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小型・軽量化した「LUMIX S1RII」登場! 8K動画対応のハイブリッド機に進化

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パナソニックは2025年2月26日、フルサイズミラーレスカメラ「LUMIX Sシリーズ」の新製品「LUMIX S1RII(DC-S1RM2)」を発表した。同シリーズの最上位モデルで、小型・軽量ボディに高性能を詰め込んだ静止画・動画のハイブリッド機に仕上がっている。外観画像を掲載しながら特徴をまとめよう。

「LUMIX Sシリーズ」の新しい最上位モデル「LUMIX S1RII」

「LUMIX Sシリーズ」の新しい最上位モデル「LUMIX S1RII」

新開発の裏面照射型センサーを採用し、基本性能が向上

「LUMIX S1RII」は、2019年3月23日に発売された「LUMIX S1R」の後継機。従来モデルはボディが大きくて重いこともあって「静止画撮影重視の一眼カメラ」という印象が強かったが、「LUMIX S1RII」は、全体的に性能が底上げされたことによって、1台で静止画撮影と動画撮影の両方に対応できる本格的なハイブリッド機に進化を遂げている。

撮像素子には、新たに開発した有効約4430万画素の裏面照射型CMOSセンサーを採用。画像処理エンジンは「L2 Technology」搭載の最新エンジンだ。このセンサーとエンジンの組み合わせによって高解像度と低ノイズの両立を実現。感度は常用でISO80〜51200(拡張でISO40〜102400)に対応している。

常用でISO80〜51200の感度に対応。低感度と高感度で別々の回路を持つ「デュアルネイティブISO」も搭載している

常用でISO80〜51200の感度に対応。低感度と高感度で別々の回路を持つ「デュアルネイティブISO」も搭載している

静止画の撮影機能では、ボディ内手ブレ補正を生かして約1億7700万画素の高画素データを生成する「ハイレゾモード」を搭載。RAW/JPEG記録に対応するほか、手持ちでの利用も可能だ。

手持ち撮影に対応する「ハイレゾモード」

手持ち撮影に対応する「ハイレゾモード」

電源オフ時のシャッター閉幕機能を搭載。メニューで機能のオン・オフを選択できる。レリーズ耐久は40万回

電源オフ時のシャッター閉幕機能を搭載。メニューで機能のオン・オフを選択できる。レリーズ耐久は40万回

倍率約0.78倍(約576万ドット)の電子ビューファインダーを搭載。約10000:1以上の高コントラスト比を実現している

倍率約0.78倍(約576万ドット)の電子ビューファインダーを搭載。約10000:1以上の高コントラスト比を実現している

最高約40コマ/秒の超高速連写を実現。被写体追尾性能も向上

「LUMIX S1RII」のスペックの高さを感じさせるのが連写速度だ。有効4430万画素の高画素ながら、電子シャッター時に最高約40コマ/秒(※速度優先の12bit処理)のブラックアウトフリー高速連写を実現している。電子シャッター時はシャッターボタンを全押しする前を記録できる「プリ連写」にも対応。メカシャッター時の連写速度は、速度優先の12bit処理で最高約10コマ/秒、画質優先の14bit処理で最高9コマ/秒だ。

電子シャッター時に最高約40コマ/秒の超高速連写を実現

電子シャッター時に最高約40コマ/秒の超高速連写を実現

CFexpress Type BカードとSDメモリーカード(SDXC/UHS-II対応)のダブルスロットを採用

CFexpress Type BカードとSDメモリーカード(SDXC/UHS-II対応)のダブルスロットを採用

AFも進化しており、「人物」「動物」「車」「バイク/自転車」「列車」「飛行機」の被写体を認識できる「リアルタイム認識AF」に対応。人物の瞳/顔の認識精度とともに追尾性能も大きく向上している。使い勝手の面では、自動検出追尾モード時に、AFフレームに被写体が入ると自動的に追尾がスタートするように機能が変更されている。

