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ソニー、パン・チルト対応のユニークなシネマカメラ「FR7」を発表!

ソニーは2022年9月6日、映像制作用カメラ商品群「Cinema Line(シネマライン)」の新製品として、パン・チルト機構を搭載した「FR7」を発表した。プロ向けの製品で、より多彩な動画撮影を可能にするユニークなカメラだ。外観画像や、実際のパン・チルト動作を記録した動画を交えながら、その特徴を紹介しよう。

パン・チルトに対応するシネマカメラ「FR7」。先日、「Cinematography meets robotics」というコピーとともに公開されたティザーページにて発表を予告されていた製品だ。側面に赤く光るタリーランプが印象的

パン・チルトに対応するシネマカメラ「FR7」。先日、「Cinematography meets robotics」というコピーとともに公開されたティザーページにて発表を予告されていた製品だ。側面に赤く光るタリーランプが印象的

ユニークなアングルやカメラワークを実現する、多彩なパン・チルト動作が可能

ソニーが展開する「Cinema Line」は、デジタルシネマ映像制作で培われたルック(映像表現のプリセット)と、クリエイターの要望に応える高い操作性・信頼性を兼ね備えた、プロ向けの映像制作用カメラのシリーズ。これまでに、映画制作業界で高く評価されているCineAltaカメラ「VENICE」や、ドキュメンタリーやドラマ制作向けの「FX9」、2021年12月に発売したコンパクトな「FX6」など、多様化する撮影ニーズに対応できる製品をリリースしてきた。

今回「Cinema Line」に追加された「FR7」は、バラエティ豊かな「Cinema Line」のラインアップをさらに拡充するモデル。Eマウントを採用するレンズ交換式カメラで、これまで「Cinema Line」が提供してきたフルサイズセンサーによる「シネマのような映像表現」をベースに、「差異化ができる映像表現の追求」をコンセプトに開発されている。

その最大の特徴は、本体一体型のパン・チルト機構によるリモート制御機能を搭載すること。パン・チルト機構の可動範囲はチルト方向が-30°〜+195°、パン方向が-170°〜+170で、上下左右に幅広く回転できる。別売の金具を使用すれば天吊りも可能で、この場合の可動範囲はチルト方向が-210°〜+15°、パン方向が-170°〜+170。さらに、パン・チルトのスピード調整にも対応し、非常にゆっくりとした動作の0.02°/秒から、素早く動く60°/秒まで設定可能。カメラの設置位置や、パン・チルトの動き・スピードを工夫することで、ユニークなアングルやカメラワークを実現することが可能だ。

「FR7」のパン・チルト動作を記録した動画。キットレンズとして用意される電動ズームレンズ「FE PZ 28-135mm F4 G OSS」を装着している

有効約1030万画素の35mmフルサイズ裏面照射型「Exmor R」CMOSセンサーを採用。レンズマウントはEマウントだ。なお、本製品は、動画撮影機能のみで、静止画撮影機能は搭載していない

有効約1030万画素の35mmフルサイズ裏面照射型「Exmor R」CMOSセンサーを採用。レンズマウントはEマウントだ。なお、本製品は、動画撮影機能のみで、静止画撮影機能は搭載していない

別売のリモートコントローラーと無償Webアプリからのリモート操作が可能

「FR7」のリモート制御は、別売のリモートコントローラー「RM-IP500」、もしくは専用のWebアプリ(無償)から行う。

リモートコントローラー「RM-IP500」は、ジョイスチックとシーソーレバーを備えたプロ仕様の機器で、高精度なカメラのパン・チルト制御と、電動ズームレンズのズーム制御が可能。パン・チルト・ズームの位置やカメラの設定を記録して呼び出せるプリセット機能や、ゲイン調整やホワイトバランス調整などに対応するカラー調整機能なども備わっている。マルチカム撮影時は、10個のグループに分けて制御できる。

本格的な操作が可能な別売のリモートコントローラー「RM-IP500」。ジョイスチックとシーソーレバーを使ってパン・チルト・ズーム操作が可能だ

本格的な操作が可能な別売のリモートコントローラー「RM-IP500」。ジョイスチックとシーソーレバーを使ってパン・チルト・ズーム操作が可能だ

専用のWebアプリ(無償)は、PCやタブレットなどで利用可能。タッチ操作によって、「タッチAF」を含めた直感的な操作を行えるのが特徴だ。もちろん、カメラのパン・チルト制御や、電動ズームレンズのズーム制御などカメラの基本的な操作にも対応している。ソニーによると、リモートコントローラー「RM-IP500」でパン・チルトなど大まかな操作を制御し、Webアプリで細かいAF調整などを行う、といったように両者を使い分けることで、より緻密なカメラコントロールが可能になるとのことだ。

