交換レンズ図鑑

ニコンが理想とする“三次元的ハイファイレンズ”の第2弾! 中望遠レンズ「AF-S NIKKOR 105mm f/1.4E ED」実写レビュー

このエントリーをはてなブックマークに追加

今回の連載「交換レンズ図鑑」は、ニコンの新しい大口径・中望遠レンズ「AF-S NIKKOR 105mm f/1.4E ED」を取り上げる。焦点距離105mmながら絞り開放F1.4というクラス最高の明るさを実現した注目の高級レンズだ。ニコンが理想とする設計思想「三次元的ハイファイ(高再現性)」を取り入れ、美しいボケ味を実現したという描写力をチェックした。

焦点距離105mmで開放F1.4とAFの両立を実現した世界初のレンズ

AF-S NIKKOR 105mm f/1.4E ED(ボディはD810)

AF-S NIKKOR 105mm f/1.4E ED(ボディはD810)

・NIKKOR伝統の105mmレンズの最新モデル
・100〜105mmクラスで開放F1.4とAFを両立した世界初のレンズ
・「三次元的ハイファイ」の設計思想を取り入れ、ボケ味を徹底追及
・EDレンズを3枚採用し、高い描写性能を実現。点像再現性も高い
・「ナノクリスタルコート」やフッ素コートを採用

105mmという焦点距離の単焦点レンズは、NIKKORレンズでは伝統的な製品で、これまでに数多くの銘モデルが登場している。1980年代に発売された比較的新しいマニュアルフォーカスレンズでは「AI Nikkor 105mm F2.5S」や「Ai Nikkor 105mm F1.8S」などがある。現在のニコンの製品一覧ページには、AF-S NIKKOR 105mm f/1.4E EDのほかにも、独自のボケ味コントロール機能を内蔵する「AI AF DC-Nikkor 105mm f/2D」やマイクロレンズ「AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED」などが紹介されている。

新モデルとなるAF-S NIKKOR 105mm f/1.4E EDは、ニコンの最新の光学設計を採用することで、焦点距離105mmという中望遠域のレンズながら絞り開放F1.4という大口径を実現。これまで中望遠レンズでは焦点距離85mmで開放F1.4というスペックのレンズはいくつもあったが、「105mmで開放F1.4」というスペックは初めて。ニコンは、中望遠100〜105mmクラスの35mmフルサイズ対応の単焦点レンズにおいて、開放F1.4とオートフォーカスの両立を世界で初めて実現したレンズと発表している。スペックからは、F1.4の絞り値が生み出す浅い被写界深度と大きなボケ、ならびに中望遠の適度な圧縮効果を生かした写真表現が楽しめるレンズと言えよう。

焦点距離105mmで開放F1.4の大口径を実現。フィルター径は82mmと大きい

焦点距離105mmで開放F1.4の大口径を実現。フィルター径は82mmと大きい

このレンズの大きな特徴となるのが、大口径の標準単焦点レンズ「AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G」でも追求した「三次元的ハイファイ(高再現性)」という設計思想を継承していること。三次元的ハイファイを取り入れた第2弾モデルとなっている。

三次元的ハイファイは、「三次元の被写体を、写真という二次元のフィールドに、より自然な三次元の像として再現する」という、ニコンが理想とする設計思想。単にピントが合っている部分の解像力やコントラストを引き上げるのではなく、ピントが合っているところから、ボケかけたところ、完全にボケたところまでの連続性を重視し、立体感の向上を図るというもの。AF-S NIKKOR 105mm f/1.4E EDでは、ピント面からなだらかに変化していく美しいボケを実現しており、ポートレートや静物撮影において、自然な奥行き感のある描写が可能とのことだ。

レンズ構成は9群14枚。EDレンズを3枚採用することで色収差を効果的に抑え、高い描写性能を実現しているという。特に、前群にEDレンズを2枚配置することで、軸上色収差を効果的に補正するのがポイント。明暗差の大きなシーンでも、ハイライトのエッジ部分で発生しやすい色収差を低減できるとしている。さらに、遠景などの撮影においては、絞り開放でも画像の周辺部までシャープに再現する高い描写力を発揮するほか、点光源を歪みやにじみの少ない点として描写する、高い点像再現性も実現したとしている。

