「α6300」の基本性能をベースに連写持続性や操作性などが向上

5軸手ブレ補正を搭載! ソニーの新型APS-Cミラーレス「α6500」進化点チェック

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ソニーは2016年10月28日、海外発表されていたミラーレス一眼カメラの新モデル「α6500」の国内での発売日と価格を発表。発売日は12月2日で、市場想定価格は15万円前後(ボディ単体)。2016年3月発売の「α6300」の上位に位置する、EマウントAPS-Cミラーレスの新しいフラッグシップモデルだ。α6300からの主な進化点をレポートしよう。

国内発表されたα6500。α6300よりもさらに高性能なミラーレスとして登場する

国内発表されたα6500。α6300よりもさらに高性能なミラーレスとして登場する

新開発のフロントエンドLSIを搭載し、処理性能が大きく向上

α6500は、撮像素子にα6300と同等となる有効約2420万画素のExmor CMOSセンサー(APS-Cサイズ)を採用。銅配線の採用などによって高速読み出しを実現した最新のセンサーだ。画像処理エンジンは「BIONZ X」で、感度はISO100〜25600に対応する(拡張の上限はISO51200。動画撮影時は最高ISO25600)。このあたりのスペックはα6300と変わらないが、α6500は、BIONZ Xに加えて新開発のフロントエンドLSIを搭載するのが大きなトピック。フロントエンドLSIがBIONZ Xを前段でサポートすることで、α6300以上の高速処理と高画質を実現している。画質面では中・高感度域での解像感と質感描写力が向上したとのことだ。

オートフォーカスの基本性能は「α6300」を踏襲。バッファー増強で連写の持続性が飛躍的にアップ

α6500のオートフォーカスシステムはα6300を踏襲。425点の像面位相差AFと169点のコントラストAFを画面のほぼ全域に配置した「ファストハイブリッドAF」を採用し、世界最速となる0.05秒の合焦速度を実現している。200点の以上の微細なAF枠を被写体位置に集中配置し、この高密度な集中枠を被写体の動きにあわせて動的に動かすことで高い追従性を発揮する「高密度AF追従テクノロジー」も搭載している。

425点の像面位相差AFを持つ「ファストハイブリッドAF」を継承

425点の像面位相差AFを持つ「ファストハイブリッドAF」を継承

連写は、AF・AE追従で最高約11コマ/秒(連続撮影モード「Hi+」時)に対応。表示タイムラグを限りなく低減した状態で被写体を確認しながら撮れるライブビュー連写にも対応しており、連続撮影モードが「Hi」時にAF・AE追従で最高約8コマ/秒のライブビュー連写が可能だ。これらの性能はα6300と同等だが、注目したいのは連写の持続性。α6500では、フロントエンドLSIによる高速信号処理とバッファーメモリーの大容量化により、連写の持続性が大幅に向上。連続撮影モード「Hi」/画質「ファイン」時に307枚(約36秒)の連続撮影を達成している。さらに、連写後に撮影画像をすぐに確認できる即時再生も実現した。

連続撮影可能枚数のスペックを比較すると、JPEG Lサイズ エクストラファイン時でα6300は44枚、α6500は233枚。JPEG Lサイズ ファイン時はα6300が47枚、α6500が269枚。RAW記録時はα6300が21枚、α6500が107枚となっている(いずれも連続撮影モード「Hi+」時)。フロントエンドLSIの搭載とバッファーメモリーの増強によって性能が大きく向上していることがわかるはずだ。

このほか、α6300と同様、AF/AE追従で最高約3コマ/秒の連写が可能なサイレント撮影機能も搭載。「トランスルーセントミラーテクノロジー」を搭載しないマウントアダプター「LA-EA3」「LA-EA1」を介してAマウントレンズ(SSMレンズもしくはSAMレンズに限る)をボディに装着時した際に、像面位相差AFを選択・利用することもできる(※動画撮影時に像面位相差AFの利用は不可)。

