交換レンズ図鑑
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オールマイティーな標準マクロレンズ、ソニー「FE 50mm F2.8 Macro」実写レビュー

金網越しに鶏を近距離撮影した1枚。皮膚の細かいところがリアルに再現されている
α7R II、ISO400、F5.6、1/60秒、ホワイトバランス:オート、Dレンジオプティマイザー/オートHDR:切、クリエイティブスタイル:スタンダード、JPEG
撮影写真(7952×5304、19.4MB)

暗い室内にて感度ISO2500で撮ったもの。縁取りがそれほど目立たない、自然なボケが得られている
α7R II、ISO2500、F2.8、1/60秒、ホワイトバランス:オート、Dレンジオプティマイザー/オートHDR:切、クリエイティブスタイル:スタンダード、JPEG
撮影写真(7952×5304、19.3MB)

この作例も暗い屋内で撮影したものになる。光を拾うように撮っているが、暗部の締まりがよく階調も豊かだ
α7R II、ISO640、F2.8、1/60秒、ホワイトバランス:オート、Dレンジオプティマイザー/オートHDR:切、クリエイティブスタイル:スタンダード、JPEG
撮影写真(7952×5304、17.9MB)

開放で撮影したスナップ作例。ピント位置では中央だけでなく周辺もしっかりと解像しており、光学性能の高さを感じる1枚となった。ボケ味もなめらか。歪曲収差もよく抑えられている
α7R II、ISO100、F2.8、1/500秒、ホワイトバランス:オート、Dレンジオプティマイザー/オートHDR:切、クリエイティブスタイル:スタンダード、JPEG
撮影写真(7952×5304、20.6MB)

最短撮影距離が0.16mと短いので料理や小物などのテーブルフォトも撮りやすい
α7R II、ISO400、F2.8、1/80秒、ホワイトバランス:オート、Dレンジオプティマイザー:オート、クリエイティブスタイル:ビビッド、JPEG
撮影写真(7952×5304、18.9MB)

上の作例の被写体にさらに近づいて撮影。外食時の料理写真など、どうしても被写体との距離が短くなってしまう場合でも距離を取らずに撮ることができる
α7R II、ISO400、F2.8、1/50秒、ホワイトバランス:オート、Dレンジオプティマイザー/オートHDR:切、クリエイティブスタイル:ライト、JPEG
撮影写真(7952×5304、15.0MB)

窓ガラス越しに撮影したものになるが、コントラストが高く抜けがよい写真に仕上がった。歪みがなく、画面全域で高い解像感が得られている
α7R II、ISO100、F8、1/200秒、ホワイトバランス:オート、Dレンジオプティマイザー/オートHDR:切、クリエイティブスタイル:スタンダード、JPEG
撮影写真(7952×5304、30.0MB)

日没後の空のグラデーションを狙って、開放で手持ち撮影した1枚。点光源でサジタルハロが見られるものの、周辺でも色収差がほとんど見られずシャープに描写できている。1/8秒という低速シャッタースピードだが、ボディ内手ブレ補正によって手ブレなく撮れたのもポイント
α7R II、ISO200、F2.8、1/8秒、ホワイトバランス:太陽光、Dレンジオプティマイザー/オートHDR:切、クリエイティブスタイル:風景、JPEG
撮影写真(7952×5304、21.2MB)

描写力と使い勝手をレビュー

・開放から高い描写力を発揮。解像力・コントラストともに十分
・近接でも遠景でも周辺まで高画質が得られる。歪曲収差もよく抑えられている
・フォーカスリングは回転角が大きく、マクロでのMFがやりやすい
・AFはマクロ撮影時に大きく迷うことが多く、合焦に時間がかかる

マクロレンズは一般的に描写性能が高く、絞り開放から画面全域で安定した写りをするものが多い。FE 50mm F2.8 Macroも開放からすぐれた描写力を発揮するマクロレンズで、開放でも気になるような画質劣化はなく、素直な写りをする。F4くらいまで絞ったときと比べると、球面収差によるものだと思われるが画面中央で精鋭感がわずかに落ち、エッジ部の色にじみも少し見られるものの、解像力・コントラストともに十分。像面湾曲がよく抑えられており、近接でも遠景でも周辺まで高画質が得られる。さらに、今回はボディ側の歪曲収差補正を「切」(初期設定)にして撮影しているが、描写性能にすぐれるマクロレンズらしく歪曲収差が気にならないのも押さえておきたい点だ。

使い勝手では、フォーカスリングの回転角が大きいのがポイント。バイワイヤ方式(電子制御のモーター駆動)ながらリングの動きがなめらかなので、マクロ撮影時にはマニュアルフォーカスでの微妙なピント調整がやりやすかった。なお、レンズの繰り出し量は極端に多いわけではないが相応にある。繰り出したレンズは、電源を切ると自動的に元の位置に収納される仕様になっている。

オートフォーカスの速度は、マクロレンズとしては及第点だがそれほど速いわけではない。駆動音も気になるレベルではないがそれなりにする。特に気になったのがマクロ域で、オートフォーカスが迷うことが多く、合焦にも時間がかかる。マクロ撮影時は、フォーカスレンジリミッターで近距離側(0.3〜0.16m)にフォーカス範囲を切り替えて使いたいところだ。ただ、フォーカスリングの回転角が大きくて操作しやすいので、マクロ撮影時は、オートフォーカスよりもマニュアルフォーカスでピントを追い込んだほうがスムーズに撮影できると感じた。

まとめ サイズ、描写力、機能性、価格のバランスにすぐれる1本

・コンパクトながらすぐれた描写力を実現した標準マクロレンズ
・マクロだけでなくスナップや風景、テーブルフォトなどでも使用できる
・シーンや被写体に限定されずにオールマイティーに使える
・マクロも含めて幅広いシーンを1本でカバーしたい場合に最適

FE 50mm F2.8 Macroを使ってみて、トータルバランスにすぐれるのが魅力のレンズだと感じた。持ち運びやすいコンパクトな筐体ながらも、近接でも遠景でも高い描写力を発揮するので、マクロはもちろんのことスナップや風景などにも使うことができる。最短撮影距離が短いので料理などのテーブルフォトでも扱いやすい。絞り開放がF2.8と標準レンズとしてはやや暗いものの、シーンや被写体にあまり限定されずに使えるオールマイティーさを持つレンズだ。フォーカスレンジリミッターやフォーカスホールドボタンなどの操作性が充実しているのも特徴となる。価格.com最安価格(2016年10月27日時点)は50,000円程度。サイズ、描写力、機能性、価格のバランスにすぐれた標準マクロレンズと言えよう。

フルサイズ対応FEレンズには標準域の単焦点レンズの選択肢がいくつかあり、FE 50mm F2.8 Macroに価格が近いところでは、絞り開放F1.8の標準レンズ「FE 50mm F1.8」が28,000円、カールツァイスレンズ「Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA」が71,000円(いずれも2016年10月27日時点の価格.com最安価格)となっている。これらのレンズの中で、マクロも含めてより幅広いシーンを1本でカバーしたいのであれば、FE 50mm F2.8 Macroは最適な選択肢になるはずだ。

真柄利行

真柄利行

カメラとAV家電が大好物のライター/レビュアー。雑誌編集や価格.comマガジン編集部デスクを経てフリーランスに。価格.comではこれまでに1000製品以上をレビュー。現在、自宅リビングに移動式の撮影スタジオを構築中です。

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