今回の「旅カメラ周遊記」は、番外編として、デジタル一眼レフカメラを使ったスナップ撮影をお届けします。リコーイメージングの「PENTAX K-3 Mark III」を携えて、東京中央区の下町・月島周辺を巡ってきました。
今回使用したAPS-C一眼レフ「PENTAX K-3 Mark III」と広角・単焦点レンズ「HD PENTAX FA 21mmF2.4ED Limited DC WR」の組み合わせ。本レンズをAPS-C機に装着すると35mm判換算で焦点距離32mm相当の画角になるため、気軽なスナップに最適です。今回はこれにパンケーキレンズ「HD PENTAX-DA 40mmF2.8 Limited」を加えたレンズ2本体制で撮影に臨みました
掲載する写真作例について
写真はすべてJPEG形式(Lサイズ、スーパーファイン)で撮影しています。ディストーション補正:オン、周辺光量補正:オート、倍率色収差補正:オン、回折補正:オンに設定しています。
こんにちは、テッピーです。
今回は番外編として、本連載のテーマである旅での撮影ではなく、一眼レフを使った都内でのスナップ撮影の様子をお届けします。東京の下町的な雰囲気が魅力の月島界隈から、近年超高層ビルが次々建設されているアーバンシティー豊洲までをテクテク歩きながら撮影してきました。
月島と豊洲は、私がよく撮影で訪れる場所でもあります。埋め立て地ということもあって周囲は水辺が多く、特に隅田川沿いは気持ちよく撮影に臨めて、夜景もきれいです。まずは、手始めに薄型・軽量のパンケーキレンズ「HD PENTAX-DA 40mmF2.8 Limited」を装着して街風景を切り取っていきます。
スタートは月島駅から。駅近くの西仲通りの裏道は下町らしい風情が残る場所です
PENTAX K-3 Mark III、HD PENTAX-DA 40mmF2.8 Limited、絞り優先AE、F2.8、1/60秒、ISO200、+0.3EV、ホワイトバランス:太陽光、カスタムイメージ:Gold
撮影写真(6192×4128、12.3MB)
PENTAX K-3 Mark III、HD PENTAX-DA 40mmF2.8 Limited、プログラムAE、F5、1/400秒、ISO200、+0.3EV、ホワイトバランス:太陽光、カスタムイメージ:ポップチューン
撮影写真(6192×4128、13.8MB)
PENTAX K-3 Mark III、HD PENTAX-DA 40mmF2.8 Limited、絞り優先AE、F8、1/800秒、ISO200、-0.7EV、ホワイトバランス:CTE、カスタムイメージ:リバーサルフィルム
今回の撮影では、APS-Cサイズの撮像素子を採用するデジタル一眼レフ「PENTAX K-3 Mark III」を使いました。
一眼レフの魅力は、やはり光学ファインダーを搭載していること。「PENTAX K-3 Mark III」は、視野率約100%でファインダー倍率約1.05倍(35mm判換算約0.7倍)という、フルサイズ機に匹敵する高スペックの光学ファインダーを備えています。ファインダーからのクリアな見えはさすが。ピント位置も掴みやすいです。
最近のミラーレスカメラの電子ビューファインダー(EVF)は精度がよく、利用していて不都合を感じないものの、やはりこの“光学ファインダーからの眺め”には敵いません。目で見たままを、ファインダーを通じて認識できることは、写真撮影の原点だなと改めて思います。
ファインダーの見口と画像モニターの高さは鼻が当たりにくいように設計されています。ファインダーを覗いたときにより没入できる仕様になっているわけです
ミラーレスが主流の時代において、「PENTAX K-3 Mark III」は、どうしても“一眼レフ”であることに注目が集まりがちです。しかし、本機はPENTAXのAPS-C一眼レフのフラグシップ機で、性能・機能はとても高いです。有効約2573万画素でローパスフィルターレス設計の裏面照射型CMOSセンサー。画像処理エンジン「PRIME X」と「アクセラレーターユニットII」を搭載。画質、描写性ともに十分のスペックです。撮影スタイルに合わせて素早く順応できるように、操作性もよく練られています。
