知るためにご辛抱を……

なかなか幻想的でしょ? 今回の設定は「240fps」ですから「8倍スローな映像」ということになります。ちなみにこの動画だけ4Kではなく「フルHD(1080p)」です。(※「1080p HD」に設定して見てください)。 冒頭と終わりの音声が入っているところは、4K/30pで撮ってフルHDにダウンサイズしています。ちなみに、HFR映像全体の尺は「38秒」ですから「5秒足らず」の瞬間の記録というわけです。

実はこの「HFR撮影」、初代からできるにはできたのですが、「RX0 IIで新たに進化した点のまとめ」の(2)動画のAF、これができなかったために、HFR撮影はとても厄介でした(正確にピントを合わせようと思うとMFにしなければならなかった) 。そして、初代は「最短撮影距離が50cm」ってのもネックになっていました。少しでも寄り過ぎるとピントが来ないんですもん。なので、実質的には使えない機能であったと言っていいかと思います。

ですが「RX0 II」になって、AFが使え、最短20cmまで寄れるとなると、HFRをどんどんやってみたくなります。ただし、HFRでは、「2秒強の瞬間」しか撮れません。HFRモードにして「スタンバイ」させ、シャッターを押した後、約2秒(スタートトリガー)か、シャッターを押した直前の約2秒(エンドトリガー)を、設定であらかじめ選んで使います。エンドトリガーは、過去2秒を記録するわけですから、なんだかタイムマシン的要素も感じますよね。

※HFRには「240fps(8倍スロー)/480fps(16倍スロー)/960fps(32倍スロー) (30p再生時)」があります。fpsを高くすると、映像がどんどん悪くなります(1コマのピクセル数が小さくなるため)。240fpsでも、フルHD足らずのピクセルしかありませんから、そのあたりはご留意ください
※BGMに「カノン」とか入れちゃってずるーい!とか言わないでください。だってHFR撮影時に音はまったく録れませんから、やむを得ずと言うことで……)
※初代のときからだったと記憶しておりますが、HFRの動画の終わり15フレームほどは、なぜか静止画になります。編集の際、注意してください
※30p録画の部分の音は、RX0 II本体記録の音です
※今回この動画撮影だけ、三脚固定で撮影しています

「RX0 II」とスマホだけでカンタン動画編集できる2つの無料アプリ

「RX0 II」の発売前(3月末)に、2つのスマホアプリがアップされました。「imaging edge mobile(イメージング エッジ モバイル)」と「Movie Edit add-on(ムービーエディット アドオン)」です。「imaging edge mobile」は、新開発というよりも「PlayMemories Mobile(プレーメモリーズ モバイル)」とほぼ同じで、名前が変わっただけと言う印象(今まで使ってきた人にはややこしい)。なお、「imaging edge mobile」をインストールすると、「PlayMemories Mobile」は上書きされてしまいます。

「imaging edge mobile」 は、アプリを起動し、RX0 IIの「QRコード」を読み込むと、自動的にWi-Fi接続されて、スマホやタブレットに写真や動画を転送できるようになります(4K動画も転送可能)。さらに、カメラにつないでリモートで、「プレビュー」「写真シャッター」「動画開始」ができます。ただし、RX0 IIの場合、今のところ「4K」「120p」動画ではリモート操作はできない模様。リアルタイムプレビューはできなくてもいいから、「録画開始(AF-Sロック)」は使いたいところです、これもったいない話ですよね。実質使えない感がありますので……。

※ソニー製カメラの多くでこのアプリは使用可能。長い4K動画などは、転送にそれなりに時間がかかります

「Movie Edit add-on」 のほうは 「imaging edge mobile」でスマホに取り込んだ、RX0 II動画(4Kも可)を、このアプリに通すだけですぐに、ジンバルを使ったような「スタビライズ(手ブレ補正)」をしてくれます。トラッキング(目標追尾)機能もあり、さらに滑らかな動きにも調整可能。また、カットやつなぎなど、簡単な編集もできちゃいます。インスタ動画に対応した「正方形動画」も保存可能。そのほか、いくつかのアスペクト比にも対応しております。なお、解像度はフルHD(1080p)までとなり、4Kでは保存できません。

今回の撮影では、4K画質をお見せすることもありまして、スマホを使っての編集はしていません。ですが、お気軽にそして素早く動画をSNSにアップしたい人には、ムチャクチャ便利なツールであることは間違いないでしょう。

※このアプリは、現在のところ「RX0 II」で撮影した動画ファイルだけ使える模様

アプリ使用時の「画角問題」について

「RX0 II」は、24mm画角で撮影できます(ピンク枠)。ついでの話ですが、比較されがちなアクションカム「GoPro7」のフレームが「大外のグレーの枠」になります。繰り返し申し上げますが「RX0 II」はアクションカムではありません(内側のグレー枠は35mmフレーム)。

「RX0 II」にグリップをつけて、桂華ちゃんに自撮りをしてもらいました。手ブレ補正「入」にすると画角がこれより少し狭くなります。ここまではいいとして、「Movie Edit add-on」に通し、スタビライジング処理をさせると、画角はさらに狭くなり、約34mm画角(青枠)となってしまうのです(アプリの調整で画角を少し広げることもできますが、「スタビライジング」の具合が制限され、滑らかさを失うことに……)。

「自撮り動画」として、青枠の範囲じゃちょっと狭すぎやしませんかね?