専用のWebアプリの画面。パン・チルト・ズーム操作を含めてひと通りの操作が行える

専用のWebアプリの画面。パン・チルト・ズーム操作を含めてひと通りの操作が行える

対応するレンズは、ソニー純正のEマウントレンズ約70本。「FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS」「FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS」「FE 400mm F2.8 GM OSS」「FE 600mm F4 GM OSS」といった望遠/超望遠レンズはパン・チルト操作に非対応だが、超広角12mmから超望遠1200mm(テレコンバーター使用時)まで幅広い焦点距離で活用できるとしている。

超望遠ズームレンズ「FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS」を「FR7」に装着。レンズ装着時は、レンズ前後の位置を手動で調整したうえで、キャリブレーションを行う必要がある

超望遠ズームレンズ「FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS」を「FR7」に装着。レンズ装着時は、レンズ前後の位置を手動で調整したうえで、キャリブレーションを行う必要がある

このほかの機能は、「Cinema Line」の他モデルと同様に、豊かな中間色と自然な肌色が特徴のルック「S-Cinetone」に対応。カメラ内部での4K 60p記録や4K 120p記録が可能だ。独自の電子式可変NDフィルターも内蔵している。

メモリーカードスロットは、CFexpress Type AカードとSDカードの両方に対応するスロットを2基搭載。インターフェイスとして、HDMI Type A出力、SDI出力(BNC端子)、光信号出力、音声入力(XLRタイプ5ピン)、外部同期入力(BNC端子)、タイムコード入力(BNC端子)、リモート制御用のOPTION端子、POE++給電対応のLAN端子などを搭載する。

CFexpress Type Aカード/SDカード対応のスロットを2基搭載

CFexpress Type Aカード/SDカード対応のスロットを2基搭載

HDMI Type A出力、SDI出力(BNC端子)、光信号出力、音声入力(XLRタイプ5ピン)など豊富なインターフェイスを搭載

HDMI Type A出力、SDI出力(BNC端子)、光信号出力、音声入力(XLRタイプ5ピン)など豊富なインターフェイスを搭載

AFシステムは、デジタル一眼カメラ「αシリーズ」でもおなじみの、像面位相差検出AFとコントラスト検出AFを併用した「ファストハイブリッドAF」。人物の「リアルタイム瞳AF」や「リアルタイムトラッキング」に対応している。

「FR7」でパン・ズーム操作を行いながら、移動する人物を追いかけている様子を記録した動画。「瞳AF」が働き、ピントが人物に追従していることがわかる

本体サイズは約227(幅)×289(高さ)×233(奥行)mmで、重量は4.6kg(本体のみ)。

ラインアップは、ボディ単体と、電動ズームレンズ「FE PZ 28-135mm F4 G OSS」が付属するレンズキットの2種類。価格は、ボディ単体が1,320,000円、レンズキットが1,617,000円(いずれも税込)。2022年11月11日の発売が予定されている。

パン・チルト・ズーム操作が可能な赤外線リモコンが付属する

パン・チルト・ズーム操作が可能な赤外線リモコンが付属する

「FR7」は、販売価格が100万円を超える、動画撮影専用のシネマカメラということで、ハイアマチュアが購入を検討する製品ではないかもしれないが、プロの映像クリエイターにとっては、アングルやカメラワークを工夫したい撮影において便利に使えるカメラだ。特に、少人数での音楽ライブやイベントの撮影で威力を発揮するだろう。なお、パン・チルト機構とカメラ本体部を一体型にしたのは、機器故障時に故障個所の切り分けをスムーズに行えるようにするため。このあたりの仕様も、業務用機器ならではと言ったところだ。

「FR7」は手動での操作だが、今後技術が発展していくことで、パン・チルト・ズームを駆使して被写体を自動的に追尾する技術が実現されると非常に面白い。そして、そうした先進的な技術が、コンシューマー向けのカメラに展開されていくことに期待しよう。

真柄利行(編集部)

真柄利行(編集部)

フリーランスから価格.comマガジン編集部に舞い戻った、カメラが大好物のライター/編集者。夜、眠りに落ちる瞬間まで、カメラやレンズのことを考えながら生きています。

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