35mmフルサイズを上回る中判サイズの大型撮像素子を採用

富士フイルム初の中判ミラーレスカメラ「GFX 50S」発表会レポート! 舞台は大政奉還が行われた京都・二条城

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富士フイルムは2017年1月19日、中判サイズの撮像素子を採用するミラーレスカメラ「FUJIFILM GFX 50S」(以下、GFX 50S)の発表会を開催した。昨年の「フォトキナ2016」で開発発表された製品で、プロカメラマンやハイアマチュアユーザーから大きな注目を集めているカメラだ。同社が京都市内で行うイベント「FUJIKINA 2017 京都」の開催を前に、世界遺産である京都の二条城で行われた発表会の様子をお届けしよう。

会場に展示されていたGFX 50S

会場に展示されていたGFX 50S

会場となったのは二条城の二の丸御殿台所

会場となったのは二条城の二の丸御殿台所

発表会のテーマは“大政奉還”

発表会のテーマは“大政奉還”

大政奉還になぞらえて新しい時代を切り開くミラーレスカメラ「GFX 50S」を紹介

発表会の冒頭に登壇した古森重隆氏(富士フイルム代表取締役会長・CEO)は、今回のGFX 50Sの発表会場に京都の二条城を選んだ理由について、ちょうど150年前の1867年に大政奉還が行われた場所で、およそ250年続いた江戸幕府が終わり、新しい時代が始まった場所であることに触れた。大政奉還になぞらえて約100年前にライカが採用した35mmフォーマットからの開放、あるいは約70年前に開発された一眼レフからの脱却をテーマに、新しい時代のカメラとしてGFX 50Sを紹介したい意図があったと説明。GFX 50Sはデジタルカメラの新しい歴史を作る製品で、35mmフルサイズ一眼レフからミラーレスに変わる歴史的転換点になるとした。

古森氏はその後、同社の主力製品であったフィルムの需要減少にともなう事業の多角化、デジタルカメラ事業のスタートと歴史、プレミアムカメラ「Xシリーズ」が好調であることなどを紹介。その中でも特に印象的だったのが、写真事業を継続することを力強く宣言したことだ。古森氏は「富士フイルムはカメラの歴史を作るメーカーであり、写真文化を守るメーカー。写真文化を継承・発展させるのは富士フイルムの社会的使命だ」と語った。あわせて、その事業を大きく前進させるのが、今回のGFX 50Sであるとした。

GFX 50Sの特徴については、フルサイズの約1.7倍の大きさとなる中判サイズの大きな撮像素子を採用し、同じ画素数の35mmフルサイズ機と比べて解像力、高感度性能ともに上回ると説明。大きなサイズの印刷を行う商業写真や風景写真の撮影に適したカメラで、大型の撮像素子ならではの立体感のあるボケ味や、細かい質感描写、豊かな階調はポートレートやウェディング写真の分野でも活躍できるとした。また、「最高画質を引き出すには大きくて重いカメラが必要という常識はもはや存在しない」とGFX 50Sのコンパクトさをアピール。価格についても、より多くの方の手に届くように、標準レンズとあわせて実売100万円を切る価格に設定したと説明した。

古森氏は最後に「GFX 50Sは写真やカメラの歴史・文化に新たな1ページを切り開くカメラ。150年前の大政奉還によって日本の歴史が新しい時代に移ったように、GFX 50Sがカメラの歴史を動かす。数年後に振り返ったときに、あの発表会がゲームチェンジのイベントだったと思っていただけると確信している」と語った。

富士フイルム代表取締役会長・CEOの古森重隆氏

富士フイルム代表取締役会長・CEOの古森重隆氏

GFX 50Sの特徴紹介――なぜ中判なのか?

