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エントリーフルサイズ“定番”3モデルの特徴を改めてまとめてみた

左からニコン「D610」、キヤノン「EOS 6D」、ソニー「α7」

左からニコン「D610」、キヤノン「EOS 6D」、ソニー「α7」

「35mmフルサイズセンサーを搭載するデジタル一眼カメラ」といえば、5年ほど前までは高額で手が届きにくい存在であったが、キヤノン、ニコン、ソニーの各社からエントリー向けのフルサイズ機が登場したことで状況が変わった。なかでも、キヤノン「EOS 6D」、ニコン「D610」、ソニー「α7」という、2〜3年ほど前に登場した定番モデルが、この市場を牽引。3モデルとも発売から時間が経過したこともあって価格がこなれており、今買い時を迎えている。冬のボーナス商戦を前に、改めて3モデルの特徴をまとめてみた。

ロングセラーの軽量フルサイズ一眼レフ
キヤノン「EOS 6D」

EOS 6DにEF24-105mm F4L IS USMを装着したイメージ

EOS 6DにEF24-105mm F4L IS USMを装着したイメージ

EOS 6D背面

EOS 6D背面

センサー:有効約2020万画素CMOS
光学ファインダー:視野率約97%(倍率約0.71倍)
AFシステム:11点(中央測距点F5.6クロス、F2.8縦線検出)
最速シャッタースピード: 1/4000秒
連写性能:最高約4.5枚/秒
撮影可能枚数:約1090枚
感度:ISO100〜25600(ISO50相当、ISO51200相当、ISO102400相当の感度拡張が可能)
モニター:3.0型(3:2、約104万ドット)
動画:1920×1080/30p、24p(MOV)
GPS:内蔵
Wi-Fi:内蔵
サイズ:約144.5×110.5×71.2mm
重量:約755g

2012年11月の発売から約3年にわたって高い人気を獲得しているロングセラーモデル。ライバルとなるニコン「D610」と比べると、内蔵フラッシュが非搭載になるほか、光学ファインダーのスペックも視野率97%にとどまるものの、その分、ボディがおよそ100g軽くなっている(約755g、バッテリーなどを含む。CIPAガイドラインによる)。オートフォーカスシステムには、11点AFシステム(中央測距点F5.6クロス、F2.8縦線検出)を採用。測距点の数はD610のほうが多いが、EOS 6Dのオートフォーカスは中央測距点の性能が高く、中央測距点では低輝度限界「-3EV」を実現。暗いところでの合焦性能にすぐれるのがポイントだ。このほか、D610と比べると、GPSとWi-Fiを内蔵しているのも違いとなる。

このモデルが長年にわたり人気を集めているのは、「EOSシステムのフルサイズ画質がもっとも安く手に入る」ところではないだろうか。ワンショットで得られる画質は上位モデルの「EOS 5D Mark III」とそん色がなく、画質には定評がある。

ただし、キヤノンのフルサイズ機を購入する際には、EOSシリーズのAPS-C一眼レフ用のEF-Sレンズを装着できないことは覚えておいてほしい。「EOS Kiss」シリーズなどのAPS-C機からのステップアップで、フルサイズ対応のEFレンズを所有していない場合、新たにレンズをそろえる必要がある。せっかくのフルサイズ機なのでレンズもフルサイズ対応のものを利用したいところではあるが、APS-C用レンズの資産を生かしたいのであれば注意が必要だ。

価格.com最安価格(2015年12月1日時点)は、ボディ単体が139,000円、EOS 6D EF24-105L IS USM レンズキットが204,000円、EOS 6D EF24-70L IS USM レンズキットが221,000円程度。高性能なLレンズがレンズキットとして用意されているのがポイントだ。

視野率約100%ファインダー搭載の本格派
ニコン「D610」

D610にAF-S NIKKOR 24-85mm f/3.5-4.5G ED VRを装着したイメージ

D610にAF-S NIKKOR 24-85mm f/3.5-4.5G ED VRを装着したイメージ

D610背面

D610背面

センサー:有効約2426万画素CMOS
光学ファインダー:視野率約100%(倍率約0.7倍)
AFシステム:39点(中央9点クロス、F5.6超〜F8未満は中央33点、F8は中央7点)
最速シャッタースピード: 1/4000秒
連写性能:最高約6枚/秒
撮影可能枚数:約900枚
感度:ISO100〜6400(ISO50相当までの減感、ISO25600相当まで増感に対応)
モニター:3.2型(4:3、約92万ドット)
動画:1920×1080/30p、24p(MOV)
GPS:―
Wi-Fi:―
サイズ(W×H×D):約141×113×82mm
重量:約850g