5軸ボディ内手ブレ補正を搭載。最大5段分の補正効果を発揮

αシリーズのAPS-Cミラーレス一眼として初めてボディ内手ブレ補正機構を搭載したのも大きな進化点だ。APS-Cセンサーに最適化した5軸対応のボディ内手ブレ補正で、最高でシャッタースピード5.0段分相当の補正効果を発揮する。「α7R II」などのフルサイズミラーレスでの補正効果は最高4.5段分だが、α6500では、ジャイロセンサーの進化によって補正効果が向上している。

APS-Cセンサーに最適化した5軸ボディ内手ブレ補正機構を搭載

APS-Cセンサーに最適化した5軸ボディ内手ブレ補正機構を搭載

タッチパネルモニターを採用。グリップの形状なども見直された

ボディはα6300と同様、トップカバー、フロントカバー、内部フレーム、リアカバーすべてにマグネシウム合金を採用。防塵・防滴に配慮した設計だ。グリップの形状が見直され、α7シリーズの第2世代モデルを踏襲した深い形状のグリップを採用するようになり、従来よりもホールド感がよくなっている。

ボディサイズは約120.0(幅)×66.9(高さ)×53.3(奥行)mmで重量は約453g(バッテリーとメモリースティックPROデュオを含む)。5軸ボディ内手ブレ補正機構を搭載しながらもサイズ感はα6300とほぼ同じにまとまっている(※α6300のサイズ・重量は約120.0×66.9×48.8mmで約404g)。

電子ビューファインダーは、約235万ドット表示の「XGA OLED Tru-Finder」を継承。120fpsの高フレームレートでの表示モードにも対応する。対応バッテリーはα6300などと同じ「NP-FW50」で、撮影可能枚数はファインダー使用時で約310枚、液晶モニター使用時で約350枚となっている。対応するメディアはSD/SDHC/SDXCメモリーカード(UHS-I対応)、メモリースティックPRO/PRO-HGデュオなど。Wi-Fi/NFC機能も内蔵する。

α6300と同様、マグネシウム合金ボディを採用

α6300と同様、マグネシウム合金ボディを採用

操作性では、タッチパネル対応のチルト液晶モニター(3.0型ワイド、約92.1万ドット)を採用するのがトピック。ピントを合わせたい位置をタッチ操作で選択できるタッチフォーカスに対応している(タッチシャッターは非対応)。動画撮影中もタッチ操作でピント位置の調整が可能。指でドラッグすることでファインダーを覗きながらフォーカス位置を移動できるタッチパッド機能も搭載している。静止画再生中にダブルタップで拡大表示する操作も可能だ。

ボタンレイアウトも見直されており、上面にカスタム(C2)ボタンを追加。合計で3つのカスタムボタンを利用できるようになった。さらに、レリーズボタンはボタンの口径が大きくなり、従来よりも押しやすくなっている。モードダイヤル/コントロールダイヤルは側面のローレット部分の形状を変更しており、操作感が向上。背面ボタンについても形状変更や印字変更(印刷から刻印に変更)が行われている。アイピースカップは従来よりもやわらかい感触のものになった。

タッチパネル液晶を採用し、タッチフォーカスなどの操作が可能

タッチパネル液晶を採用し、タッチフォーカスなどの操作が可能

左がα6500で、右がα6300(※α6300はアイピースカップ非装着)。グリップが深い形状に変更されたほか、上面にカスタム(C2)ボタンが追加された。レリーズボタンも大きくなっている

モードダイヤル/コントロールダイヤルは側面のローレット部分の形状が変更になった

モードダイヤル/コントロールダイヤルは側面のローレット部分の形状が変更になった

新しい測光モードも搭載しており、Aマウントの新しいフラッグシップ「α99 II」でも採用されたハイライト重点測光と画面全体平均測光の選択が可能。フレキシブルスポットもしくは拡張フレキシブルスポットのときに、スポット測光位置をフォーカスエリアに連動させる設定も追加された。オートホワイトバランスは、標準/雰囲気優先/ホワイト優先の選択が可能に。適正露出値を1/6段刻みで-1〜+1段までの範囲で変更できる露出基準調整や、本体の温度が上がったときに自動で電源をオフにする自動電源OFF温度といった機能も追加されている。