続いて、富士フイルムの飯田年久氏(光学・電子映像事業部長)が登壇。プレゼンテーションのテーマとして「なぜ中判なのか?」「なぜミラーレスなのか?」「なぜ富士フイルムなのか?(なぜ富士フイルムがそれをするのか?)」という3つの疑問をあげ、これらの疑問に答える形でGFX 50Sの特徴を紹介した。

飯田氏は「なぜ中判なのか?」という疑問に対して、フルサイズではなく中判サイズの撮像素子を採用した大きな理由として「良質で潤沢な光を得るため」と説明。35mmフルサイズとGFX 50Sに採用された中判サイズの撮像素子を同じ5000万画素で比べると、GFX 50Sは1画素あたりの面積がフルサイズよりも約70%大きく、より多くの光を取り込めるため、解像感や奥行き感、空気感、立体感がまったく異なる画質が得られるとした。さらに、14段の広いダイナミックレンジを確保したのも特徴。逆光シーンでもハイライトからシャドーまで表現でき、色のつながりもなめらかに描写できるとした。あわせて、被写体の浮き出るような大きなボケについても大型撮像素子のメリットとして紹介した。

GFX 50Sの特徴紹介――なぜミラーレスなのか?

「なぜミラーレスなのか?」については「これまでの中判カメラや一眼レフから開放して、自由な撮影を実現するため」と説明。GFX 50Sの重量は920gで、従来の中判カメラよりおよそ4割軽く、フルサイズ機と比べてもコンパクト。これまでの中判カメラの常識を覆す小型・軽量化を実現したとアピールした。

あわせて、ミラーレスはミラーの動きによるショック(ミラーショック)が画質に影響を与えないこともメリットと説明。同社のテスト結果では、5000万画素の撮像素子の場合、一眼レフではミラーショックによって15%ほど解像度が落ちるとのこと。撮像素子が大きくなるとミラー駆動の音が大きくなることにも触れ、ミラーレスのGFX 50Sはシャッター音が静かで、被写体との関係を崩さずに写真を撮ることができるとした。

背面の液晶モニターは「X-T2」で好評を得た3軸のチルト式。EVFは着脱式で、別売のアダプターを加えることで動かして撮ることができるとし、いかなる撮影スタイルにも応えられるスタイルだと説明した。

被写界深度の浅い中判カメラにはシビアなフォーカス精度が求められるが、撮像素子によるコントラストAFによって精度が高いこともミラーレスのメリットとした。16倍の拡大表示も可能で、正確なフォーカシングをサポートする。

このほか、タッチパネルに対応しており、直感的な操作を実現した点、ボディ・レンズともに防塵・防滴仕様で耐低温設計も実現した点にも触れた。従来の中判フィルム用のレンズが装着できるマウントアダプターと、GFX 50Sをデジタルバックとして使用できるビューカメラアダプターなども紹介した。

GFX 50Sの特徴紹介――なぜ富士フイルムなのか?

最後の疑問「なぜ富士フイルムなのか?(なぜ富士フイルムがそれをするのか?)」について飯田氏は、GFX 50Sには富士フイルムの撮像素子の設計技術が生かされていることをアピールした。GFX 50Sに採用したのは約44×33mmの大型撮像素子で独自に設計したもの。すみずみまで効率よく受光するためマイクロレンズをカスタマイズしたほか、シリコンプロセスや開口部の形状も独自設計を施しているという。マウントも新設計のGマウントで集光効率を最適化。バックフォーカスは16.7mmでカメラボディの小型化、ならびにレンズの小型化にも寄与しているという。

また、富士フイルム製デジタルカメラの最大の特徴は色再現性の高さとし、人の記憶に残る、感動を呼ぶような色再現技術が富士フイルムにはあると説明。画像処理エンジン「X-Processor Pro」を採用し、好評を得ているJPEG撮って出しの画質は、GFX 50Sの大型撮像素子との組み合わせでさらに向上するとした。GFX 50Sに新たに搭載された「カラークローム・エフェクト」については、赤くて鮮やかな花など階調表現が難しい被写体も階調を再現することができると説明。最後に「GFX 50Sで追求するのは写真表現で高画質の極み」とし、画質重視でカメラを開発していることをアピールした。

ボディの価格についてはオープンだが、標準レンズとの組み合わせで100万円を切る価格であると説明。発売は2月下旬で、世界同時発売を予定しているとのことだ。

真柄利行

真柄利行

カメラとAV家電が大好物のライター/レビュアー。雑誌編集や価格.comマガジン編集部デスクを経てフリーランスに。価格.comではこれまでに1000製品以上をレビュー。現在、自宅リビングに移動式の撮影スタジオを構築中です。

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2017.10.16 更新
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