ファインダー部分のデルタカットが印象的。全面マグネシウム合金で指触りもよく、剛健性を感じます。サイズは約134.5(幅)×103.5(高さ)×73.5mm(奥行)で、重量は約820g(バッテリー、SDカードを含む)。SDメモリーカードスロットはデュアル仕様です
表示パネル横にスマートファンクションダイヤルがありますが、これはぜひ有効に活用したいダイヤルです。利用頻度の高い機能を5つまで登録でき、直感的に切り替えながら撮影に臨めます。ファインダー内に一覧表示できるため、ファインダーから目を離さずに設定変更できるのがポイントです
液晶モニター上に表示したスマートファンクション画面。22種類の機能の中から5つをカスタム登録できます。スマートファンクションダイヤル、後電子ダイヤル、S.Fnボタンの3つを用いて操作を行います
グリップはホールド感があって握りやすいです。シャッターボタン手前に前電子ダイヤルが用意されています。感度ボタンと露出補正ボタンも、右手人さし指で選択できる位置にレイアウトされています
今回主に使用した広角レンズ「HD PENTAX FA 21mmF2.4ED Limited DC WR」。APS-C機に装着すると、35mm判換算で焦点距離32mm相当の画角になります。アルミ削り出しの重厚感あるデザインがよいです。触れているだけでいい写真が撮れそうな気分になります
今回使用したもう1本がこちら。35mm判換算で焦点距離61mm相当の画角になる「HD PENTAX-DA 40mmF2.8 Limited」。重量約89gで全長わずか15mmのパンケーキレンズです。気軽なスナップに最適で、ポケットに忍ばせておくのにもピッタリ
月島と言えば「もんじゃ焼き」を思い浮かべるかと思いますが、撮影スポットとしておすすめなのは佃エリアです。このエリアは、佃小橋や石川島燈台跡などが有名ですが、佃の古い建物や街並みも普通にフォトジェニックです。
青空に映える佃小橋。佃エリアのシンボル的な場所です
PENTAX K-3 Mark III、HD PENTAX FA 21mmF2.4ED Limited DC WR、絞り優先AE、F2.4、1/1250秒、ISO100、+0.3EV、ホワイトバランス:マルチパターンオート、カスタムイメージ:リバーサルフィルム
月島界隈は、低い建物と高層ビルのコントラストが面白いです
PENTAX K-3 Mark III、HD PENTAX FA 21mmF2.4ED Limited DC WR、シャッター優先オート、F8、1/125秒、ISO100、+0.3EV、ホワイトバランス:マルチパターンオート、カスタムイメージ:銀残し
PENTAXのカメラは、多彩なイメージを再現する仕上がり設定「カスタムイメージ」を搭載しています。この機能もスナップでは表現に幅を作ってくれます。「PENTAX K-3 Mark III」は2023年11月24日現在、新しい「Gold」を含めて計14種類の「カスタムイメージ」を選択できます。
新たに適用できるようになった「Gold」
カスタムイメージ「Gold」で撮影。たそがれ時のように全体的に黄色みの強い描写になるのが特徴的。しかし、単にアンバーになるのではなく、シャドウ部が青っぽくなるのが興味深いです
PENTAX K-3 Mark III、HD PENTAX FA 21mmF2.4ED Limited DC WR、絞り優先AE、F2.4、1/6400秒、ISO200、ホワイトバランス:マルチパターンオート、カスタムイメージ:Gold
「カスタムイメージ」には、特定レンズ使用時にのみ適用できる項目が存在することも特筆事項です。
具体的には、春夏秋冬をテーマにした「Special Edition」がそれに当たります。たとえば「HD PENTAX FA 21mmF2.4ED Limited DC WR」では「夏天(KATEN)」が、「HD PENTAX-DA 40mmF2.8 Limited」では「九秋(KYUSHU)」が利用できます。
“どのレンズをパートナーにするか”ということについては、“こういう場面で使ってほしい”というメーカー側の思いが反映されたチョイスになっていて面白いです。あえて、対応レンズを限定することに、遊び心を感じます(このレンズも買ってね! という意図もあるかもしれないですが……)。