「人物」「動物」「車」「バイク/自転車」「列車」「飛行機」の被写体認識に対応

「人物」「動物」「車」「バイク/自転車」「列車」「飛行機」の被写体認識に対応

従来モデルと比べて被写体の認識・追尾性能が向上している

従来モデルと比べて被写体の認識・追尾性能が向上している

シャッターボタン近くにホワイトバランス/感度/露出補正の3連ボタンと動画記録ボタンを配置。このあたりの操作性は「LUMIX S5II」と同じだ

シャッターボタン近くにホワイトバランス/感度/露出補正の3連ボタンと動画記録ボタンを配置。このあたりの操作性は「LUMIX S5II」と同じだ

ドライブモードと同軸の位置に「静止画/動画/S&Qモード」の切り替えスイッチを搭載。「LUMIX」のミラーレスとして静止画と動画の切り替えスイッチを採用するのは初だ

ドライブモードと同軸の位置に「静止画/動画/S&Qモード」の切り替えスイッチを搭載。「LUMIX」のミラーレスとして静止画と動画の切り替えスイッチを採用するのは初だ

「LUMIX」初の8K動画記録に対応。カメラ内「ProRes RAW HQ」記録も可能

動画撮影では、「LUMIX」として初めて8K動画記録(8K/30p)を実現したのが大きなトピック。14ストップのV-Log/V-Gamutにも対応している。より高ビットレートな「ProRes RAW HQ」でのRAW内部記録(5.8K/30p対応)も可能だ。さらに、新しい「フォトスタイル」として、広いダイナミックレンジと豊かなグラデーションが得られる「シネライクA2」を搭載。「LUMIX」らしく非常に多彩な記録フォーマットにも対応しており、本格的な映像制作に活用できる充実したスペックを備えていると言えよう。

「LUMIX」初の8K動画記録に対応

「LUMIX」初の8K動画記録に対応

5.8K/30pでの「ProRes RAW HQ」記録も可能

5.8K/30pでの「ProRes RAW HQ」記録も可能

仕上がり設定「フォトスタイル」に「シネライクA2」を追加

仕上がり設定「フォトスタイル」に「シネライクA2」を追加

3.0型(約184万ドット)のチルトフリーアングルモニターを採用。光軸上で角度を調整できるチルトモニターとしても、横開きのバリアングルモニターとしても利用できる

3.0型(約184万ドット)のチルトフリーアングルモニターを採用。光軸上で角度を調整できるチルトモニターとしても、横開きのバリアングルモニターとしても利用できる

左側面のインターフェイス部。外部マイク端子、ヘッドホン端子、USB Type-C端子(10Gbps対応)、HDMI Type A端子を搭載する

左側面のインターフェイス部。外部マイク端子、ヘッドホン端子、USB Type-C端子(10Gbps対応)、HDMI Type A端子を搭載する

画角変動なく周辺歪みを抑える「クロップレスモード」を追加

「LUMIX S1RII」が搭載するボディ5軸内手ブレ補正は、ボディ単体で8.0段分、レンズ内手ブレ補正との連動制御によって望遠撮影時に威力を発揮する「Dual I.S. 2」時で7.0段分の補正効果を実現している。

注目したいのは、動画撮影用の手ブレ補正モードとして新たに搭載された「クロップレスモード」だ。このモードは、画角を変えることなく、広角撮影時に目立ちやすい周辺歪みを電子的に補正するというもの。技術的なポイントは、「LUMIX Sシリーズ」のレンズの仕様にある。「LUMIX Sシリーズ」のレンズは電子的な歪曲収差補正を前提に設計されており、光学的には、歪曲収差は残るものの実際の画角を超える広い範囲を写せるように設計されている。「クロップレスモード」では、この「画角を超えるエリア」を有効活用することで、「画角変動なし」での補正を実現しているとのことだ。

画角変動なく周辺歪みを補正する「クロップレスモード」を新搭載

画角変動なく周辺歪みを補正する「クロップレスモード」を新搭載

このほか、「LUMIX S1RII」は、「LUMIX」として初めてテザー編集ソフト「Capture One」に対応。シナリオ作成から編集まで映像制作のワークフローをサポートする新アプリ「LUMIX Flow」の利用も可能だ。画像やプロキシ動画をアップロード・共有できる「Frame.io Camera to Cloud」にも対応している。

