レビュー
往年のフィルム一眼レフのデザインを取り入れた高品位モデル

「OLYMPUS PEN-F」誕生! ミラーレス一眼「PEN」シリーズの“最高傑作”

オリンパスのミラーレス一眼カメラといえば、良質なデザインの小型・軽量ボディに高性能・高機能を搭載するのが特徴。今回紹介する新モデル「OLYMPUS PEN-F」(以下、PEN-F)は、オリンパスが培ってきた技術を生かし、数あるミラーレス一眼の中でも特に高品位なモデルとなっている。製品ページに「The masterpiece」というキャッチコピーが書かれていることからも、相当な自信作であることがうかがえる。発売は2月26日で、市場想定価格はボディ単体が15万円前後、12mmF2.0 レンズキットが21万円前後(いずれも税別)。ベータ機の外観画像を掲載しながら、この注目カメラの特徴を紹介しよう。

シルバーとブラックのカラーバリエーションが用意されるPEN-F。12mmF2.0レンズキットに同梱される「M.ZUIKO DIGITAL ED 12mm F2.0」は、ボディの色にかかわらずブラックとなっている

銀塩カメラの名機「ペンF」のシルエットを継承したボディ

オリンパスはミラーレス一眼として、一眼レフスタイルの「OM-D」シリーズと、小型・軽量な「PEN」シリーズの2シリーズを展開しているが、PEN-Fは、それら2シリーズでこれまでに登場したモデルの中でも、特にデザインにこだわって開発されている。

ボディラインとシルエットは、世界初のハーフサイズ一眼レフ「ペンF」を継承。レンジファインダースタイルのカメラで、トップカバーとフロントカバーにはマグネシウムを、底面と削り出しダイヤルにはアルミを採用し、高品位なボディに仕上がっている。

こだわりは細かいところにも及ぶ。前面と上面のダイヤル・ボタンなどの操作部はすべて円形でデザインされている。さらに、底面を含めて外側からはネジが見えないように作られているのもすごい。バリアングル液晶モニター(約104万ドット、3.0型2軸可動式)の裏側には、ボディ外装と同じ革調素材を採用する。

レンジファインダースタイルの上質なデザインを実現したPEN-F。ボディサイズは124.8(幅)×72.1(高さ)×37.3(奥行)mmで、重量は約427 g(付属バッテリーおよびメモリーカード含む)

正面。ペンFのボディラインとシルエットを継承

正面。ペンFのボディラインとシルエットを継承

上面。レトロな雰囲気のPEN-Fの刻印があしらわれている

上面。レトロな雰囲気のPEN-Fの刻印があしらわれている

背面。従来以上にボタンの押しやすさにもこだわって設計したとのこと

背面。従来以上にボタンの押しやすさにもこだわって設計したとのこと

約104万ドットの3.0型バリアングルモニターを採用

約104万ドットの3.0型バリアングルモニターを採用

モニターの裏側にボディ外装と同じ革調素材を採用。モニターを裏にして閉じたときのデザインの統一感が図られている

底面もネジが見えないように作られている

底面もネジが見えないように作られている

対応バッテリーは「BLN-1」で、撮影可能枚数は約330枚(CIPA基準)

対応バッテリーは「BLN-1」で、撮影可能枚数は約330枚(CIPA基準)

フィルムの巻き戻しノブのようなデザインの電源スイッチ

フィルムの巻き戻しノブのようなデザインの電源スイッチ

レンズ取り外しボタンにも革調素材が用いられている

レンズ取り外しボタンにも革調素材が用いられている

236万ドットの高精細EVFを新たに搭載。露出補正ダイヤルなども追加

操作性ではPENシリーズとして初めて電子ビューファインダーを内蔵するのがトピックだ。約236万ドットの有機ELデバイスを採用し、倍率は1.23倍(35mm判換算約0.62倍)となる。周辺部まで色ずれや収差が少なく、クリアなファインダーだ。拡大表示やフォーカスピーキングのほか、黒つぶれや白とびを抑制し、光学ファインダーのようなイメージで撮影できる「OVFシミュレーション」も利用できる。

約236万ドットの有機ELファインダーを内蔵

約236万ドットの有機ELファインダーを内蔵

ファインダーをのぞいたまま操作がしやすいボタンレイアウトを採用するのも特徴。前後ダイヤルに加えて、新たに、露出補正ダイヤルが追加された。なお、露出補正ダイヤルは±3段までの設定に対応しているが、ダイヤルの割り当てを変更することで、従来モデルと同じように前後ダイヤルでの露出補正も行える(※この場合±5段まで調整可能)。

ボディ前面には、後述する「モノクロプロファイルコントロール」と「カラープロファイルコントロール」、「アートフィルター」、「カラークリエーター」を切り替えられる「クリエイティブダイヤル」を新設。デザインのアクセントにもなっている。

露出補正ダイヤルが追加された。モードダイヤルにはカスタムポジションが4つ(C1〜C4)用意されている

露出補正ダイヤルが追加された。モードダイヤルにはカスタムポジションが4つ(C1〜C4)用意されている

前面には、スローシャッターダイヤルを模したようなクリエイティブダイヤルを搭載

前面には、スローシャッターダイヤルを模したようなクリエイティブダイヤルを搭載

ファインダー内で絵作りを楽しめる「モノクロ/カラープロファイルコントロール」

オリンパスのミラーレス一眼といえば、光の動きを切れ目のない光跡で記録できる「ライブコンポジット」や、ピント位置を変えながら複数枚を連写する「フォーカスブラケット」などに代表されるように、独自の撮影機能を数多く搭載するのも魅力だ。PEN-Fでは、新機能「モノクロ/カラープロファイルコントロール」が追加されている。