シャッターユニットは新開発で、静音化と約20万回のレリーズ耐久回数を実現。シャッタースピードは最速1/4000秒に対応している(フラッシュ同調速度は1/160秒)

このほか、メニュー画面は分類方法が変更になり、画面上部にグループ表記を追加。タブごとの色分けも加わっている。PCリモート撮影機能の強化(カメラ本体側にも静止画を保存する設定、RAW+JPEG記録時にJPEGファイルのみをPCに転送する設定の追加)、Bluetooth経由での位置情報取得機能なども新たに搭載された。

新開発のシャッターユニットを採用

新開発のシャッターユニットを採用

全画素読み出しによる4K/24p記録に対応。スロー&クイックモーションを新搭載

動画撮影機能ではα6300と同様、Super 35mmフォーマット(APS-Cサイズ相当16:9)での、画素加算のない全画素読み出しによる4K/24p記録に対応。新たに、クイックモーション(早回し)とスローモーション(遅回し)を選択できるようになったのがトピックだ。撮影フレームレートを1コマ/秒、2コマ/秒、4コマ/秒、8コマ/秒、15コマ/秒、30コマ/秒、60コマ/秒、120コマ/秒の8段階から選択できるようになり、記録フレームレートの設定(24p/30p/60p)によって最大60倍までのクイックモーションと、最大5倍までのスローモーションを最大50Mbpsのフルハイビジョン解像度で記録できる。

また、新開発のフロントエンドLSIの搭載によって、フルハイビジョン動画での高感度画質が向上。ノイズの発生をより良好に抑制し、解像感の向上を実現しているという。動画からの静止画切り出しも可能で、4K動画からは約800万画素、フルハイビジョン動画からは約200万画素の静止画ファイルを作成できる。

このほか、α6300と同様、HDMIクリア出力やピクチャープロファイル、タイムコード/ユーザービット、レックコントロール、ゼブラ機能、ガンマ表示アシストといったプロフェッショナル向けの機能も搭載。ガンマカーブはS-Log2/S-Log3に、カラーモードはS-Gamut3/S-Gamut3.cineに対応する。XLRアダプターキットの利用も可能だ。

まとめ プロやハイアマチュア注目の高性能なAPS-Cミラーレス

2016年3月に発売になったα6300は、ミラーレス一眼としてトップレベルとなる高速オートフォーカスと高速連写、さらに表示タイムラグを抑えたライブビュー連写を実現し、本格的な動体撮影にも対応できるコンパクトなミラーレスとして人気が高い。全画素読み出しによる高画質な4K/24p記録も実現しており、ミラーレスの中でも性能・機能が充実したハイスペックなモデルだ。

その上位機種となるα6500は、フロントエンドLSIの搭載によって処理性能が向上し、バッファーメモリーの容量増加によって連写の持続性が大幅にアップ。さらに動体撮影に強いミラーレスに進化を遂げている。ボディサイズはほぼそのままに5軸ボディ内手ブレ補正を内蔵したのも大きく、APS-Cセンサーを搭載するミラーレスの中では、現時点で最高レベルの性能・機能を持つモデルなのは間違いない。高性能なミラーレスとしてプロやハイアマチュアからの注目を集めそうだ。

真柄利行

真柄利行

カメラとAV家電が大好物のライター/レビュアー。雑誌編集や価格.comマガジン編集部デスクを経てフリーランスに。価格.comではこれまでに1000製品以上をレビュー。現在、自宅リビングに移動式の撮影スタジオを構築中です。

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2017.10.23 更新
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