袋田の滝には、滝が見える展望台はほかにふたつあります。といいますか、先に紹介したところはサブ的な展望台で、メインの展望台はこれから向かうところなのでした。
メインの展望台にはエレベーターで上がるのですが、このエレベーターの壁に“恋人の聖地、恋愛のパワースポット、袋田の滝”の張り紙が……。エレベーターに乗った人が皆、その張り紙を見てざわつくのでした。そうだったのか、ここは、恋人の聖地なのか……と。
メインの展望台はたくさんの人で賑わっていました
GR III、プログラムAE、F5、1/400秒、ISO200、ホワイトバランス:曇天、イメージコントロール:ハイコントラスト白黒、28mm相当
撮影写真(6000×4000、13.0MB)
水流をブラそうと低速でシャッターを切りました。手ブレせずに撮影できています。ここではNDフィルター効果を適用。「GR III」ではシャッター速度2段分の露出を抑えることができます
GR III、プログラムAE、F13、1/8秒、ISO100、ホワイトバランス:曇天、イメージコントロール:ビビッド、28mm相当
撮影写真(6000×4000、13.2MB)
GR III、プログラムAE、F5、1/400秒、ISO200、ホワイトバランス:曇天、イメージコントロール:ハイコントラスト白黒、28mm相当
撮影写真(4000×6000、12.7MB)
GR III、絞り優先AE、F2.8、1/500秒、ISO200、-0.3EV、ホワイトバランス:日陰、イメージコントロール:ブリーチバイパス、28mm相当
撮影写真(6000×4000、11.8MB)
最後に向かった展望台が袋田の滝を最も近くで眺められるポイントでしたが、大きすぎて28mmでは入り切らない! ということで、部分で切り取ってみることに
GR III、プログラムAE、F5.6、1/400秒、ISO400、+0.3EV、ホワイトバランス:太陽光、イメージコントロール:ハイコントラスト白黒、28mm相当
撮影写真(6000×4000、13.0MB)
GR III、プログラムAE、F5.6、1/400秒、ISO400、+0.3EV、ホワイトバランス:太陽光、イメージコントロール:ハイコントラスト白黒、28mm相当
撮影写真(4000×6000、12.8MB)
袋田の滝を見終えて、入口まで戻ってきたときに見つけた花でつくられたハートの形。滝に向かうときは雪をかぶっていて気づきませんでした。袋田の滝は恋愛のパワースポットであり、恋愛の聖地です
GR III、プログラムAE、F5.6、1/640秒、ISO400、+0.3EV、ホワイトバランス:太陽光、イメージコントロール:ビビッド、28mm相当
撮影写真(6000×4000、13.1MB)
袋田の滝には結局3時間ほどいました。ようやく遅い食事を。奥久慈の名物、奥久慈しゃも入りのけんちんそばをいただきました。この後はバスで大子町のほうに向かいます
GR III、プログラムAE、F2.8、1/50秒、ISO400、+0.3EV、ホワイトバランス:太陽光、イメージコントロール:レトロ、28mm相当
撮影写真(6000×4000、11.8MB)
実は、今回の撮影では「GR III」のUSERモードを使って、2つの撮影スタイルを事前登録し、適宜適用しながら撮影を進めました。このモードは一般的に言うカスタムモードです。「GR III」では、よく使用する撮影設定を6つまで登録できるのですが、その設定をモードダイヤルの「U1」「U2」「U3」に割り当てておけば、簡単に呼び出して利用できるのです。
USERモードの設定は、まず露出モードと機能をカメラ側に設定したうえで、メニューからUSERモードを選び、名前を付けて登録。これを各モードダイヤルに割り当てていきます。操作方法は、他メーカーのカメラと大きな違いはありません
割り当てが完了すれば、モードダイヤルの「U1」「U2」「U3」を選ぶだけですぐに設定した撮影スタイルで撮影できます
私の場合、袋田の滝までは「U1」にボケを生かすスタイルとして「絞り優先AE」+「クロップ50mm」+「ネガフィルム調」を組み合わせた設定を、「U2」に「プログラムAE」+「モノトーン」(※自分好みに詳細を調整)を組み合わせた設定を割り当てました。
後半、大子町は非常にいい晴天で気持ちがよかったので、「U1」の内容をこれに合わせて変更。具体的には、「絞り優先AE」+「クロップ50mm」+「ネガフィルム調」+「1:1のアスペクト比」+「WB:太陽光(G10、B9)」の組み合わせに。WBをブルーが強く印象的になるように、微調整しているのがポイントです。
GR III、絞り優先AE、F2.8、1/800秒、ISO400、+0.3EV、ホワイトバランス:太陽光、イメージコントロール:ネガフィルム調、50mm相当
