今日も、カメラと一緒に

キヤノン「EOS R6 Mark II」&「NOKTON 75mm F1.5 Aspherical」で日々を紡ぐ

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こんにちは、写真家の金森玲奈です。本連載「今日も、カメラと一緒に」では毎回違った相棒カメラとレンズで写真を撮りながら私の写真への想いや写真を通した思い出などをお話しさせてもらっていましたが、今回が最終回となります。

最後にご紹介する相棒たちは、私がプライベートで愛用しているキヤノンのフルサイズミラーレスカメラ「EOS R6 Mark II」と、コシナ「フォクトレンダー(Voigtlander)」ブランドのMFレンズ「NOKTON 75mm F1.5 Aspherical RFマウント」です。

「EOS R6 Mark II」と「NOKTON 75mm F1.5 Aspherical RFマウント」の組み合わせ

「EOS R6 Mark II」と「NOKTON 75mm F1.5 Aspherical RFマウント」の組み合わせ

相棒の条件

EOS R6 Mark II、NOKTON 75mm F1.5 Aspherical、F1.6、1/100秒、ISO1250、+0.3EV、ピクチャースタイル:スタンダード、ホワイトバランス:オート、RAW現像

EOS R6 Mark II、NOKTON 75mm F1.5 Aspherical、F1.6、1/100秒、ISO1250、+0.3EV、ピクチャースタイル:スタンダード、ホワイトバランス:オート、RAW現像

この連載でも何度か触れましたが、私はあまり機材にこだわりはないほうで、初めて買ったフィルムカメラがキヤノン製だったことから、デジタルに移行してもキヤノンのカメラとレンズを使い続けてきました。そんななか、デジタルになってから意識するようになったものがあります。それはカメラメーカーが持つ「色」です。フィルムカメラ時代に写真の色味や階調を決定するのはフィルムでした。フィルムの持つ特徴が写りに直結していたのです。

デジタルになって、色味を決めるのはカメラの役割になりました。各社の基本となる色合いを見ていくなかで、シンプルに自分に合っているなと思えたのがキヤノンの色でした。単純にずっと使っていて見慣れていたからというアドバンテージもあったかもしれませんが、それでも自分好みの色味やコントラストを事前に設定するという手間をかけずとも、シンプルにシャッターを切るだけで好きな色と階調で撮りたい世界を残せるというのは「撮る」ことに集中したい私には大事なポイントでした。

変化した先に出会ったレンズ

EOS R6 Mark II、NOKTON 75mm F1.5 Aspherical、F1.6、1/800秒、ISO100、+1.3EV、ピクチャースタイル:スタンダード、ホワイトバランス:オート、RAW現像

EOS R6 Mark II、NOKTON 75mm F1.5 Aspherical、F1.6、1/800秒、ISO100、+1.3EV、ピクチャースタイル:スタンダード、ホワイトバランス:オート、RAW現像

連載8回目で紹介した「NOKTON 50mm F1 Aspherical」は、純正レンズしか持っていなかった私が、写りにほれ込んで購入した純正以外の初めてレンズでした。そして、今回紹介する「NOKTON 75mm F1.5 Aspherical」もそうで、その写りのよさにまたしてもあっさりハートを射止められてしまいました。

コシナの「フォクトレンダー」ブランドはMFレンズで、かつての私ならどんなに写りがすばらしくても手に入れようとは思わなかったと思います。それは、以前の私は街に生きる猫との一瞬の出会いをいかに逃さないかということを最も大切にしていたからです。そのときに必要だったのは正確で迅速なピント合わせをしてくれるAFのレンズでした。

時が経って、猫以外の自分の日常にもカメラを向けるようになったとき、AFの性能はいちばんの重要ポイントではなくなっていました。ふと、いいなと思った瞬間にカメラを向けてゆっくりまばたきをするようにシャッターを切る。そんな風に撮影スタイルが変化していった先で出会ったのが「NOKTON」でした。

とろけるようなぼけに包まれた世界に魅了されていきましたEOS R6 Mark II、NOKTON 75mm F1.5 Aspherical、F1.6、1/160秒、ISO100、+2.3EV、ピクチャースタイル:スタンダード、ホワイトバランス:オート、RAW現像

とろけるようなぼけに包まれた世界に魅了されていきました
EOS R6 Mark II、NOKTON 75mm F1.5 Aspherical、F1.6、1/160秒、ISO100、+2.3EV、ピクチャースタイル:スタンダード、ホワイトバランス:オート、RAW現像

EOS R6 Mark II、NOKTON 75mm F1.5 Aspherical、F1.6、1/1250秒、ISO160、+2.3EV、ピクチャースタイル:スタンダード、ホワイトバランス:オート、RAW現像