カスタムイメージの「夏天(KATEN)」。対応レンズを装着したときだけ、選択肢が表示されます
カスタムイメージ「夏天(KATEN)」で撮影。10月下旬の撮影ですが、真っ青な空とクリアな白さがまさしく夏っぽい。超広角の「HD PENTAX FA 21mmF2.4ED Limited DC WR」と組み合わせることで、より力強い描写が得られました
PENTAX K-3 Mark III、HD PENTAX FA 21mmF2.4ED Limited DC WR、絞り優先AE、F8、1/200秒、ISO100、+0.3EV、ホワイトバランス:マルチパターンオート、カスタムイメージ:夏天(KATEN)
こちらもカスタムイメージ「夏天(KATEN)」で撮影。植物の緑色が青々と表現されるのも「夏天(KATEN)」の特徴です
PENTAX K-3 Mark III、HD PENTAX FA 21mmF2.4ED Limited DC WR、絞り優先AE、F2.4、1/100秒、ISO200、-0.3EV、ホワイトバランス:マルチパターンオート、カスタムイメージ:夏天(KATEN)
撮影写真(6192×4128、13.6MB)
「HD PENTAX-DA 40mmF2.8 Limited」を使い、カスタムイメージ「九秋(KYUSHU)」で撮影。彩度を抑えた渋い描写です
PENTAX K-3 Mark III、HD PENTAX-DA 40mmF2.8 Limited、絞り優先AE、F2.8、1/4000秒、ISO400、-0.7EV、ホワイトバランス:太陽光、カスタムイメージ:九秋(KYUSHU)
同じくカスタムイメージ「九秋(KYUSHU)」で撮影
PENTAX K-3 Mark III、HD PENTAX-DA 40mmF2.8 Limited、絞り優先AE、F2.8、1/800秒、ISO400、-0.7EV、ホワイトバランス:太陽光、カスタムイメージ:九秋(KYUSHU)
ちなみに、「カスタムイメージ」はより自分好みのテイストが追求できるように詳細設定を追い込むことが可能です。「PENTAX K-3 Mark III」では、これまで「ファインシャープネス」と「エクストラシャープネス」に分かれていたシャープネスの設定が見直され、細部の輪郭やディテールの再現性を大幅に向上させた新しい「ファインシャープネス」が搭載されています。
仕上がり設定において「シャープネス」と「ファインシャープネス」を切り替えられます。強弱をつけることも可能です
「ファインシャープネス」は通常の「シャープネス」と同様に、±4段階で効果を調整できます。以下に、「0」と「+4」の設定で同じ被写体を撮影した作例を掲載します。
これらを拡大してみると、輪郭部のディテールに大きな変化が見られることがわかります。+4のほうは輪郭を強調しながらも自然な仕上がりなのがポイント。表現したい内容に合わせてうまく微調整しながら使ってみたい機能です。建物や自然風景などで効果を発揮しそうです。
PENTAX K-3 Mark III、HD PENTAX-DA 40mmF2.8 Limited、絞り優先AE、F8、1/250秒、ISO100、ホワイトバランス:マルチパターンオート、カスタムイメージ:リバーサルフィルム
PENTAX K-3 Mark III、HD PENTAX-DA 40mmF2.8 Limited、絞り優先AE、F8、1/250秒、ISO100、ホワイトバランス:マルチパターンオート、カスタムイメージ:リバーサルフィルム
「PENTAX K-3 Mark III」には、ホワイトバランスにも面白い項目が設けられています。それが「CTE(Color Temperature Enhancement)」です。印象や記憶色を強調するホワイトバランスで、夕焼けや朝焼け、新緑や青空など、特定の色味の特徴を強調したい場面で有効のようです。
なお、「マルチパターンオート」というものもあり、こちらは画面を細かく分割してそれぞれの光源に応じたホワイトバランスを設定してくれるというもの。今回の撮影では多くの場面で「マルチパターンオート」を使ってみました。
