オートフォーカスやEVFの性能が向上。4K動画記録も可能に

進化のポイントは“動体”への対応! 一眼レフスタイルの新型ミラーレスカメラ「FUJIFILM X-T2」詳細レポート

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富士フイルムは2016年7月7日、ミラーレスデジタルカメラの新モデル「FUJIFILM X-T2」(以下、X-T2)を発表した。富士フイルムが展開するプレミアムカメラ「Xシリーズ」のミラーレスには、レンジファインダースタイルと一眼レフスタイルの2つのタイプが用意されているが、X-T2は一眼レフスタイルの新しいフラッグシップモデルだ。2016年3月に発売されたレンジファインダースタイルのフラッグシップ「X-Pro2」の画質スペックを取り入れながら、レスポンスやオートフォーカス、電子ビューファインダーが進化した高性能ミラーレスとなっている。新製品発表会で得た情報を交えながら従来モデル「X-T1」からの進化点を紹介しよう。

X-T1の後継モデルとして発表になったX-T2。9月の発売が予定されている

X-T1の後継モデルとして発表になったX-T2。9月の発売が予定されている

画質性能
「X-Pro2」のスペックを継承。「ACROS」モードなどにも対応

X-T2の画質に関するスペックはX-Pro2と同等で、X-Pro2と同じ新世代の撮像素子と画像処理エンジンを採用している。

撮像素子は、光学ローパスフィルターなしでもモアレ・偽色を抑えられる独自のカラーフィルター配列「X-Transカラーフィルター」を採用した、有効約2430万画素のAPS-Cセンサー「X-Trans CMOS III」(光学ローパスフィルターレス仕様)。画像処理エンジンは最新の「X-Processor Pro」で、感度は常用でISO200〜ISO12800に対応する(拡張でISO100/ISO25600/ISO51200に対応)。Xシリーズの魅力であるすぐれた色再現・階調再現はそのままに、従来モデル以上に高感度時の低ノイズを実現したとしている。

X-Pro2と同じく、有効約2430万画素のAPS-CセンサーX-Trans CMOS IIIと画像処理エンジンX-Processor Proを採用

感度オート設定はX-Pro2と同様、3つまで登録しておける

感度オート設定はX-Pro2と同様、3つまで登録しておける

また、新世代の撮像素子と画像処理エンジンの組み合わせによって、仕上がり設定の「フィルムシミュレーション」では、X-Pro2で好評を得ている白黒モード「ACROS」に対応するようになった。ACROSを含めて15種類のモードが用意されている。フィルム写真が持つ独特の粒状感を再現する「グレイン・エフェクト」の利用も可能だ。

なお、X-Pro2発表時に価格.comのクチコミ掲示板において「X-Pro2の体験イベントでACROSモードとグレイン・エフェクトはX-T1などの従来モデルでもファームウェアアップデートで対応する予定との説明を受けた」という書き込みがあったため、新製品発表会で富士フイルム担当者にその点を確認したところ、「一部のイベントで誤った情報を出してしまった」とのこと。あらためて、ACROSモードとグレイン・エフェクトについては「X-Trans CMOS IIIセンサーと画像処理エンジンX-Processor Proの組み合わせによって実現した機能であり、従来モデルにこれからの機能は実装できない」との回答を得た。

好評を得ているACROSモードを搭載

好評を得ているACROSモードを搭載

レスポンス
さらなるパフォーマンス向上を実現。「ブースト」モードも新搭載

X-T2は、X-Pro2と同じセンサーとエンジンを採用しているが、信号処理のファームウェアを更新するなどの改善により、X-Pro2を超える性能をいくつか実現している。その1つがレスポンスの向上だ。起動時間は0.3秒、シャッタータイムラグは0.05秒、撮影間隔は0.19秒、ブラックアウト時間は0.130秒。連写は最速で約8コマ/秒に対応している。

さらに、消費電力設定のパフォーマンスに、通常よりもレスポンスがアップする「ブースト」モードが新設された。このモードを選択するとオートフォーカス速度が最短0.08秒から0.06秒に向上するほか、後述するEVFのフレームレートが60fpsから100fpsに向上する。

ちなみにX-Pro2は、起動時間0.4秒、シャッタータイムラグ0.05秒、撮影間隔0.25秒、オートフォーカス速度0.06秒というスペックとなっている。

消費電力設定のパフォーマンスには、「ノーマル」と「ブースト」の2モードが用意されている。ブーストモード時はオートフォーカス速度が最短0.06秒になるなどカメラのパフォーマンスがアップする。ちなみに、X-Pro2では「エコノミー」「スタンダード」「ハイパフォーマンス」の3モードを選択できる

オートフォーカス
測距点数が増えたほか動体追従性能の精度も向上

X-T2はオートフォーカス性能の向上も大きなトピックだ。

測距点数は、従来モデルX-T1の49点から91点(最大325点)に拡大(X-Pro2は77点・最大273点)。像面位相差AFは全画面の約40%(画面中央部49点)のエリアをカバーする。加えて、アルゴリズムの改善によって、像面位相差AFが苦手としていた点光源やコントラスト低い被写体の捕捉性能が向上。ライブビュー中のAFサーチ回数も増加し、より高精度な予測AFが可能になるなど、多くの点で進化を遂げている。