2013年10月の発売から高い人気を集めているニコンのエントリー向けフルサイズ一眼レフ。視野率約100%(倍率約0.7倍)を実現した光学ファインダーや、39点のオートフォーカスシステム(中央9点クロス、F5.6超〜F8未満は中央33点、F8は中央7点)など、上位モデルに迫る高性能を持つのが特徴となる。連写性能も最高約6コマ/秒と、今回の3モデルの中でもっともスペックが高い。内蔵フラッシュを搭載するのも他の2モデルにはない特徴である。

この一眼レフが人気を集めているのは、伝統のNIKKORレンズを組み合わせた、ニコンの高画質なフルサイズシステムを安く手に入れられることだろう。さらに、視野率100%の光学ファインダーでの撮影を重視する場合も大きな魅力を感じるはずだ。

これといった欠点の見当たらないフルサイズ機だが、他の2モデルと比べると、Wi-Fiを搭載していないことが機能面でのマイナスとなる。重量が約850g(バッテリーおよびSDメモリーカードを含む、ボディキャップを除く)と、3モデルの中でもっとも重いボディを気にする方もいることだろう。

価格.com最安価格(2015年12月1日時点)は、ボディ単体が126,000円、D610 24-85 VR レンズキットが171,000円、D610 28-300 VR レンズキットが214,000円程度。標準ズームのレンズキットが18万円を切る価格で手に入るのは魅力だ。

コンパクトなフルサイズミラーレス
ソニー「α7」

α7にFE 28-70mm F3.5-5.6 OSS SEL2870を装着したイメージ

α7にFE 28-70mm F3.5-5.6 OSS SEL2870を装着したイメージ

α7背面

α7背面

センサー:有効約2430万画素CMOS
電子ビューファインダー:XGA OLED Tru-Finder(約235万ドット、倍率約0.71倍)
AFシステム:117点(位相差AF)/25点(コントラストAF)
最速シャッタースピード: 1/8000秒
連写性能:最高約5枚/秒
撮影可能枚数:約340枚(液晶モニター使用時)、約270枚(ファインダー使用時)
感度:ISO100〜25600(拡張ISO50)※マルチショットNRはISO51200相当まで対応
モニター:チルト可動式3.0型(4:3、約92.1万ドット)
動画:1920×1080/60p、60i、24p(AVCHD)
GPS:―
Wi-Fi:内蔵
サイズ(W×H×D):約126.9×94.4×48.2mm
重量:約474g

ミラーレス一眼として初めてフルサイズセンサーを搭載し、大きな話題を集めた「α7シリーズ」のエントリーモデル。発売は2013年11月。重量約474g(バッテリーと”メモリースティックPROデュオ”含む)の小型・軽量なミラーレスで、ボディの携帯性は、今回紹介した3モデルの中でもっとも高い。性能面では、3モデルの中で唯一、最高1/8000秒のシャッタースピードに対応。60pでのフルHD記録も可能となっている。チルト可動式モニターを採用するのも特徴だ。

このミラーレスを選ぶ大きな理由となるのは、やはり、小型・軽量ボディになるだろう。露出や色合いを確認できる電子ビューファインダーの利点を生かした撮影に魅力を感じるという方も多いはずだ。

ただし、一眼レフと比べるとバッテリー性能で見劣りする。撮影可能枚数は340枚(液晶モニター使用時)で、EOS 6DやE610の半分未満のスペックとなっている。1日中撮影を行うのであれば、予備バッテリーは必須だ。また、オートフォーカスの合焦速度は、ミラーレスとしてはすぐれているほうだが、一眼レフの光学ファインダー撮影での位相差AFと比べると少し差があると感じるかもしれない。

価格.com最安価格(2015年12月1日時点)は、ボディ単体が106,000円、α7 ILCE-7K ズームレンズキットが150,000円程度と、かなり安い。しかも、2016年1月17日(日)購入分までが対象となるキャッシュバックキャンペーンが実施されており、α7ではボディ・ズームレンズキットともに15,000円がキャッシュバックされる。「とにかく安くフルサイズカメラを手に入れたい」というのであれば、この年末・年始は大きなチャンスだ。

 

※今回紹介した3モデルの詳細レビューは、“エントリーフルサイズ”徹底比較特集をご覧ください。

真柄利行(編集部)

真柄利行(編集部)

体力勝負ならそこそこ強い編集部デスク。カメラやAV家電を中心に製品のレビュー記事を担当しています。撮られるのは苦手ですが撮るのは好きです。

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