PENTAX K-3 Mark III、HD PENTAX FA 21mmF2.4ED Limited DC WR、絞り優先AE、F2.8、1/3200秒、ISO200、-1EV、ホワイトバランス:CTE、カスタムイメージ:雅(MIYABI)
PENTAX K-3 Mark III、HD PENTAX FA 21mmF2.4ED Limited DC WR、絞り優先AE、F2.8、1/3200秒、ISO200、-1EV、ホワイトバランス:オート、カスタムイメージ:雅(MIYABI)
PENTAX K-3 Mark III、HD PENTAX FA 21mmF2.4ED Limited DC WR、プログラムAE、F5、1/200秒、ISO1600、ホワイトバランス:CTE、カスタムイメージ:Gold
PENTAX K-3 Mark III、HD PENTAX FA 21mmF2.4ED Limited DC WR、プログラムAE、F5、1/200秒、ISO1600、ホワイトバランス:オート、カスタムイメージ:Gold
一眼レフは、ミラーレスとは異なり、ファインダーでカメラ設定を反映した映像を確認できません。仕上がり具合を見ながら撮ることができないので不便と感じるかもしれませんが、逆に言えば、設定や機能などに惑わされず、純粋に目の前の被写体に集中できるのは、光学ファインダーを持つ一眼レフカメラならではの魅力だと思います。
また、ミラーレスのEVFは進歩してきていて、最新モデルはかなり自然な見えを実現していますが、それでもハイライト側、シャドウ側の映像が不自然に見えることがあります。繊細な光の情景などをしっかり光学ファインダーを通じて認識できるのも、一眼レフならではの魅力と言えるでしょう。
月島散歩は、佃エリアを隅田川テラスへと抜け、そのままぐるっと川沿い歩いて相生橋近くを散策しました。その後、晴海橋梁近くから豊洲へと向かいました。
PENTAX K-3 Mark III、HD PENTAX-DA 40mmF2.8 Limited、プログラムAE、F6.3、1/400秒、ISO100、ホワイトバランス:マルチパターンオート、カスタムイメージ:モノトーン
石川島公園のパリ広場の先端から。永代橋と東京スカイツリーを望む
PENTAX K-3 Mark III、HD PENTAX-DA 40mmF2.8 Limited、プログラムAE、F7.1、1/500秒、ISO100、+0.7EV、ホワイトバランス:曇天、カスタムイメージ:銀残し
撮影写真(6192×4128、11.8MB)
相生橋の中腹にある中の島公園。ここは夜景撮影にも最適の場所です
PENTAX K-3 Mark III、HD PENTAX FA 21mmF2.4ED Limited DC WR、プログラムAE、F4、1/160秒、ISO100、-0.3EV、ホワイトバランス:曇天、カスタムイメージ:風景
撮影写真(4128×6192、11.2MB)
中の島公園から相生橋を眺める。釣り人がたくさんいらっしゃいました
PENTAX K-3 Mark III、HD PENTAX FA 21mmF2.4ED Limited DC WR、プログラムAE、F5.6、1/250秒、ISO100、-0.3EV、ホワイトバランス:曇天、カスタムイメージ:風景
PENTAX K-3 Mark III、HD PENTAX FA 21mmF2.4ED Limited DC WR、絞り優先AE、F10、1/160秒、ISO100、-0.3EV、ホワイトバランス:マルチパターンオート、カスタムイメージ:クロスプロセス
撮影写真(6192×4128、11.4MB)
今回使用した広角レンズ「HD PENTAX FA 21mmF2.4ED Limited DC WR」は、最大撮影倍率0.26倍で、近接撮影も得意。遠景を広くとらえるだけでなく、背景を入れ込みながら被写体を撮ってみたり、特定の被写体のディテールに迫ってみたり、さまざまな画作りに対応します。スナップでは本当に扱いやすいレンズです。
35mm判換算で焦点距離32mm相当になるため、遠景もほどよい画角でとらえられます