さらに、全画面の約85%をカバーするコントラストAFの性能も向上。読み出し速度を従来比の2倍にアップするなどして、より高速・高精度なオートフォーカスを実現したとのことだ。低照度時の合焦性能も向上しており、-3EVの低照度時でも正確なフォーカシングが可能としている。

91点(最大325点)の測距点数を誇るオートフォーカスシステムを採用。像面位相差AFは全画面の約40%をカバーする

さらに、AF-C(コンティニュアスAF)のアルゴリズムを大幅に改良し、動体追従性能の精度もアップ。「被写体保持特性」「速度変化特性」「ゾーンエリア特性」の3要素からAF-Cの特性を細かく設定できるのも特徴だ。特性・追従性の設定は5つのプリセットを選択することもできる。

AF-Cのカスタム設定の画面。「SET 1 基本」「SET 2 障害物に強い」「SET 3 加速減速に強い」「SET 4 急出現に強い」「SET 5 激しい動きに強い」の5種類のプリセットを利用できる

AF-Cのカスタム設定では、ユーザーが「被写体保持特性」「速度変化特性」「ゾーンエリア特性」のパラメーターを調整して登録しておける

被写体保持特性は、被写体に対するフォーカス特性を設定する項目。捕捉した被写体が遮蔽物の陰に隠れたりフレームアウトした場合や、距離差のある被写体以外のものが入ってきた場合に、すぐに他の被写体にピントを切り替えるか、ピントを保持し続け再出現を待つかを設定する

速度変化特性は、被写体の速度変化に対する追従性を設定する項目。「0(等速)」に設定すると速度変化を考慮しない予測結果となり、「2(変速)」に設定をすると速度変化を考慮する

ゾーンエリア特性は、ゾーンAF選択時のみ有効な設定で、ゾーンエリア内のどのエリアを優先してピントを決定するかというAF特性を設定できる

電子ビューファインダー
倍率0.77倍の大きな見え方を継承しつつ、さらにハイレスポンスに

従来モデルX-T1では、非常に大きな見え方をする電子ビューファインダー(EVF)を搭載したことで話題を集めた。X-T2ではX-T1の見え方を継承しつつ、さらに高性能なファインダーに進化している。

表示デバイスに約236万ドットの0.5型有機ELを採用し、光学系にこだわることで、ファインダー倍率0.77倍、水平視野角31度という大きな見え方を継承。表示タイムラグ0.005秒もX-T1と同じスペックだ。

そのうえで、最大画面輝度が従来比で約2倍に向上。X-Pro2などに搭載された自動明るさ調整機能も追加されており、逆光時などでもファインダーの視認性の低下を防いで撮影することができる。また、ライブビュー表示の解像度を向上させることで、モアレや偽色を低減。より高精度なピント合わせが可能になったという。

さらに、ライブビュー時は、消費電力設定のパフォーマンスが「ノーマル」モード時で60fps、「ブースト」モード時で100fpsという高速フレームレートでの表示を実現(X-T1は最速54fps、X-Pro2は最速85fps)。動体撮影時でも切れ目のない、滑らかなライブビュー表示が可能とのこと。また、高速フレームレートは低照度時でも維持されるので、夜間撮影などでも快適なフレーミングが行えるとのことだ。

加えて、ライブビュー表示の並列処理や、シャッターチャージの高速化などによって、ブラックアウト時間が従来モデル比で半分以下(0.130秒)にまで短縮されたのも見逃せない。これにより、ライブビューの表示時間が長くなり、ファインダーで被写体をしっかりと確認しながらの連写撮影が可能になった。なお、プレスリリースなどでは「5コマ/秒のライブビュー連写が可能」と書かれているが、これは約5コマ/秒の低速連写時にライブビュー表示のパフォーマンスが最大化され、非常に滑らかな表示で撮影できることを意味しているとのこと。

従来モデルでのライブビュー連写のイメージ。ブラックアウト時間が0.28秒と長く、ライブビューの表示時間は0.05秒となっている

X-T2でのライブビュー連写のイメージ。ブラックアウト時間は0.13秒まで短縮され、ライブビューの表示時間は0.20秒まで長くなっている

3コマ/秒で連写した場合に、X-T2とX-T1のEVF内の表示を比較したデモ。X-T2で5コマ/秒のライブビュー連写を行った場合の表示も確認できる

製品 価格.com最安価格 備考
FUJIFILM X-T2 ボディ 151,192 一眼レフスタイルの新しいフラッグシップモデル
FUJIFILM X-T2 レンズキット 185,800 一眼レフスタイルの新しいフラッグシップモデル(標準ズームレンズ付属)
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2017.1.20 更新
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