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新しい「ニコンミュージアム」をいち早く体験! 話題の新本社に移転リニューアル

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2024年10月12日にリニューアルオープンする「ニコンミュージアム」の館内

2024年10月12日にリニューアルオープンする「ニコンミュージアム」の館内

「ニコンミュージアム」は、ニコンの各事業の歴史、製品、技術を一堂に展示する、入館無料の企業博物館。2015年10月に、ニコン創立100周年プロジェクトの一環として旧本社(東京都港区、品川インターシティC棟)の2階に開館し、2024年2月末の休館までに約19万人が足を運んだ人気のミュージアムだ。

そんな「ニコンミュージアム」が2024年10月12日に移転・リニューアルオープンする。リニューアル先は、東京都品川区西大井のニコン新本社社屋1階。新本社社屋は、100年以上にわたってニコンが拠点を構えてきた大井製作所の敷地内に建設され、今注目を集めている巨大施設だ(敷地面積:約18000m2、地上6階建て)。ニコンの歴史が詰まった場所で、その歴史に触れられる入館無料の博物館がオープンするということで、ファンなら一度は足を運んでおきたいところだ。

2024年7月29日より「本社/イノベーションセンター」として稼働を開始した、西大井のニコン新本社社屋。巨大な「Nikon」ロゴが出迎えてくれる

2024年7月29日より「本社/イノベーションセンター」として稼働を開始した、西大井のニコン新本社社屋。巨大な「Nikon」ロゴが出迎えてくれる

リニューアルに先駆けて、メディア関係者向けのオープニングセレモニーが新本社社屋にて開催された。このセレモニーで新しい「ニコンミュージアム」をいち早く体験できたので、館内の様子をレポートしよう。

「ニコンミュージアム」のエントランス。往年のブランドシンボルとともに、ニコンの歴史や技術をテーマにしたムービーが上映されている。いちばん左のブランドシンボルは、日本光学工業が創業した1917年当時、社用箋に使用されていたもの

「ニコンミュージアム」のエントランス。往年のブランドシンボルとともに、ニコンの歴史や技術をテーマにしたムービーが上映されている。いちばん左のブランドシンボルは、日本光学工業が創業した1917年当時、社用箋に使用されていたもの

多くのカメラ・レンズが展示される「コンシューマーゾーン」

新しい「ニコンミュージアム」には、エントランス、コンシューマー、インダストリー、シアターの4つのゾーンが用意されているが、目玉となるのはやはりコンシューマーゾーンだ。

このゾーンの注目点は、歴代のカメラ・レンズを中心にニコン製品が一堂に展示されていること。カメラは、ニコン初号機のレンジファインダー「ニコンI型」(1948年発売)やフィルム一眼レフ「Nikon F」(1959年発売)など往年の名機から最新のミラーレス「Zシリーズ」まで見ることができる。テーマに沿った企画コーナーもあって、リニューアルオープン時はフィルム一眼レフ「Nikon F/F2/F3」シリーズの詳細を数々のアクセサリーとともに紹介する。

フィルムカメラから最新のミラーレスカメラまで歴代のカメラが収まっている、圧巻のウォールケース。従来は15mの長さだったが27mに拡大されている

フィルムカメラから最新のミラーレスカメラまで歴代のカメラが収まっている、圧巻のウォールケース。従来は15mの長さだったが27mに拡大されている

カメラのウォールケースの向かいには、壁に固定する形でFマウントレンズがずらりと並んでいる。眺めているだけで楽しくなる展示だ

カメラのウォールケースの向かいには、壁に固定する形でFマウントレンズがずらりと並んでいる。眺めているだけで楽しくなる展示だ

「ニコンI型」のプロトタイプが展示されていた。これは試作品20機のうちのひとつで、耐久試験に用いられたものとのこと

「ニコンI型」のプロトタイプが展示されていた。これは試作品20機のうちのひとつで、耐久試験に用いられたものとのこと

「ニコンI型」のほかにも多くのプロトタイプを見ることができる

「ニコンI型」のほかにも多くのプロトタイプを見ることができる

フィルム一眼レフ「Nikon F/F2/F3」シリーズの企画コーナーで見かけた「Nikon F」。装着されているレンズは「NIKKOR-S Auto 5.8cm f/1.4」

フィルム一眼レフ「Nikon F/F2/F3」シリーズの企画コーナーで見かけた「Nikon F」。装着されているレンズは「NIKKOR-S Auto 5.8cm f/1.4」

電子制御式シャッターや絞り優先露出など当時の最新技術を詰め込んで開発されたフィルム一眼レフ「Nikon F3」(ノーマルモデルは1980年発売)。バリエーションモデルを含めて紹介されていた