PENTAX K-3 Mark III、HD PENTAX FA 21mmF2.4ED Limited DC WR、プログラムAE、F7.1、1/640秒、ISO200、+0.3EV、ホワイトバランス:マルチパターンオート、カスタムイメージ:風景
撮影写真(6192×4128、12.9MB)
MFで撮影。最短撮影距離は0.18m。絞り羽根8枚構成の円形絞りです
PENTAX K-3 Mark III、HD PENTAX FA 21mmF2.4ED Limited DC WR、絞り優先AE、F2.4、1/320秒、ISO200、+0.3EV、ホワイトバランス:マルチパターンオート、カスタムイメージ:風景
撮影写真(6192×4128、13.4MB)
今回、「PENTAX K-3 Mark III」を使っていて便利だなと思ったのが、「アドバンスドモード」です。主にプログラムAE時に利用できる撮影モードです。
元々PENTAXのカメラの多くは、露出モード「P」使用時に、「P」から「Tv」へ、または「P」から「Av」へ瞬時に切り替えられる仕様を採用しています。前後の電子ダイヤルを回すことで、絞りやシャッター速度を自分好みにシーンに応じて即時変更できるのです。
一般的なプログラムAEは、絞りとシャッター速度が連動して変化していくので、これはとても便利なのですが、「PENTAX K-3 Mark III」は、ここへ「TAv」(絞りを変更しても、シャッター速度を変更しても、標準露出になるように感度が自動調整されるモード)が加わり、さらに感度を変えることでMモードへの切り替えも可能に。平たく言うと、露出モード「P」のまま「Av」「Tv」「TAv」「M」の各露出操作が行えるようになるのです。これが「アドバンスドモード」です。シーンや被写体に応じてモードダイヤルを操作する手間がなくなり、より直感的に撮影に集中できます。
今回、プログラムAEで撮影している作例の多くは、このアドバンスドモードを用い、被写体に応じて、絞りやシャッター速度、感度を切り替えながら撮影しています。
「アドバンスドモード」は、初期設定のままでは利用できません。「スタンダード」から「アドバンスド」に切り替えが必要。C2メニュー「電子ダイヤル」から設定を行います
とっても便利な「アドバンスドモード」ですが、自分がどのモードで撮っているのか混乱してしまうことも……。しかし、緑のボタンを押すだけで、最初の露出モードへ簡単に戻すことができます。このあたりの操作性もよく考えられています
PENTAX K-3 Mark III、HD PENTAX FA 21mmF2.4ED Limited DC WR、プログラムAE、F7.1、1/320秒、ISO100、-0.3EV、ホワイトバランス:曇天、カスタムイメージ:クロスプロセス
撮影写真(6192×4128、10.0MB)
PENTAX K-3 Mark III、HD PENTAX FA 21mmF2.4ED Limited DC WR、プログラムAE、F7.1、1/320秒、ISO100、-0.3EV、ホワイトバランス:マルチパターンオート、カスタムイメージ:リバーサルフィルム
撮影写真(6192×4128、12.7MB)
「PENTAX K-3 Mark III」には流し撮りに特化した「流し撮りモード」も搭載されていて、これも結構重宝します。手ブレ補正機能のモードは「SRボタン」で簡単に切り替えられます
PENTAX K-3 Mark III、HD PENTAX-DA 40mmF2.8 Limited、シャッター優先オート、F15、1/22秒、ISO100、ホワイトバランス:太陽光、カスタムイメージ:リバーサルフィルム
撮影写真(6192×4128、12.0MB)
夕暮れも近づき、豊洲に到着。河川からの眺めもよく、きれいに整備された公園には多くの人が集い、くつろいでいます。夕暮れの情景には、カスタムイメージの「Gold」やホワイトバランスの「CTE」が格好のアクセントに。より深みのある色合いで、ドラマチックにバリエーションを撮影できました。
PENTAX K-3 Mark III、HD PENTAX FA 21mmF2.4ED Limited DC WR、絞り優先AE、F11、1/50秒、ISO320、ホワイトバランス:マルチパターンオート、カスタムイメージ:モノトーン