EOS R6 Mark II、NOKTON 75mm F1.5 Aspherical、F1.6、1/1250秒、ISO160、+2.3EV、ピクチャースタイル:スタンダード、ホワイトバランス:オート、RAW現像

新しい撮影スタイルに寄り添う相棒たち

日常のなかで心が揺れた瞬間をそっとすくい取るようにシャッターを切る撮り方に「NOKTON 75mm F1.5 Aspherical」はピッタリなレンズでした。「NOKTON」が描き出すやわらかな空気感にどんどん惹き込まれながら、たまに一瞬のシャッターチャンスに出くわすこともありましたが、そんな瞬間をバッチリ写し止められたときはちょっとした達成感を味わいつつ、自分の手で残したいものに焦点を合わせる楽しさを知ることができました。

奇跡の1枚EOS R6 Mark II、NOKTON 75mm F1.5 Aspherical、F1.6、1/800秒、ISO100、+1.3EV、ピクチャースタイル:スタンダード、ホワイトバランス:オート、RAW現像

奇跡の1枚
EOS R6 Mark II、NOKTON 75mm F1.5 Aspherical、F1.6、1/800秒、ISO100、+1.3EV、ピクチャースタイル:スタンダード、ホワイトバランス:オート、RAW現像

EOS R6 Mark II、NOKTON 75mm F1.5 Aspherical、F1.6、1/25秒、ISO160、+2.7EV、ピクチャースタイル:スタンダード、ホワイトバランス:オート、RAW現像

EOS R6 Mark II、NOKTON 75mm F1.5 Aspherical、F1.6、1/25秒、ISO160、+2.7EV、ピクチャースタイル:スタンダード、ホワイトバランス:オート、RAW現像

こうして、「EOS R6 Mark II」の持つやさしい色合いと「NOKTON 75mm F1.5 Aspherical」のとろけるような空気感が今の私にとって、何気ない日常を撮るときのいちばん心地よい組み合わせになりました。

EOS R6 Mark II、NOKTON 75mm F1.5 Aspherical、F1.6、1/1250秒、ISO100、+1.0EV、ピクチャースタイル:スタンダード、ホワイトバランス:オート、RAW現像

EOS R6 Mark II、NOKTON 75mm F1.5 Aspherical、F1.6、1/1250秒、ISO100、+1.0EV、ピクチャースタイル:スタンダード、ホワイトバランス:オート、RAW現像

EOS R6 Mark II、NOKTON 75mm F1.5 Aspherical、F1.6、1/1600秒、ISO100、+3.0EV、ピクチャースタイル:スタンダード、ホワイトバランス:オート、RAW現像

EOS R6 Mark II、NOKTON 75mm F1.5 Aspherical、F1.6、1/1600秒、ISO100、+3.0EV、ピクチャースタイル:スタンダード、ホワイトバランス:オート、RAW現像

自分だけの相棒を見つけよう

本連載ではさまざまなカメラを使う機会をいただき、それぞれのカメラの持つよさや機能の面白さをご紹介してきました。これまで見ることのなかった世界を見られたことは、私にとっても本当に貴重でありがたい経験となりましたが、同時に自分が大切な瞬間を残したい相棒はどのカメラとレンズなのかということを改めて考えるきっかけにもなったと思います。

機材にこだわりのなかった私にとって、写真を撮るための「道具」だったカメラとレンズが「相棒」に変わったのは、自分の人生を記録するのに欠かせない存在だと気がついたからかもしれません。

写真を楽しむすべての人たちが、その人だけの相棒に出会えることを願っています。

EOS R6 Mark II、NOKTON 75mm F1.5 Aspherical、F2.0、1/500秒、ISO100、+2.0EV、ピクチャースタイル:スタンダード、ホワイトバランス:オート、RAW現像

EOS R6 Mark II、NOKTON 75mm F1.5 Aspherical、F2.0、1/500秒、ISO100、+2.0EV、ピクチャースタイル:スタンダード、ホワイトバランス:オート、RAW現像

さあ、私の相棒たちと今度はどこへ行こう。

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金森玲奈
Writer
金森玲奈
1979年東京生まれ。写真家。東京工芸大学芸術学部写真学科卒業。東京藝術大学美術学部附属写真センター勤務などを経て2011年からフリーランスとして活動を開始。暮らしの中で記憶からこぼれ落ちていく何気ない日々のカケラを撮り続けている。
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真柄利行(編集部)
Editor
真柄利行(編集部)
フィルム一眼レフから始まったカメラ歴は、はや約30年。価格.comのスタッフとして300製品以上のカメラ・レンズをレビューしてきたカメラ専門家で、特にデジタル一眼カメラに深い造詣とこだわりを持っています。フォトグラファーとしても活動中。パソコンに関する経験も豊富で、パソコン本体だけでなく、Wi-Fiルーターやマウス、キーボードなど周辺機器の記事も手掛けています。
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