電子制御式シャッターや絞り優先露出など当時の最新技術を詰め込んで開発されたフィルム一眼レフ「Nikon F3」(ノーマルモデルは1980年発売)。バリエーションモデルを含めて紹介されていた

1983年発売の「Nikon F3P」。レンズには、ニコンのズームレンズとして初めて開放F2.8通しの明るさを実現した「AI AF Zoom NIKKOR 35-70mm f/2.8D」が付けられていた

1983年発売の「Nikon F3P」。レンズには、ニコンのズームレンズとして初めて開放F2.8通しの明るさを実現した「AI AF Zoom NIKKOR 35-70mm f/2.8D」が付けられていた

プロフェッショナル向け製品のコーナーに展示されていた、最新のフラッグシップミラーレス「Z 9」

プロフェッショナル向け製品のコーナーに展示されていた、最新のフラッグシップミラーレス「Z 9」

新しい「ニコンミュージアム」にはカメラのタッチ&トライコーナーが追加されている。時期によって展示機材を変える予定とのこと

新しい「ニコンミュージアム」にはカメラのタッチ&トライコーナーが追加されている。時期によって展示機材を変える予定とのこと

タッチ&トライコーナーではなかなかユニークな機材に触れられる。これは、シフト機能とティルト機構を搭載するマイクロレンズ「PC Micro NIKKOR 85mm f2.8D」が付けられた「D850」

タッチ&トライコーナーではなかなかユニークな機材に触れられる。これは、シフト機能とティルト機構を搭載するマイクロレンズ「PC Micro NIKKOR 85mm f2.8D」が付けられた「D850」

タッチ&トライコーナーで見かけた「Nikon SP」(1957年発売)。6種の交換レンズに対応するユニバーサルファインダーを搭載した、高性能なレンジファインダーカメラだ。実際に動作する個体なのでシャッターを切って楽しめる

タッチ&トライコーナーで見かけた「Nikon SP」(1957年発売)。6種の交換レンズに対応するユニバーサルファインダーを搭載した、高性能なレンジファインダーカメラだ。実際に動作する個体なのでシャッターを切って楽しめる

チタン製の高級コンパクトフィルムカメラ「Nikon 35Ti」(1993年発売)を試すこともできた

チタン製の高級コンパクトフィルムカメラ「Nikon 35Ti」(1993年発売)を試すこともできた

パンケーキレンズ「GN Auto NIKKOR・C 45mm f/2.8」が装着された「Nikon F」。このレンズは、設定したストロボのガイドナンバーと絞り値が連動するGN機構を搭載するのが特徴だ

パンケーキレンズ「GN Auto NIKKOR・C 45mm f/2.8」が装着された「Nikon F」。このレンズは、設定したストロボのガイドナンバーと絞り値が連動するGN機構を搭載するのが特徴だ

「Nikon F3」と“ヨンニッパ”の超望遠レンズ「AI NIKKOR 400mm f/2.8S IF ED」の組み合わせも試すことができる

「Nikon F3」と“ヨンニッパ”の超望遠レンズ「AI NIKKOR 400mm f/2.8S IF ED」の組み合わせも試すことができる

創業初期から手掛けている双眼鏡の展示も

創業初期から手掛けている双眼鏡の展示も

BtoB製品を体験できる「インダストリーゾーン」

インダストリーゾーンでは、いわゆるBtoB関連の製品や技術を展示。半導体関連装置、顕微鏡、望遠鏡、ヘルスケア製品、測定機・測量機などを実際に見ることができる。単に製品を展示しているだけでなく、タッチパネルモニターでそれぞれの技術を解説していたり、実際に触れられる機器を用意したりといった工夫が施されている。

インダストリーゾーンでは、ニコンが製造する世界最大級の合成石英ガラスインゴットに触れられる。リニューアル前にも展示されていた、「ニコンの技術」を象徴するシンボルオブジェだ

インダストリーゾーンでは、ニコンが製造する世界最大級の合成石英ガラスインゴットに触れられる。リニューアル前にも展示されていた、「ニコンの技術」を象徴するシンボルオブジェだ

東京天文台(現:国立天文台)などの専門家の意見を取り入れて開発した「20cm屈折赤道儀」(1965年製造)。大学や高校など国内の教育施設に数多く設置されていた

東京天文台(現:国立天文台)などの専門家の意見を取り入れて開発した「20cm屈折赤道儀」(1965年製造)。大学や高校など国内の教育施設に数多く設置されていた

街頭テレビ用に開発された「テレビジョン用投影装置」(1955年製)。テレビ電波を受信する受信菅の映像を拡大し、スクリーンに投影する装置だ

街頭テレビ用に開発された「テレビジョン用投影装置」(1955年製)。テレビ電波を受信する受信菅の映像を拡大し、スクリーンに投影する装置だ

半導体デバイスの製造工程において電子回路パターンをシリコンウェハに焼き付ける縮小投影型露光装置「NSR-1505G2A」(1984年製造)