3枚のEDレンズを採用。前群にEDレンズを2枚配置することで、軸上色収差を効果的に補正する

3枚のEDレンズを採用。前群にEDレンズを2枚配置することで、軸上色収差を効果的に補正する

AF-S NIKKOR 105mm f/1.4E EDのMTF曲線

AF-S NIKKOR 105mm f/1.4E EDのMTF曲線

このほか、ゴーストやフレアーを効果的に低減する高性能な「ナノクリスタルコート」を採用。レンズの最前面と最後面には、防汚性能と耐久性にすぐれるフッ素コートが施されている。連写時にも安定した露出制御が可能な電磁絞り機構も採用。絞り羽根は9枚(円形絞り)。

サイズは約94.5mm(最大径)× 106mm(レンズマウント基準面からレンズ先端まで)で、重量は約985g。フィルター径は82mm。焦点距離105mmで開放F1.4を実現しているだけあって前玉の口径は大きいが、全長はそれほど長くない。最短撮影距離は1.0m。レンズケース「CL-1218」やバヨネットフード「HB-79」などが付属する。

レンズの全長は106mm。焦点距離105mmで開放F1.4というスペックからはそれほど長くなく、鏡筒もスリムにまとまっている

バヨネットフード「HB-79」が付属する

バヨネットフード「HB-79」が付属する

実写作例

※以下に掲載する作例は、D810とAF-S NIKKOR 58mm f/1.4Gを組み合わせてJPEG形式の最高画質(画質モード:FINE、JPEG圧縮:画質優先)で撮影したもの(JPEG撮って出し)、もしくは、RAW形式のデータをJPEG形式に変換したもの(Capture NX-D Ver.1.4.2を利用)になります。いずれの作例も、長秒時ノイズ低減:しない、高感度ノイズ低減:標準、ヴィネットコントロール:しない、自動ゆがみ補正:しないの設定で撮っています。

※サムネイル画像をクリックすると、撮影写真を長辺900ピクセルに縮小した画像が開きます。リサイズを行なっていない撮影写真は、サムネイル画像下のテキストリンクをクリックすると開きます。なお、撮影写真は開くのに時間がかかる場合があります。

開放F1.4で撮影したポートレート作例。左目のまつ毛付近にピントを合わせている。右目や髪あたりのピント位置からわずかに離れたところで、なだらかにボケが変化しているのが印象的だ
ISO100、F1.4、1/400秒、ホワイトバランス:オート1、ピクチャーコントロール:ポートレート、アクティブD-ライティング:しない、外部フラッシュ使用、JPEG
撮影写真(4912×7360、18.6MB)

F2くらいまで絞るとピント位置付近の描写はシャープになる。二線ボケが目立つような背景だが、やわらかくきれいにボケている
ISO100、F2、1/1000秒、ホワイトバランス:オート1、ピクチャーコントロール:ポートレート、アクティブD-ライティング:しない、JPEG
撮影写真(7360×4912、18.7MB)

木漏れ日を生かしてアンダー気味に撮影。開放F1.4で離れた位置から撮っているが、大きな背景ボケが得られた。ややソフトな仕上がりだが、コントラストは十分
ISO100、F1.4、1/6400秒、ホワイトバランス:オート1、ピクチャーコントロール:スタンダード、アクティブD-ライティング:しない、RAW(ピクチャーコントロールをスタンダードに変更、その他の設定は撮影時のままJPEGに変換)
撮影写真(7360×4912、17.4MB)

開放F1.4でまつ毛にピントを合わせて撮影した。とろけるようなボケが印象的で、ボケのつながり方も自然だ
ISO100、F1.4、1/6400秒、ホワイトバランス:オート1、ピクチャーコントロール:ポートレート、アクティブD-ライティング:しない、JPEG
撮影写真(7360×4912、19.0MB)

製品 価格.com最安価格 備考
AF-S NIKKOR 105mm f/1.4E ED 188,522 焦点距離105mmながら絞り開放F1.4というクラス最高の明るさを実現した中望遠レンズ
このエントリーをはてなブックマークに追加
関連記事
連載最新記事
連載記事一覧
2017.3.24 更新
ページトップへ戻る