というわけで、自撮り動画で少しでも向こうに距離をとるために、冒頭に出て来た「変な棒」で延長する工夫をしたわけです。長さ20cmの「フレキシブルに曲がる棒機材(ねじ付き)」を、力づくでひん曲げ「最小のS字状」にしたものです。市販の「自撮り棒」を使えばいいんじゃないかとお考えの方もいると思いますが、「RX0 II」での自撮りは、録画の瞬間にAF(ピント)が合いますから、構えてからグリップの「録画スイッチを押す」ことが必須なんです!

ですので、このグリップは非常に重要なオプションであるわけです。"卓上三脚"になるのも便利ですしね。固定動画を撮る人にはマストバイかと。

ですが、ですがですね、いかんせん、これだけじゃ近すぎる! そして、「マルチ/マイクロUSBケーブル」が短すぎる。やっかいなことに市販の「マイクロ(B)USB延長」でつないでも動作しないのでご用心を! そして、ここからが重要! このグリップの「マルチ/マイクロUSB端子」は、もろすぎます。すぐ「接触不良」を起こして動作しなくなります。

ですので、USB端子に負荷がかかる、このような無理な延長はしないほうがよいでしょう(USBコネクターの先っぽを壊しちゃう)。

というかソニーさん、これ、自撮りだと近すぎます! グリップのケーブルをあと10cm長くしてほしいです。そしたら、適当に延長の工夫をしますからね。それが無理なら「マルチ/マイクロUSB延長ケーブル(10cm)」とかを発売してほしいです。

※ソニーさんも端子が弱いのわかっていらっしゃるので、「メモリーカードプロテクタ」なるものを付属させているんでしょうね(マイクロUSB端子プロテクタ が正しい名称な気がします)

RX0マスターが「RX0 II」に思うこと

初代「RX0」を約1年半使い倒した私の「RX0 II」の感想ですが「動画のAF-Sが使えるようになった」ことが一番大きな進化ではないかと感じています。「本体内4K記録」「チルト液晶」「撮影最短距離20cm」もあいまって、RX0 IIは「本格的に美しい4K動画」が撮れるカメラになりました。そのおかげで「HFR」だって気軽に使えるようになったんですもんね。

初代「RX0」では「シューティンググリップ」は、ほとんど役立たずなもの(動画のAFが使えないし、最短も50cmだったし)でしたが、「RX0 II」で使えば、こんな便利なものはないというくらいに化けましたね! 本体操作をせずにいつでも「動画録画がスタート」できるんですもん。惜しむらくは、ケーブルがあと10cm長ければ完璧だったのに……。ま、それは工夫でなんとかすることにしましょう。

懸念されていた「動画撮影発熱問題」も「高温警告マーク」が一度も出ることなく使えましたし、さほど問題にならないのではないかと考えます。「夏使ったらどーなるか?」ですが、初代では寒い季節でもすぐ高温マークが表示されたことを思うと、そこそこ頑張るのではないかと予想しています。

モデルとして呼ばれた桂華ちゃんですが、事前打ち合わせなしでいきなり「RX0 II」を渡されたにもかかわらず、ムチャ振りミッションを幾つもこなしてくれました! お疲れ様です。本当に助かりました

写真撮影に関しましては、最短撮影距離以外は初代と変わりない「快速スナップ機」ですし、画質もそう変わらないように感じました。もちろん、空気感を丸ごと写すような素晴らしく高画質ですよ(画像処理エンジンが新しくなっているので、内部処理スピードは速くなったらしいです)。

こんなに小さいのにここまでできるって”イノベーション”といっていいでしょう。かつての「WALKMAN2」のように……。

おしゃれなストラップを使って持ち歩こう

最後にですが、RX0もIIも、ストラップ穴が下部の左右どちらかについており、そこからネックストラップを付けると、カメラが斜めになって残念な感じになってしまいます。質実剛健な超小型カメラなんですから、残念な見た目はよろしくない。ここは三脚穴に取り付けるタイプのネックストラップを使うとカメラが正しい角度になって断然カワイイし、イケてます(天地逆だけどね……)。

今回登場したアクセサリーたち

・レリーズケーブル VMC-MM2

・ストラップとネジ

・TASCAM (タスカム)/ ピンマイクレコーダー/DR-10L

・マイク用風防

・フレキシブルに曲がる棒機材(ねじ付き)

詳細はこちら

詳細はこちら

撮影協力:横浜・八景島シーパラダイス
モデル:桂華(instagram@keika_o0

有限会社パンプロダクト代表 
中居中也(なかい・なかや)のショップとブログ

「使える機材のセレクトショップ」
「使える機材Blog!」

中居中也

中居中也

銀塩カメラマンとして広告や雑誌でキャリア開始。2010年より「唯一無二の撮影機材通販」にも参入し、現在は「映像作家」としても活動中。写真が上手になると定評があるブログを参考にするカメラマン続出中!

記事で紹介した製品・サービスなどの詳細をチェック
関連記事
プレゼント
価格.comマガジン プレゼントマンデー
SPECIAL
ページトップへ戻る