半導体デバイスの製造工程において電子回路パターンをシリコンウェハに焼き付ける縮小投影型露光装置「NSR-1505G2A」(1984年製造)

研究用途で使用される光学顕微鏡もずらりと並ぶ

研究用途で使用される光学顕微鏡もずらりと並ぶ

タッチパネルモニターでそれぞれの技術の特徴を知ることができる

タッチパネルモニターでそれぞれの技術の特徴を知ることができる

140インチの大型スクリーンでオリジナル映像を視聴できるシアターゾーン。このゾーンで企画展などのイベントも開催するとのこと

140インチの大型スクリーンでオリジナル映像を視聴できるシアターゾーン。このゾーンで企画展などのイベントも開催するとのこと

「ニコンようかん」も全面リニューアル

エントランス近くには、「ニコンミュージアム」限定品を含むオリジナルグッズを購入できるショップが併設されている。

ミュージアムのショップでしか購入できないオリジナルグッズで特に注目なのは、全面リニューアルされる「ニコンひと口ようかん」。ミュージアムのリニューアルオープンを記念し、レンズをモチーフにしたパッケージデザインに変わるほか、新たにオリジナルフレーバーのコーヒー味も加わっている。ミュージアムを訪れたら記念に手に入れておきたい逸品だ。

新しいパッケージデザインを採用する「ニコンひと口ようかん」。5個入りと10個入りから選べる

新しいパッケージデザインを採用する「ニコンひと口ようかん」。5個入りと10個入りから選べる

ショップでは、「ニコンミュージアム」オリジナルのキャンパストートバッグやTシャツなども販売されている

ショップでは、「ニコンミュージアム」オリジナルのキャンパストートバッグやTシャツなども販売されている

まとめ ファンでなくても楽しめるミュージアム。入館無料なのがうれしい

新しい「ニコンミュージアム」のコンセプトは、「ニコンの伝統と革新を製品とエピソードで体感する」。従来よりも展示スペースを約1.3倍に拡大し、1300を超える製品・技術が展示されるという大ボリュームで、ニコンファンでなくても楽しめる施設だ。入館無料なので気軽に行けるのがうれしい。オリジナルグッズ目当てに来館するのもよいだろう。機会があればぜひ足を運んでみてほしい。

なお、リニューアルオープン初日の2024年10月12日(土)は多くの人が来場することが予想されており、ニコンはオープン前夜や早朝から並んで待機しないように呼びかけている。また、翌日の10月13日(日)は休館なので注意してほしい(※月曜、日曜、祝日は通常の休館日)。

・「ニコンミュージアム」所在地
140-8601東京都品川区西大井1-5-20
ニコン本社/イノベーションセンター1階
JR西大井駅より徒歩約4分

・開館時間
10:00〜17:30(最終入館は17:00まで)

・休館日
月曜日、日曜日、祝日および当館の定める日
※土曜日が祝日の場合は休館です
※荒天や交通機関の状況によって休館や開館時間の変更をする場合があります

・入館料
無料

「ニコンミュージアム」公式ページ

オープニングセレモニーでは関係者によるテープカットが行われた。左からニコンミュージアム館長の中島良允氏、品川市副区長の堀越明氏、ニコン代表取締役兼社長執行役員のコ成旨亮氏、品川区長の森澤恭子氏、ニコン取締役兼専務執行役員の大村泰弘氏、ニコン経営戦略本部広報部長の鈴木さやか氏

オープニングセレモニーでは関係者によるテープカットが行われた。左からニコンミュージアム館長の中島良允氏、品川市副区長の堀越明氏、ニコン代表取締役兼社長執行役員のコ成旨亮氏、品川区長の森澤恭子氏、ニコン取締役兼専務執行役員の大村泰弘氏、ニコン経営戦略本部広報部長の鈴木さやか氏

真柄利行(編集部)
Writer / Editor
真柄利行(編集部)
フィルム一眼レフから始まったカメラ歴は、はや約30年。価格.comのスタッフとして300製品以上のカメラ・レンズをレビューしてきたカメラ専門家で、特にデジタル一眼カメラに深い造詣とこだわりを持っています。フォトグラファーとしても活動中。パソコンに関する経験も豊富で、パソコン本体だけでなく、Wi-Fiルーターやマウス、キーボードなど周辺機器の記事も手掛けています。
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