ワイヤレスの防犯カメラが相次いで登場しています。ここでは、それらの防犯カメラを設置する際に注意したいポイントを解説。合わせて、自分で設置できるワイヤレスのおすすめ防犯カメラを紹介します。
家庭の安全を守る防犯カメラは、高価なものになるとカメラだけでも10万円近くするうえに、NVY(ネットワークビデオレコーダー)などの録画装置などのシステムも必要になります。専門の取り付け業者に頼めば、かなりの出費になるでしょう。しかし、近頃は、スマートフォンやインターネットを活用することで、設置負担を抑えた安価な防犯カメラが増えています。
防犯カメラを設置するには、電源と配線が必要。屋外の設置では工事が必要になる場合もあるでしょう。また、集合住宅の場合、ベランダや廊下は共有スペースなので、勝手に配線などを行うこともできません。
しかし、最近は、カメラからの映像データをワイヤレスで伝送する製品があり、配線の必要がなくなってきています。もういっぽうの電源ですが、近ごろは交換式の大容量バッテリーを内蔵するものもあります。これなら、バッテリーの定期的な交換は必要になるものの屋外でも簡単に設置が可能です。もちろん、屋内であれば設置の難易度はかなり下がります。窓や玄関を望める場所に設置すれば、侵入者への威嚇(いかく)効果が望めるでしょう。
警察庁のデータによれば、侵入窃盗の侵入口は、戸建て住宅では約6割、3階以下の集合住宅でも5割強が窓からとなっている。この付近に防犯カメラを設置することで、威嚇効果が望める
侵入者を撃退するには、「この家は防犯カメラが動作している」ことを理解させる“威嚇”が重要です。威嚇のために、本物のカメラと組み合わせて、ダミーカメラや、防犯用のステッカーを目立つところに張っておくのも効果的です。
こうしたステッカーは100円均一ショップなどでも売られていますが、インターネット通販では、ホームセキュリティの大手サービスのステッカーが同梱された防犯グッズなども購入できます。
目立つところにステッカーを貼れば、侵入者への威嚇になる。セキュリティサービスのステッカーがセットになった防犯グッズもインターネット通販で購入可能
また、ダミーカメラを購入する際にもちょっとした注意が必要です。近ごろは安価なダミーカメラも多く販売されています。これらはいたずら対策程度なら役に立つかもしれませんが、プロの侵入者をだまし通せるかと言った点では疑問が残ります。ダミーカメラも割高にはなりますが本物と外見が同じものがベター。屋外に設置するなら屋外向けの形のもの、屋内であれば屋内向けの形のものを選ぶことが大切です。なお、ダミーカメラには、威嚇効果の向上を狙ったLEDの点滅機能を持ったものがありますが、本物の防犯カメラには点滅機能は付いてないことのほうが多いもの。これも、いたずら撃退なら十分でしょうが、プロの侵入者にはダミーであるとすぐに見破られてしまいます。
ドーム型の防犯カメラは、屋内や軒下など直接雨のかからない場所で使われる。配線を隠せるほか、レンズの方向がわかりにくい利点がある
配線なしのダミーカメラではニセモノだと見破られてしまう。ダミーであっても本物と同じように見せることが大切だ
以下に、比較的簡単に設置できるおすすめのワイヤレス防犯カメラおよび防犯グッズを紹介します。
「Google Nest Cam(屋内、屋外対応/バッテリー式)」は、防水・防塵仕様のボディにバッテリーを内蔵、データ転送にはWi-Fiを使用する、完全ワイヤレスかつ屋外で使用可能なネットワークカメラ。バッテリーの持続性も高く、1日に数回の動画記録であれば、最長7か月の駆動が可能です。撮影データは、クラウドサーバーに保存される仕様で、無料でも最長3時間分の動画を記録できます。有償のサービス「Google Nest Aware」(月額800円と1,500 円の2プラン)を使えば、保存期間を30日あるいは60日間に延長が可能です。ドアベルタイプの「Google Nest Doorbell(Battery)」や、電源ケーブルを備えた「Google Nest Cam(屋内用/電源アダプター式)」もラインアップされています。