撮影写真(6192×4128、10.3MB)
PENTAX K-3 Mark III、HD PENTAX FA 21mmF2.4ED Limited DC WR、絞り優先AE、F2.4、1/8000秒、ISO100、ホワイトバランス:マルチパターンオート、カスタムイメージ:Gold
PENTAX K-3 Mark III、HD PENTAX FA 21mmF2.4ED Limited DC WR、プログラムAE、F6.3、1/320秒、ISO200、+0.7EV、ホワイトバランス:曇天、カスタムイメージ:Gold
撮影写真(6192×4128、12.8MB)
PENTAX K-3 Mark III、HD PENTAX FA 21mmF2.4ED Limited DC WR、絞り優先AE、F2.4、1/5000秒、ISO100、ホワイトバランス:マルチパターンオート、カスタムイメージ:ポップチューン
撮影写真(6192×4128、12.7MB)
「PENTAX K-3 Mark III」の最高常用感度は160万とのことですが、ノイズの程度や色の再現性を考えると、ISO6400以内に止めておくのが妥当かなと思います
PENTAX K-3 Mark III、HD PENTAX FA 21mmF2.4ED Limited DC WR、プログラムAE、F8、1/500秒、ISO6400、ホワイトバランス:CTE、カスタムイメージ:Gold
PENTAX K-3 Mark III、HD PENTAX FA 21mmF2.4ED Limited DC WR、プログラムAE、F6.3、1/250秒、ISO6400、ホワイトバランス:昼白色蛍光灯、カスタムイメージ:Gold
私は日頃から作品作りでフィルムカメラを使っていることもあって(ちなみに、愛用は中判カメラの「PENTAX 67II」です)、一眼レフにはまだなじみがあるほうだと思います。ただ、デジタルの世界では完全にミラーレスに移行しているため、一眼レフをじっくり使うのはものすごく久しぶりで、とても感慨深かったです。
ミラーレスは、撮影時のカメラ設定や撮影後の画像を瞬時にEVFから確認できますが、光学ファインダーの一眼レフでは当然行えません。昔は普通だったこの部分が、今ではとても不便に感じてしまうのは、デジタルカメラの進歩に合わせて私自身も撮影スタイルが変化したからでしょう。
フォトグラファーは常に環境に敏感に呼応しながら進歩することが求められますから、一眼レフに固執するのはあまりおすすめできないものの、いっぽうで、一眼レフだからこそできる“ものの見方”もあると思った次第。余計なフィルターを排除し、より意識を研ぎ澄ましながら目の前の被写体と対峙できるのは、一眼レフのよさでしょう。
「PENTAX K-3 Mark III」は握り心地のよいカメラでした。ボディはゴツいですが、コンパクトで、かっこいいカメラです。デジタル一眼レフの個性がAPS-C機として凝縮されている頼もしい1台だと思います。
「PENTAX K-3 Mark III」についてもう少し補足を。AFに関しては、どこまで性能を求めるかですが、一般的な動きものには十分対応できます。いっぽう、激しく動く被写体は、ミラーレスに慣れている人には少し扱いづらいかもしれません。人物撮影に関しては、ライブビュー撮影での顔検出の精度が非常に高いです。しっかりトラッキングしながら撮影に臨めます。
もうひとつ「PENTAX K-3 Mark III」には、「リアル・レゾリューション・システム」という複数枚の画像を連続撮影し、そこから超高精細画像を生成できる機能が搭載されています。この機能自体は珍しいものではありませんが、ちょっとしたブレにも反応してしまい、かなりしっかりカメラを三脚に固定していないとうまくいきません。ミラーアップやセルフタイマーも必須です。簡易なトラベル三脚では扱えなさそうなので、もう少し気軽に実践できる仕様にアップグレードされるとうれしいです。
さて、今回は月島と豊洲と巡りましたが、晴海を含めてこの界隈は再開発の進むエリアで撮影スポットが各所に点在しています。築地や豊洲市場も近く、食べ歩きをするにもおすすめです。そういえば、今回は食べ物の写真がなかった!
では、また次の旅でお会いしましょう!