モノクロ/カラープロファイルコントロールのコンセプトは、フィルム選び・現像・焼付けといったフィルムカメラのプロセスをファインダー内で楽しめるようにすること。前面のクリエイティブダイヤルで機能を呼び出し、背面レバーとスーパーコンパネを操作することで、ファインダー内で効果を確認しながら絵作りが行える。さらに、往年のフィルムをイメージして作られたというプリセットも用意。プリセットの設定を変更して撮ることも可能だ。

モノクロプロファイルコントロールは、カラーフィルター効果、シェーディング効果、ハイライト&シャドーコントロール、粒状フィルム効果、調色効果という5種類を使ってモノクロ表現を楽しむ機能。プリセットとして、粒状フィルム効果のざらっとした風合いで、モノクロフィルム調の仕上がりになる「クラッシックフィルムモノクロ」と、赤外線フィルムのような仕上がりになる「クラッシックフィルム IR」が用意されている。

モノクロプロファイルコントロールのカラーフィルター効果は、8種類のフィルターで3段階の強度を選択できる

モノクロプロファイルコントロールのカラーフィルター効果は、8種類のフィルターで3段階の強度を選択できる

シェーディング効果は±5の設定が可能

シェーディング効果は±5の設定が可能

粒状フィルム効果は、あえてノイズをのせることで立体感や質感を表現する機能。なお、粒状フィルム効果と調色効果は、スーパーコンパネから呼び出して設定する

カラープロファイルコントロールは、写真撮影に欠かせない色作りを行い、作品性の高い一枚に仕上げるための機能。12色の彩度をそれぞれ11段階で設定できるという、非常に細かい調整が可能だ。渋みと濃厚感のある色調を得られる「クロームフィルム リッチカラー」と、彩度が高く、濃厚な発色のフィルム風の効果が得られる「クロームフィルム ビビッド」を搭載する。なお、クロームフィルム リッチカラーはコダクローム64を、クロームフィルム ビビッドはエクタクローム100VSをイメージして作られているという。

カラープロファイルコントロールでは、12色の彩度をそれぞれ11段階で設定可能。ハイライト&シャドーコントロールも利用できる

新開発の2030万画素センサーを採用。5軸手ぶれ補正も搭載

PEN-Fは画質性能も進化している。新開発の有効2030万画素Live MOSセンサー(光学ローパスフィルターレス仕様)を採用し、映像処理エンジンは最新の「TruePic VII」だ。従来より解像感の高い画質で定評があるが、その部分にも磨きをかけている。感度は常用でISO200〜ISO25600に対応。低感度の拡張設定ISO LOWは、従来のISO100相当からISO80相当に拡張されている。

ボディ内手ぶれ補正には、シャッタースピード換算で最大5.0段分という世界最高レベルの効果が可能な5軸VCM(Voice Coil Motor)機構を搭載。レンズ内手ぶれ補正とボディ内手ぶれ補正が協調することで、より強力な補正が可能になる「5軸シンクロ手ぶれ補正」にも対応している(※現時点では「M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO」との組み合わせで有効)。

新開発の有効2030万画素Live MOSセンサーを採用。5軸手ぶれ補正機構も内蔵する

新開発の有効2030万画素Live MOSセンサーを採用。5軸手ぶれ補正機構も内蔵する

シャッタースピードはメカシャッターで1/8000秒に対応。ミラーレス最短(メカシャッター時)のレリーズタイムラグ0.044秒も実現しており、オリンパスのミラーレス一眼らしく、ハイレスポンスなカメラとなっている。また、静音モード時には最高1/16000秒の高速シャッターで無音撮影が可能。連写性能は、ピント・露出1コマ目固定で最高10コマ/秒、AF追従時で最高5コマ/秒。静音モード時には20コマ/秒の超高速連写が行える。

このほか、センサーをずらしながら連続撮影して自動合成する「ハイレゾショット」は50メガセンサー相当に進化。電子接点のないレンズの名称、焦点距離、絞り値を登録し、撮影画像のExifに反映できる「レンズ情報登録機能」も搭載する。ライブコンポジット、フォーカスブラケット、5軸手ぶれ補正を使ったフルHD動画撮影(60p対応)、4K対応タイムラプス動画といった機能も備わっている。

まとめ 撮影を楽しむことができる趣味性の高いミラーレス一眼

PEN-Fは見どころの多いカメラだが、その中でも、特にデザインと撮影機能に注目したい。実機に触れてみてその仕上がりのよさを確認できた。凝縮感のある金属ボディは、フィルムカメラのペンをほうふつとさせる雰囲気で、作り込み度の高さでいえばこれまでのオリンパス製ミラーレス一眼の中でもナンバーワンではないだろうか。また、撮影機能では、モノクロ/カラープロファイルコントロールが面白い。ファインダー内で絵作りを追い込めるのがユニークで使ってみたくなる機能だ。

OM-Dシリーズは一眼レフスタイルを採用していることもあり、じっくりと撮影を行うことに向いたカメラだ。いっぽうのPENシリーズは、それよりはカジュアルに撮影を楽しむことをコンセプトにしている。PEN-Fは、PENシリーズのフラッグシップモデルとして、これまで以上に撮影を楽しむことに重きを置いた、趣味性の高いカメラだ。市場想定価格はボディ単体が15万円程度とけっして安くはないが、価格に見合う価値のある製品だと思う。

真柄利行(編集部)

真柄利行(編集部)

体力勝負ならそこそこ強い編集部デスク。カメラやAV家電を中心に製品のレビュー記事を担当しています。撮られるのは苦手ですが撮るのは好きです。

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