撮影写真(2240×2240、2.4MB)
GR III、絞り優先AE、F2.8、1/1000秒、ISO400、+0.3EV、ホワイトバランス:太陽光、イメージコントロール:ネガフィルム調、50mm相当
撮影写真(2240×2240、2.8MB)
バスで常陸大子駅に到着。駅前にSLが展示されていました
GR III、絞り優先AE、F2.8、1/800秒、ISO400、+0.3EV、ホワイトバランス:太陽光、イメージコントロール:ネガフィルム調、50mm相当
撮影写真(2240×2240、2.7MB)
駅には特別観光列車の姿が。“乗って撮るか、乗らずに撮るか”迷いましたが、乗らずに撮るほうを選択
GR III、F2.8、1/1600秒、ISO400、ホワイトバランス:太陽光、イメージコントロール:ネガフィルム調、50mm相当
撮影写真(2240×2240、2.8MB)
去る列車を、乗らずに撮る。今度来たときは乗ってみようと思います。追尾機能を使って切り取りました。「GR III」は瞳AFもありますが、全般的に精度の高いフォーカスが可能。ここも高級コンパクトカメラとしてすぐれているポイントです
GR III、F2.8、1/800秒、ISO400、ホワイトバランス:太陽光、イメージコントロール:ネガフィルム調、50mm相当
撮影写真(2240×2240、2.8MB)
GR III、絞り優先AE、F2.8、1/400秒、ISO400、+1.0EV、ホワイトバランス:太陽光、イメージコントロール:ネガフィルム調、50mm相当
撮影写真(2240×2240、2.4MB)
GR III、絞り優先AE、F2.8、1/1000秒、ISO400、+1.0EV、ホワイトバランス:太陽光、イメージコントロール:ネガフィルム調、50mm相当
写真(2240×2240、3.0MB)
袋田の滝のある町が大子町で、その中心地となる駅が「常陸大子駅」です。「袋田駅」の隣になります。今回は、袋田の滝からバスで常陸大子駅に向かいました。乗車時間は20分くらいだったでしょうか。
この“大子”という名前は“だいご”と読むのですが、最初“たいし”とか“だいし”とか“だいこ”と読んだり、“太子”という漢字で検索したりしていて、単に勉強不足なだけですが、駅に到着して初めて「ああ! だいごと読むのか! 」と感動したのでした。
町は素朴ながら、フォトジェニックな場所も多く、たくさんスナップしてしまいました。
GR III、プログラムAE、F5.6、1/640秒、ISO200、-0.3EV、ホワイトバランス:オート、イメージコントロール:ビビッド
撮影写真(4000×6000、11.5MB)
GR III、絞り優先AE、F2.8、1/2500秒、ISO400、+0.3EV、ホワイトバランス:太陽光、イメージコントロール:ネガフィルム調、50mm相当
撮影写真(2240×2240、2.7MB)
GR III、絞り優先AE、F2.8、1/1250秒、ISO400、+0.3EV、ホワイトバランス:太陽光、イメージコントロール:ネガフィルム調、50mm相当
撮影写真(2240×2240、2.8MB)
GR III、プログラムAE、F3.2、1/1600秒、ISO200、-0.3EV、ホワイトバランス:オート、イメージコントロール:ビビッド
撮影写真(6000×4000、9.9MB)
GR III、プログラムAE、F5.6、1/500秒、ISO100、-0.3EV、ホワイトバランス:オート、イメージコントロール:ビビッド
撮影写真(4000×6000、11.1MB)
上の作例を撮っていたら、後ろから「何を撮っているんですか」と買い物帰りと思われる笑顔のすてきなおばあちゃんに話かけられました。
「この色のカラフルな感じとか、青い空とか、影とか……撮ってます」とよくわからない返答をしたら、
「どこからお越しになったんですか? 」と聞かれ、
「東京です」と答えて、
「東京のどちらですか?」と聞かれたから、
「東京の○○というところです、ご存じですか?」と尋ねたら、
「ああ、東京の少し端っこのほうですね、そのあたりだったら読売ランドに行ったことありますよ、イルミネーションを見にいきましたよ」
と言われて、
「このへんは東京から移住してくる人もいますよ、世田谷が多いかな〜」
「世田谷!」と妙に感動して、確かにおしゃれな雰囲気がポツポツあるので、そういう世田谷っぽい感じも影響しているのかもしれないなと勝手に思ったのでした。
こうして地元の方々とすてきに会話が楽しめるのも、旅カメラの魅力だと思います。この一期一会の出会いがいいのです。