ボディはマグネシウム合金フレームを使用した防塵・防滴・耐低温仕様で、サイズは約134.3(幅)×102.3(高さ)×91.8(奥行)mm、重量は約795g(バッテリー、SDメモリーカードを含む)。幅と高さは「LUMIX S5II」と同じだ。チルトフリーアングルモニターを搭載しているため、「LUMIX S5II」と比べると奥行きは約1.7mm大きく、重量は約55g重いものの、「LUMIX S5II」とほぼ同等のコンパクトボディに収まっていると言えよう。重量1kg超えの従来モデルと比べると大幅な小型・軽量化を実現している。

2025年2月26日時点でパナソニックがラインアップするフルサイズ対応Lマウントレンズは計18本。超広角ズームレンズや望遠ズームレンズ、大口径・単焦点レンズなどが揃っている

2025年2月26日時点でパナソニックがラインアップするフルサイズ対応Lマウントレンズは計18本。超広角ズームレンズや望遠ズームレンズ、大口径・単焦点レンズなどが揃っている

【まとめ】完成度の高いハイブリッド機。性能を考慮すると魅力的な価格

「LUMIX S1RII」は、約6年ぶりに刷新される、「LUMIX Sシリーズ」の最上位モデル。この6年間に積み上げてきた技術を惜しげもなく投入することで、静止画撮影と動画撮影の両方が高性能なハイブリッド機に進化を遂げている。従来モデルから大幅に小型・軽量化したボディも魅力的で、完成度の高いフルサイズミラーレスと言えるだろう。

発売は2025年3月27日の予定で、市場想定価格はボディ単体が475,000円前後、標準ズームレンズ「LUMIX S 24-105mm F4 MACRO O.I.S.」が付属するレンズキットが594,000円前後(いずれも税込)。静止画・動画ともに「LUMIX Sシリーズ」として最高性能を実現していることを考慮すると、なかなか魅力的なプライスではないだろうか。

真柄利行(編集部)
Writer / Editor
真柄利行(編集部)
フィルム一眼レフから始まったカメラ歴は、はや約30年。価格.comのスタッフとして300製品以上のカメラ・レンズをレビューしてきたカメラ専門家で、特にデジタル一眼カメラに深い造詣とこだわりを持っています。フォトグラファーとしても活動中。パソコンに関する経験も豊富で、パソコン本体だけでなく、Wi-Fiルーターやマウス、キーボードなど周辺機器の記事も手掛けています。
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LUMIX DC-S1RM2 ボディの製品画像
  • パナソニック
  • LUMIX DC-S1RM2 ボディ
  • 価格.com最安価格452,127 ( 発売日:2025年3月27日 )
  • 売れ筋ランキング114
  • 有効約4430万画素のフルサイズミラーレス
価格.comで見る
タイプ
ミラーレス
撮像素子種類
フルサイズ
付属レンズ
無(本体のみ)
レンズマウント
ライカLマウント
動画記録画素数
17:9 8.1K(8128x4288)29.97p/16:9 8K(7680x4320)29.97p/C4K(4096x2160)119.88p/4K(3840x2160)119.88p
手ブレ補正機構
バリアングル
重量
712g
LUMIX DC-S1RM2M 標準ズームレンズキットの製品画像
  • パナソニック
  • LUMIX DC-S1RM2M 標準ズームレンズキット
  • 価格.com最安価格585,137 ( 発売日:2025年3月27日 )
  • 売れ筋ランキング201
  • 「LUMIX S 24-105mm F4 MACRO O.I.S.」が付属
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タイプ
ミラーレス
撮像素子種類
フルサイズ
付属レンズ
有(レンズキット)
レンズマウント
ライカLマウント
動画記録画素数
17:9 8.1K(8128x4288)29.97p/16:9 8K(7680x4320)29.97p/C4K(4096x2160)119.88p/4K(3840x2160)119.88p
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重量
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