センサーライトの付いたカメラと10インチのディスプレイがセットになっており、箱から出して電源とつなげるだけで使い始められる手軽さが魅力。なお、カメラの駆動にはAC電源が必要です。オプションとして新たに中継器が用意され、転送距離の延長が可能になりました。また、より高精細な解像度2304×1296の動画を記録できるようになっています。7インチモニターを組み合わせた「WC3A7ML」や、センサーライトを省略したカメラを同梱する「WC3A7M」と「WC3A10M」もラインアップされています。なお、カメラはいずれもIP66の高い防水・防塵仕様をクリアしています。
充電式のバッテリーを内蔵した動画専用の小型センサーカメラ。スタンバイ状態なら最長12か月のバッテリー持ちで、センサーが人の動きを感知すると録画を開始します。フル充電状態なら最長6時間の録画が可能です。本体内にデータを保存するためネットワークは不要、停電でも使い続けられます。防水仕様ではないため屋内設置に適しています。なお、設置用のクリップやスタンドが同梱されています。
充電式のバッテリーで駆動する防水防塵対応のネットワークカメラ。待ち受けは最長で6か月となっており、人感センサーによって記録を開始します。データは内蔵のmicroSDメモリーカードに保存するほか、スマートフォンでも確認可能です。なお、フル機能を使うにはWi-Fiが必要です。警告用のブザーや通話機能も搭載しています。
ドアの上部に引っかけるだけのドアカメラ。ドアを工事することなく設置できるので(ドアの形状によっては設置できない場合あり)、ドアホンにカメラのない集合住宅などで重宝するでしょう。セッティングも簡単。カメラとモニター親機の間はペアリング済みのワイヤレス接続なので、箱から出せばすぐに使い始められます。玄関の呼び出し音に連動して動作する「チャイムリンク機能」を備えており、映像をモニター親機に自動表示もできます。ドアカメラの電源には乾電池を使い約6か月利用の使用が可能なほか、モニター親機は充電式バッテリーを使用しており、持ち運ぶこともできます。
なお、本機にはホームユニットを同梱した「VS-HC400K」も用意されており、Wi-Fiを経由して出先のスマートフォンで映像を確認できます。
4Kの撮影に対応する5000万画素の画素センサーに加えて、赤外線LEDを備えており夜間撮影でも鮮明な記録が可能です。ボディはIP65の防水・防塵対応のうえに電源に乾電池を使用しているため配線が不要。柱などに括り付けやすいベルト通しを備えているため設置も比較的容易です。
搭載する人感センサーは90度の角度と20メートルの範囲を感知します。なお、ボディ内部にディスプレイを搭載しているため、本体だけで映像を確認できます。
単3形のアルカリ乾電池3本で駆動する、小型のセンサーカメラ。搭載される人感センサーは上下方向120°、左右方向120°、感知距離5mの範囲で人の動きを感知し、microSDカード(別売り。32GBまでのmicroSDHCカードに対応)に、640×480の解像度で毎秒8コマの動画、あるいは毎秒3コマの連続写真を記録します。赤外線LEDを搭載しており、夜間の撮影も行えるほか、白色LEDセンサーライトでより明るく撮影することもできます。駆動時間は、センサーライトを使わずに動画を1日10回録画する場合で、約3か月間持続します。
本製品はIP44の防沫仕様に対応していますが、オプションとして雨避けのカバー「SD-CV1」も用意されています。
乾電池で駆動するセンサーカメラ「SD1000」と同じデザインのダミーカメラです。
「SD1000」と同様に人感センサーや動作確認のLEDを搭載しているほか、乾電池駆動という点も変わらないので、本物と見分けにくく、設置の敷居も低いという特徴を備えています。なお、別売で防雨カバーも用意されており屋外でも設置が可能です。
防犯カメラやネットワークカメラの実績が豊富なパナソニック製のダミーカメラ。見た目はパナソニックのドーム型カメラと同じです。なお、ドーム型カメラは、配線を隠して設置できるので、ダミーカメラとしては適した形状と言われています。
防犯カメラを製造しているオーム電機の作るダミーカメラ。外見は軒先設置型の「SC-70IR」と同じです。ボディ素材も本物と同じアルミ製で、屋外設置に適しています。