GR III、絞り優先AE、F5.6、1/1000秒、ISO400、+0.3EV、ホワイトバランス:太陽光、イメージコントロール:ネガフィルム調、50mm相当
撮影写真(2240×2240、2.8MB)
GR III、絞り優先AE、F2.8、1/2500秒、ISO400、+0.3EV、ホワイトバランス:太陽光、イメージコントロール:ネガフィルム調、50mm相当
撮影写真(2240×2240、2.8MB)
GR III、絞り優先AE、F2.8、1/2500秒、ISO400、+1.7EV、ホワイトバランス:太陽光、イメージコントロール:ネガフィルム調、50mm相当
撮影写真(2240×2240、2.7MB)
GR III、プログラムAE、F2.8、1/400秒、ISO100、-0.3EV、ホワイトバランス:オート、イメージコントロール:ビビッド、28mm相当
撮影写真(4000×6000、10.5MB)
古民家を活用したおしゃれなカフェを発見し、アップルパイをいただく。店内は若者で賑わっていました。大子町はこんなふうにくつろげる場所もあってすてきですね
GR III、絞り優先AE、F2.8、1/125秒、ISO400、ホワイトバランス:太陽光、イメージコントロール:ネガフィルム調、50mm相当
撮影写真(2240×2240、2.0MB)
試しにマクロモードでどれだけ寄れるかやってみたら、ここまで寄れて感動。写真的にどうかは置いといて、参考までに
GR III、絞り優先AE、F2.8、1/100秒、ISO400、ホワイトバランス:太陽光、イメージコントロール:ネガフィルム調、50mm相当
撮影写真(2240×2240、2.2MB)
GR III、プログラムAE、F5.6、1/2000秒、ISO400、ホワイトバランス:太陽光、イメージコントロール:モノトーン、28mm相当
撮影写真(6000×4000、13.0MB)
GR III、プログラムAE、F2.8、1/1000秒、+0.7EV、ISO400、ホワイトバランス:太陽光、イメージコントロール:モノトーン、28mm相当
撮影写真(6000×4000、13.0MB)
GR III、プログラムAE、F3.5、1/200秒、-0.3EV、ISO200、ホワイトバランス:オート、イメージコントロール:ビビッド、28mm相当
撮影写真(6000×4000、11.1MB)
GR III、プログラムAE、F5.6、1/100秒、-0.3EV、ISO100、ホワイトバランス:オート、イメージコントロール:ビビッド、28mm相当
撮影写真(6000×4000、9.9MB)
帰りの水郡線。水郡線の電車の中から、外の水郡線の電車を撮る
GR III、プログラムAE、F3.5、1/200秒、-1.3EV、ISO200、ホワイトバランス:オート、イメージコントロール:ビビッド、28mm相当
撮影写真(6000×4000、10.0MB)
今回は早朝に出発し、夕日を眺めながら電車で帰ってくる1日旅でした。こんな旅に「GR III」は本当にピッタリの1台だったと思います。
ひとつ注意したいのはバッテリーです。「GR III」の撮影可能枚数は200枚程度、再生時間は約180分ということですから、ずっと撮り続けていると結構あっという間にバッテリーはなくなります。これだけ小さなカメラですから仕方のないことですが、もう少し撮れるとうれしいなと思いました。今回の旅では550枚程度撮りましたから、予備バッテリーは3個くらい必要だった計算になります。
この旅ではクロップ機能を使ったり、アスペクト比を変えたりしながら撮影を楽しみましたが、「GR III」ではRAWにもそれらの設定が適用されることは覚えておきたいところです。たとえば、クロップ50mm、アスペクト比1:1に設定してRAW+JPEGで撮った場合、JPEGだけでなくRAWも設定した画角/アスペクト比でトリミングされます。「RAWデータはフル画素で残しておきたい」のであれば、撮影は28mm/アスペクト比3:2のフル画素で行い、撮影後に「GR III」のカメラ内RAW現像機能でトリミングし、JPEGに出力するとよいでしょう。
今回は、撮影時の臨場感や直感を重視し、その場ですべての設定を決めて撮影しました。
袋田の滝は、四季によってさまざまな見え方をする場所で、季節ごとに訪れたくなる魅力を感じました。今回はラッキーにも「雪景色と滝の風情」を写真に収めることができました。近年、袋田の滝周辺はそれほど積雪もないと地元の人もおっしゃっていたので、本当にラッキーでした。
大子の町も居心地よく、温泉宿も近くにあって、滝自体ほかにもいろいろあるようですし、ハイキングコースも春や夏は気持ちよさそうです。今度はぜひ家族で行ってみたいなと思ったのでした。
次回の「旅カメラ周遊記」もお楽しみに!